JPS6134101Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は同様な断面形状を有する複数個の熱収
縮性チユーブからなる少なくとも１個の群から構
成した熱収縮性被覆用組合せチユーブで、特に熱
収縮作業前に鋼管などの被覆すべき対象物体に挿
通させ、その一端あるいは両端に片寄せしておく
ことができかつ被覆作業時に順次引出して連続被
覆を形成することのできる熱収縮性被覆用組合せ
チユーブに関するものである。

従来、熱収縮性チユーブは長尺管路の継手部の
防食、保護などの目的で広く利用されている。エ
ルボなどのような屈曲部では直管状チユーブ１本
ではうまく施工できないことが多く、また直管部
でも補修などのために比較的長い部分に施す場合
には１本のチユーブでは施工できないため、何本
かのチユーブを部分的に互に重ね合わせ、順次収
縮施工することが多い。

普通、熱収縮性チユーブは同一の内径に作られ
るものであつて、この場合には工程管理上におい
ても製造管理上においても好都合である。しか
し、熱収縮性チユーブを被覆すべき管状物体、例
えば、パイプに被着させる場合には、パイプを接
続する前に熱収縮性チユーブを予めパイプに挿通
しておかないと、あとからチユーブを所定位置に
挿通することはできない。この理由は、所要の機
器またはマンホールなどの側壁がパイプの両端部
に既に取付けられていたり、チユーブが通り得な
いような太い部材、例えば、バルブ類、フランジ
類などがパイプの両端間に取付けられていたりす
ることが多いからである。また、仮にそのような
ことがない場合であつても、パイプの総延長が何
10mにも及ぶ場合には何10mも先のパイプ端から
多数のチユーブを挿通してくることは実際上不可
能であるからである。総延長が所定の施工区間に
必要な長さとなる多数のチユーブを施工区間に挿
通しようとする場合には、収縮チユーブ施工に先
立つて行われるパイプ溶接作業あるいはチユーブ
収縮作業の際に加熱される部分を避けてチユーブ
を配置しておく必要がある。この理由は、しから
ざる場合には、パイプ溶接作業の際にチユーブが
焼損したり、チユーブ収縮作業の際一本のチユー
ブを加熱している時に次の施工さるべきチユーブ
も加熱されて収縮するという不都合が起きるから
である。しかし、通常配管工事の現場は狭い場合
が多く、また工事の設計上からも、これらの同一
内径の複数個のチユーブを、上述の加熱部分を避
けてパイプのいずれかの側に寄せておくことがで
きない構造となつていることが多い。

例えば、第１図に示すように、マンホールの側
壁１と１′との間においてパイプ２と２′とを溶接
部３で接続し、次いで３個の熱収縮性チユーブ
４，５，６で被覆して収縮施工する必要があり、
しかも溶接の際の加熱を考慮するとパイプ２およ
び２′にはその長さの点からそれぞれ１個のチユ
ーブのみしか挿通できない場合には、３個のチユ
ーブの内径が同一であると、パイプの溶接前にチ
ユーブ４はパイプ２にまたチユーブ６はパイプ
２′に予め挿通しておくことができるが、チユー
ブ５はパイプ２および２′のいずれにも予め挿通
しておくことができないので、パイプ２と２′と
を溶接部３で接続した後に、チユーブ５に相当す
る長さの部分を他の被覆手段により被覆する必要
が生じる。

本考案は、内径の異なる熱収縮チユーブが被覆
すべき対象物体の形状に応じて所望の収縮を起こ
すことができることに着目し、前記の欠点を回避
することができかつ連続管体を形成し得る工事に
好都合な熱収縮性被覆用組合せチユーブを提供し
ようとするものである。

本考案の構成を図面を参照して例について説明
すれば次の通りである。本考案においては、同様
な断面を有する複数個の熱収縮性チユーブからな
る少なくとも１個の群から構成し、各群のチユー
ブの内径は同一とせず、各群のチユーブを互に挿
通し重ね合わせることができるよう内径が順次異
なりかつ熱収縮後に共通の所定内径まで収縮させ
ることができるものとする。個々のチユーブには
所要に応じてその内面に接着剤層を設けることが
できる。チユーブ内面に接着剤層を設けない場合
には、所要に応じて被覆すべき管状物体、例えば
パイプに接着剤が塗布される。

