JPS6133590B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は折りたたみ式車椅子に関し、体重の重
い成人にも適した車椅子に応用できる。

従来、折りたたみ式車椅子は垂直側が相互に向
かつてくるように椅子を折りたたませる鋏状筋か
いを備えた骨組に座席を支えた構造につくられる
のが普通であつた。しかし、一般的にいつてこう
した構造の車椅子は重く比較的かさ高かつたので
車椅子を乗物に積込む場合に種々の問題があつ
た。

望ましくは、折りたたみ式車椅子は小さな車に
積込めるように極めて小さなスペースしか取らな
いものに簡単に折りたためるのみならず比較的軽
量にすることによつて車椅子の取扱いを容易にす
ることが必要である。しかし、車椅子は特に使用
者がみぞを跳び越えたり、車椅子でのバスケツト
ボールなどのスポーツをする時には相等な応力を
受けるので、丈夫で耐久性がなければならない。
また車椅子は例えば身体障害者が乗物の座席に身
体を移してから自分で迅速に簡単に折りたためる
ことも重要である。

本明細書において、「車椅子」という表現は傷
病者用車椅子を意味するのみならずその他の各種
形式の乳母車を含む車輪付き運搬車を包含するの
に用いられるものとする。本発明の主要で重要な
応用対象は傷病者や身体障害者用の車椅子である
が、そのほかにも本発明は種々応用できる。

折りたたみ式車椅子の最も重要な設計要素の一
つは折りたたみ終つた時の装置の厚さである。
車、特に小さな車に車椅子を積込んで格納させる
上で車椅子の厚みが少しでも小さくなることは実
に極めて貴重であるといい得る。この厚みの多く
は主後輪によつて占められるもので、このため各
後輪に剛性ハンドリムを使用した場合、各車輪が
数インチの厚みを必要とするに至ることを意味す
る。従来利用の車椅子は折りたたんだ場合、全体
の厚さは最もよくても10インチ程度はあつたのみ
ならず重量も比較的重く、例えば約50ポンド乃至
それ以上という欠点を持つていた。

本発明者は従来から販売されている車椅子に代
わる有用な車椅子を発明者の米国特許第3758150
号において提案したが、これをさらに種々改良し
改変したものが望ましいと考えるものである。

本発明は車椅子用の改良された折りたたみ可能
な枠組の提供に関し、この枠組は比較的薄く折り
たたむことが可能で、枠組の設計は比較的軽量で
しかも耐久性のあるような構造に設計されてい
る。

さらに詳しく述べると、本発明は折りたたみ座
席を支え車輪に取付けられた側枠が側枠の前側部
分、後側部分および底側部分に枢着され、これら
の各部分間に延びるトグルブレース構造体により
連結されかつ側枠が相互に離れて保持される場合
の突つ張り支え位置と側枠が相互に隣接する場合
の折りたたみ位置との間に折りたたみ可能な車椅
子の折りたたみ枠組に目的を向けたものである。
このような車椅子における一つの発明態様は底側
トグルブレース構造体がその折りたたみ位置へ向
かつて引上げられるまで前側および後側トグルブ
レース構造体を動かして突つ張り支え位置につか
せるため上記底側トグルブレース構造体と協力関
係に取付けられた保持装置を設けることを今一つ
の特徴としている。

本発明の別の特徴は少なくとも前側トグルブレ
ース構造体がＵ字形の底辺において蝶番で相互に
枢着された一対のＵ字形要素と各Ｕ字形要素に枢
着され車椅子を折りたたむ前にＵ字形要素内に折
りたためる折りたたみ式足掛け構造体を含む形式
にできることである。

本発明のさらに別の特徴はトグルブレース構造
体の少なくとも一つがＵ字形要素の底辺において
蝶番を介して相互に枢着された一対のＵ字形要素
から形成され、各Ｕ字形要素の脚の自由端部分は
車椅子の側枠の横棒上に枢着され、各Ｕ字形要素
の底辺は横方向に分割されて二つの底辺部分を形
成し、これら両部分が相互に対し回転して使用時
には車椅子の適応ができるよう蝶番のスリーブ内
に取付けられていることである。

本発明の好ましき重要実施例において、保持部
材は後方へ折りたたまれる前側および後側トグル
ブレース構造体に枢着された固定ピボツトピンの
形をとつている。

さらに、前側および後側トグルブレース構造体
は底側トグルブレース構造体が引上げられるまで
は折りたたみを開始しないことを確実にする最善
の方法は底側トグルブレース構造体の前側部分と
係合するため固定ピボツトリンクから上方へ突出
する衝合要素を設けることにある。

前側および後側トグルブレース構造体の簡単で
確実な折りたたみを確保する最善の方法は固定リ
ンクの後側部分より上向き前方へ突出するカム状
ストライカ（striker）要素を設けて底側トグル
ブレース構造が引上げられる時にこれがストライ
カに係合して変位させるようにすることにある。

