JPS6134589B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、弁本体内に摺動自在に嵌装したスプ
ールをパイロツト圧によつて切り換えることがで
きるようにした切換弁に関する。

この種の切換弁であつてスプールを中立位置に
保持できるようにした３位置切換型のものとし
て、第５，６図に示すものあるいは第７，８図に
示すものが従来知られている。

これらは、いずれも、インポート１、左右のア
ウトポート２，２、左右のエキゾーストポート
３，３を有する弁本体４内に、左右両端に突部
５，５を有するスプール６を左右摺動自在に嵌装
するとともに、弁本体４内の左右両側に、左右の
中空ピストン７，７を摺動自在に嵌装し、これら
中空ピストン７，７とスプール６の突部５，５と
を相対摺動自在に嵌合したもので、第５，６図に
示すものではいわゆるエキゾーストセンタ型、第
７，８図に示すものはクローズドセンタ型になつ
ている。

そして、いずれも、弁本体４の左右両側のパイ
ロツトポート８，８を通じてスプール６の左右両
突部５，５及び左右の両中空ピストン７，７にパ
イロツト圧をかけたときには、第５図あるいは第
７図に示すようにスプール６が中立位置に保持さ
れ、また左右いずれか一方側だけパイロツト圧を
かけたときには、第６図あるいは第８図に示すよ
うにスプール６が他方側に偏倚するようになつて
いる。

しかし、これら従来のものはいずれも、スプー
ル６の両端の突起５，５の外周に中空ピストン
７，７を設けるため、弁本体４が大きくなるとと
もに、いわゆる排気絞りを行うとスプール６が切
り換わらなくなるおそれがあることから、実際上
それを行うことができない。すなわち、エキゾー
ストポート３，３に絞りが接続してあると仮定す
ると、スプール６が摺動して左側のアウトボート
２と左側のエキゾーストポート３とが連通すると
き、あるいは右側のアウトポート２と右側のエキ
ゾーストポート３とが連通するときに、スプール
６の左はじのランド部９と左側の中空ピストン７
との間、あるいはスプール６の右はじのランド部
９と右側の中空ピストン７との間に圧縮空気が入
り、ここに入つた圧縮空気がスプール６に対し背
圧として作用するとともに、スプール６のさらに
引き続く同方向への摺動にともない圧縮されてス
プール６のそれ以上の摺動を抑制するもので、こ
れによつてスプール６の切り換え作動が妨げられ
るものである。

そこで、本発明の目的は、上記従来のものに比
べ小型化できるとともに、排気絞りを行つても何
ら支障の無い切換弁を提供することにある。

この目的を達成するため、本発明は、スプール
を円筒形にして両端が開放された空室を形成し、
この空室の両端開口をカバーで閉塞するととも
に、この空室内に、突部を有する一対の反発ピス
トンを、互いに逆向きにして摺動自在に嵌装し、
これら両反発ピストンを、上記空室内に配置した
１個のばねで互いに外方へ付勢し、両反発ピスト
ンの突部を上記両側のカバーより空室の外方へ突
出させてその外端面を弁本体の両側の内側面にそ
れぞれ圧接させ、またスプールの中央部に、その
空室と弁本体のインポートとを連通させる連通孔
を穿設したものである。

以下に本発明を、エキゾーストセンタ型にした
第１，２図に示す第１実施例と、クローズドセン
タ型にした第３，４図に示す第２実施例の２つの
実施例について詳細に説明する。

まず、第１実施例について述べると、弁本体１
０は、ハウジング１１の左右両端開口をカバー１
２，１２で閉塞して構成され、ハウジング１１
に、インポート１３、左右のアウトポート１４，
１４及び左右のエキゾーストポート１５，１５
を、またカバー１２，１２にそれぞれパイロツト
ポート１６，１６を形成している。

ハウジング１１内には、中央と左右両端部の３
個所にランド部１７………を形成したスプール１
８が左右摺動自在に嵌装されている。

このスプール１８は、円筒形で両端が開放した
空室１９を形成し、該空室１９の両端開口は、そ
こに嵌着したカバー２０，２０にて閉じられてい
る。

この空室１９内の左右両側に、左右１対の反発
ピストン２１，２１が左右摺動自在に嵌装されて
いる。

これら両反発ピストン２１，２１はそれらの突
部２２，２２が外側に向くように互いに逆向きの
開係にされ、その突部２２，２２がそれぞれ左右
のカバー２０，２０を摺動自在に貫通するように
なつている。そして両反発ピストン２１，２１
は、それらの間において空室１９内に配設したば
ね２３により互いに外方へ付勢され、常時はそれ
ぞれカバー２０，２０に圧接してそれらの突部２
２，２２を空室１９の左右外方へ突出させるよう
になつている。

スプール１８の中央のランド部１７には、イン
ポート１３を通じて供給される圧力流体（例えば
圧縮空気）を空室１９内に導入できるように、１
個あるいは２個以上の連通孔２４が穿設され、両
反発ピストン２１，２１は、この連通孔２４を通
じて空室１９内に導入される圧縮空気によつて
も、互いに外方へ付勢されるようになつている。

