JPS61290956A - 医療用粘着剤に用いられる樹脂およびそれを用いた医療用粘着シ−トもしくはテ−プ - Google Patents

医療用粘着剤に用いられる樹脂およびそれを用いた医療用粘着シ−トもしくはテ−プ

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JPS61290956A
JPS61290956A JP60132727A JP13272785A JPS61290956A JP S61290956 A JPS61290956 A JP S61290956A JP 60132727 A JP60132727 A JP 60132727A JP 13272785 A JP13272785 A JP 13272785A JP S61290956 A JPS61290956 A JP S61290956A
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岸 高司
文男 神山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、抗菌性医療用粘着剤に用いられるアクリル系
樹脂、および該樹脂を含有する粘着剤を用いた医療用粘
着シートもしくはテープに関する。
(従来の技術) 粘着剤に薬剤を含有した貼付剤、絆創膏などの医療用粘
着シートもしくはテープの該粘着剤としては、皮膚への
粘着性が比較的良好で耐老化性に優れ、含有する薬剤を
分離したり変質させず、皮膚を刺激しないなどの優れた
性質を備えているという理由から、従来から、アクリル
系粘着剤が最も多用されている。例えば、特公昭52−
31405号公報には、ステロイド系ホルモン剤が含有
される粘着剤の層を水蒸気不透過性のフィルムに設けた
貼付剤が開示されており、その粘着剤は、アクリル酸ア
ルキルエステルとアクリル酸との共重合体である。特開
昭57−77617号公報には狭心症治療用薬剤として
ニトログリセリンを含有する貼付剤が開示されており、
その粘着剤はメタクリル酸ドデシルエステル、 (メタ
)アクリル酸および酢酸ビニルからなる共重合体である
。また、特開昭56−45412号公報には薬剤の溶解
性の高い粘着剤を用いた薬剤含有貼付剤が開示されてい
る。その粘着剤は1分子内にエーテル結合を持つ(メタ
)アクリル酸エステル、アクリル酸および(メタ)アク
リル酸アルキルエステルの共重合体である。
このように、アクリル系粘着剤を用いた医療用シートも
しくはテープは1種々の用途に好適に用いられる。しか
し、従来の上記アクリル系粘着剤は本質的に親水性に乏
しい。言いかえれば、粘着剤が水分吸収能に乏しく2通
気性にも乏しいため。
このような粘着剤を用いたシートもしくはテープを長時
間皮膚に貼付すると蒸れが生じる。そのため、皮膚が薬
剤などによるわずかの刺激にも感作しやすい状態となり
、かぶれの原因となる。蒸れの生じた貼付部分に細菌類
、真菌類などの雑菌が異常繁殖を起こし、二次感作によ
るかぶれも生じやすい。蒸れによるかぶれを抑制するた
めに9例えば、特公昭39−4728号公報には、多孔
性繊維質基材上に、アクリル酸アルキルエステル、アク
リル酸などを共重合成分とする粘着剤を連続気泡を有す
る層状に設けた医療用粘着シートが開示されている。こ
のような粘着シートは通気性に冨むため蒸れを生じない
。しかし、基材および粘着剤層が水、血液などの液体を
も透過するため、傷口などの患部を充分に保護すること
ができない。特公昭55−14108号公報には、水蒸
気透過性の高いフィルム(例えば、ポリウレタンフィル
ム)上に。
分子内に親水性基を有するポリビニルエチルエーテルま
たは分子内に親水性基を存するアクリレート共重合体か
らなる粘着剤層を設けた医療用粘着シートが開示されて
いる。このような粘着シートは通気性が比較的良好であ
りかつ基材が水などの液体を透過しにくいため、傷口の
保護状態が比較的良好である。しかし、粘着剤自体が殺
菌性を持たないため傷口への感染や、粘着剤層に繁殖し
た微生物による二次感染かぶれを防止することはできな
い。
このような粘着剤を用いたシートもしくはテープには、
アクリル系粘着剤が本質的に親水性に乏しくもしくは水
に不溶であることに起因する1次のような欠点もある: ■シートもしくはテープの濡れた(または、湿った)被
貼付面への貼付が困難である。例えば。
発汗している皮膚表面への付着性が悪い。貼付後も発汗
量が多い場合には剥離する。
■貼付シートもしくはテープの周囲から外部へはみ出し
た粘着剤や、シートもしくはテープの剥離後、皮膚表面
に残留した粘着剤を水で洗い落とすことができない。
■例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩
、塩酸塩などの形態を有する水溶性薬剤は9通常、水ま
たはアルコールのみに溶解する。
そのため、このような薬剤を粘着剤に溶解させることは
難しく、シたがって、これを包含する粘着シートもしく
はテープの調製は困難である。
このように親水性に乏しいことに起因する欠点に加えて
、アクリル系粘着剤は比較的粘着力が大きいため、皮膚
に貼付したシートもしくはテープを剥離するときに皮膚
に大きな機械的刺激が加わり、苦痛を与える欠点もある
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上記従来の欠点を解決するものであり、その
目的とするところは、抗菌性(殺菌性または静菌性)を
もった医療用粘着剤を形成しうるアクリル系樹脂を提供
することにある。本発明の他の目的は、上記樹脂を用い
た粘着剤の層を有し。
微生物の感染や微生物の繁殖による二次感作かぶれの生
じない医療用粘着シートもしくはテープを提供すること
にある。本発明の他の目的は1m水性の医療用粘着剤を
