JPS6130544Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この合考案は、小売点等の売場で使用される指
輪用陳列具に関するものである。

はじめに、最近における女性用服飾アクセサリ
の流通の現状につき説明する。

街中や観光旅行先など多数の人が集まる場所で
多く見受けられるアクセサリの種類としては、
指輪、イヤリング、ネツクレス・ペンダン
ト、髪飾り、の順位であるが、これに比べ、大
規模小売店等のアクセサリ売場における種類別陳
列量を見ると、その順位は、イヤリング、ネ
ツクレス・ペンダント、髪飾り、ブローチ、
の順になつていて、指輪は５位以下に落ちてお
り、このように、指輪の販売における対応が客の
ニーズに比べて大きなギヤツプがあることが解
る。

その理由は、店先に商品を陳列した場合に、ニ
ーズが大きくかつ形状が小さい物程万引され易い
ことに起因するものであつて、特に指輪に関して
は、中・高校生などの若年層に感心が強く、かつ
形状が小さいために隠し易く発見が困難なため
に、大きな万引被害を受けている。

しかして、万引に会うことを恐れ、指輪をガラ
スケース等の販売器具の中に完全に納めてしまう
事や、指輪の陳列を止めてしまう事などが多く見
られるが、このように、販売する環境で客が簡単
に商品を手にすることが出来ないとか、また試着
試用が出来ない場合には、小売業の目的とする売
上高が損われることが避け難く、特に、はつきり
と万引防止の対策を採つていますよと伝わんばか
りの販売装置を使つて販売した場合には、以前に
比べて売上げが激減しているのが現状である。

本考案は、このような現状に鑑みなされたもの
であつて、すなわち、本考案の目的は、陳列する
指輪の取付け、取外しに手間がかからず、かつ陳
列した状態で客が自然な感覚で指に試着すること
ができ、更に、簡単に手の中に隠して持去ること
ができないようにした指輪用陳列具を提供するこ
とにある。

その目的を達成する手段として、本考案の陳列
具は、上面に座部９が形成された板体より成りか
つ同座部９の中央部に底抜孔９ａが穿開されてい
る受板８と、少くとも上面が開口する箱形を成し
かつその上面には上記受板８が着脱可能に取付け
られている支持箱１と、上端部は上記底抜孔９ａ
より突出して座部９上の指輪Ｒに結合され下端部
は支持箱１内に垂下される保持紐１１と、基部は
上記支持箱１の内部の側壁面に係止され先端部は
上記保持紐１１の下端部と結合されて該保持紐１
１を下方に付勢する板ばね１０と、を具備するこ
とを特徴としている。

以下、図示の一実施例に基づいて本考案を説明
する。

実施例の陳列具は、第１図ないし第６図に示す
ように、ハインパクト樹脂で成型された支持箱１
と、ハインパクト樹脂で成型されたＬ形部材２と
により箱形に形成されていて、先ず支持箱１は、
前、後の各板３，４と、底板５と、左側板６とが
一体に成形された部材であつて、その上面と右側
面とが開口している。

なお、前板３と後板４の各上端には、夫々内向
きにガイドつば３ａ，４ａが成形されると共に、
底板５の開口端の中間部分には、後述する右側板
７の下端が突き合わされる切欠５ａが切除されて
おり、また、前板３と後板４の外面の上部には、
飾り用のリブ３ｂ，４ｂが水平に膨出している。

次にＬ形部材２は、支持箱１の上端面に挿入さ
れる受板８と、支持箱１の右側開口に付き合わさ
れる右側板７とが一体に成形された部材であつ
て、受板８の下面の前後端縁と左側端縁は、支持
箱１の上端が突き合わされる切欠８ａ，８ｂが切
除されると共に、切欠８ａの中段には、支持箱１
のガイドつば３ａ，４ａに挿嵌されるガイド溝８
ｃ（第６図に表記）が凹入成形されている。

そのほか、受板８の上面には、長手方向の中間
部に沿うＶ溝が舟底形に凹入成形されて成る薬研
状の座部９が穿設されると共に、同座部９の中央
部には、底抜孔９ａが下方に貫通しており、ま
た、同座部９の前縁の中央には、前方に開口する
細幅の切落し９ｂが穿開されている。

