JPS6130946Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来、歩行用農業機械、特に耕耘機に於いて、
機体から二又状に分岐するハンドルフレームを介
して、操作ハンドルを支持するようにしたもので
は、エンジン、車輪、耕耘部等から発生する振
動、衝撃等が直接操作ハンドルに伝達されるの
で、これを操作するオペレーターは疲れて長時間
の運転には支障をきたした。そこで近来は操作ハ
ンドルの取付部に防振装置を介在させる方法が行
なわれるようになつたが、これらは構造複雑で且
つ耐久性がないなどの欠点があつた。また歩行用
農機ではオペレーターの体格に応じてハンドルの
高さを調節する必要があるが、防振装置を備えた
上に、ハンドルの高さを容易に替えられるものは
いまだ開発されていない。本考案はこれらの実情
に鑑みて、従来の欠点を除去すべく創案したもの
である。

第１図は本考案の実施例を示す耕耘機の側面図
であつて、図中１は車輪２によつて支持された耕
耘機の機体で、その前方にエンジン３、後方に耕
耘部４等を配設して構成されている。第２図、第
３図は本考案の要部を示す図面で、図中５は前部
を機体１に取付けて固定し、後部に、左右一対の
操作ハンドル６，６′を上下に調節自在な如く取
付けたハンドルフレームである。該ハンドルフレ
ーム５の後部即ちハンドル支持部７，７′はハン
ドルフレーム５の中途部から二又状に斜め後方に
延出し、断面は逆Ｕ字形に形成されている。（ハ
ンドル支持部から後方の部分はすべて左右対称と
なつているので以下その一側部についてのみ説明
し、他側部については之を消略する） ８，８′は逆Ｕ字形をなすハンドル支持部７の
両辺に設けて、操作ハンドル６の後部取付部１２
を枢支するための支持孔で、これに貫通する通し
ボルト９とワツシヤ１０ａ、ナツト１０によつて
後部取付部１２を固定する。１４は前記支持孔８
の前方において、操作ハンドル６の前部取付部１
３を固定するための支持孔で、逆Ｕ字形をなすハ
ンドル支持部７の内側に、Ｌ形ブラケツト１５の
一辺をハンドル支持部７の一辺と平行となる如く
上部と端部において固着し、これの前記支持孔１
４に対応する位置に支持孔１４′を設け、両支持
孔１４，１４′に貫通する通しボルト１６、ワシ
ヤ１７ａ並びにナツト１７によつて操作ハンドル
６の前部取付部１３を固定するものである。１
８，１８′は前記支持孔１４，１４′の下部に設け
た支持孔で、操作ハンドル６の握り部１９を高い
位置にしたい場合は、操作ハンドル６の前部取付
部１３をこの位置において枢支するようになつて
いる。尚本実施例ではＬ形ブラケツト１５の一端
をハンドル支持部７の一辺に固着したが、第４図
の如くＬ形ブラケツトの他端を延出して、ハンド
ル支持部７の対辺にも固着するようにすれば、Ｌ
形ブラケツト１５及びハンドルフレーム５の強度
を一層増大その効果がある。

操作ハンドル６は上述の如く、前後二個所のパ
イプ状の取付部によつてハンドルフレーム５に枢
支され、後部に握り部１９を設けた稈体であつ
て、前部取付部１３には、その左右端の凹部に設
けたリング状の弾性体２０，２０′を介して、つ
ば付きブツシユ２１，２１′が嵌挿されていて、
（前部取付部１３を外殻とすれば、これに対しつ
ば付ひブツシユ２１，２１′は内輪の関係とな
る）ブツシユのつばとの間に間隙ｌ、ブツシユの
外周との間に遊隙ｍを構成する様に組付けられて
いる。後部取付部１２には、その左右端の凹部に
設けたリング状の弾性体２２，２２′を介して、
該取付部１２より突出するブツシユ２３が嵌挿さ
れていて、ブツシユ２３の外周との間に遊隙ｍを
有し、且つハンドル支持部７に組付けた時に左右
の間隙ｌが得られる様に構成されている。