底側トグルブレース構造体用の便利な遠隔引上
げ装置を設けることができ、この特徴もまた底側
トグルブレース構造体の確動鎖錠を保証するもの
で、枠組をつくる上で確動鎖錠が必要欠くべから
ざるものではないにしても、枠組の製造を完全な
方向に導くものである。この遠隔引上げ装置は底
側トグルブレース構造体の中心部域に枢着され適
当な連結点へ上方に延びる操作棒により形成され
ることが最も好ましい。操作棒の頂部を車椅子の
折りたたみ座席に取付けることによつて折りたた
み座席は簡単に折りたたみ位置へ上方へ引つ張ら
れて操作棒を上方へ引つ張ることができる。しか
し、使用中は、座席上の使用者の体重が操作棒を
下方へ偏倚させるので枠組は組立て位置に確実に
鎖錠される。

本明細書において「トグルブレース」という言
葉は延ばした時には突つ張り支えられた状態にお
さまろうとする二本の枢着されたアームを備えた
任意の形式の突つ張り支えの意味に用いられてい
る。本発明を実施してなる枠組は好ましくは一対
のＵ字形突つ張り支えアームよりなるトグルブレ
ース構造体を有するが、これは必須条件ではな
い。さらに、この突つ張り支えアームが「中心を
越えて」突つ張り支え位置までゆくことは必要欠
くべからざることではない。

別のブレース、なるべくはトグルブレースが枠
組の背もたれの位置の背後にすきまをおいて取付
けられて枠組の補強を計ることは有利である。

本発明は例として説明するために以下に添付の
図面を参考に説明する。

先ず第１図について述べると、折りたたみ式椅
子は側枠１および２と、前側トグルブレース３お
よび後側トグルブレース４と、着脱自在の足掛け
装置５と、各々がハンドル７を備えた折りたたみ
自在な側枠延長部６と、底側トグルブレース８
と、着脱自在のひじ掛け９と、二つの大きな後輪
１０と、小さなカスタ前輪１１とから形成されて
いる。

各側枠１および２は前側垂直管１２および後側
垂直管１３と下側水平管１５および１４から形成
された全体が長方形の管状金属枠組よりなる。各
カスタ前輪１１は垂直管１２に取付けられた小さ
い管１２ａに取付けられ、足掛けは小さい管１２
ａの先端内に入れ子状に係合している。各後輪１
０は垂直管１３と補助背管１７との間にまたがる
ブラケツト１６に取付けられた車軸に取付けられ
て、軽量だが頑丈な耐久性構造になつている。

座席の高さより上の位置では直立する側面延長
部６の各々は関接連結されてクランプ１８によつ
て所定位置に固定されている。

トグルブレース３，４、および８はいずれも同
じものであるので、前側トグルブレース３につい
てのみ詳述する。前側トグルブレース３は一対の
Ｕ字形部材２０，２１よりなり、各Ｕ字形部材の
脚は水平に延び自由端はピボツト取付ブロツク２
７によつて関連の垂直管１２に枢着されている。
ピボツト取付ブロツク２７の好ましき形式につい
ては第５図に関連して説明する。下側横棒１４に
示す止め２６のごときカラー状止めによつてトグ
ルブレースが止め２６をつけた横棒の軸に沿つて
移動することが制限される。スリーブ状蝶番２２
はＵ字形部材をＵ字の底辺において連結してい
る。これについての詳細は第５図および第６図に
関連して以下に説明する。

(a)車椅子を組立てた時に椅子に剛性を与えるた
め、(b)車椅子を確実に組立てたり折りたたんだり
することを容易にするため、(c)前側トグルブレー
ス３がけられた場合に車椅子が折りたたまれない
ことを保証するために、固定リンク２３が底側ト
グルブレース８の下側に延びている。この固定リ
ンク２３はその先きの曲つた端２５ａおよび２５
ｂが前後側トグルブレース３および４の関連蝶番
に固定されたそれぞれの取付管２２ａに枢着され
ることによつて前後側トグルブレース３および４
に枢着されている。固定リンク２３はその中央部
分に上向きに突出する衝合止め２４とストライカ
要素２８とを有する。第１図に示した組立て状態
では、衝合要素２４の後縁は底側トグルブレース
８の蝶番の前端近くにあるので後側トグルブレー
ス４または前側トグルブレース３のどちらかは底
側トグルブレース８が先きに引上げられるまでは
折りたたまれない。ストライカ板２８は底側トグ
ルブレース８が引上げられると、蝶番が衝合止め
２４を越える程度僅かに移動してから、底側トグ
ルブレース８の後側がストライカ板２８を後方へ
移動させるので前側および後側トグルブレースが
閉り始めるように配置されたカム状のノーズを備
えている。