形成しうるアクリル系樹脂を提供することにある。本発
明のさらに他の目的は。
上記親水性樹脂を用いた粘着剤の層が基材上に設けられ
、下記の優れた性質を有する医療用粘着シートもしくは
テープを提供することにある:■濡れた(湿った)皮膚
表面にも接着が可能で。
貼付時に発汗しても容易に剥離しないシートもしくはテ
ープ。
■粘着剤を水で膨潤もしくは溶解させることにより苦痛
を与えることなく容易に剥離可能であり。
貼付時に粘着剤がその周囲にはみ出したり剥離後に皮膚
表面に残留しても、これを容易に水洗除去できるシート
もしくはテープ。
■アクリル系粘着剤に溶解して含有させることのできな
かった水溶性薬剤2例えば、ナトリウム塩、カリウム塩
、アンモニウム塩、塩酸塩など塩の形態を有する薬剤を
、高濃度に溶解・含有させうる粘着剤を有するシートも
しくはテープ。
■粘着剤が吸水能力および/もしくは水蒸気透過性を有
するため貼付中に蒸れを生じに<<、シたがって、この
蒸れが原因となるかぶれの生じにくいシートもしくはテ
ープ。
本発明のさらに他の目的は、上記価れた性質に加えて、
アクリル系粘着剤が本来有する利点を備えた粘着剤用樹
脂およびこれを用いた粘着剤の層を表面に設けた医療用
粘着シートもしくはテープを提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の医療用粘着剤に用いられる樹脂は、第1共重合
成分と第2共重合成分とを含有する共重合体でなる樹脂
であって、(1)該第1共重合成分が。
(a)置換アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリル
アミド基とアミド結合により結合した化学構造の(メタ
)アクリルアミド誘導体、および/もしくは(b)置換
アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリルオキシ基と
エステル結合により結合した化学構造の(メタ)アクリ
ル酸エステル誘導体であり;そして、(2)第2共重合
成分がグリコール類のモノ (メタ)アクリル酸エステ
ルであり、そのことにより上記目的が達成される。さら
に1本発明の医療用粘着シートもしくはテープは、粘着
剤の層が基材の少なくとも片面に設けられた医療用粘着
シートもしくはテープであって、該粘着剤は第1共重合
成分と第2共重合成分とを含有する共重合体樹脂を主成
分とし、(l)該第1共重合成分が。
(a)置換アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリル
アミド基とアミド結合により結合した化学構造の(メタ
)アクリルアミド誘導体、および/もしくは(b)置換
アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリルオキシ基と
エステル結合により結合した化学構造の(メタ)アクリ
ル酸エステル誘導体であり;そして、(2)第2共重合
成分がグリコール類のモノ (メタ)アクリル酸エステ
ルであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明の医療用粘着剤に用いられる樹脂は9次の構造式
を有する(メタ)アクリルアミド誘導体(1)および/
もしくは(メタ)アクリル酸エステル誘導体(II)を
第1共重合成分として含有する共重合体である: R。
(ここで+ R1はHまたはCH2; pgは炭素数1
〜6の飽和炭化水素基:lh、R4およびR1は炭素数
1〜4のアルキル基;そしてXはC1,Brなどのハロ
ゲン原子である)R。
(ここで+R&はHまたはCHs : R?は炭素数1
〜6の飽和炭化水素基またはヒドロキシル基を有する炭
素数1〜6の飽和炭化水素基;R@、R9およびRIG
は炭素数1〜4のアルキル基;そしてXはCL Brな
どのハロゲン原子である)。
上記構造式で示される化合物のうち、 (メタ)アクリ
ルアミド誘導体(1)としては、3 (アクリルアミド
)プロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3 (
メタクリルアミド)プロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド、3 (アクリルアミド)イソペンチルトリメ
チルアンモニウムクロライドなどがある。(メタ)アク
リル酸エステル誘導体(If)としては、2(メタクリ
ルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド、
3 (メタクリルオキシ)2ヒドロキシプロピルトリメ
チルアンモニウムクロライド、2 (アクリルオキシ)
エチルジエチルメチルアンモニウムクロライド。
3 (アクリルオキシ)プロピルトリメチルアンモニウ
ムクロライドなどがある。
第2共重合成分であるグリコール類のモノ(メタ)アク
リル酸エステルとしては、アクリル酸2ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸2ヒドロキシエチル、アクリル酸2ヒ
ドロキシプロピル、メタクリル酸2ヒドロキシプロピル
、アクリル酸2ヒドロキシブチル、メタクリル酸2ヒド
ロキシブチル。
アクリル酸3ヒドロキシブチル、メタクリル酸3ヒドロ
キシブチルなどがある。さらに、上記第1および第2共
重合成分のほかに必要に応じて第3の共重合成分が含有
される。第3共重合成分には。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、 (メタ)アク
リル酸アルコキシエステルおよび脂肪酸ビニルエステル
のうちの少なくとも1種が用いられる。
これらのうち(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし
ては、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸ヘキシル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸
オクチル、アクリル酸ラウロイル、メタクリル酸メチル
、メタクリル酸エチル。
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリ
ル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタク
リル酸ラウロイルなどがある。(メタ)アクリル酸アル
コキシエステルとしては、アクリル酸ブトキシエチル、
メタクリル酸エトキシエチル、メタクリル酸ブトキシエ
チルなどがある。
脂肪酸ビニルエステルとしては酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、酪酸ビニル、オクタン酸ビニルなどがある。
共重合体中には第1共重合成分が5〜70重量%の割合
で、そして第2共重合成分が第1共重合成分の残余成分
のうち20重量%以上の割合で含有される。第3共重合
成分が含有される場合には、第3共重合成分は、第1お
よび第2共重合成分の残余成分のうちの50重量%以上
の割合で含有される。
第1.第2および第3共重合成分はそれぞれ2種以上が
混合されていてもよい。
共重合体樹脂を用いて調製される粘着剤の抗菌性(殺菌
性もしくは静菌性)の度合は、主として。
共重合体中に第1共重合成分が占める割合に比例して増
大する。そのため、第1共重合成分が過少であると実質
的に抗菌性が得られない。第1共重合成分は、好ましく
は30!量%以上の割合で含有される。抗菌性の度合は
第1共重合成分の化学的構造によっても異なる。第2共
重合成分に関しても、その含有率が高くなると抗菌性は
増大する。
第1共重合成分含有率が同じであれば、第2共重合成分
の含有率の高い共重合体のほうが抗菌力が高い。このよ
うに、粘着剤の抗菌性は、第2共重合成分量や他の共重
合成分が第1共重合成分に及ぼす影響や後述の軟化剤量
などによっても左右される。
共重合体樹脂の水溶性もしくは親水性の度合は。
、第1共重合成分および/もしくは第2共重合成分の含
有率に依存し、これら成分が共重合体中に占める割合が
大きくなるほど水溶性が増大する。第1および第2共重
合成分の化学構造によっても異なるが1通常、第1共重
合成分は第2共重合成分に比べて2〜3倍の親水化効力
を有する。例えば。
第1共重合成分の含有率が1oii%増加すると。
親水性に関しては、第2共重合成分の含有率が20〜3
0重景%の割合で増加したのと同等の効果を示す。共重
合体樹脂がそれほど強い抗菌性を必要とせず、かつ強い
水溶性もしくは親水性を必要とする場合には第1共重合
成分の含有量を減じ、第2共重合成分の含有量を増加さ
せることも可能である。例えば、第1共重合成分を10
重量%とし、第2共重合成分を増加させると共重合体の
性質が親水性(水膨潤性または吸水性を示す)から水溶
性へ変化する点は、第2共重合成分量が、第1共重合成
分以外の成分のうちの約50重量%である。
第1および第2共重合成分のみからなる共重合体樹脂の
水溶性が大きすぎる場合には、第3共重合成分を加えて
共重合体の水溶性の度合を低下させることが可能である
。第1および第2共重合成分を減らし、第3共重合成分
の量を増すと、共重合体は水溶性が低下し、親水性を有
するようになる。第3共重合成分は、このように、水溶
性や上記抗菌性など第1および第2共重合成分のみから
なる共重合体の性質を緩和する目的で添加されうる。
共重合体の水溶性もしくは親水性の度合は、上記第1.
第2および第3共重合成分の含有比率のほか、各成分の
種類や後述の微架橋剤(多官能性単量体)の使用量によ
っても左右される。
得られる共重合体の親水性が高い場合には、共重合体は
水に溶解する。親水性の度合が低くなると水には溶解せ
ずアルコール類に溶解するようになる。アルコール類の
うちでも共重合体の親水性が低下す、るにつれ、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ルの順に溶解しうる溶媒の種類が変わる。さらに親水性
の度合が低くなるとアルコール類と酢酸エチルとの混合
溶媒などに溶解するようになる。共重合体の親水性(水
溶性)の度合は、共重合体表面における水滴の広がりや
すさ、水の吸収能力、水への溶解量。
水に溶解させたときの白濁度(透明度が高いほど親水性
が大きい)などの実験により知ることができる。酢酸エ
チルなどの非水溶性溶媒に対する溶解度からも逆に親水
性(水溶性)の度合を知り得る。
上記共重合成分の他に多官能性単量体(微架橋剤)を微
量加えて共重合を行うと、得られる共重合体の内部凝集
力を向上させることができる。多官能性単量体としては
2分子中に2個以上の(メタ)アクリルオキシ基を有す
る単量体が好適に用いられる。このような化合物には1
例えば、1・4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリ
ル酸エステル、1・6−ヘキサンゲリコールジ(メタ)
アクリル酸エステルなどのアルキレングリコールジ(メ
タ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリル酸エステル、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリル酸エステルなどのポリアルキレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート:トリメチロールプロパント
リ (メタ)アクリル酸エステル、テトラメチロールメ
タントリアクリル酸エステルなどの多価アルコールのポ