第１図に示すように熱収縮性チユーブの所要個
数が３個である場合には、本考案においては、第
２図に示すように互に挿通し重ね合わせることが
できるよう内径が順次異なる３個の熱収縮性チユ
ーブＡ，ＢおよびＣからなる１個の群から被覆用
組合せチユーブを構成する。Ａの内径はＢの外径
より大きく、Ｂの内径はＣの外径より大きく、Ｃ
の内径はパイプ２または２′の外径より大きい。
このような３個のチユーブからなる１個の群から
構成した熱収縮性被覆用組合せチユーブを使用す
る場合には、パイプを溶接する前に第３図に示す
ように、３個のチユーブＡ，Ｂ，Ｃを互に挿通し
重ね合わせた状態でパイプ２に挿通させ、溶接の
際に加熱される溶接部３を避けてパイプの片側に
寄せておくことができる。パイプ２と２′とを溶
接部３で接続した後に、重なり合つている３個の
チユーブＡ，Ｂ，Ｃを第４図に示すように引出し
てパイプ２、溶接部３およびパイプ２′を被覆
し、順次収縮加工を行なうことができる。チユー
ブの所要個数が３個より多い場合でもチユーブの
個数が多い点を除けば、第２図および第３図に示
した例と同様に所要個数のチユーブをパイプの片
側に寄せておくことができる。第３図には本考案
の被覆用組合せチユーブをパイプ２のみに挿通し
た場合を示したが、所要個数のチユーブをパイプ
２および２′に分けて挿通することもできる。こ
れはエルボ部などの湾曲部、チユーブが通り得な
いような太い部材が両端間に取付けられているパ
イプなどを被覆する場合に好適である。

この場合をチユーブの所要個数が５個である例
について説明する。例えば、互に挿通し重ね合わ
せることができるよう内径が順次に異なる３個の
チユーブＤ，ＦおよびＨからなる第１の群と同様
な２個のチユーブＥおよびＧからなる第２の群と
から被覆用組合せチユーブを構成することがで
き、この例ではチユーブＤとＥとの内径を等しく
し、チユーブＦとＧとの内径を等しくすることが
でき、チユーブＤおよびＥの内径はパイプ２およ
び２′の外径より大きく、チユーブＦおよびＧの
内径はチユーブＤおよびチユーブＥの外径より大
きく、チユーブＨの内径はチユーブＦの外径より
大きい。

以下に本考案を実施例についてさらに説明す
る。

実施例 １ ３個の熱収縮性チユーブからなる直線接続部防
食被覆用チユーブ 第２図に示すように、内径が順次異なる３個の
熱収縮性チユーブＡ，ＢおよびＣからなる１個の
群から被覆用組合せチユーブを構成した。チユー
ブＡ，ＢおよびＣの内径はそれぞれ606、604およ
び600mmとした。なお、チユーブとしては、チユ
ーブ内面に塗布した接着剤層を含めて肉厚2.0
mm、幅350mmで、架橋ポリエチレン（ゲル分率47
％、収縮率50％）製のものと使用した。

実施例 ２ ５個の熱収縮性チユーブからなるエルボ部防食
被覆用組合せチユーブ ５本の熱収縮性チユーブＤ，Ｅ，Ｆ，Ｇおよび
Ｈの内径を次のようにした。Ｄ，Ｅ：850mm、
Ｆ，Ｇ：858mm、H866mm。なお、チユーブとして
は内径を除けば実施例１と同じものを使用した。
かかる５本のチユーブを、チユーブＤ，Ｆおよび
Ｈからなる第１群とチユーブＥおよびＧからなる
第２群とに分けた。この場合にはチユーブをエル
ボの両側に分けて、一方の側に第１群のチユーブ
を、他方の側に第２群のチユーブを挿通すること
ができるので好都合である。

また、本考案の被覆用組合せチユーブは製造上
でも大きな利点を有する。熱収縮性チユーブの製
造方法には種々の方法があるが、これらの方法の
うち特に積層法、すなわち、架橋した収縮可能な
フイルムを所定直径のドラムに捲回積層し、これ
を加熱して層間を溶着させて一体化する製造方法
が好ましい。この方法では、内径が同一のチユー
ブを製造する場合には、一度に１本しか製造する
ことができない。しかし、本考案においてチユー
ブの所要個数が例えば３個である場合には、層間
に離型紙を挾んで一度にチユーブ６個分を捲回積
層して加熱溶着させ、偶数番目の層のチユーブの
群と奇数番目の層のチユーブの群との２個の群の
組合せチユーブを１回に製造することができる。

上述のように、本考案によれば、１本のチユー
ブでは被覆不可能な長い部分であつても、容易に
被覆することができるほか、製造上においても同
一径の熱収縮チユーブの場合より多数のチユーブ
を同時に製造できる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は３個の熱収縮性チユーブでパイプを被
覆し、加熱収縮させた後の状態を示す断面図、第
２ａ図および第２ｂ図はそれぞれ本考案の組合せ
チユーブの１例の縦断面図および横断面図、第３
図は第２図の本考案の組合せチユーブをパイプに
挿通した状態を示す断面図、第４図は第２図の本
考案の組合せチユーブによりパイプを被覆した加
熱収縮前の状態を示す断面図である。 １，１′……マンホールの側壁、２，２′……パ
イプ、３……溶接部、４，５，６……熱収縮性チ
ユーブ、Ａ，Ｂ，Ｃ……順次内径の異なる熱収縮
性チユーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 同様な断面形状を有する複数個の熱収縮性チユ
   ーブからなる少なくとも１個の群から構成し、各
   群のチユーブを互に挿通し重ね合わせることがで
   きるよう内径が順次異なり、かつ熱収縮後に共通
   の所定内径まで収縮させることができるものとし
   たことを特微とする熱収縮性被覆用組合せチユー
   ブ。