次に、右側板７の内面の上部には、上下２箇所
に突子７ａが穿設されていて、同突子７ａには、
ポリプロピレンの弾性樹脂板よりなる板ばね１０
の上半の基部が圧入固定されており、かつ同板ば
ね１０の下端には、後述する保持紐１１の下端が
結着される通し孔１０ａが開けられている。

なお、支持箱１と受板８の夫々の外面の４隅辺
は、斜面に切落とされているが、第６図では、切
落しの表記を省略してある。

次に、このように形成された支持箱１とＬ形部
材２とに、陳列すべき指輪Ｒを取付ける操作につ
き述べるが、その取付けには、セキユラフアスナ
と呼ばれる樹脂製の保持紐１１を使用する。

先ず、Ｌ形部材２を支持箱１から取出した状態
（第６図）にしておき、一方、保持紐１１を指輪
Ｒに掛け回した後、同紐１１の両端をそろえて板
ばね１０の通し孔１０ａに通し、その上で紐１１
に結び目をつける。

次で、板ばね１０の弾力に抗して指輪Ｒを引き
上げた後、紐１１の上端寄りを切落し９ｂを通し
て底抜孔９ａの中央に導びく。

更に、その状態で指輪Ｒから手を離せば、指輪
Ｒは下方に引かれて座部９のＶ溝の底部に押付け
られ、これにより指輪ＲはＶ溝上に直立保持され
る。

最後に、受板８を、そのガイド溝８ｃを支持箱
１のガイドつば３ａ，４ａに対向させた上で支持
箱１に押込めば、右側板７が底板５の切欠５ａに
当つた処で、完全な箱形を成す陳列具に組付けら
れる。

このように構成された実施例の陳列具に取付
け、展示された指輪Ｒは、 (a) 全体が外部から見えるので、商品の感覚的価
値が損われないこと、 (b) 美麗な箱体をバツクにして指輪Ｒを見るの
で、陳列具の美しさが一体になつて商品を引立
てること、 (c) 顧客が指輪Ｒを受板８から引出した状態で自
由に指に試着して自然な感覚で観賞できるこ
と、 (d) 指輪Ｒが陳列具から離れないので、手の中に
隠そうとしても、外見から容易に発見されるこ
と、 (e) 指輪Ｒの陳列具への着脱に手間がかからない
ので、販売コストの削減が可能であること、等
のメリツトがある。

以上述べたように、本考案に係る指輪用陳列具
によれば、受板の座部上に置かれた指輪に保持紐
を掛け回した上で、支持箱内に保持紐を引き、更
にその下端を下方引張りばねにより付勢させるよ
うに構成したので、出来心的な万引を皆無になし
得るほか、顧客が容易に試着し得、これにより客
のニーズに比列して商品陳列量を増やすことによ
り、適切に販売成果を獲得し得る。

その他、 (a) 陳列具に価格を表記することにより、指輪の
本当の美しさを表現、提共できる。

(b) 陳列に手間がかからないので、流通コストを
削減できる。

(c) 陳列品の品切れが容易に解るので、新たな付
加価値が獲得できる。

等により、販売効果を具体的に促進し得る効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す指輪用陳列
具の平面図、第２図は、同前面図、第３図は、同
左側面図、第４図は、第１図の−線における
正断面図、第５図は、第１図の−線における
側断面図、第６図は、同分離斜視図である。 Ｒ……指輪、１……支持箱、８……受板、９…
…座部、９ａ……底抜孔、１０……板ばね、１１
……保持紐。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面に座部９が形成された板体より成りかつ同
   座部９の中央部に底抜孔９ａが穿開されている受
   板８と、少なくとも上面が開口する箱形を成しか
   つその上面には上記受板８が着脱可能に取付けら
   れている支持箱１と、上端部は上記底抜孔９ａよ
   り突出して座部９上の指輪Ｒに結合され下端部は
   支持箱１内に垂下される保持紐１１と、基板は上
   記支持箱１の内部の側壁面に係止され先端部は上
   記保持紐１１の下端部と結合されて該保持紐１１
   を下方に付勢する板ばね１０と、を具備すること
   を特徴とする指輪用陳列具。