リ (メタ)アクリレートがある。多官能性単量体が含
有されると共重合時にごくわずかではあるが架橋(微架
橋)が生じるため、共重合体の内部凝集力が増大する。
そのため、得られる樹脂を含有する粘着剤を用いたシー
トもしくはテープを貼付したときに粘着剤が周囲にはみ
出したり、シートやテープを剥離したときに粘着剤の一
部が反省表面に残留することがない。重合時に加えられ
る多官能性単量体の量が多いと共重合体の微架橋の度合
も大きくなる。微架橋により網状構造が生じ、共重合体
の水溶性が低下する。そのため、微架橋の度合を調節す
ることにより粘着剤の水溶性を適当なレベルにまで低下
させることも可能である。微架橋が行われても共重合体
樹脂は溶液中から析出することなく長期間安定に通常塗
布濃度(約20%以上)で溶解状態に保たれる。
多官能性単量体は重合時に全共重合成分(全単量体)の
0.001〜0.1重量%の割合で添加される。
その量は所望する内部凝集力の程度、各共重合成分の種
類や量などを考慮して決められる。多官能性単量体の量
が過剰であると得られる共重合体のアルコールや水など
の溶媒への溶解性が悪くなる。
多官能性単量体は重合初期に加えることが、微架橋を効
果的に形成するうえで好ましい。
その他の重合性単量体が本発明の共重合体樹脂の特色で
ある殺菌性などの性質を損なわない範囲において共重合
されていてもよい。そのような重合性単量体には9例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、ジメチルアクリルアミ
ド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチ
ルアミノエチルアクリル酸エステル、テトラヒドロフル
フリルアクリル酸エステル、グリシジルメタクリル酸エ
ステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチル
アミノエチルメタクリルアミド、ブトキシメチルアクリ
ルアミド、フェノキシエチルアクリル酸エステル、2−
アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸、メタク
リルスルホン酸、 燐Mオキシエチルメタクリル酸エス
テル、N−ビニル2ピロリドン、ジアセトンアクリルア
ミドがある。
これらのその他の重合性単量体は、その含有量が第1共
重合成分および第2共重合成分の残余成分のうちの50
重量%を下まわるように共重合される。
上記第1共重合成分および第2共重合成分、さらに必要
に応じて第3共重合成分(いずれも単量体)、多官能性
単量体および他の重合性単量体を通常のラジカル重合方
法9例えば、溶液重合法により重合反応に供して、共重
合体が得られる。溶液重合法による場合は、溶媒として
は水または有機溶媒が用いられ、有機溶媒としてはアル
コール系溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパツ
ールなど)が好適に用いられる。溶媒としては。
使用する各単量体および生成する共重合体を溶解させう
る溶媒が利用される。得られる共重合体が有機溶媒に可
溶なときには、有機溶媒を用いることが好ましい。
共重合体を得るには1例えば、上記の各単量体と溶媒と
を還流冷却器付き反応器に仕込み、50〜90重量%の
溶液とする。この反応器内を窒素などの不活性ガスによ
り置換し、加熱(60℃以下)・攪拌しながら触媒の投
入を開始する。触媒は1重合時に溶媒系に溶解しうろこ
とが必要である。そのため1反応系の溶媒が有機溶媒で
あるときには。
アゾビス系の触媒が好適に用いられる。アゾビス系の触
媒は1通常、酢酸エチル、アルコールもしくは酢酸エチ
ルとアルコールとの混合溶媒に溶解して用いる。反応系
の溶媒が水系溶媒であるときには、過硫酸カリウムなど
の触媒が好適に用いられる。過硫酸カリウムは水溶液と
して使用される。
触媒量は1通常、全単量体のモル数の0.1〜0.5モ
ル%の範囲が採用される。触媒は1通常1反応液の容量
の約175もしくはそれ以下の溶媒に溶解し、全反応時
間より少なくとも約5時間短い時間内に10〜15回に
分割して反応液に投入される。触媒を投入する間隔は9
反応温度(例えば60℃)における触媒の半減期から決
められる。例えば1重合反応前半においては、触媒はそ
の半減期の173〜1倍の間隔で投入するのが好適であ
る。反応温度は通常50〜80℃である。好ましくは9
例えば。
重合反応の前半約20〜25時間は60℃前後の比較的
温和な条件下にあり、後半の約20時間は70℃前後の
温度条件下にある。
(以下余白) 重合反応が開始すると反応液の粘度が上昇し。
反応温度も上昇する。重合開始後数時間は重合速度が大
きいため、放置すると暴走反応やゲル化が起こる。その
ため9反応系に溶媒を加えて粘度を低下させたり9反応
温度を制御することが必要である。特に、溶媒希釈によ
る反応制御は重要である。溶液の粘度はゲル化が起こら
ない範囲において高いことが好ましい。その見かけの粘
度は9通常、 10.000〜20.0OOcpsであ
る。共重合成分とし、て、第3共重合成分が適度に含有
される反応系で   ′重合反応が行われると、第1お
よび第2共重合成分のみを含有する反応系の場合よりも
反応性が上がり、かつ粘度が上昇した場合にもこれを容
易に低下させて共重合反応を円滑に進めることが可能で
ある。反応時間は、得られる重合体の重合率が97%以
上となるように設定され2通常40時間以上である。
このようにして得られた共重合体は、その共重合成分の
種類や量により異なるが、多くは、非粘着性で乾燥状態
では透明〜乳白色の比較的もろく硬い樹脂状である。乾
燥状態では抗菌性も発現されない。しかし、これに適当
な軟化剤が加えられると、共重合体は軟化して粘着性を
有するようになる。内部凝集力も適度となり粘弾性的性
