JPS6129811B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は建築物の屋根ふき材の製造方法とその
装置に係る。

屋根は現在例えばかわらや薄板などの多くのい
ろいろの材料でふかれている。かわら屋根は魅力
的であり、かつ多くの人は自分の家の屋根をかわ
らでふくのを望んでいる。しかしながら、かわら
は高価である。屋根がわらの製造業は収益性がな
いために漸次存在しなくなつてきており、恐らく
将来屋根がわらの不足を来たすことになろう。

現在存在しているブリキ屋根は平坦な薄板また
はいろいろの外観の通常のロール成形の薄板、ま
たは台形波型の薄板などから構成されている。

本発明の方法によると、屋根ふき材は薄板で構
成されるが、かわらの外観を有することを意味す
る一種の薄板かわら屋根が作られる。この新しい
薄板かわら屋根は大きな構成単位で製造され、そ
して複数個の“かわら”を含むので、いくつかの
かわらの列が垂直方向ならびに横方向の両方向に
得られる。この大きな構成単位は次に所望の寸法
に切断できる。さらに、この大きな構成単位の個
個の“かわら”はさらに所望に応じて種々の寸法
（モジユール）に製造できる。この新しい屋根ふ
き材は通常のかわら屋根よりも安価に製造でき、
かつ屋根にふくのが安価である。該屋根ふき材料
はさらに通常のかわら屋根の外観を有し、したが
つて新しい屋根ふき材もまた多くの人々にとつて
魅力的である。

新しい屋根ふき材は、かわら屋根の外観を有す
るので、通常の薄材料の屋根ふき材に比べても魅
力的である。

新しい屋根ふき材料は、さらに製造上の経済性
の観点から見て有利である。

以下において、この屋根ふき材の製造方法と装
置について詳細に説明する。

屋根ふき材の外観は第２図に示すが、個々の
“かわら”の寸法は横方向と垂直方向の両方向に
おいて変えることができる。かわらの列の数もま
た両方向に変えることができる。

製造方法は薄板のロール成形またはプレス加工
または曲げ加工の工程を含み、該薄板が他の方法
で恐らくプラスチツク被覆または表面処理され
る。薄板は、その湾曲と種々の曲率半径がかわら
の対応の外観に一致するように形成される。この
ようにして、それぞれ対応の湾曲と曲率半径を備
えた成形薄板を製造することによつて、個々の
“かわら”の横方向における寸法と大きさを変え
ることができる。

薄板がわらは次にある種の引張りプレス加工に
よつて垂直方向（第２図）に“ぎざぎざ”即ちひ
だ（第２図）を作ることにより成形した薄板（第
１図に示す実施例）から製造され、この引張りプ
レス加工は輪郭付け方向に対して横断方向のひだ
を適当な中心距離において生じさせる。この中心
距離は、もちろん以下に説明するように送り長さ
に応じて変えることができる。

第３図は側方から見た薄板かわらを示し、該ひ
だは２個の通常の屋根がわらの間の重なり高さに
一致する。２個の通常の屋根がわらの間の横方向
の重なりに対応するひだは前記によるロール成形
の薄板の形状により得られる。

形状づけられた薄板部分は工具（第４図から第
６図）によつて薄板かわらに成形されるが、該工
具は第４図に示す４個の別個の部品から構成さ
れ、第４図で該工具は種々の部品を分離した状態
で示される。種々の部品は、互いに嵌合し、かつ
ロール成形済みの薄板部分の形状（第４図の断面
Ａ−Ａ参照）に概ね一致するような形状を有す
る。

成形された薄板が工具内に位置決めされると、
薄板が最初に工具の左側の２個の部品の間および
右側の２個の部品の間で押されることによつて固
定される。このようにして、成形された薄板はし
つかりと保持され、工具の右と左のそれぞれの部
品によりクランプされるが、これは次の作業を続
けるのに必要である。

その後、例えば、右側と左側の工具の部品が薄
板に対しクランプ力を維持した状態で、右手の工
具の部品が距離ｈだけ下方へ（第６図参照）動か
され、即ち、１個のひだが一度に形成されること
で、ひだ、即ち段部の形成が達成される。工具部
品の移動は、例えばばねまたは個々のシリンダに
よるそれぞれの工具の部品の個々の移動により行
なわれる。

