JPS6132267Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ヒートポンプを用いてフロ湯を沸す
装置に関する。

住宅のフロ湯を沸すには、最近では、ガスや灯
油の燃焼熱又は電熱が一般的に使用されている。
しかしいずれも運転経費がかさみ、その上、燃焼
熱よるものは火災等の危険も大である。

ところで運転経費が少なくてすみ、しかも安全
であるとしてヒートポンプと呼ばれる装置が脚光
を浴びている。従来、ヒートポンプを用いた暖房
装置では、室内用ユニツトと室外用ユニツトとの
組み合わせで構成されている。そして室内用ユニ
ツトは室内の壁面に取り付けられ、また室外用ユ
ニツトは例えばベランダ等に置かれる。しかしそ
の場合には、室内用ユニツトがその厚さにより室
内に出つ張る点、および室外用ユニツトが足元の
じやまになつたりベランダ等の床面積を狭くして
しまう点等の問題がある。

また冷房又は暖房を必要としない中間期には、
その冷暖房装置が全く使用されないという無駄も
ある。そのためこのヒートポンプを用いた冷暖房
装置としては、フロ湯を沸すのにも使用できる構
成が望まれている。

ところで従来のセパレートタイプの冷暖房装置
では、室内ユニツトの厚みを極力薄くするため、
冷、暖空気吐出用フアンとしてはクロスフローフ
アンを使用している。しかしクロスフローフアン
は静圧は大きいが風量が少ないという欠点があ
る。

それ故に本考案の一般的な目的は、ヒートポン
プを一つのユニツトとして構成し、そのヒートポ
ンプユニツトは浴室の室壁に形成した開口にはめ
込み装着し、一部の熱交換器でフロ湯を沸すとと
もに、他の熱交換器で別室の温度調節を行うこと
ができるようにしたフロ用ヒートポンプユニツト
の提供にある。

本考案の具体的な目的は、フロ湯を沸すことに
加え、浴室から離れた別室の冷房或は暖房を、ユ
ニツトの厚まを増大させることなく、効果的に行
うことができるようにしたフロ用ヒートポンプユ
ニツトの提供にある。

本考案によれば、浴室の室壁に形成した開口に
はめ込み装着されて壁の役割を果す筐体と、該筐
体に組み付けられたヒートポンプとを含み、該ヒ
ートポンプはフロ湯沸し用熱交換器と室内空調用
熱交換器と室外用熱交換器とを有しており、上記
筐体は上記室壁と平行な平面内に開口をもつ断熱
箱部を有し、該断熱箱部の開口の近傍に仕切板を
設けて相隣接した二つのダクトを形成し、該二つ
のダクトは該断熱箱部の奥部で互いに連通してお
り、該二つのダクトのうち、一方のダクトには傾
斜したフアンダクトと軸流フアンとを備え、他方
のダクトから該奥部にかけて上記室内空調用熱交
換器を配してあることを特徴とするフロ用ヒート
ポンプユニツトが得られる。

以下、図面を参照しながら、本考案につき実施
例を用いて説明する。

先ず第１図において、浴室１の室壁２にフロ用
ヒートポンプユニツト３が組みつけられている。
このユニツト３は、浴室１の室壁２に形成した開
口にはめ込み装着された筐体４と、この筐体に組
みつけられたヒートポンプとを含んでいる。ヒー
トポンプは、第１図に概略的に示されているよう
に、外気に連通した下部領域５に組み込まれたコ
ンプレツサ６および室外用熱交換器７と、上部の
断熱箱部８に内蔵された室内空調用熱交換器９
と、浴槽１１の内側に入り込んだフロ湯沸し用熱
交換器１２と等よりなる冷媒回路にて構成されて
いる。また必要に応じて、フアンモータ１３およ
び明り取り窓１４等も組み込まれている。

さらに断熱箱部８には、風量を大にとれる軸流
フアンモータ１５が内蔵されている。そしてこの
断熱箱部８の室壁２と平行な平面内の開口１６に
は延長ダクト１７が接続されている。この延長ダ
クト１７は、浴室１以外の部屋（例えば１８）ま
でのびて開口している。

さらに第２図〜第４図をも参照して、断熱箱部
８には開口１６の近傍に仕切板１８を設けて左右
に相隣接した二つのダクト１６ａ，１６ｂを形成
する。一方のダクト１６ａは吸入ダクトとなるも
のであり、他方のダクト１６ｂは吐出ダクトとな
るものである。仕切板１８は三角形状のものであ
り、断熱箱部８の下面および背面に間隙を残して
位置づけられている。この結果、吸入ダクト１６
ａと吐出ダクト１６ｂとは断熱箱部８の奥部１９
で互いに連通している。

