JPS6131019Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、停電あるいは装置の故障等の非常時
におけるエレベータの非常連絡装置に関するもの
である。

従来より、エレベータには停電又は装置故障等
の原因によりエレベータかごが階床間に停止し、
乗客がかご内にとじ込められる、いわゆるかん詰
め状態になつた場合にビル内の管理人室等にその
旨通報する通報装置が設置されている。しかし昼
食時あるいは夜間は管理人室等に管理人が不在と
なることが多くこのような場合、従来装置ではか
ご内にとじ込められた乗客は外部と連絡をとるこ
とができず早期救出が困難となることがあつた。

このために、最近では管理人が不在のときには
自動的に加入者電話回線を通して外部の特定場所
にテープにより通報する方法が提案されている。
しかし、この場合、管理人がそのときたまたま管
理人室等にいないだけで、該ビル内にいるときに
も外部サービス会社に連絡がいつてしまうため、
その連絡を受けたサービスマンは直接現場へ赴き
乗客の救出活動をすることになる。ところで、乗
客の早期救出の点で、このような場合は管理人が
行なうことがより適切であり迅速であるため、ま
ずビル内の管理人に連絡するべきである。

本考案は上記の点に鑑みなされたもので、ビル
内に管理人が不在のときのみ、外部サービス会社
等へ連絡する非常連絡装置を提供するものであ
る。

第１図は本考案によるエレベータ非常連絡装置
の構成図を示す。第１図中、１はエレベータか
ご、２はエレベータかご内に設けられた第１の送
受話器、３はビル管理人あるいは保守会社のサー
ビスマンを呼び出す呼びボタン、４はビル管理人
室又は管理人室のない場合はビル内の廊下等の所
定の場所、５はビル管理人等に設けられた第２の
送受話器、５ａは前記第２の送受話器内の接点で
受話器をとり上げると開路する、６は動作遅延リ
レー等により構成された制御装置、７はビル内に
設けられた警報装置、８は自動ダイヤル装置、９
はエレベータサービス会社等の特定場所、１０は
特定場所９に設置された加入者電話機、l₁〜l₄は
ビル内信号回線、l₅はビル内通話回線、l₆は加入
者電話回線を示す。又、第２図は第１図における
制御装置６の回路図と呼びボタン３及び警報装置
７との関係を示す一実施例図であり、第２図中、
BTは電源、１１はリレー、１１ａは前記リレー
１１の常開接点、１２〜１４は動作遅延リレー、
１２ａは前記動作遅延リレー１２の常開接点、１
３ａは前記動作遅延リレー１３の常開接点、１３
ｂは同じく前記動作遅延リレー１３の常閉接点、
１４ａは前記動作遅延リレー１４の常閉接点を示
し、第１図と同一符号のものは同一のものを示
す。

以下第１図及び第２図を用いて、管理人が管理
人室にいる場合とビル内の他の場所にいる場合
と、管理人がビル外に出ている場合の３つの場合
に分けて本考案装置について説明する。まず、管
理人が管理人室にいる場合に、エレベータに異常
が発生し乗客が呼びボタン３を押すと、管理人室
等４に設けられた第２の送受話器５の呼び出し音
が鳴る。そして管理人が第２の送受話器５をとり
上げると、ビル内通話回線l₅を通じて乗客は管理
人と通話ができ助けを求めることができる。又、
管理人が第２の送受話器５をとり上げればリレー
接点５ａが開路するので制御装置６、警報装置７
及び自動ダイヤル装置８は働かない。

次に管理人がビル内の管理人室等以外の場所に
いる場合に乗客が呼びボタン３を押すと前述の場
合と同様に第２の送受話器５の呼び出し音がな
る。又それと同時に接点５ａ及び接点１４ａが両
者とも閉路しているので、閉回路「BT−１４ａ
−５ａ−３−１１−BT」によりリレー１１は付
勢し接点１１ａにより自己保持する。と同時に動
作遅延リレー１２は動作を開始し所定時限t₁経過
しても管理人が第２の送受話器５をとり上げなけ
れば前記動作遅延リレー１２は付勢し、接点１２
ａは閉路する。前記動作遅延リレー１２の接点１
２ａが閉路すると、閉回路「BT−１４ａ−１２
ａ−１３ｂ−７−BT」によりビル内に設置され
た警報装置７が鳴り出す。ビル内にいる管理人は
その警報によりエレベータ内に乗客がかん詰めに
なつていることを知ると急遽管理人室にもどり第
２の送受話器５をとり上げ乗客と通話する。それ
により管理人は適切な処置をとることが可能とな
る。又、管理人が第２の送受話器５をとり上げる
と、第２図において接点５ａが開路するためリレ
ー１１、動作遅延リレー１２が消勢し、接点１２
ａの開路により警報装置７が鳴りやむ。