前記の一方の対の工具は他方の対の工具に対し
平行な関係で垂直方向に動かされるので、ひだ、
即ち段部はそれにより「引張プレス加工」で形成
される。「引張プレス加工」という用語の定義
は、材料が工具の表面に対しすべると共に、伸ば
されることを意味する。ひだ、即ち段部を得るた
めに、薄板は十分強くクランプする必要があり、
即ちクランプ力の大きさは、ひだ、即ち段部にお
ける薄板の引張力が一定の大きさに達するまで、
薄板が工具の表面に対しすべり始めないような大
きさである。前記引張力の大きさは、裂断が生じ
る引張力よりも小さい。しかしながら、前記引張
力の大きさは、薄板の伸びが生じる引張力よりも
大きい。前記引張力の大きさまで達すると、薄板
は工具の表面に対しすべり始め、それにより薄板
の金属は、薄板が伸ばされるのと同時にひだ、即
ち段部形成区域へ供給され、したがつてひだ、即
ち段部が形成される。このように、ひだ、即ち段
部は薄板の伸びおよび工具表面に対する薄板のす
べりの組合せにより形成される。

第７図はひだの水平部分、即ち通常の２個の屋
根がわらにおける垂直方向の重なりに対応する部
分を示す。第８図は同じ細部の斜視図である。ひ
だが形成される際に、薄板は部分ＡおよびBCに
おける伸びがそれぞれ異なり、これが制御できな
いひだ形成を生じることがある。

予成形された薄板が正弦曲線の形状にされ、か
つ２対の工具の４個の部品の表面が対応した正弦
曲線の形状にされ、さらに２対の工具が第６図に
おいて距離ｈだけ相互に対し変位した後に、部分
Ａの高さが第７図と第８図において部分Ｂの高さ
に等しいと仮定すると、そこで生じることは、部
分Ａの高さが部分Ｂの高さに等しく、部分Ｃの距
離は部分Ａの高さおよび部分Ｂの高さより小さい
ので、薄板の金属は部分Ａの個所で裂断する傾向
があり、および（または）第７図と第８図におい
て区域BCにおいてしわを生じる傾向があること
である。

前記引張プレス加工を成し遂げ、かつしわおよ
び（または）裂断を防止するために、工具は次の
ように構成される。

本発明によると、クランプ力即ち、保持力は部
分ＡおよびBCにおいてそれぞれ異なるように工
具の形状全体にわたり変化がある。部分Ａの高さ
が部分Ｂの高さに等しいと仮定すると、保持力は
部分Ａにおけるよりも部分BCにおいて大きい。
これは、部分Ａに隣接した工具の部分の表面を研
削して、正弦曲線の断面形状を僅かに変えること
により達成される。工具のこのような表面の間に
薄板をクランプすると、部分Ａにおけるよりも部
分BCにおいて保持力が大きくなる。このように
工具を構成する結果として、薄板は部分BCにお
けるよりも部分Ａにおいてより容易にすべりを生
じることになる。したがつて、段部形成区域へ供
給される薄板の金属は部分BCにおけるよりも部
分Ａにおいて多くなり、その結果、薄板の長手方
向（薄板の送り方向）に対し概ね45゜の方向にお
いて薄板を幾分伸ばすことになる。

前記工具の研削はきわめて僅かな研削でなけれ
ばならない。工具の表面部分を研削して削り取る
と、研削された区域における保持力を小さくする
効果が実際にあり、それにより部分BCに比較し
て部分Ａにおいて摩擦力を小さくする。工具は、
薄板の送り方向に対し横断方向の全ての断面にお
いて同じ断面寸法を有するように研削される。即
ち、正弦曲線の頂点（第８図における部分Ａ）は
薄板の送り方向において工具表面に沿つて研削さ
れる。変曲点（第８図における部分BC）では、
研削は全く行われない。このように、研削の量は
正弦曲線の頂点から変曲点に向つて次第に減少す
る。

実施例において、0.5mmの厚さで幅が１ｍの予
成形された薄鋼板に13mmの高さの段部を形成する
場合、第１の対の工具におけるクランプ力は
10tonであり、第２の対の工具におけるクランプ
力は25tonであつた。第２の対の工具を第１の対
の工具に対して下方へ変位させるため、約20ton
の力が更に第２の対の工具の上部部品に加えら
れ、この間クランプ力は維持された。この追加の
力は第２の対の工具を下向きに動かすためのもの
であつた。得られた段部は7.5mmの伸びと5.5mmの
すべりで形成された。第２の対の工具におけるク
ランプ力が第１の対の工具におけるクランプ力よ
りも大きいため、すべりは第１の対の工具に対し
て生じた。もちろん、１個またはいくつかのひ
だ、即ち段部を同時に作ることが考えられるが、
いくつかのひだを同時に作る場合には連続したい
くつかの工具が必要である。