この様な構成になる操作ハンドル６をハンドル
支持部７に組付けるには、ハンドル支持部７の下
方から操作ハンドル６を挿入し、支持孔８，８′
に対し後部取付部１２が貫通する位置において通
しボルト９、ワシヤ１０ａ、ナツト１０によつて
後部取付部１２を固定し、前部取付部は支持孔１
４，１４′と前部取付部１３とが貫通する位置に
おいて通しボルト１６を嵌挿し、ワシヤ１７ａ、
ナツト１７によつて固定するものである。また操
作ハンドル６の握り部１９を高い位置にして使用
する場合は、通しボルト１６を離脱し、握り部１
９の位置を上げて支持孔１８，１８′と前部取付
部１３とが貫通する位置において、上記同様通し
ボルト１６、ワシヤ１７ａ、ナツト１７によつて
操作ハンドル６を固定すればよい。

以上の様に構成された本考案の実施例のハンド
ルフレーム５において、操作ハンドル６の前部取
付部１３を枢支する部分は、逆Ｕ字形をなすハン
ドル支持部７の内側に略Ｌ字形をなすブラケツト
１５がそ上部と端部とにおいて固着されているの
で、ブラケツト１５及びハンドルフレーム５自身
が振動や曲りに対して強度を増大するのに効果が
ある。

操作ハンドル６をハンドルフレーム５の組付け
た状態において、前部取付部１３はつば付きブツ
シユ２１，２１′によつて構成される内輪が固定
され、外殻部は弾性体２０，２０′を介して支承
されているから左右の間隙ｌ及び孔の遊隙ｍによ
つてきまる許容範囲の振動はどんな方向のもので
あつても一切弾性体２０，２０′に吸収される。
また後部取付部１２も内輪が固定され外殻部が弾
性２２，２２′を介して支承され、前部取付部と
同様に左右間隙ｌ及び孔遊隙ｍを形成されている
から、防振効果を一層助長するものである。従つ
て、エンジン３、車輪２、耕耘機４等に発生した
振動や衝撃は殆んど弾性体に吸収されて操作ハン
ドル６に伝はることがないので、オペレーターは
疲れることなく長時間機体を操作することができ
る。

本考案における操作ハンドル６は前述の構成に
て前後二個所で枢支されているから弾性体の受け
る荷重は圧縮と伸びとに限られ、捩り荷重は受け
ないから、弾性体はせん断変形を生ずることな
く、そのため耐久性が大である。また操作ハンド
ルを上下に調節する際に、前部取付部１３はボル
ト１６を外して、つば付きブツシユの面を取付面
に滑らせながら上下に移動するものであるから、
この操作において弾性体２０，２０′が損傷する
ことなく、部品が脱落する恐れもない。

この様に本考案によれば、手元に受ける振動、
衝撃が少なく、ハンドルの上下調節が容易で、然
も防振部の耐久力が大なる歩行用農業機械を提供
し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は耕耘機の側面図、第２図は要部斜視
図、第３図は要部断面図、第４図は別の例におけ
る要部断面図である。 １……機体、５……ハンドルフレーム、６，
６′……操作ハンドル、７，７′……ハンドル支持
部、８，８′……支持孔、９……通しボルト、１
２……後部取付部、１３……前部取付部、１４，
１４′……支持孔、１５……Ｌ形ブラケツト、２
０，２０′……弾性体、２１，２１′……つば付ひ
ブツシユ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドルフレーム５に操作ハンドル６，６′を
   その後部取付部１２を支点として上下に調節支持
   可能に取付けたハンドル支持装置において、操作
   ハンドルの前部取付部１３にはその左右凹部に設
   けた弾性体２０，２０′を介してつば付ひブツシ
   ユ２１，２１′を浮動可能に挿嵌し、更に該ブツ
   シユ２１，２１′をハンルフレーム５の支持部７
   の一辺と、該支持部７の内側に固着した略Ｌ字形
   のブラケツト１５の一辺間に挿入して、支持部７
   とブラケツト１５の各辺に相対向して設けた複数
   個の支持孔に選択的に貫通するボルト１６により
   ブツシユ２１，２１′を各辺間で挟持せしめ操作
   ハンドルの前部取付部１３をハンドルフレーム５
   に取付けるように構成してなる操作ハンドル調節
   支持装置。