車椅子を折りたたむことのみならず枠組を組立
て状態に確実に保持することは便宜第２図にだけ
点線で示した操作棒２９によつて容易におこなわ
れるようにしてある。操作棒２９の下端は底側ト
グルブレース８の後側中央部域に枢着され、操作
棒は連結部分３０へ上方へ延びている。連結部分
３０は一実施例では単に織物製折りたたみ座席３
１に取付けられているだけである。

車椅子を折りたたむには、織物製座席を単に掴
んで上方へ引つ張るだけで後側トグルブレースを
引上げる操作棒３０が引つ張られて、ストライカ
板２８との係合により全てのトグルブレースは同
時に折りたたまれる。椅子を使用している時は使
用者の体重で操作棒２９は下方へ引寄せられるの
で底側トグルブレース８は下方へ押えられてい
る。

第１図は別の任意な特徴、即ち補助側管３３に
取付けられた同じ形式の第４トグルブレース３２
を示す。このトグルブレースは後側へ折りたたま
れ、組立て状態では「中心を越えて」移動して車
椅子の背面を支える。このトグルブレースは椅子
をたたむより前に先ず釈放することが必要であ
る。

腕掛け９はその後側管が管３４内に入れ子状に
係合し、その前側管が横棒１５上に係合していて
簡単に着脱できる。

第３図乃至第４図において、別の足掛けが示さ
れている。この形式の足掛けは全体が前側トグル
ブレース３のＵ字形要素２０または２１内に折り
たたまれ、それに枢着されている。さらにまた、
この形式の足掛けは身体障害者の足を確実に位置
決めすることができる。

第３図および第４図の足掛けは側フランジを備
えた足板４０よりなり、足板は限られた回転運転
をする下側ブラケツト４１に枢着され、下側ブラ
ケツトは前側トグルブレース３の下側水平脚に枢
動的に係合する上側クロス管４３を有する上側ブ
ラケツト４２の管内で入れ子状に係合可能であ
る。穴４４が設けられて足掛けの調整ができるよ
うにしてあり、固定ピンを選ばれた位置で一対の
列んだ穴に差込む。

一対の側控え４５が設けられているが第３図で
はそのうちの一つだけを示す。各側控え４５は枢
着された上側アームと下側アームを備え、下側ア
ームはピボツトピン４６でアーム４１に連結さ
れ、上側アームはＵ字形トグルブレースの上側水
平脚に取付ブロツク４７により枢着されている。

第５図および第６図では、蝶番連結部２２の好
ましき実施例の詳細が示されている。この場合、
蝶番２２は第６図に端面図で示した一対の対応す
る鋳物で造られていて、関連のＵ字形要素２０ま
たは２１の底辺部分にスナツプばめされるように
できている。蝶番ピン５０が蝶番を完成するため
しつかりと位置決めされている。

車椅子が凹凸のある地面を通ることから生ずる
応力を吸収するために、各Ｕ字形要素のそれぞれ
のアーム間に限られた関節運動が可能である。こ
れは各Ｕ字形の底辺が第５図に示すごとく分れて
いるためである。底辺部分の一方だけをリベツト
５１で蝶番に確実に取付けることもできる。