【図面の簡単な説明】

第１図は屋根ふき材用の予成形された正弦波形
状の薄板の斜視図、第２図は屋根がわら状の外観
を呈すべく第１図の薄板に段部を形成された状態
を示す斜視図、第３図は段部を形成された薄板の
長手方向の断面図、第４図は２対の工具を示す側
面図および線Ａ−Ａに沿つた断面図、第５図と第
６図は閉じた状態の２対の工具を示し、第６図
は、２対の工具が薄板に段部を形成するため相対
的に動かされた状態を示す図、第７図と第８図は
段部を形成された薄板の一部を示し、湾曲した薄
板に沿つた異なつた位置における異なつた程度の
伸びを示す図である。 図において、Ａ，Ｂ，Ｃ……ひだ、即ち段部に
おける部分、ｈ……工具の移動距離。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 薄板金の表面の広がりに対し垂直な第１の断
   面において湾曲した、好ましくは正弦曲線の形状
   を有し、前記表面の広がりおよび前記第１の断面
   の双方に対し垂直な第２の断面において階段状の
   ひだを備えた外屋根用の屋根ふき材を薄板金から
   作る方法であつて、前記薄板金が前記第１の断面
   において前記湾曲した、好ましくは正弦曲線の形
   状を与えられるように予成形されている方法にお
   いて、 (イ) 高さを任意に変えられる階段状のひだ、即ち
   段部を引張プレス加工により該予成形された薄
   板金に提供する工程であつて、プレス用の工具
   が分割されており、かつ少なくとも２対の工具
   から成り、該予成形された薄板金に面する各工
   具の部分が該予成形された薄板金の輪郭形状に
   対応した形状を有し、該予成形された薄板金が
   各対の工具によりクランプ保持状態に保持さ
   れ、少なくとも一方の対の工具の２個の工具部
   分の間のクランプ力が前記正弦曲線の頂点では
   小であり該頂点の間では大であるように工具の
   表面にわたり変化しており、 (ロ) 該クランプ保持状態を維持したまま、前記段
   部の所望の高さに一致した距離だけ前記対の工
   具を相対的に変位させる工程であつて、前記段
   部の前記高さが該正弦曲線形状の輪郭に沿つて
   一定であり、前記段部が薄板金を伸ばし、かつ
   同時に少なくとも一方の対の工具の表面に対し
   て薄板金をすべらせることにより形成される工
   程、および (ハ) その後、前記第１の断面に対し横断方向に前
   記工具に対し薄板金を進め、かつ前記工具の前
   記作動をくり返すことにより次の段部を形成す
   る工程 を含む外屋根用の屋根ふき材を薄板金から作る方
   法。 ２ 同時に作動する２対以上の工具を用いていく
   つかの段部を同時にプレス加工することを特徴と
   する特許請求の範囲第１項に記載の外屋根用の屋
   根ふき材を薄板金から作る方法。 ３ 薄板金の表面の広がりに対し垂直な断面にお
   いて湾曲した、好ましくは正弦曲線の形状を有す
   るように予成形された薄板金から外屋根用の屋根
   ふき材を作る装置において、 少なくとも２対の工具を含み、この各対の工具
   は１個の下部部品と１個の上部部品を含み、対応
   の下部部品または上部部品に面する前記工具の各
   部品の表面は各対の工具に薄板金をクランプ保持
   状態に保持できるように該予成形された薄板金の
   形状に対応した形状を有し、前記工具の表面は、
   各対の工具の前記２個の部品の間のクランプ保持
   力を前記工具の表面にわたつて変化させるため、
   所定の薄板金の送り方向において前記工具の表面
   に沿つて前記正弦曲線の頂点のあたりで僅かに研
   削されており、前記対の工具は保持された前記予
   成形された薄板金の表面の広がりに対し垂直な面
   内で相互に対し距離ｈだけ変位可能であり、それ
   により前記対の工具の間の前記予成形された薄板
   金に段部を形成し、前記段部は前記距離ｈに等し
   い一定の高さがあることを特徴とする薄板金から
   外屋根用の屋根ふき材を作る装置。 ４ ２対以上の工具を含み、各対の工具が隣りの
   対の工具に対し距離ｈだけ運動可能であることを
   特徴とする特許請求の範囲第３項に記載の薄板金
   から外屋根用の屋根ふき材を作る装置。