質を有し抗菌性を示すようになる。軟化剤としては、水
を使用することも可能である。しかし、水の蒸発により
一定した粘着性が得られないため1通常。
高沸点で水溶性もしくは親水性の液体や固体が用いられ
る。軟化剤には2例えば、グリセリン、ジグワセリン。
プロピレングリコール、トリメチレングリコール、α−
ブチレングリコール、2・3−ブチレングリコール、β
−ブチレングリコール。
α−アミレンゲリコール、2・3−アミレンゲリコール
、2・4−アミレンゲリコール、1・4−アミレンゲリ
コール、1・5−ベンタンジオール。
トリメチロールエタン、ポリエチレングリコール。
ポリプロピレングリコール、ジェタノールアミン。
トリエタノールアミン、ジイソプロパツールアミン、ポ
リオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコール類
、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブチルエ
ーテル類、ポリオキシプロピレンブチルエーテル類、澱
粉糖、蔗I!、ソルビトール、尿素、アルキルまたはア
リルアルキル・トリアルキル・アンモニウムクロライド
などのカチオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、脂肪酸ジェタノールアミド、ソルビタンア
ルキルエーテルまたはエステルなどの非イオン界面活性
剤、ジメチルアルキルベタインなどの両性界面活性剤、
液状アミノ酸などがある。軟化剤は2種以上混合して用
いられてもよい。上記のうち特にジグリセリンおよびグ
リセリンは本発明のどのような組成の共重合体に対して
も軟化剤として有効である。ジグリセリンおよびグリセ
リン以外の軟化剤を単独で用いて共重合体を充分に可塑
化できない場合は、他の軟化剤、特にジグリセリンおよ
び/またはグリセリンと併用して用いることが推奨され
る。
本発明の共重合体樹脂に上記軟化剤が加えられると共重
合体分子の分子運動が活発化して軟化する。特に、この
軟化剤は第1および第2共重合成分の周辺に特異的に集
まり、この部分を溶解(可塑化)すると考えられる。可
塑化された第1および第2共重合成分は高い極性を示し
、接着面に高い親和性を示すようになる。つまり、軟化
剤を加えることにより高い粘着力が得られる。軟化剤は
第1および第2共重合成分周辺に存在するため経時的に
軟化剤が分離・析出する「ブルーミング現象」の生じる
こともない。
軟化剤の量は共重合成分の組成、軟化剤の種類。
粘着剤層の厚み、所望する粘着性の度合などにより異な
るが1通常、共重合体100重量部あたりの10〜10
0重量部(10〜100phr)の範囲である。過少で
あると粘着性が発現されないばかりか抗菌性も得られな
い。共重合体に軟化剤が加えられて軟化し、粘着剤とし
て機能する状態であれば抗菌性も充分である。軟化剤量
が過剰であると得られる粘着剤の接着性は増大するが、
軟化し流動性を有するようになる。
軟化剤量は第1および第2共重合成分の含有割合、特に
第1共重合成分の含有割合が大きいほど多く必要とされ
る。これは、共重合体樹脂に第1および第2共重合成分
の占める割合が大きくなるほど粘着性に乏しく樹脂状を
呈するようになり。
第1および第2共重合成分の含有割合が小さく第3共重
合成分の含有割合が大きいほど粘弾性的性質を有するよ
うになるためである。共重合体中の第1共重合成分量が
10重量%増加すると、軟化剤量を共重合体100重量
部あたり約10重量部の割合で増加させることが、同等
の粘着性を発現させるために必要である。第2共重合成
分量が10重量部増加したときには軟化剤量を2〜5重
量部の割合で増加させれば同等の粘着性を発現させるこ
とができる。共重合体中に第1共重合成分および/また
は第2共重合成分の含有率が高い場合は、軟化剤量を少
なくすることにより粘着性の低い粘着剤が、軟化剤量を
多くすることにより粘着性の高い粘着剤が得られる。こ
れに対して第1共重合成分および/または第2共重合成
分の含有率が低く。
第3共重合成分の含有率が高い場合には、充分な粘着性
を得るために必要とされる軟化剤量は少量テアリ、粘着
性の度合もほぼ一定となる。そのため軟化剤によって粘
着性の度合を大きく変化させることはできない。
上記軟化剤はそれ自身の吸水・吸湿性が高いため、軟化
剤を配合して得られる粘着剤は保存中に吸湿してその性
質が変化することのないように注意を要する。
このようにして得られた共重合体樹脂と軟化剤とを用い
て調製される粘着剤は、抗菌性を有し。
さらに親水性(水溶性)、吸水性、透湿性および導電性
をも有する。抗菌性に関しては、従来から。
4級アンモニウム塩を有する低分子化合物が抗菌性を有
することが知られている。本発明の共重合体樹脂におい
ても第1共重合成分の4級アンモニウム塩の部分が抗菌
性を有するものと考えられる。
粘着剤中においては共重合体の第2共重合成分やその他
の共重合成分、さらに添加された軟化剤等が上記4級ア
ンモニウム塩部分の屈曲、振動2回転などの分子鎖運動
を活発化するように作用し。
抗菌作用が増強されるものと推定される。第2共重合成
分は細菌類を吸着・固定する能力をも有するため効果的
に抗菌作用が発揮されると考えられる。また、第1共重
合成分だけによる重合体では粘弾性的な性質が欠如し、
粘着剤とはなり得ない。
第2成分だけによる重合体においても同様である。
上記共重合体樹脂は第1および第2共重合成分。
さらに必要に応じて第3共重合成分などが各々の性質を
生かすような配列で、かつ適当な粘弾性を発現させうる
分子鎖長となるように共重合されていると考えられる。
軟化剤が加えられると既述のように併脂全体が軟化し、
さらにこのような性質を増強させるものと考えられる。
上記粘着剤の層が基材の少なくとも片面に形成されて所
