JPS6133402Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ボイラや窯炉などの燃焼装置におけ
る安全装置、詳しくは、燃焼室内にプレパージ用
空気を加圧供給する送入路、プレパージ中に前記
燃焼室内のガスに含まれる可燃性ガスの濃度を検
出するセンサー、及び、そのセンサーからの情報
に基づいてプレパージにより前記燃焼室内のガス
の爆発性が無くなつた後でバーナを点火する点火
制御機構を設けた燃焼装置における安全装置に関
する。

従来、特開昭49−85632号公報に示されるよう
に、可燃性ガスの濃度を検出するセンサーを燃焼
室内や燃焼ガス排出経路中に設けていた。

しかし、センサーは一般に温度変化によつて検
出濃度が大きく変動する性質を有し、他方、燃焼
室内や燃焼ガス排出経路内の温度は、耐火構造体
の冷却具合によつて大巾に変動し、したがつて、
従来のセンサー配置では温度変化による検出誤差
が大きくなつて、バーナ点火に伴つて予期しない
爆発を生じる危険性が残つていた。

本考案の目的は、センサーによる可燃性ガス濃
度を温度変化による悪影響が極めて少ない状態で
正確に行えるように、しかも、そのための構成を
簡単で安価なものにできるようにする点にある。

本考案の特徴構成は、燃焼室内にプレパージ用
空気を加圧供給する送入路に、プレパージ用空気
の流動により前記燃焼室内のガスを吸入する吸引
装置を設け、かつ、プレパージ中に前記燃焼室内
のガスに含まれる可燃性ガスの濃度を検出するセ
ンサーを、前記吸引装置からのプレパージ用空気
と前記燃焼室内のガスとの混合ガスを検出対象に
するように配置したことにあり、その作用効果は
次の通りである。

つまり、燃焼室内のガスに温度変化の極めて少
ないプレパージ用空気を混入するから、燃焼室内
のガスの温度変化がかなり大きくても、センサー
が検出対象とする混合ガスの温度変化を十分抑え
ることができ、温度変化による悪影響を十分に回
避して、センサーによる検出濃度の精度を十分に
高くでき、センサーからの情報に基づく点火制御
によつて、点火に伴う爆発を確実に防止できるよ
うになつた。

また、センサーに対する温度補償専用の手段を
設けて、センサーの検出精度を向上するに比し
て、本来備えられたプレパージ用設備を利用した
本考案手段は簡単で安価にできる。

その結果、点火に伴う爆発を燃焼室の温度にか
かわらず常に確実に防止できて、信頼性において
極めて優れた燃焼装置の安全装置を、経済性にお
いても有利に提供できるようになつた。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

耐火壁１で囲撓形成された燃焼室２の底部に、
その軸芯部にガスヘツダー３と、これに外嵌する
エアヘツダー４からなるメインバーナ５と、エア
ヘツダー４を貫通するパイロツトバーナ６、とこ
れに対するエア噴出管７が設けられ、前記ガスヘ
ツダー３およびパイロツトバーナ６は、夫々電磁
弁８ａ、８ｂを介して燃料ガス供給管９に接続さ
れており、前記エアヘツダー４およびエア噴出管
７は、夫々燃焼用空気を強制送入する機構（ブロ
ワ）１０に接続されている。

前記ガスヘツダー３部分ならびにパイロツトバ
ーナ６部分において、夫々燃焼室２に連通して、
燃焼室２内底部、即ち、両バーナ５、６のガス噴
出口近くの雰囲気ガスの一部を吸引するためのパ
イプ１１ａ、１１ｂが設けられていて、これら両
パイプ１１ａ、１１ｂが、夫々電磁弁１２ａ、１
２ｂを介して、吸引装置１３に接続されている。
この吸引装置１３は、前記ブロワ１０をプレパー
ジ用新鮮空気の強制送入機構に兼用させるべく、
このブロワ１０と燃焼室２とを結ぶプレパージ用
新鮮空気送入路１４中に介装したインスピレータ
にて構成してある。そして、前記新鮮空気送入路
１４途中で、インスピレータ１３の下流側にガス
チエツク室１５が介装され、ここに、吸引雰囲気
ガス検査機構１６が装着されている。この検査機
構１６は、接触燃焼方式、半導体ガス吸着方式、
ガス熱伝導度方式等の可燃性ガスセンサーをもつ
て構成され、雰囲気ガスが爆発限界内にあるか否
かを検査する。このとき検出濃度レベルは、燃焼
室２内での雰囲気ガスが新鮮空気によつて稀釈さ
れる分だけ補正して設定してある。

