JPS6129598A - 模様付き金属板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、模様付き金属板の製造方法に関する。

本発明は、建築物の壁面、天井面、扉、腰板、幕板、階
段手すり、建具、壁画等に使用される装飾板、または壁
面等へ９図像投影用反射板の製造法として有用である。

〔従来技術〕

金属板の表面に着色し、もしくは色模様を付ける方法と
して、その表面を塗料、染料、インキ等で処理する方法
のほか、ステンレス鋼板に対してはインク性や黒染法等
のように薬剤で自然発色させる方法、あるいは光輝焼鈍
処理してテンパーカラーを発色させる方法等がある。

インク性、黒染法等の薬剤の処理により生じる色や喜輝
焼鈍によるテンパーカラーは、金属表面に形成された酸
化皮膜への光の干渉現象により視覚される色であるので
、金属特有の色調を有し、塗料、インキ等により着色せ
るものとは異なった独特の意匠効果を有する。

インコ法は、表面仕上げ（光輝焼鈍仕上げ、ヘアーライ
ン研磨、鏡面パブ研磨等）されたステンレス鋼板を薬剤
（クロム酸−硫酸混合水溶液、以下「混酸溶液」）に浸
漬し、その表面を強制酸化して酸化皮膜を形成させるも
のであり、皮膜厚さが増すとともにその色合いが、ブル
ー−ゴールド−レッド−グリーンの順に変化するので、
浸漬時間の調節によって所望の色合いを有する金属板が
得られる。また、黒染法によれば、上記混酸溶液の混合
比率を変えることにより、薄いブラックから濃いブラン
クに発色させること゛ができる。

上記薬剤処理による発色処理に段染め法やエツチング（
食刻）等の手法を併用することにより２色もしくは３色
以上の異なる色合い・色調の組合せになる色模様・図像
が現わされた金属板か得られる。例えば、ステンレス鋼
板の表面に、所望の模様パターンに従って耐酸インキを
マスクとして印刷して混酸溶液中に浸漬し、その露出面
を発色させたのち、耐酸インキのマスクを除去して再び
混酸溶液中に適当時間浸漬する段染め法によれば、耐酸
インキでマスキングされていた部分とそうでない部分と
における発色の変化の進み度合いの差により、二種の色
合いに着色された色模様が形成される。

また、金属板表面に耐酸インキのマスクを印刷して、一
旦腐食液（例えば、塩化第二鉄溶液）に浸漬し、露出せ
る部分をエツチング（食刻）して食刻模様を形成したの
ち、耐酸インキのマスクを除去して混酸溶液中に適当時
間浸漬すると、食刻面とそうでない面とでは、同じ浸漬
時間でも発色の色合いの変化の速さが異なることによっ
て二種の色合いに着色された色模様が形成される。

耐酸インキの印刷によるマスキング個所を変えて露出せ
る部分を発色させる操作を一繰返えせば、二種以上の色
合い・色“調に着色された多色模様を形成することがで
きる。

このほか、単一色もしくは多色に発色させた金属板表面
の着色面の一部を食刻し、またはストリンピング（電解
脱色）することにより白地部分を形成し、着色部との鮮
明なコントラストを現出させる方法等も使用されている
。

〔従来技術の問題点〕

上記従来法による段染めや食刻等の手法の組合せになる
処理工程は極めて複雑・煩瑣であり、処理能率が低劣で
ある。しかも、模様を形成するには、耐酸インキを金属
板表面に印刷するためのスクリーン版型を所望の模様毎
に準備せねばならない。ことに、−装飾板等はその性質
上、少量多種の生産形態が一般であり、そのつど多種類
のスクリーン版型を必要とするため、装飾板の製造に要
する版型の費用は極めて高（つく。模様が多色で複雑な
ものであればある程、それに必要な版型の数が増し、製
造コストは更に高くなる。

〔発明の目的〕

本発明は上記実情に対処するためになされたものであり
、所望の色模様または光沢模様等を有する模様付き金属
板を簡素な工程により効率良く安価に製造する方法を提
供する。

〔技術的手段および作用〕

本発明は、金属板の裏面に所定の模様パターンニ従って
レーザ光のビームを走査させ、その反転パターン（鏡像
模様）をおもて面に光沢模様、または色模様として現出
させるものである。

本発明に係る第１の模様付き金属板の製造方法は、おも
て面が光沢面である金属板の裏面に、予め設定された模
様バタ、−ンに従ってレーザ光のビームを走査させるこ
とにより、裏面のレーザ光走査模様の反転パターンをお
もて面に光沢模様として現出させることを特徴とする。