望の医療用粘着シートもしくはテープが得られる二基材
には9例えば、ポリウレタン、ポリウレタン−ポリアミ
ノ酸共縮合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリ
塩化ビニル。
無可塑軟質ポリ塩化ビニル(内部共重合体またはブレン
ド系)、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、可
溶性ポリビニルアルコール、 不溶化ポリビニルアルコ
ール、不溶化ポリビニルアセタール、再生セルローズ、
セルローズエステル類。
セルローズエーテル類、シリコーンゴム、発泡ポリエチ
レン、発泡ポリウレタン、発泡エチレン−酢酸ビニル共
重合体などがフィルムもしくはシート状に成形されて用
いられる。このほか、天然繊維または合成繊維からなる
紙、不織布、織布9編布なども利用され得、目的に応じ
て2通気性のある基材または通気性をもたない基材が適
宜選択される。また、上記フィルム、織布などを適宜組
み合わせて重接台(ラミネート)シ、ラミネート体とし
て使用することも可能である。
薬剤による治療を目的としたシートもしくはテープを得
る場合には粘着剤中に薬剤が配合される。
薬剤としては、抗炎症剤、消炎鎮痛剤、抗ヒスタミン剤
、抗アレルギー剤、殺菌・抗菌剤、抗真菌剤、降血圧剤
、冠血管拡張剤、鎮静剤、興奮剤。
抗乗物酔剤、麻酔剤などがある。薬剤がアルカリ金属塩
、塩酸塩など塩の形態である場合には、これらの薬剤は
分子鎖の第1および第2共重合成分に相当する部分に吸
着した状態で、もしくはその周辺に存在する軟化剤に部
分的に溶解した状態で安定に存在すると考えられる。薬
剤が水に不溶もしくは親油性である場合には第3共重合
成分を含有する共重合体樹脂が好適に用いられる。この
ような薬剤は第3共重合成分に相当する部分に吸着もし
くは溶解されているものと考えられる。
基材に粘着剤もしくは薬剤を含む粘着剤の層を形成する
方法は、既知の方法により1行われうる。
例えば、粘着剤(共重合体樹脂と軟化剤)を含有する溶
液を直接基材表面に塗布・乾燥する直接塗工法;粘着剤
溶液を一旦、剥離性表面を有する平坦な無端ベルト上に
塗布し乾燥した後、この表面に基材を圧着し、引き剥が
すことにより基材表面に粘着剤を転写させる直接転写法
などが用いられる。このほか、粘着剤溶液を一旦剥離紙
上に塗工し乾燥して後、基材を塗工表面に圧着する間接
転写法も好適に用いられる。
(作用) 本発明の共重合体樹脂を用いて得られる粘着剤は粘着性
に優れ皮膚刺激が少なく薬剤を変質させることがない、
などの従来のアクリル系粘着剤の特徴を兼ね備え、かつ
、優れた抗菌性を有する。
このような粘着剤の層を設けた医療用シートもしくはテ
ープは広範囲の用途に利用されうる。例えば、傷口の保
護のために直接もしくはガーゼなどを介して間接的に貼
付される。粘着剤の抗菌作用により細菌の浸入による感
染が防止されるため外傷の治癒を早めることが可能であ
る。シートもしくはテープの貼付時に蒸れが生じても、
その部位に微生物が繁殖して二次感作によるかぶれを生
ずることがない。このようなシートを手術部位にあらか
じめ貼付しておき、その上から手術を行うことも可能で
ある。このようにドレープとして用いると術前の過剰な
消毒を省き、かつ術中の切開部への各種菌の浸入による
感染を防ぐことができる。
粘着剤はさらに優れた親水性を有する。水分を吸収する
ことができるため、この粘着剤を用いて得られるシート
もしくはテープを濡れた(湿った)皮膚表面に接着させ
ることが可能である。貼付時に発汗しても粘着剤の水分
吸収能力が大きいため。
水分の吸収により軟化してこのシートやテープが剥離し
たり、粘着剤が流動化して、いわゆる糊残り現象を生じ
ることが少ない。粘着剤の保存中に湿度の影響により軟
化もしくは硬化することも少ない。水蒸気透過性にも優
れるため、シートもしくはテープを長時間皮膚に貼付し
ても蒸れによるかぶれはほとんど認められない。基材自
体が水蒸気を透過しうる場合は、蒸れが全く生じない。
貼付したシートもしくはテープを剥離するときに水を用
いると、粘着剤がこの水に溶解もしくは水で膨潤するた
め、容易にシートもしくはテープを剥離することができ
る。そのため乳幼児などの弱い皮膚面へ貼付しても剥離
時に苦痛を与えたり皮膚面を損なうことがない。また、
シートもしくはテープの貼付時に9例えば1体の動きに
より周囲に接着剤がはみ出したり、剥離後に粘着剤が皮
膚上に残留した場合にも、それを水で洗浄すれば容易に
除去することができる。さらに、粘着剤中に従未使用さ
れていた薬剤のみならず、水溶性薬剤(例えば、アルカ
リ金属塩、アンモニウム塩、塩酸塩など塩の形態の薬剤
)を高い濃度で溶解させることもできる。そのため、従
来調製することの困難であった水溶性薬剤を包含する医
療用粘着シートもしくはテープが容易に得られうる。
さらに、粘着剤は導電性を有するため、帯電防止効果が
大きい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど電
気絶縁性の高い基材を用いた従来のロール状の粘着テー
プを巻き戻すと、テープは数千〜致方ボルトの静電気を
帯びることがある。
そのため、対象物に貼付する前に他の物体に付着したり
、火花放電を生じる場合もある。火花放電を生じると9
例えば麻酔用エーテルを使用する手術室においては引火
の危険も生じる。これに対して9本発明のシートもしく
はテープを用いると。
そこに使われる粘着剤に帯電性がないため、このような
危険性が全くない。
粘着剤の粘着性も従来のアクリル系粘着剤に比べて高い
ため、少量で優れた粘着力を有するシートもしくはテー
プが得られる。このような粘着剤の粘着性をはじめ、上
記抗菌性、親水性、導電性などの度合は、共重合体組成
