JPS6134277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は化粧品等を収納する容器に被着され
る蓋体に関し、更に詳述すれば蓋本体に上壁内面
にパツキンが装着されているパツキン付蓋に関す
るものである。

従来、化粧品等を収納する容器の蓋体として、
第１図に示すように有頭円筒状の蓋本体ａの上壁
ｂ内面にパツキンｃを接着剤を用いて接着したパ
ツキン付き容器、或いは第２図に示すように、蓋
本体ａの側壁上端内周面にアンダーカツトｄを形
成し、これにパツキンｃを嵌着したパツキン付き
蓋等が知られている。

しかるに、第１図に示すパツキンｃを接着剤に
て蓋本体ａの上壁ｂの内面に接着したパツキン付
蓋はパツキンｃのそりなどのために、上記上壁ｂ
の内面に接着する接着面積を均一にすることがで
きず、このためパツキンｃが確実に接着されてい
ない場合があり、内容物を充填し、容器に蓋を嵌
合する際あるいは消費者が使用する場合などに上
記パツキンｃが脱落することがよくある。また上
記パツキンｃにはオレフイン系合成樹脂材料を使
用する場合がよくあるが、この材料によつて成形
されたパツキンｃを接着するための適当な接着剤
がないため、パツキンｃを確実に接着することが
できない等の問題がある。さらに、上記容器に充
填されている内容物により、上記パツキンｃに使
用されている接着剤が侵されるなどの接着剤の耐
内容物性に問題があるため、この容器使用中にパ
ツキンｃが脱落することがよくある等の欠点を有
していた。

また第２図に示すアンダーカツトによりパツキ
ンｃを嵌着した蓋体は、蓋本体ａを成形する際
に、金型のコア側に工夫が必要であり、成形性も
悪いため、製造価格が高くつく問題がある。また
蓋本体ａとパツキンｃとの両方の寸法精度が要求
されるため、この寸法精度が得にくく、特にパツ
キンｃの寸法精度が得にくいため、上記パツキン
ｃが脱落する問題を有している。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
パツキンの脱落を防止して、パツキンを確実に蓋
に保持できるようにしたパツキン付蓋を提供する
ことである。

以下、この考案の一実施例につき第３図を参照
して説明する。第３図において、１は有頭円筒状
の合成樹脂製の蓋体で、この蓋体１の蓋本体１ａ
の上壁１ｂの内面の下側、内周壁面１ｃにはねじ
部１ｄが形成されている。上記蓋本体１ａの上壁
１ｂ内面の中央部には円柱形状突出部１ｅが一体
に突設されている。この突出部１ｅには中央部に
嵌合孔２ａが設けられた円板状のパツキン２が嵌
合され、このパツキン２の上面２ｂは上記蓋１の
上壁１ｂ内面に当接されている。３はほぼ円板状
に形成された合成樹脂製のパツキン支持部材で、
この支持部材３は上記蓋本体１と螺合される容器
４の容器口部４ａの内径よりも、小径に形成され
ている。上記支持部材３の中央部には円形凹部３
ａが形成されているとともに、この凹部形成側の
一面の周縁にリング状突部３ｂが一体に突設され
ており、上記円形凹部３ａの底面は上記突出部１
ｅの先端面と超音波溶着による方法によつて固着
され、これにより上記支持部材３が蓋本体１に固
着されている。また、この状態において、上記リ
ング状突部３ｂの先端面がパツキン２と密に当接
し、これによりパツキン２が支持されており、ま
たリング状突部３ｂの先端面以外の支持部材３の
一面はパツキン２と若干離間している。

次に、上記のごとく構成したパツキン付蓋の使
用状態につき説明すると、上記蓋本体１のねじ部
１ｄを化粧品等が収納された容器４のねじ部４ａ
と螺合し、蓋体１ａを容器４に被着して容器口部
４ａの開口部を閉塞する。この状態において、パ
ツキン支持部材３は、容器４の口部内径より小径
に形成され、蓋体１ａの上壁１ｂの中央部に固着
されているので、容器口部４ａの開口部内に挿入
されることになると共に、容器上端面４ｂはパツ
キンに密着し、そのパツキン効果により容器４内
の内容物の漏れが防止される。また、この場合、
リング状突部３ｂの先端面がパツキン２と密に当
接しているので、支持部材３の一面と２との間の
〓間に内容物が入り込むことがなく、従つて支持
部材３と突出部１ｅとの固着部分が内容物によつ
て侵される等の不都合が確実に防止される。ま
た、上記実施例ではリング状突部３ｂの先端面の
みをパツキン２に密着当接してパツキン２を支持
しているので確実かつ堅固にパツキン２が保持さ
れ、使用中にパツキン２が剥落してくることは全
くない。

