JPS6132533B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、吸込弁及び吐出弁から成る往復圧縮
機用の弁組であつて、複数の環状の貫通路を有す
る互いに上下に配置された円板状の２つの弁部材
から構成されており、前記両弁部材が、閉鎖プレ
ートの半径方向のウエブを介して結合されたフレ
キシブルなリング区分によつて制御されており、
さらに前記閉鎖プレートが、円板状の弁部材の間
の切欠き部内に配置されていてかつ２つの緊定個
所において１つの弁体に固定されている形式のも
のに関する。

従来の技術 とりわけ大きな圧縮縮機の吸込弁及び吐出弁
は、同心的に配置された環状の貫通路を有するリ
ング弁として構成されている。このリング弁は、
直線的に延びる貫通路を有する弁に比して簡単に
製造することができる。なぜならば圧縮機シリン
ダの円形状周壁に適しており、かつ制御される媒
体を通過させるために使用されうる弁面を十分に
利用できるからである。さらに、舌状部又は薄板
を有するいわゆるリード弁又は板弁の組立は比較
的簡単である。なぜならばこの弁は固有のばねを
有する必要もなく、衝撃手段も不要だからであ
る。舌状部又は薄板の一端を固定的に締付けるこ
とによつて、この弁は比較的柔軟にかつ摩擦なく
作動する。

リング弁の利点をリード弁又は板弁の利点と合
わせることが従来試みられている。公知のオース
トリア国特許第33311号明細書によれば、単数あ
るいは複数の同心的なリングから成るリング弁の
閉鎖プレートは、半径方向のスリツトによつてい
くつにも分割されており、このようにスリツトに
よつて分割されたリングが１個所あるいは最高２
個所で弁部材に固定されている。このような形式
で、自由端部を有する比較的長いら旋状に延びる
弾性的な薄板が形成されるが、この薄板の運動は
コントロールが困難であり、従つて今日の高い要
求に応じることができない。

さらに公知のドイツ連邦共和国特許第1259158
号明細書における閉鎖プレートは、必要な弾性度
を得るために、同心的に配置された環状に閉じた
複数のリングから成つており、これらのリングは
プレートの直径方向に延びる唯１つの結合ウエブ
によつて互いに結合されている。このように構成
された閉鎖プレートは、湾曲状にそつた弁受けの
下側において、プレート直径に沿つた前記結合ウ
エブの中央個所で弁体に緊定されているか、ある
いは一方端部個所でのみ弁体の縁に緊定されてい
る。このような構成のばあいには、弁開放時に、
緊定個所の近くでは閉鎖プレートが弁座からほと
んど持上げられず、従つて開放される流過横断面
も相応して小さくなる。

さらに別の公知の構成が、ドイツ連邦共和国出
願公開第2648682号明細書（特公昭60−37349号公
報）において示されている。このばあい、半径方
向のウエブによつて互いに結合された複数のリン
グ又はリング区分から成る閉鎖プレートが設けら
れており、それぞれのリング又はリング区分は半
径方向のスリツトによつて分割されており、かつ
完全に閉じたリングにおける２つの緊定個所で弁
体に緊定されている。閉鎖プレートの完全なリン
グ及びリング区分が、円形の弁体の弁座と協働す
る。このような公知の構成の閉鎖プレートのばあ
いには、圧縮機の吸込弁と吐出弁とをそれぞれ別
個の固有の弁として構成しなければならないか、
あるいは閉鎖プレートを、一方側半部が吸込弁の
弁座に、かつ他方側半部が吐出弁の弁座に当接す
るように構成しなければならない。このように吸
込弁と吐出弁とを組合せ弁として形成するばあい
には、上下に配置されている弁部材を、上方に位
置する弁部材がたとえば左半部を弁受けとして、
かつ右半部を弁座を有する弁体として形成される
ように、また下方に位置する弁部材がたとえば左
半部を弁座を有する弁体として、かつ右半部を弁
受けとして形成されるように、構成しなければな
らない。要するに、閉鎖プレートは一平面上に位
置しているので、弁部材は、弁受けとして形成す
る側の半部に、リング区分の行程運動を保証する
ための切欠き部を設けていなければならない。こ
のような構成によつて、弁部材の構成は複雑とな
り、さらに吸込室と吐出室との境となる閉鎖プレ
ートの中央範囲において十分なシール作用を得る
ことも困難である。