の設定や軟化剤量の調節により、任意に調整することが
可能である。
共重合体調製時に多官能性単量体が加えられると微架橋
によりさらに内部凝集力に優れた粘着剤が得られる。こ
のような粘着剤を使用したシートもしくはテープは粘着
剤の膜厚にかかわらず、いわゆる糊割れ現象や糊残り現
象が発生しない。
(実施例) 本発明を実施例につき説明する。
叉血斑上 (A)共重合体の調製: (メタ)アクリルアミド誘導
体(第1共重合成分)として3(メタクリルアミド)プ
ロピルトリメチルアンモニウムクロライド60g、第2
共重合成分としてアクリル酸2−ヒドロキシエチル50
g、第3共重合成分としてアクリル酸ブチル70g、多
官能性単量体として1・6−ヘキサンゲリコールジメタ
クリレート0.018 g 。
そして溶媒としてメチルアルコール80gを還流冷却装
置をそなえた反応容器(11)仕込み+ Nt気流下、
攪拌しながら60℃に加温した。重合触媒としてはアゾ
ビスイソブチロニトリル0.5gを使用した。触媒は1
00wj!の酢酸エチルに溶解させ。
3時間ごとに5IIIlずつ反応系に投入した。4回投
入した(12時間経過)後、さらに10m1ずつ4時間
ごとに加えた。反応開始28時間後に反応温度を70℃
とし、3時間ごとに触媒溶液を10mj!ずつ加えた。
重合反応中に、特に重合初期(触媒溶液投入後2〜10
時間)に1反応液の粘度が著しく上昇した場合には、攪
拌が困難となりゲル化や暴走反応が起こるおそれもある
ため、エチルアルコールを20〜30 mβずつ11回
にわたり追加した。粘度上昇が認められなくなった後は
加熱・攪拌のみを継続して行った。このようにして9反
応液は見かけの粘度がio、ooo〜20.0OOcp
s (センチボイズ)以下に保たれた。触媒溶液投入完
了後も同温度(70℃)で8時間攪拌を続けて反応を終
了させた。
得られた反応液は粘稠な透明溶液であり、含有される共
重合体の濃度は31.8%、粘度は21℃で28,00
0cpsであった。残存モノマー率から重合率を算出し
たところ、共重合体全体としては97.8%、第1共重
合成分が97.7%、第2共重合成分が99.1%。
そして第3共重合成分が97.0%であった。
(B)粘着シートの調製: (A)項で得られた共重合
体溶液を流延・乾燥すると粘着性のない硬い被膜が得ら
れた。このように、 (A)項で調製された共重合体溶
液から得られる樹脂状のポリマーはトルエン、酢酸エチ
ル、メチルエチルケトンなどの非水溶媒には溶媒しない
。他方、水、メチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコールなどの水やアルコール系溶媒には
溶解しうる。上記共重合体溶媒の少量を採取し、水を少
量加えて乾燥すると可塑化し、粘弾性的性質を有する粘
着剤が得られた。水の代わりにグリセリンやジグリセリ
ンを用いても同様の結果が得られた。ポリマー成分10
0gに対してグリセリンまたはジグリヤ9フ40〜90
重量部を加えたときに適度な粘着性が得られた。(A)
項で得られた共重合体溶液のポリマー成分100gに対
してジグリセリ755重量部を加えて粘着剤溶液を得た
。これを基材表面に乾燥後の厚さが50μmとなるよう
に転写塗工法によって塗布・乾燥した。基材としては厚
さ50μmの延伸された架橋ポリビニルアルコールフィ
ルムを用いた。
(C)粘着剤の粘着代用物性: (B)項で得られた粘
着シートを用いて粘着代用物性を調べた。
下記の方法により(1) 180°折り返し法帖着力お
よび(2)ポールタック値を測定した。(3)凝集破壊
性および対湿潤面接着性についても試験を行った。18
0゜折り返し法帖着力は720g/15mm幅、ポール
タック値は2日、凝集破壊は認められず、対湿潤面接着
性は300秒以上の値が得られた。
(11180’折り返し法粘着カニ (B)項で得られ
た粘着シートを15鶴幅に切断し粘着テープを得た。こ
の粘着テープをサンドペーパー(# 280)で研磨し
たステンレス鋼板面に貼付し、2kgのゴム張りローラ
ーを用い300un /分の速さで1往復して圧着した
。圧着後、室温(20〜22℃)で30分以上放置した
後、その一端を180°折り返して300IIIll/
分の定速強制剥離を行い、このときの粘着力を測定した
(、1IS−Z−1522)。
(2)ポールタック値: (B)項で得られた粘着シー
トを30+n以上の幅に切断し粘着テープを得た。
室温でこの粘着テープの粘着面を外側にして30゜の傾
斜面に固定した。粘着面の斜面上部から下方に向かって
ほぼ中程の部分を、非粘着薄フィルムで覆った。その境
界線から斜面上へ100mの個所から、清浄に拭かれた
ボールベアリング球を自然転走させた。粘着面と非粘着
面の境界線から100■以内で自然停止する球のうちの
最大味の直径(1732インチ単位とし、その分子の数
をもって示す;例えば17/32インチであれば17)
をポールタック値とした(医薬品製造指針(1984)
 51頁)。
(3)凝集破壊性: (B)項で得られた粘着シートを
15m幅に切断し粘着テープを得た。この粘着テープを
サンドペーパー(9280)で研磨したスチール板面に
貼付し、2kgのゴム張りローラーを用いて300n+
/分の速さで1往復して圧着した。圧着後、40℃で3
0分以上放置した後、直ちにその一端を180°折り返
して100璽■/分の定速強制剥離を行った。このとき
にスチール板表面に粘着剤の一部が残留するか否かを調
べた。粘着剤が残留した場合は凝集破壊が生じたと判断
する。
(4)耐湿潤面接着性:厚さ50μmのセロハンと厚さ
50μmのポリエチレンとのラミネートフィルムを被接
着体とした。このラミネートフィルムのセロハン表面側
を被接着面とし、この被接着面を水を含ませたガーゼで
数回軽くこすり湿潤状態とした。この湿潤表面に(B)
項で得られた粘着テープ(粘着シートを15鶴幅に切断
