JPS6131645Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刈取作業が開始されたことを検出す
る装置を設け、この検出結果に基づいて、刈取開
始から予め設定した設定時間の間、走行変速レバ
ーが設定低速操作位置より高速側に操作されるの
を牽制する牽制機構を自動的に牽制状態に切換え
るべく構成した刈取収穫機における走行変速牽制
装置に関する。

コンバイン等の刈取作業機においては、機体が
植立茎稈群内に突入する刈取開始時から高速で走
行すると、諸装置に急激な負荷が作用して諸装置
を損傷してしまう虞れがあるばかりでなく、茎稈
の姿勢が不安定となつて円滑な作業を行ない難く
なるから、刈取作業を開始する以前に、低速走行
状態に設定することになる。しかし、刈取開始時
には、条合せのため操向操作を行なう等のように
諸々の操作を行なうため、低速操作位置に操作さ
れた走行変速レバーに作業者が不測に接当した
り、誤操作を起す等により、所望の低速操作位置
に操作された走行変速レバーを高速側に移動させ
てしまう虞れがあるが、前記牽制機構を設けてお
けば、走行変速レバーが設定低速操作位置より高
速側に移動されてしまうのを確実に防止できるも
のとなる。

しかし、作業者が、刈取作業を開始する以前
に、変速レバーを低速操作位置に操作しておくの
を忘れることがあり、この場合には、刈取作業開
始後に低速操作位置に変速操作することになる
が、刈取作業開始直後の設定時間の間は前記牽制
機構が牽制状態になつているため、低速操作位置
へ変速操作できなくなる問題があつた。

本考案は、上記実状に留意して為されたもので
あつて、冒記した構造の刈取収穫機における走行
変速牽制装置において前記牽制機構が前記牽制状
態にあるときに、前記設定低速位置よりも高速側
にある変速レバーの設定低速位置への移行を許容
する移行許容機構を前記牽制機構に設けてあるこ
とを特徴とする。

従つて、移行許容機構の作用により、刈取作業
開始以前に走行変速レバーを低速操作位置に操作
しておくことを忘れることがあつても、刈取開始
後に変速レバーを設定低速操作位置へ操作するこ
とができ、且つ操作後は、牽制機構の作用を充分
に活用できるものであるから、牽制機構による牽
制状態を解除し、更に、牽制状態に復帰させるた
めに作業者は何ら特別な操作を行なう必要がない
のであり、走行変速レバーを迅速、容易に設定低
速操作位置に操作できるものである。

以下本考案の実施例を図面について詳述する。

第１図は、コンバインの側面を示しており、ク
ローラ走行装置１及び脱穀装置２等からなる本機
前部に、刈取前処理部が昇降調節自在に連結装備
されている。

前記刈取前処理部は、左右一対の植立茎稈導入
径路Ａ，Ｂ（第２図参照）に導入されてくる茎稈
を、左右一対の引起し装置３ａ，３ｂにて立姿勢
に引起し、引起された茎稈の株元端を刈取装置４
にて切断し、刈取後合流された茎稈を後方搬送装
置５にて後部脱穀装置２のフイードチエーン６に
向けて搬送すべく構成されている。

前記走行装置１が、第３図に示す如く、搭載エ
ンジン７と連動された油圧式の無段変速装置８か
らの出力にて駆動されるべく構成されるととも
に、この変速装置８の揺動操作アーム８ａと操縦
座席９（第１図参照）の近くに設けた走行変速レ
バー１０とがリンク機構１１を介して連動連結さ
れている。そして、レバー１０を中立位置Ｎから
前方Ｆ位置側へ操作するほど高速前進状態とな
り、中立位置Ｎから後方Ｒ位置側へ操作するほど
高速後進状態となるように構成されている。

