JPS6133800B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、フオークリフトのアタツチメントと
して、ポールやパイル等の長尺物の運搬に使用さ
れるポールキヤリアを備えたフオークリフトの荷
役装置に関するものである。

ポールキヤリアは、フオークホルダの幅が広
く、フオーク間隔は自由に調節でき、またフオー
クホルダが左右に一定角度だけ揺動できるように
なつているので、ポールやパイル等の長尺物の荷
役作業にきわめて好適なものである。一般にポー
ルキヤリアとしては、フオークホルダが積荷の偏
荷重に対応して自由に揺動できるようにした形式
のものと、リフトブラケツトとフオークホルダと
に配設した２本のシリンダを利用してフオークホ
ルダに対して人為的に揺動を与えるようにした形
式のものとが知られている。ところが、前者の場
合はフオークホルダが僅かの偏荷重で揺動できる
自由状態にあることから走行時の振動に起因して
揺動を起すことがあつて運搬途上の安定性に欠け
るものであり、一方、後者の場合は積荷の積みお
ろしには比較的有利な反面、偏荷重がマスト等に
もろに作用するためマスト等の耐久性に問題があ
り、また積荷の荷重中心がわかりにくい不具合が
ある。

本発明は、上述した従来の不具合を除去して、
運搬中における積荷の安定を図ることができ、し
かもマストにかかる偏荷重を可及的に減少できる
ようにしたフオークリフトの荷役装置を提供しよ
うとするものである。

以下、本発明を具体化した図示の実施例につい
て詳述する。第１図において、１はアウタマスト
１ａとインナマスト１ｂとよりなる左右一対のマ
ストであり、インナマスト１ｂはアウタマスト１
ａに案内されながらリフトシリンダ２のピストン
ロツド３によつて昇降動される。インナマスト１
ｂの昇降動に伴い該インナマスト１ｂに案内され
ながらチエーン（図示しない）によつて昇降動さ
れるリフトブラケツト４は、左右一対のサイドプ
レート４ａと該サイドプレート４ａ上端部に固着
されたアツパプレート４ｂとサイドプレート４ａ
下端部に固着されたマスト間隔よりも広いロアプ
レート４ｃとより構成されている。リフトブラケ
ツト４の前面にはフオーク５を備えた幅の広い
（図示左右方向に長い）フオークホルダ６が配置
されており、このフオークホルダ６はその中央部
上端に固着されたブラケツト７を介してリフトブ
ラケツト４のアツパプレート４ｂにセンターピン
８により左右の揺動可能に枢着されている。左右
一対の油圧シリンダ９は図示のように対称位置に
並行して配置されていて、その基部が前記リフト
ブラケツト４のロアプレート４ｃの両端上面に突
設したブラケツト１１にそれぞれピン１２により
枢着され、またピストンロツド１０の上端がフオ
ークホルダ６の上端に突設したブラケツト１３に
それぞれピン１４により枢着されている。

つぎに、上記の２本の油圧シリンダ９を制御す
る油圧回路について第２図を参照して説明する。
図示のように左右の油圧シリンダ９はそのロツド
側同士が管路１５によつて互いに接続され、また
ヘツド側同士が管路１６によつて互いに接続され
ており、そしてこのヘツド側の管路１６にはそれ
ぞれパイロツト管路１７，１７′の圧力が設定圧
に達したときに開放される２個の圧力制御弁１
８，１８′が並列に接続されている。また、ヘツ
ド側の管路１６には３位置４ポート形の切換弁１
９と接続された２本の管路２０，２０′が圧力制
御弁１８，１８′を挾む如く接続されている。な
お、２１はリリーフ弁、Ｐは油圧ポンプである。

本実施例は上述のように構成したものであり、
以下その作用を説明する。今、切換弁１９が中立
位置に位置している状態において、フオーク５に
より荷物を持上げたとき、積荷の荷重中心が車両
中心からずれてフオークホルダ６に偏荷重が作用
した場合には、偏荷重作用側の油圧シリンダ９の
ピストンロツド１０が押し下げられようとする。
このことにより該油圧シリンダ９のヘツド側の圧
力が偏荷重の大きさに対応して増大し、そしてそ
のときの圧力、すなわちパイロツト管路１７ある
いは１７′の圧力が圧力制御弁１８，１８′の設定
圧以内であれば該圧力制御弁１８あるいは１８′
は開放されない。従つてこのときはフオークホル
ダ６が揺動されず、積荷の水平姿勢を保持したま
ま運搬することができる。

一方、偏荷重が大きくパイロツト管路１７又は
１７′内の圧力が設定圧に達したときは、圧力制
御弁１８又は１８′が開放される。そのため、偏
荷重が作用している方の油圧シリンダ９における
ヘツド側の圧油は管路１６および開放された圧力
制御弁１８および１８′を経て他方の油圧シリン
ダ９のヘツド側へ流入し、これに伴いロツド側で
は圧油が管路１５を経て逆向きに流動する結果、
両シリンダ９のピストンロツド１０は互いに逆方
向に同調作動しフオークホルダ６がセンターピン
８を中心として揺動する。従つて、この揺動に伴
い積荷の荷重中心が車両中心に接近し偏荷重は次
第に減小するので、それに伴い前記圧力も低下し
て設定圧を下回つた時点で圧力制御弁１８あるい
は１８′が閉止され両シリンダ９のピストンロツ
ド１０の動きは停止されかつ拘束される。そし
て、このときのフオークホルダ６の傾斜の程度に
よつて積荷の荷重中心位置を知ることができるも
のであり、傾きが小さい場合はそのまま運搬し大
きすぎる場合は積み直しをしてから運搬する。

