JPS6132228Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、車輌用自動変速機の油圧制御装置に
組込まれる絞り要素と逆止弁の組合せ構造に係わ
る。

車輌用自動変速機に於いて、変速シヨツクを軽
減するために、歯車変速装置の変速段を切換える
油圧サーボのための油圧供給通路の途中にアキユ
ームレータが設けられた油圧制御装置が従来から
知られており、また上述の如き油圧制御装置に於
いては、前記油圧供給通路の途中に、前記アキユ
ームレータと共働して変速タイミングを制御する
ための絞り要素と逆止弁の並列組合せ構造が設け
られている。この組合せ構造は、従来一般に、油
圧制御装置の油圧制御用バルブボデーやそれに隣
接した部材の内部に埋設された態様にて設けられ
ている。

このため、変速タイミングや変速シヨツク緩和
のためにチユーニングのために絞り要素の絞り度
を種々変更して検討する場合、少くともバルブボ
デー全体を着脱して行なう必要があり、構造によ
つては車輌から変速機全体を着脱することが避け
られず、単に絞り要素の絞り度の変更のみの作業
にも拘わらず多大な作業工程を要していた。

本考案は従来の油圧制御装置に於ける上述の如
き不具合に鑑み、バルブボデーや変速機全体を着
脱することなく上述の如きチユーニング作業や点
検作業等が容易に行なわれ得るよう改良された絞
り要素と逆止弁の組合せ構造を提供せんとするも
のである。

以下に添付の図を参照して本考案を実施例につ
いて詳細に説明する。

第１図は本考案による組合せ構造が実施された
車輌用自動変速機の一つの実施例を示す概略外観
図、第２図は本考案による組合せ構造が組込まれ
た油圧制御回路を示しており、その組合せ構造の
部分は平断面図にて示されている。図に於いて、
１は車輌用の自動変速機を全体的に示しており、
この自動変速機はそのケーシング２内に歯車変速
装置や該歯車変速装置の変速段を切換える油圧サ
ーボ等を内蔵している。ケーシング２の下底部に
は前記油圧サーボに対する油圧供給の制御を行な
う各種弁を内蔵したバルブボデー３が取付けられ
ている。

前記油圧サーボの一つが第２図に於いて符号４
で示されている。この油圧サーボ４にはオイルポ
ンプ５にて発生しプレツシヤレギユレータバルブ
６によつて圧力を調整された油圧が油圧供給通路
７、シフトバルブ８、油圧供給通路９、絞り要素
と逆止弁の組合せ構造１０、油圧供給通路１１を
経て選択的に供給されるようになつている。プレ
ツシヤレギユレータバルブ６、シフトバルブ８は
バルブボデー３に組込まれ、また油圧供給通路
７，９の全てと油圧供給通路１１の一部はバルブ
ボデー３により与えられている。またバルブボデ
ー３の一部にはアキユームレータ１２が設けられ
ている。アキユームレータ１２は、バルブボデー
３に形成されたボア１３と、該ボア内に設けられ
たピストン１４とを含み、該ピストン１４はそれ
の一方の側にアキユームレータ室１５を、また他
方の側に背圧室１６を各々郭定している。ピスト
ン１４は圧縮コイルばね１７により図にて右方
へ、即ちアキユームレータ室１５の容積を減少す
る側へ付勢されている。アキユームレータ室１５
は油圧供給通路１８により油圧供給通路１１に、
また背圧室１６は油圧供給通路１９により油圧供
給通路７に各々接続されている。

