JPS6131853Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はキヤブオーバ型トラツク等の車両の乗
降用扉に関する。

従来、この種の車両にあつては、乗降用扉の後
下端部が棚状のタイヤフエンダの内側上方に近接
していた。このため、寒冷地などで該タイヤフエ
ンダの上面に積つた雪が氷結すると、これに扉が
引掛かり開放が困難となる欠点があつた。ひどい
時には扉を開けるため、この氷結した雪をハンマ
等で砕く必要があるが、その作業が煩わしく強く
叩き過ぎるとタイヤフエンダを損傷する恐れもあ
つた。

尚、従来タイヤフエンダを対象とするものでは
ないが、雪の付着を防止する装置として、実開昭
55−98647号公報に示す技術がある。

このものは、車両のステツプの上方に位置する
ドア下端部、該ステツプ踏面の略全面を覆うカバ
ー部材を突設したものである。

しかし、このものは、カバー部材の外面側に凹
部を形成し、この凹部の底部に設けたボルト孔に
装着したボルトをドア下端部にねじ込んで、カバ
ー部材を取り付けるようにしたものであるから、
前記凹部に雪等が付着して、ボルト部が氷結して
しまい、なんらかの理由でカバー部材を外したい
場合に、これが行えなくなつてしまうという欠点
がある。又、カバー部材の外面にボルト部が露出
しているので、該ボルト部が常時雪や雨等に曝さ
れ、ボルト部が錆びる等その耐久性を低下させて
しまうという欠点があると共に、ボルト部の露出
により外観上見栄えが悪いという欠点もある。

本考案は上記の従来の不都合に鑑み為されたも
ので、乗降用扉の下部にタイヤフエンダ上面を覆
うプロテクタを取付け、このプロテクタを取付け
る締結具が該プロテクタの外面側に露出しない構
成とすることにより、上記従来の問題点を解消し
た車両の乗降用扉を提供するものである。ドアの
下部の形状を本考案の形状の様に変更することも
考えられるが製作コストが高くなり又ドアの仕様
が増加するという不具合も生ずる為、解決策とし
ては不充分である。

以下、本考案を図示実施例に基づいて説明す
る。一実施例を示す第１図と第２図において、キ
ヤブオーバ型トラツクのキヤブ１の後側下部に横
方向に張出すタイヤフエンダ２が設けられ、この
タイヤフエンダ２の前部上方に乗降用扉３が設け
られている。該扉３の下部にタイヤフエンダ２上
面を覆う高分子ラバー材料からなるプロテクタ４
がボルト５を介して締結されている。プロテクタ
４は断面が略逆Ｖ字状に折曲された形状に形成さ
れており、その折曲部を境にした一対の片部４ａ
及び４ｂのうち一方の片部４ｂが締結具としての
ボルト５により前記扉３の下部に締結され、扉３
閉時は傾斜部４Ａの下端縁がタイヤフエンダ２の
外側縁に圧着してタイヤフエンダ２上を覆うよう
になつている。この場合、ボルト５の頭部等のボ
ルト５取付部は片部４ａによつて遮蔽され、プロ
テクタ４の外面側には露出しないようになつてい
る。

かかる構成の車両扉にあつては、降雪時扉３下
方タイヤフエンダ２上面には積雪せず、その上面
を覆うプロテクタ４上に降る雪の大部分は該プロ
テクタ４の傾斜により地面に落下する。こうして
扉３下方のタイヤフエンダ２上への積雪及びその
氷結を防止できるので、円滑に扉３の開閉を行な
うことが可能となる。又、極寒時はプロテクタ４
表面に付着する少量の雪が氷結することもある
が、扉３の開閉には影響を与えず、又、ラバー材
であるため変形させれば氷結した雪を簡単に除去
できる。然も、ラバー材であるから、扉３の開閉
によりタイヤフエンダ２が損傷することもない。

更に、かかる構成によれば、プロテクタ４を略
逆Ｖ字状に折曲された形状に形成し、その折曲部
を境にした一対の片部４ａ及び４ｂのうち一方の
片部４ｂをボルト５により前記扉３の下部に締結
して、前述のようにボルト５の頭部等のボルト５
取付部を片部４ａによつて遮蔽するようにしたか
ら、該ボルト５取付部はプロテクタ４の外面側に
は露出せず、次のような効果がある。

即ち、ボルト５取付部がプロテクタ４の外面側
に露出しない結果、ボルト５取付部に雪等が付着
して、ボルト５取付部が氷結してしまうというよ
うなことがなく、なんらかの理由由でプロテクタ
４を外したい場合に、それを問題なく行える。
又、ボルト５取付部は雪や雨等に曝されることが
ないので、ボルト５が錆びる等その耐久性を低下
させることがない。更に、ボルト５取付部の露出
しない結果、外観上見栄えが良いという利点もあ
る。

尚、この第１の実施例において、プロテクタ４
の取付方法は第３図に示す如く、プロテクタ４の
軟性を利用し、プロテクタ４を折り返すようにし
てボルト５を締付装置Ａにより緊締すれば良い。
ボルト５は傾斜部４Ａ下方にかくれるから雨、雪
による腐蝕も防止できる。

尚、以上の実施例においてはプロテクタの上面
を傾斜面としたため、雪を効果的に落下させるこ
とができたが、断面方形状のものでも良い。又、
プロテクタはラバー材料の他樹脂材等可撓性部材
で形成すれば高分子材料でなくとも下端縁をタイ
ヤフエンダと密着でき、プロテクタ４を変形させ
て取付けることも容易である。

以上説明したように本考案によれば、扉の下方
のタイヤフエンダ上面を覆うプロテクタを該扉に
取付けるだけの簡単な構成にして、タイヤフエン
ダ上面への降雪を防止することによつて確実に扉
の開閉を行なうことができる。従つて、従来の如
くタイヤフエンダ上面に付着した氷をハンマー等
で砕く作業を必要とせず、もつてタイヤフエンダ
を損傷することもない。又、本考案によれば、可
撓性材料からなるプロテクタを略逆Ｖ字状に折曲
された形状に形成し、その折曲部を境にした一対
の片部のうち一方を締結具により扉の下部に締結
し、締結具の取付部が他方の片部により遮蔽され
るようにしたから、締結具取付部はプロテクタの
外面側には露出せず、締結具取付部に雪等が付着
して氷結してしまうというようなことがなく、な
んらかの理由でプロテクタを外したい場合に、こ
れを問題なく行える。更に、締結具取付部は雪や
雨等に曝されることがないので、締結具が錆びる
等その耐久性を低下させることがないと共に、外
観上見栄えが良いという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す斜視図、
第２図は第１図のＢ−Ｂ矢視断面図、第３図は同
上実施例での取付作業方法を示す図である。 １……キヤブ、２……タイヤフエンダ、３……
扉、４……プロテクタ、４ａ，４ｂ……片部、５
……ボルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 乗降用扉の外側下方にタイヤフエンダを備え
   た車両において、前記扉の下部に取付けられて
   前記タイヤフエンダの上面を覆う可撓性材料か
   らなるプロテクタを設け、該プロテクタは略逆
   Ｖ字状に折曲された形状に形成し、折曲部を境
   にした一対の片部のうち一方の片部を締結具に
   より前記扉の下部に締結し、該締結具の取付部
   が他方の片部により遮蔽されるようにしたこと
   を特徴とする車両の乗降用扉。 (2) プロテクタは上面が扉の外側面とタイヤフエ
   ンダの外側縁とを滑らかに結ぶ傾斜面に形成さ
   れてなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   車両の乗降用扉。