また第４図に示す実施例はパツキン支持部材５
をより小径に形成すると共に、円形凹部３ａを設
けずにその中央部を突出部１ｅ先端面と超音波溶
着により固着したものであり、第５図の実施例は
円筒状蓋本体６の上壁６ｂの内面中央部に円筒状
突出部６ｅを一体に突設すると共に、パツキン支
持部材７の一面中央部に凸部７ａを一体に突設
し、この凸部７ａを上記円筒状突出部６ｅ内に嵌
入し、かつ突出部６ｅの先端面と支持部材７とを
超音波溶着により固着したものであり、更に、第
６図に示す実施例は、蓋本体８に突出部を設け
ず、支持部材９の一面中央部に円柱状突出部９ａ
を一体に突設し、この突出部９ａをパツキン２の
嵌合孔２ａを貫通して蓋本体８の上壁８ｂ内面中
央部に当接し、この当接部分を超音波溶着により
固着したものであり、その他の構成・作用及び効
果については第３図に示す実施例と同様であるか
らその説明を省略する。

なお、蓋本体の上壁の内面中央部に形成された
突出部及びパツキン支持部材の突出部の形状、さ
らに蓋本体の形状は上記実施例に限定されるもの
でなく適宜に成形することが可能である。

以上説明したようにこの考案は、合成樹脂製の
蓋本体と、この本体の上壁内面に設けられるパツ
キンと、このパツキンを支持するためのパツキン
支持部材とを備え、前記蓋本体の上壁内面と、パ
ツキン支持部材の前記上壁内面に対向する一面と
の何れか一方の面には、前記パツキンに設けられ
た嵌合孔を貫通して他方の面に当接する突出部が
設けられ、該突出部が前記他方の面に当接する部
分はその他方の面に対して超音波溶着により固定
され、かつ、前記パツキン支持部材の外径は、蓋
本体が被着される容器の口部内径よりも小径に形
成されていることを特徴としている。また、前記
パツキン支持部材は、先端面がパツキンに当接し
て該パツキンを支持するリング状突部を有するこ
とを特徴としている。従つて、蓋本体の上壁内面
に被着されたパツキンはパツキン支持部材によつ
て確実に蓋本体に保持されるのでパツキンの脱落
が完全に防止され、かつ蓋本体の成形も容易に行
うことができる等の利点を有する。また、特にこ
の考案では、蓋本体とパツキン支持部材とを突出
部を介して超音波溶着により固着しているから、
これらは一体かつ確実に固着されることとなつて
その固着部から互いに離脱する恐れが全くなくな
り、したがつて合成樹脂製であるにもかかわらず
パツキン支持構造としてきわめて信頼性の高い構
造となり、しかもこのようにパツキン支持部材を
超音波により固着する構成であるから、その固着
部が外表面に露出して蓋の体裁を悪くする不具合
が全く生じないばかりか、手間のかかるかしめ加
工等が不要でかつ各部材の寸法精度も高精度に加
工する必要がなく、これらのことから製作性も一
段と向上する。また、パツキン支持部材に、直接
的にパツキンを支持するリング状突部を設けたも
のでは、固着部分が内容物によつて侵されること
がないばかりか、パツキン保持のための接着剤な
どをつけなくてよいから悪臭や内容物への悪影響
などの問題がなく、さらにそのリング状突部はパ
ツキンを広範囲に支持してパツキンに「そり」な
どが生じないように正常状態に保つなどの優れた
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は従来のパツキン付蓋の縦断面
図、第３図、第４図、第５図及び第６図はそれぞ
れこの考案の実施例を示す縦断面図である。 １……蓋本体、１ｂ……上壁、１ｅ，６ｅ，９
ａ……突出部、２……パツキン、３……パツキン
支持部材、３ｂ……リング状突部、４……容器、
４ａ……容器口部、５……パツキン支持部材、６
……蓋本体、６ｂ……上壁、７……パツキン支持
部材、８……蓋本体、８ｂ……上壁、９……パツ
キン支持部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製の蓋本体と、この蓋本体の上壁内面
   に設けられるパツキンと、このパツキンを支持す
   るための合成樹脂製のパツキン支持部材とを備
   え、前記蓋本体の上壁内面と、パツキン支持部材
   の前記上壁内面に対向する一面との何れか一方の
   面には、前記パツキンに設けられた嵌合孔を貫通
   して他方の面に当接する突出部が設けられ、該突
   出部が前記他方の面に当接する部分はその他方の
   面に対して超音波溶着により固定され、かつ前記
   パツキン支持部材には、先端面がパツキンに当接
   して該パツキンを支持するリング状突部が設けら
   れ、さらにこのパツキン支持部材の外径は、蓋本
   体が被着される容器の口部内径よりも小径に形成
   されていることを特徴とするパツキン付蓋。