すなわち、本実施例においては荷積みに際し許
容偏荷重以上の偏荷重が作用したときにのみフオ
ークホルダ６に該偏荷重の大きさに対応した揺動
を行わせることによつて偏荷重を減少させ、その
後は再びフオークホルダ６の動きを拘束するよう
にしたものであり、従つて、荷積後の走行中にお
いて路面の凸凹による振動等に起因してフオーク
ホルダ６を右または左に揺動させようとするモー
メントが作用しても、該フオークホルダ６は油圧
シリンダ９によつて拘束されていることから左右
のいずれにも揺動せず安定した積荷の運搬を行う
ことができる。しかも積荷の偏荷重は上述したよ
うにフオークホルダ６の揺動によつて減少される
ことになるので、マスト等の偏荷重に対する強度
上の問題も解決される。

なお、運搬した積荷を所定場所に降ろしたるの
ちは、切換弁１９を適宜切換操作することによつ
て、圧力制御弁１８，１８′の設定圧内の圧力で
両油圧シリンダ９を互いに異なる方向へ同調作動
せしめフオークホルダ６を水平状態に復帰するこ
とができるものであり、また必要によつてはフオ
ークホルダ６を適宜傾斜状態とすることもでき
る。

つぎに、本発明の別の実施例を第３図に基いて
説明する。この実施例は前述した実施例における
ヘツド側の管路１６に圧力制御弁１８，１８′の
ほか２位置２ポート形の電磁切換弁２２を付加す
るとともに、該電磁切換弁２２を切換弁１９の切
換操作によつてON−OFFされるリミツトスイツ
チ２３によつて制御するようにしたものであり、
具体的には切換弁１９が中立位置にあるときはた
とえばスプールと連動するカム２４の凹所によつ
てリミツトスイツチ２３がOFFとなつて電磁切
換弁２２が開放位置に切換えられ、切換弁１９が
左右いずれかの作動位置に切換えられたときには
カム２４の凸部によつてリミツトスイツチ２３が
ONされて電磁切換弁２２が閉止位置に切換えら
れるように構成したものである。

従つて、この実施例によれば切換弁１９が中立
位置に保持されている状態では、前述した実施例
の場合と同様の作用で荷物を取扱うことができる
ものであり、また切換弁１９を作動位置に切換え
たときには両油圧シリンダ９のヘツド側同士をつ
ないでいる管路１６が遮断されるため、両油圧シ
リンダ９は切換弁１９によつて支配されることに
なり、従つて該切換弁１９の操作によりフオーク
ホルダ６を自由に揺動させることが可能となり、
このことはたとえば電柱等のようなテーパ状の長
尺物を重ね積みするような場合における荷の積み
おろしが非常に容易にできるものである。

なお、上記リミツトスイツチ２３の作動は切換
弁１９用の操作レバーによつて行わせるようにし
てもよい。

以上詳述したように、本発明は積荷の偏荷重が
許容偏荷重を超えたときにのみフオークホルダに
偏荷重に対応する自由揺動を行わせて該偏荷重を
減少させ、その後はフオークホルダの動きを拘束
できるようにしたものであり、従つて本発明によ
れば、偏荷重が許容範囲内のときには水平姿勢の
安定状態で荷物を運搬することができ、また偏荷
重が許容範囲を超えているときには、フオークホ
ルダの傾きに応じて偏心量の大きさを推測して長
尺物等の積荷の荷重中心を容易に知り得ることは
勿論のこと、とくに積荷の運搬時においてフオー
クホルダの動きを拘束できることから路面の凸凹
に拘らず積荷を安定した姿勢で搬送でき荷役作業
の安全性を向上し得るものであり、またフオーク
ホルダを積荷の偏荷重の大きさに応じて自由揺動
させ該偏荷重を減少できるため、マスト等の偏荷
重に対する強度上の問題も解決されるものであ
り、しかも本発明では荷取り時の偏荷重が圧力制
御弁による設定値の範囲内のときは、フオークホ
ルダをそのままの状態に保持して積荷を水平姿勢
で運搬できることから、運搬作業の安全性を図る
上で有効である。

また本発明は、切換弁を切換操作することによ
り、圧力制御弁による設定値の範囲内でフオーク
ホルダを水平状態に復帰できることは勿論のこ
と、必要に応じて適宜傾斜させることができるの
で、傾斜した場所に置かれた荷物を荷取りする場
合や段積みされた電柱等のようなテーパ状の長尺
物を荷取りする場合に、容易にフオークを差し込
むことが可能であり、フオークリフトの荷役装置
として有効なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は本発明
の荷役装置を示す正面図、第２図は油圧シリンダ
の作動を制御する油圧回路図、第３図は別の実施
例を示す油圧回路図である。 １……マスト、２……リフトシリンダ、４……
リフトブラケツト、６……フオークホルダ、８…
…センターピン、９……油圧シリンダ、１５，１
６……管路、１８，１８′……圧力制御弁、１９
……切換弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ マストに沿つて昇降動するリフトブラケツト
   にフオークを備えたフオークホルダを揺動可能に
   枢着し、フオークホルダとリフトブラケツトとに
   は２本のシリンダを左右対称位置に並行して配設
   し、この両シリンダのヘツド側同士およびロツド
   側同士をそれぞれ管路により互いに接続するとと
   もに、ヘツド側またはロツド側のいずれか一方の
   管路には該管路内の圧力が設定値に達したときに
   開放する圧力制御弁を設け、さらに該圧力制御弁
   による設定値の範囲内において前記両シリンダの
   ピストンロツドを互いに逆方向に積極的に同調作
   動させてフオークホルダを揺動させる切換弁を両
   シリンダと油圧ポンプ間に配設したフオークリフ
   トの荷役装置。