本発明の第１の製造方法により、適当な出力のレーザ光
のビームを金属板の裏面に走査させ、その走査軌跡にて
所定の模様を描画すると、レーザ光の照射に伴う熱歪み
により、レーザ光の走査模様パターンに対応してその反
転パターンがおもて面に突起条として現われる。その突
起高さは極めてわずかであるが、その表面上で光が拡散
反射することにより、その突起条以外の表面上の正反射
との差異が視覚的に識別され、光沢６ｗ様として視鴬さ
れる。

上記第１の製造方法に使用される金属板は、普通鋼鋼板
、特殊鋼鋼板、ニッケル板等、レーザ加工が可能なもの
であれば、各種の鉄系金属や非鉄系金属であってよい。

その光沢面（おもて面）は、鮮明な光沢模様を現出させ
るためには、例えば鏡面研磨仕上げ面であるのが好まし
い。ステンレス鋼板である場合には、鏡面研磨仕上げ板
のばか光輝焼鈍処理板も同様に好ましく使用される。こ
れらの金属板の表面は無彩色であってもよいが、有色金
属板を用いた場合は、有彩色の光沢模様を形成すること
ができる。また、ステンレス鋼板の場合には、その光沢
を有するおもて面にインク性等の発色処理が施されたも
のを使用することにより、光沢模様を有彩色光沢模様と
して現出させることができる。

本発明の第２の模様付き金属板の製造方法は、ステンレ
ス鋼板の裏面に、予め設定された模様パターンに従って
レーザ光のビームを走査させたのち、おもて面に発色処
理を施すことにより、上記模様の反転パターンをそのお
もて面に色模様として現出させることを特徴とする。

本発明の第２の製造方法により、ステンレス鋼板裏面に
適当な出力のレーザ光のビームを走査し、走査軌跡にて
所要の模様パターンを描画せる後、おもて面をインク性
等により発色処理すると、そのおもて面の中で、裏面の
レーザ光走査軌道に対応する部分（その走李模様の反転
パターンを成すおもて面の突起条）の発色の色合いの変
化が、それ以外の部分よりも速く進む。これは裏面側に
対するレーザ光の照射に伴う熱的影響・応力の発生によ
り、その走査模様パターンにそっておもて面が活性化さ
れたことによるものであろう。このため、おもて面全体
を同じ処理時間で発色させると、そのおもて面には、裏
面のレーザ光の走査模様パターンに対応する部分とそれ
以外の部分とで、互いに異なる色合いと色調、例えば前
者の部分がレッドに、後者の部分がゴールドにそれぞれ
発色した色模様が形成される。また、発色処理に使用さ
れる混酸溶液の混合比率を変えた黒染法を適用しに場合
には、おもて面の反転パターンを成す突起条の部分は、
それ以外の部分と同じブランクながらも濃い目に発色し
、すかし模様のごとき独特の模様が形成される。

上記の第２の製造法において、おもて面が光沢面を成す
ステンレス鋼板（鏡面研磨仕上げ板、光輝焼鈍仕上げ板
等）を使用した場合には、おもて面に得られる反転パタ
ーンの色模様は、光沢を有する色模様として現れる。

本発明における金属板裏面に対するレーザ光のビームの
走査に当って、ビームの出力が余り強過ぎるか、走査速
度が低過ぎると、照射部分における吸熱量が過大となっ
て、金属板自身が溶解ないしは溶断されてしまうので、
適正な出力および走査速度の設定が必要である。一般に
レーザ加工機として使用されている炭酸ガスレーザ発生
装置により、板厚約２籠以下のステンレス鋼板にビーム
を走査させる場合においては、出力２００Ｗ以下、板表
面上にレンズの焦点をおいたときの走査速度１．０　ｍ
／分以上とすれば、板の溶解・溶断等の不都合を生じる
ことなく目的に適ったビーム走査を行うことができる。

太い線での走査を望む場合には、金属板表面を焦点面か
ら遠ざけるとともに、適宜ビームの出力を高めるか、走
査速度を低くすればよい。

また、レーザ光のビームの走査は連続発振またはパルス
発振のいづれをも適用することができる。

この場合は、走査連像が約３ｍ／分以下であれば、おも
て面に現出する光沢模様、またはその後の発″色処理に
より現出する色模様のいずれも、連続発振にて走査した
場合のそれと殆ど差異はない。走査速度を高めてパルス
間隔を大きくして走査すれば、おもて面の光沢模様また
は色模様を断続的な模様として現出させることも可能で
ある。