次に、走行変速牽制装置について説明する。

すなわち、第２図に示す如く、前記径路Ａ，Ｂ
の内の右側の径路Ｂに導入されてくる茎稈に押圧
されて後退揺動するセンサー１２が、刈取作業が
開始されたことを検出する装置として設けられる
とともに、センサー１２が後退揺動されると押圧
閉成操作される電気スイツチ１３が設けられてい
る。第３図に示す如く前記走行変速レバー１０の
近くにソレノイド１４ｂが設けられている。この
ソレノイド１４ｂは、後退付勢されるロツド１４
ａを通電されている間だけ突出作動させるべく構
成され、この突出状態において、前記変速レバー
１０が設定低速操作位置F₁より高速側に操作さ
れるのを牽制阻止すべく構成されている。前記電
気スイツチ１３と前記ソレノイド１４ｂとがタイ
マー１５を介して接続されており、前記ソレノイ
ド１４ｂが、前記スイツチ１３が閉成されるとタ
イマー装置１５にて設定された時間だけ通電され
るようにして牽制機構１４が構成されている。

そして、刈取作業が開始されると、その後前記
タイマー装置１５にて設定された適当時間の間だ
けソレノイド１４ｂが通電されて、走行変速レバ
ー１０が設定低速操作位置F₁より高速側に操作
されるのが牽制阻止されるべく構成されている。

又、この走行変速牽制装置には、前記ロツドの
突出状態、つまり、牽制状態において、前記設定
低速位置F₁よりも高速側にある変速レバー１０
の設定低速位置F₁への移行を許すべく、以下に
述べる移行許容機構が組込まれている。

すなわち、第４図に示す如く前記ソレノイド１
４ｂの突出ロツド１４ａの先端部に、突出状態に
おいて、高速側から設定低速操作位置F₁へ移行
されるレバー１０と接当する傾斜状のカム面Ｔが
形成されるとともに、ロツド１４ａがスプリング
１６の付勢力に抗して後退変位自在に構成されて
おり、レバー１０がカム面Ｔを押圧してロツド１
４ａを後退変位させる作用により、高速側から設
定低速位置F₁へ変速レバー１０が操作できるよ
うに構成されている。

尚、移行許容機構を構成するに、例えば実施例
に示す牽制機構１４において変速レバー１０が設
定低速操作位置F₁よりも高速側にあることを検
出して、この検出状態の時だけ、ソレノイド１４
への通電を停止させるようにしてもよい。

又、実施例では、一定方向、つまり前後方向に
操作される変速レバー１０について説明したが、
屈曲径路に沿つて移動されてギヤ変速装置を操作
するレバーについても実施できるものである。

又、刈取開始を検出するには、通常、刈取前処
理部が、刈取作業の開始時に、上方から刈取作業
用高さに下降されることになるから、これを検出
させてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る刈取収穫機における走行変
速牽制装置の実施例を示し、第１図はコンバイン
の側面図、第２図はセンサー装着部の平面図、第
３図は走行変速構造の斜視図、第４図はソレノイ
ド部の平面図である。 ８……無段変速装置、１０……変速レバー、１
２……検出装置、１４……牽制機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 刈取作業が開始されたことを検出する装置１
   ２を設け、この検出結果に基づいて、刈取開始
   から予め設定した設定時間の間、走行変速レバ
   ー１０が設定低速操作位置F₁より高速側に操
   作されるのを牽制する牽制機構１４を、自動的
   に牽制状態に切換えるべく構成した刈取収穫機
   における走行変速牽制装置であつて、前記牽制
   機構１４が前記牽制状態にあるときに、前記設
   定低速位置F₁よりも高速側にある変速レバー
   １０の設定低速位置F₁への移行を許容する移
   行許容機構を前記牽制機構１４に設けてあるこ
   とを特徴とする刈取収穫機における走行変速牽
   制装置。 前記変速レバー１０は、一定方向に揺動操作
   されて無段変速装置８を変速するものである実
   用新案登録請求の範囲第項記載の刈取収穫機
   における走行変速牽制装置。