組合せ構造１０はバルブボデー３に設けられ一
端にて該バルブボデー外に開いたボア２０を有し
ている。このボア２０はその径方向の一方の側に
ポート２２を、また他方の側にポート２３を有し
ている。この各ポートは前記ボアを取巻く円環状
に形成され、ポート２２は油圧供給通路９に、ま
たポート２３は油圧供給通路１１に各々連通して
いる。ボア２０は挿入体２４がその前記一端より
挿入されている。挿入体２４にはその外周に円環
状の二つのポート２５，２６が各々形成されてお
り、このうちポート２５はポート２２に、またポ
ート２６はポート２３に各々連通接続している。
挿入体２４はその一部が円筒状に形成されてお
り、ポート２５は該挿入体に設けられた切欠き部
２７を経てその内筒部２８に連通している。また
挿入体２４には内筒部２８とポート２６とを連通
する絞り通路３０と弁ポート３１とが互に並列に
設けられている。弁ポート３１はチエツクボール
３２により選択的に開閉されるようになつてい
る。チエツクボール３２はテーパ状内周面を呈す
る弁座３３と共働して弁ポート３１の開閉を行な
い、ポート２６より内筒部２８、切欠き部２９を
経てポート２５へ向かう油の流れのみを選択的に
許すようになつている。

ボア２０の前記一端はボルト３４によりバルブ
ボデー３に固定された板片状のカバー３５により
閉じられている。挿入体２４はカバー３５によつ
てボア２０より脱落することを阻止され、ボア２
０内に固定状態にて保持されている。

上述の如く組合せ構造体１０が構成されている
ことにより、単にボルト３４を弛めてカバー３５
を取り外すのみでチエツクボール３２と共に挿入
体２４をボア２０より抜出すことが出来る。ま
た、挿入体２４の端部に該挿入体を抜出すための
サービスねじ３６が設けられていれば、更に一層
その作業性が向上する。

以上の如く本考案による絞り要素と逆止弁の組
合せ構造によれば、カバーを取付け、また取り外
すのみで、挿入体をボアに挿入或いはこれより抜
出すことが出来るから、変速タイミングや変速シ
ヨツク緩和のためにチユーニング作業を多大な作
業工程を要することなく能率的に行なうことが出
来ることが理解されよう。

尚、上述の組合せ構造は変速機のケーシング等
に構成されていてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による絞り要素と逆止弁の組合
せ構造が組込まれた車輌用自動変速機の一つの実
施例を示す概略外観図、第２図は本考案による絞
り要素と逆止弁の組合せ構造が組込まれた油圧制
御回路を示す解図であり、特に絞り要素と逆止弁
の組合せ構造の部分は平断面図にて示されてい
る。 １……車輌用自動変速機、２……ケーシング、
３……バルブボデー、４……油圧サーボ、５……
オイルポンプ、６……プレツシヤレギユレータ、
７……油圧供給通路、８……シフトバルブ、９…
…油圧供給通路、１０……組合せ構造、１１……
油圧供給通路、１２……アキユームレータ、１３
……ボア、１４……ピストン、１５……アキユー
ムレータ室、１６……背圧室、１７……圧縮コイ
ルばね、１８……油圧供給通路、１９……油圧供
給通路、２０……ボア、２２，２３……ポート、
２４……挿入体、２５，２６……ポート、２８…
…内筒部、２９……切欠き部、３０……絞り通
路、３１……弁ポート、３２……チエツクバル
ブ、３３……弁座、３４……ボルト、３５……カ
バー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輌用歯車変速装置の変速段を切換える油圧サ
   ーボのための油圧供給通路の途中に互に並列に設
   けられる絞り要素と逆止弁の組合せ構造にして、
   前記油圧供給通路を与えるハウジングに前記油圧
   供給通路を横切つて設けられ一端にて該ハウジン
   グ外へ開いたボアと、前記一端より前記ボア内に
   挿入される挿入体とを有し、前記ボアはその両側
   に延在する前記油圧供給通路に通ずる第一及び第
   二のポートを有し、前記挿入体は前記第一及び第
   二のポートに各々通ずる第三及び第四のポートと
   該第三及び第四のポート間に互に並列に組込まれ
   た絞り構造と逆止弁構造とを有していることを特
   徴とする絞り要素と逆止弁の組合せ構造。