しかして、常時は第１図に示すように、両反発
ピストン２１，２１は、ばね２３の作用によりそ
れぞれ空室１９の左右のカバー２０，２０に圧接
するとともに、それらの突部２２，２２先端（外
端）が弁本体１０の左右のカバー１２，１２の内
側面に圧接するもので、これによりスプール１８
は中立位置に保持される。そして、この状態にお
いてインポート１３に圧縮空気を供給すると、そ
れが連通孔２４を介して空室１９内に流入し、こ
の流入した圧縮空気によつて両反発ピストン２
１，２１は互いに外方へ付勢されるにより、スプ
ール１８はさらに強固に中立位置に保持される。
このとき、左側のアウトポート１４と左側のエキ
ゾーストポート１５とが連通し、また右側のアウ
トポート１４と右側のエキゾーストポート１５と
が連通している。

第１図の中立状態において、左側のパイロツト
ポート１６を通じてスプール１８の左側にパイロ
ツト圧をかけると、第２図に示すように右側へ偏
倚する。このとき、左側の反発ピストン２１は、
その突部２２を空室１９の外方へ突出させたまま
スプール１８とともに移動するが、右側の反発ピ
ストン２１は、その突部２２の先端を右側のカバ
ー１２に圧接させて停止したままその突部２２が
スプール１８に対し引き込む状態になる。

この右側偏倚状態においては、インポート１３
と左側のアウトポート１４とが連通し また右側
のアウトポート１４と右側のエキゾーストポート
１５とが連通するもので、このエキゾーストポー
ト１５にたとえ絞りが接続されていても、スプー
ル１８は何ら支障なく右側へ偏倚すること明らか
である。

これとは逆に、右側のパイロツトポート１６を
通じてスプール１８の右側にパイロツト圧をかけ
ると、スプール１８は右側の反発ピストン２１を
ともなつて左側に偏倚し、左側の反発ピストン２
１の突部２２がスプール１８に対し引き込む状態
になる。

次に、第３，４図の第２実施例は、スプール１
８の左右両端部とその間の左右２個所の合計４個
所にランド部１７………を形成し、第３図の中立
状態において全ポートの連通が遮断されるように
したこと、が上記の第１実施例と相違するが、そ
の他の構成については実質的にそれと同じであ
る。

以上述べた通り本発明によれば次ぎのような効
果がある。

左右の反発ピストンをスプールに形成された
共通の空室内に摺動自在に嵌装したため、左右
のピストンをスプール外において弁本体内に装
着した従来のもののごとく、排気絞りを行つた
ときスプールが切り換わらなくなるというよう
なことはなくなる。

供給圧をスプールの空室内へ導き、この空室
内に互いに逆向きに嵌装された両側の反発ピス
トンを、ばね力に加えてさらに供給圧によつて
外方へ付勢し、これらピストンの突部の外端面
を弁本体の両側の内側面に圧接させるため、ス
プールを強固に中立位置に保持できる。

両側の反発ピストンをばねによつて互いに外
方へ付勢したため、供給圧がないときにもスプ
ールを中立位置に保持できる。

スプールを円筒形にしてその空室中に両反発
ピストンを嵌装し、これら反発ピストンを１個
の共通のばねで互いに反対方向へ付勢し、しか
も空室の両端開口をカバーで閉塞したため、構
成が簡略で小型化できるとともに、組み立ても
簡単である。

【図面の簡単な説明】

図面第１，２図は本発明の第１実施例を示す断
面図、また第３，４図は第２実施例を示す断面図
で、それぞれ第１図、第３図が中立状態、第２
図、第４図が右偏倚状態を表している。さらに、
第５，６図は従来のエキゾーストセンタ型の切換
弁を示す断面図、また第７，８図は従来のクロー
ズドセンタ型の切換弁を示す断面図で、それぞれ
第５図、第７図が中立状態、第６図、第８図が右
偏倚状態を表している。 １０……弁本体、１８……スプール、１９……
空室、２０……カバー、２１……反発ピストン、
２２……突部、２３……ばね。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 弁本体に摺動自在に嵌装したスプールをパイ
   ロツト圧によつて切り換えることができるように
   した切換弁において、上記スプールを円筒形にし
   て両端が開放された空室を形成し、この空室の両
   端開口をカバーで閉塞するとともに、この空室内
   に、突部を有する一対の反発ピストンを、互いに
   逆向きにして摺動自在に嵌装し、これら両反発ピ
   ストンを、上記空室内に配置した１個のばねで互
   いに外方へ付勢し、両反発ピストンの突部を上記
   両側のカバーにより空室の外方へ突出させてその
   外端面を上記弁本体の両側の内側面にそれぞれ圧
   接させ、またスプールの中央部に、その空室と弁
   本体のインポートとを連通させる連通孔を穿設し
   たことを特徴とする切換弁。