発明の課題 本発明の課題は、吸込弁と吐出弁とを組合せ弁
として構成するばあいにも、弁部材の構成が簡単
であるにもかかわらず、閉鎖プレートの緊定並び
にシールが確実であるようにし、しかもリング弁
の同心的に配置された環状の貫通路を、リード弁
のように柔軟な作動形式で制御することができる
ようにすることである。

課題を解決するための手段 前述の課題を解決するために講じた手段は、分
割されたた２つの閉鎖プレートが設けられてお
り、該閉鎖プレートが、ほぼ180度の角度にわた
つて延びていてかつそれぞれ１つのリング区分を
有しており、該リンダ区分が２つの緊定個所の間
で連続しており、さらに両方の弁部材の間にシー
ル材から成る隔て円板が配置されており、該隔て
円板が切欠き部を有していて、該切欠き部内に閉
鎖プレートが受容されていることにある。

作 用 閉鎖プレートが２つに分割されていることによ
つて、一方の弁部材のたとえば左側半部では弁座
を被い、右側半部では貫通路を解放したままに
し、これに対して他方の弁部材の右側半部では弁
座を被い、左側半部では貫通路を解放したままに
するように、各閉鎖プレートを弁部材に緊定する
ことができる。

さらに、各閉鎖プレートは２つの緊定個所の間
でほぼ180度にわたつて延びるリング区分を有し
ていることにより、このリング区分が、一方端部
で緊定されていてかつ他方端部で自由に運動でき
るような舌片を有するリード弁のように作用す
る。

発明の効果 本発明によつて得られる利点は、各閉鎖プレー
トをそれぞれ、互いに反対側の半部で弁部材に緊
定することができるので、一方半部を弁体とし
て、かつ他方半部を弁受けとして形成する上下両
方の弁部材を平らなプレートとして簡単に構成す
ることができることである。さらに本発明の閉鎖
プレートは柔軟にかつ和らかく作用することがで
きると共に、閉鎖プレートの吸込室と吐出室との
境の個所での特別なシールが必要でなくなる。

実施態様 本発明による閉鎖プレートの特性、特に弾性度
を、それぞれの要求に適合させることができる。
たとえば比較的高い応力を受けるばあいには、有
利な実施態様により、閉鎖プレートのリング区分
が、少なくとも一個所で、たとえば端部において
付加的なウエブによつて互いに結合されている。
要するに、結合ウエブの数及び配置の選択によつ
て、閉鎖プレートの種々の特性を選択することが
できる。

さらに、閉鎖プレートの緊定のために、閉鎖プ
レートの、緊定個所の間で連続するリング区分
が、周方向で残りのリング区分を越えて突出して
いると有利である。

実施例 閉鎖プレートが符号１で示されている。閉鎖プ
レート１は全ての実施例においてほぼ半円形状に
形成されていて、かつ同心的に配置されたリング
区分から成つており、該リング区分のうち最も外
側のリング区分２は２つの緊定個所３の間を連続
しており、該緊定個所は開口としてリング区分２
の端部に示されている。残りのリング区分４は半
径方向のウエブ５を介してリング区分２に結合さ
れている。

第１図によれば、リング区分４が３つの半径方
向のウエブによつてリング区方２と結合されてお
り、これらのウエブのうち１つのウエブは、両方
の緊定個所３の中央に位置していてかつ全てのリ
ング区分４にわたつて連続しており、しかしなが
ら残りの両方のウエブ５はそれぞれ外側の３つの
リング区分のみを互いに結合している。リング区
分４は、舌片状の自由端部を有しており、該自由
端部は規定の範囲で互いに無関係に運動できる。
それ故に第１図の閉鎖プレートは、大きな内部弾
性度において優れている。第２図による実施例の
ばあいには、リング区分２と残りのリング区分４
との間に唯１つのウエブ５が存在しており、該ウ
エブはリング区分２の近くで拡張されている。し
かしそれに対して残りのリング区分４の端部は付
加的なウエブ６によつて互いに結合される。この
ことによつて閉鎖プレートのこわさが増大され、
しかしながら内側に位置するリング区分４は締め
込まれたリング区分２に比べて依然として弾性的
である。第３図に示された変化実施例では、３つ
のウエブ５が設けられており、かつ付加的にリン
グ区分４の端部もウエブ６によつて互いに結合さ
れている。

