JPS6131944B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は内燃機関に用いられる点火プラグの雑
音防止効果を高めた雑音防止装置に関する。

（従来の技術及び発明が解決しようとする問題
点） 火花点火の内燃機関の点火系から生じる雑音電
波は近年社会問題となり、低減するための種々の
対策がなされている。その代表的なものは、抵抗
入点火プラグと抵抗入コードの組合せによる点火
プラグの雑音防止装置が一般に用いられているが
その雑音防止効果は十分に満足できるものでな
い。

そこで、２輪車のような配電器を具備しない火
花点火機関にはすでに本出願人によつて特開昭56
−66455号で開示されたように、巻線抵抗入コー
ドを点火プラグまわりのシールドと組合せること
によつて極めてすぐれた雑音防止効果が得られる
ことを見出している。そして実際の２輪車に適用
する場合、一般に脱着性の良い合成樹脂タイプの
キヤツプが用いられているため、抵抗入コードと
この樹脂キヤツプを強固に連結する手が必要であ
る。また、４輪車の場合には、点火プラグ位置が
深いDOHCエンジンでは抵抗入コードを樹脂キヤ
ツプを介して使用されている例もあるが、かかる
場合には前記コードに加締められたコネクタ金具
がキヤツプ本体の内側で保持されるので、あくま
でも点火プラグの接続部は端子ナツト螺着のもの
又は一体型端子に限定されたものが実用されてお
り、端子ナツトのない所謂ネジ型端子雄ネジのも
のには不向きであつた。

さらに樹脂キヤツプの両側に防水ゴムギヤツプ
を付加することによつて防水性をある程度備える
ことができるが、特に２輪車などボンネツトのな
いものには一層防水性を向上させたものが必要で
ある。

（発明の目的） 本発明はかかる点に鑑みてなされたもので、巻
線抵抗入コードをゴムブーツによつて強固に保持
でき、点火プラグの接続部が４輪車の端子ナツト
型だけでなく、２輪車に用いられるネジ型端子雄
ネジの点火プラグにも夫々に対応した嵌合孔を具
えたコネクタ金具の使い分けにより簡単に使用で
き、強度を充分にしてコネクタ金具の長さを40mm
以下の可及的短いものにとどめ、巻線抵抗入コー
ドの雑音防止効果をより発揮できるような接続手
段を備えると共に防水性を向上した点火プラグコ
ネクタの雑音防止装置の提供を目的とする。

以下、本発明を図面の実施例に基いて説明す
る。

（実施例） 第１図は本発明の点火プラグコネクタの断面で
あり、図中１は巻線抵抗入コードであり、例えば
ガラス繊維の周囲をフエライト磁性体混和物で被
覆し、その外周には抵抗線を巻設すると共に絶縁
被覆が施されている。２は合成ゴム、シリコンゴ
ム等から成るゴムブーツである。４は前記コード
を保持して電気的接続する第１コネクタ金具であ
り、第２図に示すように、前記コードと接続する
断面Ｕ字状本体の加締め部４ａと後述するプラグ
と接続する第２コネクタ金具に嵌合する筒状嵌合
部４ｂを連成するとともにその筒状部に半径方向
にリベツト穴４ｃを設け、加締め部４ａには前記
コードの前端部が公知の方法である芯部をストリ
ツプ加工又は接触片５を介して加締め接合されて
いる。６は点火プラグ端子と握着する第２コネク
タ金具であり、第４図に示すように、点火プラグ
端子との接続側にはプラグ端子の雄ネジ又は端子
ナツトを嵌挿する嵌合孔６ａを穿設し、前記嵌合
孔６ａの一部に露出するようストツパばね７が該
コネクタ金具６の外周を横切つて設けた溝６ｂに
係止され、嵌合溝６ａに嵌挿されたプラグ端子の
雄ネジ又は端子ナツトの頚部に対しこれと握着す
るよう付勢される。かつ上記第１コネクタ金具と
の接続側には径小の胴状段部６ｃを設けて上記第
１コネクタ金具４の筒状嵌合部４ｂの内面に嵌合
すると共に、この段部６ｃに上記第１コネクタ金
具４のリベツト穴４ｃに合致する穴６ｄが穿設さ
れている。８は第１コネクタ金具３と第２コネク
タ金具５を電気的接続するリベツトである。

なお、第３図に示す第１コネクタ金具３は別の
実施例であつて加締め部３ａをＵ字状に且つ嵌合
部分を筒状３ｂに形成した後、所定角度に曲折さ
せるか、或は加締め部３ａと筒状部３ｂを予め所
定角度をもつて切断した後Ｕ字状、筒状に夫々成
形加工したものである。また第２コネクタ金具６
の嵌合孔６ａは有底になつているが貫通孔であつ
てもよい。

