JPS6135473Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えばデイーゼルエンジン搭載車の
倍力式ブレーキを作動するバキユームを貯えるバ
キユームタンクの改良に関する。

バキユームタンクは、安全性を高めるために従
来、第１図に示すように円筒状のタンク殻体１の
内部に設けた隔壁体２により、複数のタンク室
３，４を画成している。

このようなバキユームタンクを作るには、タン
ク殻体１内側に隔壁体２を嵌め込み、位置決めし
てから溶接などして固着しなければならず、その
作業はタンク殻体１が邪魔になつて難しく、かつ
タンク室の正確な容量設定が容易でないという問
題があつた。また、構成部品が多いので、プレス
加工などに要するプレス型の製作費が高くつくと
いう欠点もあつた。

そこで、本考案は同一形状のタンク殻体をいく
つか重ね合せることにより、複数のタンク室を形
成するようにしたバキユームタンクを提供するこ
とを目的とする。

以下、本考案の実施例を図面にもとづいて説明
する。

５はメインのタンク室、１２はサブのタンク室
であり、これらタンク室５，１２は、有底筒状に
形成された同一形状の三個のタンク殻体６を一体
化することにより形成される。

タンク殻体６は、その円筒部１０のほぼ中央に
設けた段付部８を境にして小径部９と大径部１１
とが形成され、小径部の外径l₁は大径部１１の内
径l₂と同一に設定してある。

そして、２つのタンク殻体６Ａ，６Ｂを互に向
き合せてフランジ部７で溶接するとともに、もう
一つのタンク殻体６Ｃを例えばタンク殻体６Ｂの
小径部９に嵌め込み、そのラツプ代Ｌを適宜調整
して溶接することにより、メインタンク室５とサ
ブタンク室１２を形成する。

なお、図中１３，１４はバキユームポンプおよ
び倍力式ブレーキのパワーシリンダ（共に図示せ
ず）に配管接続されるアダプタである。

このようにして本考案は、メインタンク室５と
サブタンク室１２とを、殻体６により形成するよ
うにしたので、プレス型が一種類ですみ、量産性
にすぐれ、また、その合せ面だけを接着するので
溶接が容易になる。

サブタンク室１２は、タンク殻体６Ｂの小径部
９に嵌合するタンク殻体６Ｃを移動させてラツプ
代Ｌを調整することにより容量の設定を容易かつ
正確に行える。

またサブタンク室１２は外側から新たなタンク
殻体６Ｄを嵌めることにより、所定容量のものを
いくつでも付加することができる。

したがつて、本考案は複数個のタンク室を有す
るバキユームタンクを、能率的かつ低コストに生
産できるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来タンクの断面図、第２図は本考案
の一実施例を示すタンクの斜視図、第３図は同断
面図である。 ５……メインタンク室、６……タンク殻体、９
……小径部、１２……サブタンク室、１１……大
径部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. メインタンク室とすくなくとも１つのサブタン
   ク室とをもつバキユームタンクにおいて、小径部
   の外径と大径部の内径とが一致する段付部をもつ
   有底筒状でかつその開口部にフランジ部を備えた
   同一形状にタンク殻体を、互いにフランジ部を介
   して対向接合してメインタンク室を形成するとと
   もに、タンク殻体の小径部に外側から前記メイン
   タンク室を形成したのと同一形状の別のタンク殻
   体を嵌合してサブタンク室を設けたことを特徴と
   するバキユームタンク。