本発明方法により得られる模様付き金属板は、装飾用パ
ネルとして有用であるが、おもて面が光沢を有する金属
板である場合には、これを投影用反射板として使用する
こともできる。すなわち、そのおもて面に適当な入射角
度で光を当て、その反射光を壁面に投ずれば、模様をな
す突起条の表面・では拡散反射し、それ以外の表面では
正反射することにより、突起条の成す線状模様を壁面上
に暗色の線状模様として映し出すことができる。その金
属板が有色金属であるか、またはレーザ光のビーム走査
前、または走査後の発色処理により着色されたものであ
る場合には、有彩色の背景の中に突起条の成す暗色の線
状模様が映し出される。

〔実施例〕　　・ 犬施桝よ 板厚０．８　ｍｍのプライト仕上板（普通鋼５ｐｃｃ）
の裏面に、炭酸ガスレーザ発生装置により、出力１００
Ｗ、走査速度１．０　ｍ７分（レンズ焦点は板の裏面）
にて唐草模様の走査（連続発、振）を行なうことにより
、裏面の走査模様の反転パターンがおもて面に光沢模様
として現出した金属板を得た。

この板のおもて面に太陽光を入射角度約４５°で当て、
その反射光を、約５０ｃｍ１１［れた遮光され□た壁面
に投影すると、裏面の走査模様と同じパターンの鮮明な
黒い線図像が壁面に映し出された。

実施例２ 板厚０．４ｆｉの光輝焼鈍仕上ステンレス鋼板（ＳＵＳ
　４３０）の裏面に、炭酸ガスレーザ発生装置により、
出力３０Ｗ、走査速度２．０ｍ／分（レンズ焦点は板の
裏面）にて、円形と方形とで構成された幾何学模様のビ
ーム走査（パルス発振）を行なうことにより、裏面の走
査模様の反転パターンがおもて面に光沢模様として現出
した金属板を得た。

この板のおもて面に太陽光を入射角度約４５″で当て、
その反射光を、約４０ａａ離れた遮光された壁面に投影
すると、裏面の走査模様と同じパターンの鮮明な黒い線
図像が壁面に映し出された。

大堀廻ユ 半鏡面仕上げされた板厚１．Ｏｎの電子管用ニッケル板
の裏面に、炭酸ガスレーザ発生装置により、出力１００
　Ｗ、走査速度１．５　ｍ７分くレンズ焦点は板の裏面
）にて、螺旋状渦巻模様のビーム走査（連続発振）を行
うことにより、その反転パターンがおもて面に光沢模様
として現れた金属板を得た。

この板のおもて面に太陽光を入射角度約４５°÷当て、
その反射光を、約６０ａａ離れた遮光された壁面に投影
すると、裏面の走査模様と同じツマターンの模様が鮮明
な黒い線図像として壁面に映し出された。

去隻皿土 板厚１．５ｆｉの鏡面研磨ステンレス鋼板（Ｓ’ＵＳ３
０４）のおもて面をインク性でゴールド色に発色させた
のち、その裏面に、炭酸ガスレーザ発生装置により、出
力１８０Ｗ、走査速度ｉ、ｏ　ｍ７分（レンズ焦点は板
の裏面）にて走獣模様のビーム走査（連続発振）を行な
う゛ことにより、裏面の走査模様の反転パターンがおも
て面に光沢模様として現出した金属板を得た。この板の
おもて面に太陽光を入射角度約４５°で当て、その反射
光を、約５０印離れた遮光された壁面に投影すると、ゴ
ーＪレド色を背景として、その中に裏面の走査模様と同
じパターンの走獣模様が鮮明な黒い線図像として映し出
された。

大施■】 ヘアーライン研磨された板厚１．５鶴のステンレス鋼板
（ＳＵＳ　３０４）の裏面に、炭酸ガスレーザ発生装置
により、レンズ焦点を鋼板の裏面に合わせ、出力１５０
Ｗ、走査速度２．０ｍ／分にて円形と方形の組合せにな
る幾何学模様の走査（連続発振）を行った。この鋼板を
、加温混酸溶液（・クロム酸２５０ｇ／Ｌ硫酸４９０ｇ
／ｆｆ１）に浸漬するインク性により処理して、生地部
をゴールド色に発色させ、生地中に円形と方形の幾何学
模様がし・ノド色に発色せる金属板を得、た。

