JPS6133890Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、大量の茶生葉を通気性コンベヤ上で
鮮度を保ちながら貯蔵し、必要に応じ製茶ライン
へ給葉するコンベヤ型式の茶生葉管理機に付設す
るもので、コンベヤへ積載する生葉の層厚を広範
囲に亘り自在に調整できる装置に関するものであ
る。

茶園で摘採された生葉は各製茶工場に集荷さ
れ、生葉室で各種型式の管理機に貯蔵され、必要
に応じ製茶ラインへ給葉されるのであるが、生葉
の摘採量は摘採時期により大きく変動し、また、
積載量はなるべく薄くするのが好ましいので、生
葉の貯蔵形態もそれに対処し得るものでなければ
ならない。

たとえば、一番茶初期のミル芽にあつては生葉
自体が非常にデリケートなため、強制送風は壁
け、積載量は20〜30cm程とし、生葉の呼吸熱は自
然放散させた方が望ましい。

一方、最盛期にあつては相当量の生葉が摘採さ
れるため、積載量が１ｍ近くになるのもやむを得
ず、その分、強制送風して補つている。

従来のいわゆる「コンテナ型」「ピツト型」の
管理装置は人手操作がその前提となつているた
め、上述の積載量の加減にも対処し得たが、しか
し、結局は人手に頼るものであるので人件費の面
で、又、人手による管理のため衛生上でも問題が
あつた。

「コンベヤ型」の管理装置は近年開発されたも
ので種々の長所を有するものの、上述の積載層の
加減には十分対処し得るものではなかつた。

本考案は、このような実情に基づいてなされた
もので、「コンベヤ型」の管理機に積載する生葉
の層厚を広範囲に亘り自在に調整でき、しかも、
自動的に整層しようとするものである。

次に本考案を図示実施例について説明する。

１は「コンベヤ型」の茶生葉管理機で、機枠
２、該機枠を循環移動する通気性コンベヤ３、長
手両側壁４、受給端壁５、駆動部６、掻き落し装
置７および加湿送風装置８等より構成される。

９は茶園より摘採して製茶工場に集荷された生
葉を散布装置１０へ移送する輸送機、１１は製茶
ラインへ給葉するための輸送機である。

散布装置１０は、受給端付近の長手両側壁４間
に渡設した台枠１２に揺動枠１３を軸支１４し、
揺動枠１３には無端輸送帯１５を張架してなり、
無端輸送帯１５を駆動させるとともに、クランク
機構１６で揺動枠１３ごとに左右揺動させるもの
である。

なお、無端輸送帯１５のほぼ揺動中心には輸送
機９の送出端を臨ませる。

１７は本考案の積載層調整装置で、長手両側壁
４，４に、そのほぼ全長に亘つて螺刻したネジ杆
１８，１８を垂直状に軸支し、そのネジ杆１８，
１８にはベース１９，１９の螺合子２０，２０を
係合させ、ベース１９，１９間には掻き均し具２
１を軸支するとともに、駆動側のベース１９には
モータ２２を装設してギヤ２３，２４を介して掻
き均し具２１を回転駆動してなる。掻き均し具２
１には多数の掻き均し手２５を突設する。

また、ネジ杆１８，１８の上端にはカサ歯車２
６，２６を軸着し、コンベヤ３上を渡設して軸支
したハンドル軸２７には該カサ歯車２６，２６と
歯合するカサ歯車２８，２８を軸着し、一端には
ハンドル２９を固着する。

なお、３０，３０はネジ杆１８，１８に平行に
添設されたレールで、ベース１９，１９の水平回
動を阻止するとともに、コロ３１，３１を介して
上下摺動の案内をする。

３２，３２は長手両側壁４，４に穿設した長孔
で、掻き均し具２１は該孔を貫通し、該孔３２，
３２にはシールゴム３３，３３を貼着し生葉の漏
れを防止する。

３４は駆動側のベース１９より長孔３２を挿通
してコンベヤ始端方向に屈曲延設されるスイツチ
取付杆で、その先方は上下２段３５，３６に分枝
し、それぞれの先端には茶葉感知スイツチ３７，
３８を取り付ける。

なお、下側のスイツチ３８の取付位置は掻き均
し具２１の掻き均し手２５下端とほぼ同一高さか
若干上方とし、上側のスイツチ３７はそれより20
〜30cm上方とする。そして、制御ボツクス３９を
介して茶葉感知スイツチ３８は前記コンベヤ３の
駆動部６へ、スイツチ３７は輸送機９の駆動部へ
制御指令を発するようボツクス３９内を構成す
る。