次に本発明の点火プラグコネクタの組付けにつ
いて述べると第５図において巻線抵抗入コード１
に第１コネクタ金具３の本体の加締め部３ａを予
め加締め接合し該本体に連成した筒状嵌合部３ｂ
内に第２コネクタ金具６の胴状の段部６ｃを嵌合
し、前記穴３ｃと６ｄとを一致させてリベツト８
を挿入して加締め加工を行なつて両者を接合す
る。このコード１はコネクタ金具のない自由端の
コード側より先にゴムブーツ２の軸孔２ａ内にそ
のプラグ挿着側開口９より挿通して所定位置に配
設する。プラグの取付は開口９からプラグを挿入
しプラグ端子の雄ネジ又は端子ナツトにばね７を
係止して結合し、ゴムブーツ内に収容された絶縁
体嵌合部に対し開口９は弾力的に圧接して完了す
る。なおコードの防水性、脱着増強のためにコー
ドには接着剤を塗布し固着させることができる。
またコネクタ金具３と６のリベツト穴３ｃと６ｄ
の加工は両者嵌合した後あけてもよい。

さて、本発明の点火プラグコネクタは雑音防止
効果の面から両コネクタ金具３と６の全長ｌは40
mm以下にする必要がある。かかる寸法に限定する
ことによつて、フインがシールドの役目を果たす
大型２輪車の雑音防止装置として有効に使用さ
れ、またコネクタ金具による放射媒体が短くなる
ことから雑音防止効果の低減に有利に作用するこ
とができる。

また第５図は本発明の点火プラグコネクタの他
の実施例を示したもので、第１図の実施例のもの
が曲管式であるのに対し、直管式に適用した例を
示すものである。

（発明の効果） 以上述べたように、本発明の点火プラグコネク
タはコネクタ金具をコード側の第１コネクタ金具
とプラグ側の第２コネクタ金具に二つに分割した
構造とし、第１コネクタ金具の筒状嵌合部に第２
コネクタ金具の段部を嵌合して結合して両者を一
体構造とし、さらにコネクタ全体をゴムブーツで
被覆することによつて、(1)コネクタ金具は単一の
管状部材からの成形品に比しプラグ端子を支持す
る側が二重管構造となつて補強されるとともに、
両コネクタ金具の全長が40mm以下と短くすること
ができて雑音発生の低減に効果を発揮する。(2)加
締め止めされた巻線抵抗入コードは前記配設構成
のためゴムブーツより簡単に脱落することが防止
されかつ防水性も向上する。(3)プラグ端子がネジ
型、一体端子ナツト型のどちらでも夫々の最大径
に応じ第２コネクタ金具６を取換え、一方ゴムブ
ーツ、第１コネクタ金具は共通部品として使用で
きるので、それだけ生産性向上とコストの低減に
役立つ。(4)プラグの絶縁体頭部径が12mmφ，10mm
φのどちらでもゴムブーツ２を交換するだけで使
い分けることができるため生産性にすぐれコスト
が低減できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の点火プラグコネクタの雑音防
止装置の一実施例を示す縦断面図、第２図はその
第１コネクタ金具を斜視図に示したもので、第３
図は他の実施例における第１コネクタ金具を示し
たもので第３図ａはその断面図、第３図ｂはその
斜視図、第４図は第２コネクタ金具を示したもの
で、第４図は第２コネクタ金具を示したもので、
第４図ａはその断面図、第４図ｂはそのＡ−Ａ切
断面図、第５図は本発明の点火プラグコネクタの
他の実施例を示す縦断面図である。 １……巻線抵抗入コード、２……ゴムブーツ、
３……第１コネクタ金具、３ｂ……筒状嵌合部、
４……第１コネクタ金具、６……第２コネクタ金
具、８……リベツト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 筒状嵌合部と加締め部を連成した第１コネク
   タ金具の該加締め部を巻線抵抗入コードの前端部
   に加締め止めて固定すると共に、前記筒状嵌合部
   には、プラグ端子の雄ネジ又は端子ナツトが嵌挿
   される嵌合孔と該嵌合孔の一部に露出するように
   外側に嵌着され半径方向に付勢されたストツパば
   ねを配し、該ストツパばねが前記雄ネジ又は端子
   ナツトと握着される第２コネクタ金具の段部を嵌
   着してリベツト接合し、且つ前記両コネクタ金具
   の合計長さを40mm以下にとどめてプラグ絶縁体嵌
   合部と両コネクタ及び巻線抵抗入コード端から成
   る全体をゴムブーツで被覆したことを特徴とする
   点火プラグコネクタの雑音防止装置。