図中、１７は、インスピレータ１３と、分流点
（Ｐ）との間に介装した電磁弁、１８は炎監視用
のフレームセンサーで、燃焼部に位置する。１９
ａ、１９ｂは、燃料ガスおよび燃焼用空気の流量
調整用ダンパーで、これらは互いに連動連結され
ている。２０はパイロツト点火プラグである。２
１は全体制御機構で、前記各電磁弁８ａ、８ｂ、
１２ａ、１２ｂ、１７、可燃性ガスセンサー１
６、フレームセンサー１８、プラグ２０は夫々、
この制御機構２１に電気的に連繋されている。

上記構成よりなる安全装置の動作は次の通りで
ある。

制御機構２１においてプレパージ動作開始操作
を行なうと、ブロワ１０が駆動されると同時に、
電磁弁１２ａ、１２ｂ、１７が開放され、送入路
１４を介して新鮮空気が燃焼室２内に送入されて
燃焼室１０内雰囲気ガスのプレパージを始めると
ともに、インスピレータ１３によりパイプ１１
ａ、１１ｂから燃焼室２内雰囲気ガスの一部を吸
引する。この吸引雰囲気ガスは、インスピレータ
１３を通つたのち、ガスチエツク室１５に至り、
ここで可燃性ガスセンサー１６によりその濃度が
検査される。検査の結果、所定時間（燃焼室２の
容量に基づいて定められる最小のプレパージ時間
よりも大に設定してある）に亘るプレパージ動作
にも拘わらず、爆発限界内である状態が継続すれ
ば、これは、電磁弁８ａ、８ｂの故障リークであ
る等の欠陥がある場合であるから、全体の系を停
止して修理等しかるべき措置を講ずる。爆発限界
外である場合又は、その状態となるに至つた場合
は、スパーク点火操作が制御機構２１において自
動的に開始され、電磁弁１２ａ、１２ｂ、１７が
閉止されると同時に、電磁弁８ａ、８ｂが開放さ
れ、プラグ２０をしてパイロツトバーナ６を点火
し、引き続いてメインバーナ５に点火される。以
後フレームセンサー１８にて炎の監視を行なう。

上記実施例では、雰囲気ガス吸引にインスピレ
ータを用いたが、プレパージ用新鮮空気送入路１
４とは全く独立した経路をもつて吸引ポンプなど
を利用して雰囲気ガスの吸引を行なつても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る燃焼装置における安全装置
の実施例を示す構成図である。 ２……燃焼室、５……メインバーナ、６……パ
イロツトバーナ、１３……吸引装置、１６……検
査機構、２１……制御機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼室２内にプレパージ用空気を加圧供給する
   送入路１４、プレパージ中に前記燃焼室２内のガ
   スに含まれる可燃性ガスの濃度を検出するセンサ
   ー１６、及び、そのセンサー１６からの情報に基
   づいてプレパージにより前記燃焼室２内のガスの
   爆発性が無くなつた後でバーナ５、６を点火する
   点火制御機構２１を設けた燃焼装置において、前
   記送入路１４に、プレパージ用空気の流動により
   前記燃焼室２内のガスを吸入する吸引装置１３を
   設け、かつ、前記吸引装置１３からのプレパージ
   用空気と前記燃焼室２内のガスとの混合ガスを検
   出対象にするように前記センサー１６を配置した
   燃焼装置における安全装置。