最後に、管理人がビル内には不在の場合に乗客
が呼びボタン３を押すと、前述の場合と同様に警
報装置７がビル内に鳴りひびく。と同時に閉回路
「BT−１４ａ−１２ａ−１３−BT」により動作
遅延リレー１３が動作を開始する。しかし、前述
の場合と違つて管理人がビル内にいないため動作
遅延リレー１２の接点１２ａが閉路してから所定
時限t₂を経過しても第２の送受話器による応答が
ないので動作遅延リレー１３が付勢し、前記動作
遅延リレー１３の接点１３ａは閉路、接点１３ｂ
は開路して警報が鳴りやむ。接点１３ａの閉路に
より自動ダイヤル装置８は起動し、加入者電話回
線l₆を通じてエレベータサービス会社等９に設置
された加入者電話機１０を自動的に呼び出す。次
にサービス会社等にいるサービスマンが加入者電
話機１０をとり上げると、自動ダイヤル装置は加
入者電話回線l₆を通じてテープ等に記録されてい
る所定のメツセージを送るため、エレベータの乗
客はサービスマンにより救出される。

ところで動作遅延リレー１４は制御装置４のリ
セツト用に設けられたもので、種々の回路が考え
られるが、例えば動作遅延リレー１３と並列に接
続され、所定時限t₂よりも長い所定時限t₃で付勢
する遅延リレーである。前記動作遅延リレー１４
が付勢すると接点１４ａが開路するため全てのリ
レーが消勢するようになつている。

以上述べたように、本考案によれば管理人がビ
ル内に不在のときのみエレベータサービス会社等
へ非常連絡されるので、サービス会社等への不必
要な通報がなくなりサービスマンの負担の軽減が
はかられる。又、非常の際には現場にいる管理人
にまず優先して通報が行なわれるため、乗客の救
出がなお一層迅速にできる効果がある。

尚、以上の説明では警報装置８は、単に警報が
大きく鳴らせる場合について記載したが、これは
時間を追つて段階的に音を大きくしてゆくように
してもよい。そうすればエレベータ利用者あるい
はビル居住者への心理的影響の面のみならず他の
警報装置、例えば火災報知器等と区別ができより
効果的な機能を発揮できる。このことは、周知の
ように警報装置回路に直列に抵抗を挿入して順次
抵抗を短絡してゆくようにすれば容易に実施でき
る。

又、実施例では、ただ単に非常を通報する装置
を例にあげて説明したが、相互に通話が可能な通
話装置を使用しても同様の効果が得られることは
明白である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す構成図、第２
図は制御装置６の回路図とかご内装置及び警報装
置との関係を示す一実施例図である。 １はエレベータかご、２は第１の送受話器、３
は呼びボタン、４はビル管理人室又はビル内の廊
下等の所定場所、５は第２の送受話器、６は制御
装置、７は警報装置、８は自動ダイヤル装置、９
は特定場所、１０は加入者電話機、l₁〜l₄はビル
内信号回線、l₅はビル内通話回線、l₆は加入者電
話回線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) エレベータかご内には第１の送受話器と呼び
   ボタンとを設け、ビル管理人室等の所定の場所
   には第２の送受話器と自動ダイヤル装置とを備
   え、前記第１の送受話器と前記第２の送受話器
   とはビル内通話回線により接続、前記呼びボタ
   ンと前記第２の送受話器とはビル内信号回線に
   より接続され、前記自動ダイヤル装置は加入者
   電話回線により外部の特定場所に接続されてい
   るものにおいて、ビル内の前記所定の場所以外
   の場所に警報装置を備えるとともに、前記所定
   の場所には前記呼びボタンが操作されて後所定
   時間経過しても前記第２の送受話器による応答
   がなければ前記警報装置を作動させる回路と、
   前記警報装置の作動から所定時間経過しても前
   記第２の送受話器による応答がなければ前記自
   動ダイヤル装置を起動する回路からなる制御装
   置を設けたことを特徴とするエレベータの非常
   連絡装置。 (2) 前記警報装置は経過時間に応じて音量が大き
   くなる如く構成された実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のエレベータの非常連絡装置。