大施拠ｌ 板厚２．Ｏｍｍの鏡面研磨ステンレス鋼板（ＳＵＳ３０
４）の裏面に、炭酸ガスレーザ発生装置により、出力１
５０Ｗ、走査速度１．５　ｍ７分（レンズ焦点は裏面）
にて格子模様の走査（連続発振）を行った。この板をイ
ンク性により発色させることにより、ブルーに発色した
生地中に、格子模様がゴールド色に発色した金属板を得
た。この鋼板のおもて面に太陽光を入射角度４５°で当
て、その反射光を約６０ａａ離れた遮光された壁面に投
影すると、ブルー色を背景として、その中に裏面の走査
模様と同じパターンの幾何学模様が鮮明な黒い線図像と
して映し出された。

清１ｕ津り 板厚１．５　ｔｍの鏡面研磨ステンレス鋼板（ＳＵＳ３
０４）の裏面に、炭酸ガスレーザ発生装置により、出力
１００Ｗ、走査速度２．０ｍ／分（レンズ焦点は板の裏
面）にて、線図と文字の組合せになる商標の図柄をビー
ム走査（連続発振）したのち、インコ法によりレッド色
に発色させた。この板のおもて面には、裏面の走査模様
の反転パターンがグリーンの光沢模様として視覚される
。この板を地面に対し４５°傾けて設置し、夜間、板の
おもて面に対し垂直上方から強い人工光を照射し、約５
ｍ離れた位置に立設された物体の表面に反射光を投影し
たところ、レッド色の背景の中に、裏面の走査模様と同
じパターンの商標が鮮明な黒い拡大模様として物体の表
面に映し出された。

〔発明の効果〕

本発明によれば、レーザ光のビームを金属板の裏面に走
査させることにより、金属板のおもて面に種々の模様を
形成することができる。レーザ光のビームによる模様の
走査は、簡単であり短時間での処理が可能である。レー
ザ光発生装置は、一般にＮＣテープによる数値制御装置
を備えているので、種々の模様の走査が容易であり、ま
たＮＣテープ作成装置にディジタイザ−を連結すれば、
自由曲線の模様走査にも容易に対処することができる等
、従来のようなスクリーン版型を用いて耐酸インキをマ
スキングする方法に比し、はるかに効率的である。また
、本発明によれば、スクリーン版型を使用する従来の方
法では全く不可能な模様を有する極めて斬新な模様付き
金属板を製作することができる。

本発明方法は、スクリーン版型を全く必要としないが、
必ずしもその使用を一切排除する趣旨ではなく、所望の
模様パターンやデザインに応じ、適宜段染め法や食刻法
、あるいは電解脱色等の手法を組合わせることにより、
更に色合い・色調を多様化し、意匠効果に冨む精緻・巧
妙な模様・図像を形成することができる。

本発明により得られる模様付き金属板は、玩具等の小物
製品はもとより、建築物の内・外装の壁面、天井板、エ
レベータ扉、柱巻、腰板、幕板、階段の手摺、笠木、壁
画、オブジェ、建具類等を構成する装飾板として有用で
ある。

また、光沢面を有する金属板を用いて得られる光沢模様
付き金属板は、その光沢模様の斬新かつ独特の意匠効果
により、上記のような玩具類や建築物の内・外装用装飾
板として有用なことは言うまでもないが、更に、これを
反射鏡として、その表面の模様・図像を壁面等に投影さ
せる等、建築空間ないし屋外における光を利用した工業
ブザイー　ンに適用することができる。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）おもて面が光沢面である金属板の裏面に、予め設
   定された模様パターンに従ってレーザ光のビームを走査
   させることにより、おもて面に上記模様の反転パターン
   を光沢模様として現出させることを特徴とする模様付き
   金属板の製造方法。
2. （２）金属板は、ステンレス鋼板であって、そのおもて
   面に発色処理が施されたものであることを特徴とする上
   記第（１）項に記載の模様付き金属板の製造方法。
3. （３）ステンレス鋼板の裏面に、予め設定された模様パ
   ターンに従ってレーザ光のビームを走査させたのち、お
   もて面に発色処理を施すことにより、上記模様の反転パ
   ターンをおもて面に色模様として現出させることを特徴
   とする模様付き金属板の製造方法。
4. （４）ステンレス鋼板のおもて面が光沢面であることを
   特徴とする上記第（３）項に記載の模様付き金属板の製
   造方法。