閉鎖プレート１を緊定するために第１図及び第
３図における実施例においては、リング区分２の
端部が周方向で残りの区分４を越えて突出してお
り、従つて緊定個所３は有利に手でつかまれる。
これに対して第２図においては、リング区分２の
端部がただ拡張されているだけである。弁部材へ
の閉鎖プレートの緊定は種々の形式で可能であ
る。リング区分２は、緊定個所３の範囲で弁座を
有する弁体と弁受けとの間に固定的に締め込まれ
ているか、ばあいによつてはスペーサとしての中
間部材の下側に締め込まれている。しかも緊定個
所にねじが設けられており、該ねじはリング区分
２の端部を所属の弁体に対して固定的に締め付け
られる。

第４図及び第５図の弁のばあいには、組合わさ
れた弁組として形成されており、該弁組の左側半
部は吸込弁として、かつ右側半部は吐出弁として
形成されている。第４図において２つの円板状の
弁部材７，８が設けられており、該弁部材は隔て
円板９を介して互いに上下に配置されている。両
方の弁部材７，８が有利には同様に形成されてお
り、かつ貫通路１０を備えている平らな円板から
成つている。隔て円板９が有利にシール材料のよ
うな可縮性のプラスチツクから成つており、円板
材の弁部材の両半部には、それぞれ１つの閉鎖プ
レート１を配置しているそれぞれ１つの切欠き部
１１，１２が形成されている。貫通路１０がじん
臓形に形成されていてかつリング弁のばあいに普
通であるような同心的な円上に形成されている。

実施例において、閉鎖プレート１はそれぞれ隔
て円板９と弁部材７との間もしくは隔て円板９と
弁部材８との間に締め込まれている。第５図から
判るように、閉鎖プレート１の左側半部が破線で
示されている。このばあい緊定個所３は、隔て円
板９の範囲に位置していてかつこの緊定個所に定
心ピンが差込まれる。しかも、切欠き部１１もし
くは１２における外側に位置するリング区分２の
自由端部はそれぞれ１つのねじによつて所属の弁
部材７，８に固定される。吸込弁と吐出弁との閉
鎖プレート１を互いに任意に離して配置すること
ができる。要するに貫通路１０は、絶対的に同心
的な円上に位置する必要はない。貫通路をたとえ
ば第５図において左側及び右側へ互いに外方へず
らすことができ、その結果卵形の配置が得られ
る。

第５図において弾性的なピンが符号１３で示さ
れており、該ピン弁部材７，８及び隔て円板９の
孔を貫通していて、従つて弁部材は弁に組込む以
前に固定されている。さらに、ねじ孔１４が設け
られていて、該ねじ孔によつて比較的大きな弁が
中央範囲で図示されないシリンダヘツドの中間壁
に対して結合され、このことによつてこのばあい
漏れは生ぜしめられない。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図は本発明による閉鎖プ
レートのそれぞれ別の実施例を示す平面図、第４
図は本発明による閉鎖プレートを備えた圧縮機用
弁組を示し第５図の―線に沿つた断面図、第
５図は第４図に示した弁組の平面図である。 １……閉鎖プレート、２……リング区分、３…
…緊定個所、４……リング区分、５，６……ウエ
ブ、７，８……弁部材、９……隔て円板、１０…
…貫通路、１１，１２……切欠き部、１３……ピ
ン、１４……ねじ孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 吸込弁及び吐出弁から成る往復圧縮機用の弁
   組であつて、複数の環状の貫通路を有する互いに
   上下に配置された円板状の２つの弁部材から構成
   されており、前記両弁部材が、閉鎖プレートの半
   径方向のウエブを介して結合されたフレキシブル
   なリング区分によつて制御されており、さらに前
   記閉鎖プレートが、円板状の弁部材の間の切欠き
   部内に配置されていてかつ２つの緊定個所におい
   て１つの弁部材に固定されている形式のものにお
   いて、分割された２つの閉鎖プレート１が設けら
   れており、該閉鎖プレートが、ほぼ180度の角度
   にわたつて延びていてかつそれぞれ１つのリング
   区分２を有しており、該リング区分が前記２つの
   緊定個所３の間で連続しており、さらに両方の弁
   部材７，８の間にシール材から成る隔て円板９が
   配置されており、該隔て円板が切欠き部１１，１
   ２を有していて、該切欠き部内に前記の閉鎖プレ
   ート１が受容されていることを特徴とする、往復
   圧縮機の弁組。 ２ 前記の閉鎖プレート１のリング区分４が、少
   なくとも一個所で付加的なウエブ６によつて互い
   に結合されている特許請求の範囲第１項記載の弁
   組。 ３ 前記閉鎖プレート１の、緊定個所３の間で連
   続するリング区分２が、周方向で残りのリング区
   分４を越えて突出している特許請求の範囲第１項
   又は第２項記載の弁組。