さらに、Ｕ字形要素の各脚とこれに関連の取付
ブロツク２７との間に回転を導入することが好ま
しい。これは第５図に示すごとくＵ字形要素の脚
の端近くに環状のみぞを設け取付ブロツク２７の
外側に符号５３において目打ちすることによつて
便宜達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例の斜視図、第２図は第
１図の車椅子を折りたたんだ状態において示す概
略的側面図、第３図は任意な別の足掛け装置を示
す拡大図、第４図は折りたたんだ状態にした時の
第２図の足掛けを示す拡大図、第５図は各トグル
ブレース用の好ましき形式の蝶番を示す拡大図、
第６図は第５図の蝶番用のスリーブ状蝶番要素の
一つを示す端面図である。 なお図において、符号１および２は側枠、３は
前側トグルブレース構造体、４は後側トグルブレ
ース構造体、５は足掛け装置、７はハンドル、８
は底側トグルブレース構造体、１０は後輪、１４
は下側横棒、２０，２１は一対のＵ字形管状要
素、２２は蝶番、２３は固定リンク、２４は固定
リンクの上向き突出の衝合止め、２７はＴ字形端
部片、２８はストライカ要素、２９は操作棒、３
１は折りたたみ座席である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 車輪に取付けられた第１および第２側枠と、
   該側枠間に延びる折りたたみ座席と、該側枠間に
   延びて枢着されたトグルブレース構造体とよりな
   る折りたたみ式椅子において、上記トグルブレー
   ス構造体を上記側枠の前側、後側および底側部分
   間にそれぞれ延びて枢着された前側、後側および
   底側トグルブレース構造体として設けることと、
   該各トグルブレース構造体は上記側枠が隔設保持
   された突つ張り支え位置と上記側枠が相互に移動
   して隣接する折りたたみ位置との間に折りたたみ
   自在に変位可能にしてあること、突つ張り支え位
   置にした場合は底側トグルブレース構造体と協同
   して前側および後側トグルブレース構造体を底側
   トグルブレース構造体の折りたたみが開始される
   まで折りたたみの変位をしないように保持するよ
   うに仕組まれた保持装置とよりなる改良。 ２ 特許請求の範囲第１項に記載のものにおいて
   突つ張り支え位置にある場合には前記前側および
   後側トグルブレース構造体は側枠内にあつて後側
   トグルブレース構造体が側枠より後方に延びるよ
   うにした車椅子。 ３ 特許請求の範囲第２項に記載のものにおい
   て、前記保持装置が前側および後側トグルブレー
   ス構造体の中心部分に垂直軸を中心にして枢着さ
   れた固定リンクよりなり、該固定リンクが底側ト
   グルブレース構造体の下側に延びている車椅子。 ４ 特許請求の範囲第３項に記載のものにおい
   て、前記固定リンクが底側トグルブレースの折り
   たたみ開始以前に前側および後側トグルブレース
   が折りたたまれるのを防止するため底側トグルブ
   レース構造体に係合するための衝合面を形成する
   上向き突起を備えた車椅子。 ５ 特許請求の範囲第４項に記載のものにおい
   て、前記固定リンクが枠組が突つ張り支持位置に
   ある場合には底側トグルブレースの後側に隣接す
   る部位に上向きに延びるストライカ（Striker）
   要素を含み、該要素は前方へ突出して底側トグル
   ブレースに協力するカム面を形成し、折りたたみ
   が始まるとカム面を打つて固定リンクを後方へ偏
   倚させるものとした車椅子。 ６ 特許請求の範囲第１項記載のものにおいて、
   前記車椅子がさらに底側トグルブレース構造体の
   中心部域に枢着され該部域が上方へ延びる操作棒
   と、車椅子の使用中該操作棒を下方へ偏倚させて
   おく装置とよりなり、車椅子の折りたたみを始め
   るためには該操作棒は手動で上方へ引戻せばよい
   ようにした車椅子。 ７ 特許請求の範囲第５項に記載のものにおい
   て、前記車椅子がさらに底側トグルブレース構造
   体の中心部域に枢着され折りたたみ座席の後側部
   分に連結されるように上方へ延びる操作棒よりな
   る車椅子。 ８ 特許請求の範囲第１項に記載のものにおい
   て、前記トグルブレース構造体のうちの少なくと
   も一つが、突つ張り支え位置にある場合は、事実
   上死点位置にあるようにした車椅子。 ９ 特許請求の範囲第１項に記載のものにおい
   て、前記側枠の各々は全体が長方形をしておりか
   つ一対のほぼ平行隔設の管から形成され、該管の
   上端にはハンドルが取付けられ、該ハンドルが折
   りたたみ位置へ後方下側へ枢動自在に折りたたま
   れ、該管のうちの前側の管は織物製背もたれを取
   付けており、該管のうちの後側の管は前方へ折り
   たたむように仕組まれたトグルブレース構造を取
   付けている車椅子。 １０ 特許請求の範囲第５項に記載のものにおい
   て、前記トグルブレース構造体の各々はＵ字の底
   辺で蝶番付けされ各Ｕ字の脚の端部分が側枠の横
   棒に枢着されてなる一対のＵ字形管状要素から形
   成され、折りたたみ足掛けが前側トグルブレース
   構造体の各Ｕ字形要素に枢着され、該足掛けが該
   Ｕ字形要素内に折りたためるようにした車椅子。 １１ 特許請求の範囲第１項に記載のものにおい
   て、Ｕ字の底辺において蝶番により相互に連結さ
   れた一対のＵ字形要素より形成され、該蝶番が各
   Ｕ字形要素の底辺を覆つて係合するためのスリー
   ブ状部分を有し、各Ｕ字要素の底辺が中心部域に
   おいて横方向に分割され、これによつて別々の部
   分が底辺部の軸を中心に相対的回転運動をおこな
   えるようにした車椅子。 １２ 特許請求の範囲第１１項に記載のものにお
   いて、各Ｕ字形要素の各脚はＴ字形端片が側枠の
   横棒と枢着されるように該横棒を貫通させるよう
   にした該Ｔ字形端片を備え、該端片はＵ字要素の
   対応する脚の軸を中心に回転できるように該脚に
   枢着されていること、各横棒には該横棒の軸に沿
   つた方向へ関連のＵ字形要素の回転を制限するた
   めに止め装置が設けられた車椅子。