また仕切板１８の奥部端と断熱箱部８の左側板
との間、即ち吐出ダクト１６ｂの奥部には、傾斜
したフアンダクト２１を設け、このフアンダクト
２１に前述の軸流フアンモータ１５のフアン２２
を対応させて設ける。一方、吸入ダクト１６ａに
は右側に間隔を残して室内空調用熱交換器９を配
置する。この熱交換器９はさらに、奥部１９にま
でのびかつ吐出ダクト１６ａに対向する位置まで
ゆるやかに曲りつつ回り込んでいる。こうして延
長配置された熱交換器９は一方の端板を吸入ダク
ト１６ａの左側部分を遮断する。したがつて、軸
流フアンモータ１５の運転時には、吸入ダクト１
６ａの右側部分から吸入された空気は、図に矢印
で示す如く回り込みつつ、熱交換器９に十分良好
に触れ、そして吐出ダクト１６ｂから吐出され
る。

第５図は使用されたヒートポンプの冷媒回路例
を示す。第５図において、２３は室外用熱交換器
７と室内空調用熱交換器９との接続を切換えるた
めの四方弁、２４はフロ湯沸し用熱交換器１２を
バイパスさせるための電磁弁、２５はキヤピラリ
ー、２６は気液分離器である。なお実線矢印は浴
室１以外の部屋の冷房を行うときの冷媒の流れを
示し、また破線矢印は浴室１以外の部屋の暖房を
行うときの冷媒の流れを示す。

今、室外用熱交換器７で冷媒を凝縮させる一
方、室内空調用熱交換器９で冷媒を蒸発させるこ
とによ、浴室１以外の部屋を冷房でき、また冷媒
の凝縮と蒸発を反対にすることにより、浴室１以
外の部屋を暖房できる。いずれの場合であつても
延長ダクト１７を通して空気の吸入、吐出が行な
われる。ここで延長ダクト１７が吸入ダクト１６
ａと吐出ダクト１６ｂとに一対一で対応して設け
られることはいうまでもない。

こうして部屋を冷房又は暖房できる点に鑑みる
と、このヒートポンプユニツト５はヒートポンプ
式冷暖房装置とみなすこともできる。

また、室外用熱交換器７および室内空調用熱交
換器９の運転状態にかかわらず、フロ湯沸し用熱
交換器１２で冷媒を凝縮させることにより、浴槽
１１の内部で湯を沸すことができる。

この構造によると、大風量の得られる軸流フア
ン２２をユニツトの厚さを増すことなく組み込む
ことができ、そのためこのヒートポンプユニツト
の設置場所から比較的遠く離れた部屋に対する空
気の吸入・吐出を十分に行うことができ、しかも
そのための室内空調用熱交換器９における熱交換
が効果的に行われるようになつているので、浴室
１の室壁２に設置されているにもかかわらず、他
の部屋の空調を効果的に行うことができる。

なお吸入ダクト１６ａと吐出ダクト１６ｂとは
左右の位置を反対にされてもよいし、またそれら
を互いに上下関係をもつて位置づけることもでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるフロ用ヒートポンプユニ
ツトの一実施例を組み付け後の状態で示した断面
図、第２図は同実施例の一部を破断して示した正
面図、第３図はＡ−Ａ線に沿つた要部のみの断面
図、第４図はＢ−Ｂ線に沿つた要部のみの断面
図、第５図は使用されたヒートポンプの冷媒回路
例を示す図である。 １……浴室、２……室壁、３……フロ用ヒート
ポンプユニツト、４……筐体、７……室外用熱交
換器、８……断熱箱部、９……室内空調用熱交換
器、１２……フロ湯沸し用熱交換器、１５……軸
流フアンモータ、１６……開口、１６ａ……吸入
ダクト、１６ａ……吐出ダクト、１８……仕切
板、１９……奥部、２１……フアンダクト、２２
……軸流フアン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴室の室壁に形成した開口にはめ込み装着され
   て壁の役割を果す筐体と、該筐体に組み付けられ
   たヒートポンプとを含み、該ヒートポンプはフロ
   湯沸し用熱交換器と室内空調用熱交換器と室外用
   熱交換器とを有しており、上記筐体は上記室壁と
   平行な平面内に開口をもつ断熱箱部を有し、該断
   熱箱部の開口を近傍に仕切板を設けて相隣接した
   二つのダクトを形成し、該二つのダクトは該断熱
   箱部の奥部で互いに連通しており、該二つのダク
   トのうち、一方のダクトには傾斜したフアンダク
   トと軸流フアンとを備え、他方のダクトから該奥
   部にかけて上記室内空調用熱交換器を配してある
   ことを特徴とするフロ用ヒートポンプユニツト。