そこで、茶園で摘採した生葉を輸送機９へ投入
すれば、散布装置１０へ移送され、該装置１０は
その揺動送出により生葉をコンベヤ３全幅にほぼ
均等に分配投入する。始動初期コンベヤ３は停止
しているのであるが、受給端において投入が続け
られ茶葉感知スイツチ３８が生葉の積載層を感知
する程になると該スイツチ３８の信号で制御ボツ
クス３９を介してコンベヤ３の駆動部６へ駆動指
令が発せられコンベヤ３が前進し、茶葉層は掻き
均し具２１により均一高さに整層される。

整層能力と輸送機９の投入量とが均り合つてい
るうちはコンベヤ３が前進しつつ整層されるので
あるが、整層能力より輸送機９の投入量の方が勝
さつている場合、受給端の積載層は累積的に高く
なり茶葉感知スイツチ３７を埋没させる程とな
る。すると、該スイツチ３７の信号で輸送機９へ
停止指令が発せられ、過剰の積載分が整層される
まで輸送機９からの投入は控えられる。その後、
スイツチ３７が十分露出した時点で再び輸送機９
に駆動指令が発せられ投入が再開される。

一方、輸送機９上の茶葉が少なくなつたとき、
或いは生葉ががなくなつたとき、今度は輸送機９
の投入量よりも整層能力の方が勝さることとな
り、ついには茶葉感知スイツチ３８が完全に露出
する程になる。すると、該スイツチ３８からの信
号で制御ボツクス３９を介してコンベヤ３に停止
指令が発せられ、輸送機９に生葉が補給されるま
でそのまま待機の状態となる。

そして、輸送機９に生葉が補給され、投入が再
開され茶葉感知スイツチ３８が積載層を感知し、
コンベヤ３が駆動され、また掻き均し具２１が整
層を始めるという動作が繰り返され、やがてコン
ベヤ３全面に生葉が均一に積載される。

そこで、各加湿送風装置８を積載層の層厚に応
じ適宜稼動してやれば相当時間、生葉を新鮮な状
態に貯蔵できる。

そして、製茶ラインの進行状況に応じ、コンベ
ヤ３、掻き落し装置７、輸送機１１を駆動すれ
ば、送出端付近の生葉より順次製茶ラインへ給葉
できることとなる。

積載層の層厚の設定は、ハンドル２９を右或い
は左へ回動すれば両側のネジ杆１８が回転し、そ
れに伴ないベース１９がレール３０を摺動しつつ
上下動して掻き均し具２１を上下させて行なわれ
る。

このとき、茶葉感知スイツチ３７，３８もベー
ス１９とともに上下動するので、コンベヤ３を駆
動したり、輸送機９を停止させたりするタイミン
グは掻き均し具２１の高さによらず常に一定に保
てるため、輸送機９の投入量と整層能力とが自動
的かつ確実に均り合わされ、コンベヤ全長に亘り
所望の積載層に整層することができる。

つまり、一番茶ミル芽のときは掻き均し具２１
を最下位に、摘採量の増加とともに順次高い位置
に、最盛期には最上位に調整するだけで自動的に
最適な積載層とすることができる。

本考案は、受給端付近には掻き均し具を上下調
整自在に装設するとともに、掻き均し具よりも後
方には該掻き均し具の上下動に連動して上下する
上下の感知スイツチを設け、上のスイツチを輸送
機と、下のスイツチをコンベヤとそれぞれ連係せ
しめて積載層調整装置を構成したので、摘採時期
による摘採量の変動に対処して、積載する生葉の
層厚を広範囲に亘り、しかも自動的に調整するこ
とができるようになつた。このため、生葉室での
生葉の管理が大幅に省略化することができた。

【図面の簡単な説明】

第１図は正面図、第２図は要部拡大斜視図であ
る。 １……茶生葉管理機、３……通気性コンベヤ、
４……長手両側壁、５……受給端壁、８……送風
装置、９……輸送機、１０……散布装置、２１…
…掻き均し具、３７，３８……茶葉感知スイツ
チ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 製茶工場生葉室の奥行長さ程度に長尺な通気性
   コンベヤ３上に長手両側壁４と受給端壁５を立設
   し、該コンベヤの送出端前方を開放し、送風装置
   ８を付設した茶生葉管理機１において、受給端付
   近には掻き均し具２１を上下調整自在に装設する
   とともに、掻き均し具よりも後方には該掻き均し
   具の上下動に連動して上下する上下の茶葉感知ス
   イツチ３７，３８を設け、上のスイツチ３７を散
   布装置１０を介して前記コンベヤに茶生葉を投入
   する輸送機９と、下のスイツチ３８をコンベヤ３
   と、それぞれ連係せしめた、茶生葉管理機の積載
   層調整装置。