したもの)を貼付し、2kgのゴム張りローラーを1往
復して圧着した。ただしテープの一端は接着させずに開
放されている。この粘着テープの接着端を下にそして開
放端を上にして被接着体を垂直に吊るした。そして、粘
着テープの開放端を160°折り返し、100gの荷重
をかけた。この荷重により、被接着面に接着したテープ
が1001剥離されるに要する時間(秒)を測定した。
(D)粘着剤の殺菌性の評価: (B)項で得られた粘
着シートを5011角の大きさに切断し試験片を10枚
得た。この試験片2枚の粘着剤表面にそれぞれ大腸菌を
約1.OX 10’個7mlの割合で含有する菌体液1
 tallをほぼ均等に噴霧した。これを35℃で放置
し、1時間後に試験片を1枚回収し5CDLPブイヨン
10100l中に洗い出し、その中の生菌数を5CDL
P寒天培地を用いた混釈平板培養法により測定し放置前
の菌体数との差から菌体の減少率(菌死滅率)を算出し
た。2時間後にもう1枚の試験片を回収し、同様の方法
で菌体の減少率を測定した。それぞれの値を表1に示す
。大腸菌の代わりに緑膿菌、黄色ブドウ状球菌、白唐菌
および黒こうじかび菌についても同様の方法で試験を行
った。真菌(白府菌および黒こうじかび菌)については
試験片を25℃で放置し、 5CDLP寒天培地の代わ
りにGPLP寒天培地を用いた。使用した菌体は次のと
おりである。
大腸菌: Escherichia colt IID
 0−55緑膿菌: Pseudomonas aer
uginosa TID p−1黄色ブドウ状球菌: 
5taphylococcus aureusFDA 
 209P 白廚菌: Trichophyton mentagr
ophytes IFO6202黒こうじかび菌: A
spergillus niger IFO4414そ
れぞれの結果を表1に示す。
、比較10− 水溶性の性質を有する下記組成の粘着剤を調製し、実施
例1と同様の試験を行った。
ポリビニルピロリドン(@ kollidon−に−9
0:商品名)100重量部 ジグリセリン        60重量部1800折り
返し法帖着力は390g/15m慣、ボールタック値は
14であり凝集破壊が認められた。対湿潤面の接着性は
300秒以上の値が得られた。抗菌試験の結果を表1に
示す。
(以下余白) 表1 (E)各種粘着シートもしくはテープの構成:本実施例
で得られる共重合体を用いて得られる粘着剤は(D)項
に示されるように優れた殺菌性を有する。殺菌性を主目
的とした粘着シートもしくはテープのほか、優れた粘着
性や親水性を生かして各種用途の粘着シートもしくはテ
ープが調製されうる。本実施例および後述の実施例2〜
6で得られる粘着剤を用いたシートもしくはテープの種
々の構成とその好適な用途を表7 (61〜63頁)に
示す。各種薬剤を粘着剤中に含有・溶解させておき経皮
(経粘膜)吸収により薬剤を投与するためのシートもし
くはテープも調製されうる。そのようなシートもしくは
テープの構成、適応症などを後述の実施例2〜6の粘着
剤を用いた例とともに表8 (64頁)に示す。
(以下余白) ス11」■ (A)共重合体の調製= (メタ)アクリルアミド誘導
体(第1共重合成分)として3 (メタクリルアミド)
プロピルトリメチルアンモニウムクロライド40g、第
2共重合成分としてアクリル酸2ヒドロキシプロピル8
0g、第3共重合成分としてアクリル酸2エチルヘキシ
ル60g、多官能性単量体として1・6−ヘキサンゲリ
コールジメタクリレート0.015 g 、 そして溶
媒としてメチルアルコール80gを用いて実施例1 (
A)項と同様に共重合体を調製した。ただし触媒の使用
量を0.46 gとした。得られた反応液は透明な粘稠
液であり、含有される共重合体の濃度は29.2%、2
1℃での粘度は約26.000cpsであった。残率モ
ノマー率からその重合率を算出したところ、共重合体全
体としては98.6%、第1共重合成分が98.0%、
第2共重合成分が99.0%、そして第3共重合成分が
98.6%であった。
(B)粘着シートの調製:本実施例(A)項で得られた
共重合体溶液から得られるポリマーは。
硬く粘着性のない樹脂状物であり、溶媒に対すイ溶解性
は実施例1で得られたポリマーと同様で決った。ポリマ
ー成分100gに対してジグリセリ〉35〜75重量部
を加えたときに適度な粘着性が得qれた。本実施例(A
)項で得られた共重合体全体のポリマー成分100 g
に対してジググセ9フ50重量部を加えて粘着剤溶液を
得た。この粘着剤溶沼を用いて実施例1 (B)項の方
法に準じて粘着シートを調製した。
(C)粘着剤の粘着代用物性:本実施例(B)項で得ら
れた粘着シートを用いて粘着代用物性苓調べた。180
″′折り返し法帖着力は670g/15+++n+。
ボールタック値は24であり凝集破壊は認められ7かっ
た。対湿潤面への接着性は300秒以上であ。
た。
(D)粘着剤の抗菌性の評価:実施例1 (D)項に準
じて行った。別に比較例1と同様の条件下で粘着剤を調
製し、同様の方法で抗菌性の評価等行った(比較例1−
■)。それぞれの結果を表2に示す。
表2 (E)各種粘着シートもしくはテープの構成:表7およ
び表8にその例を示す。
叉血凱ユ (A)共重合体の調製: (メタ)アクリルアミド誘導
体(第1共重合成分)として3(アクリルアミド)イソ
ペンチルトリメチルアンモニウムクロライド110 g
 、第2共重合成分としてメタクリル酸2ヒドロキシエ
チル25g、第3共重合成分として酢酸ビニル45g、
多官能性単量体としてポリエチレングリコールジメタク
リレート(分子量約338)0.03 g 、そして溶
媒としてメチルアルコール80gを用いて実施例1 (
A)項に準じて共重合体を調製した。ただし触媒の使用
量を0.55 gとした。
得られた反応液はほぼ透明な粘稠液であった。共重合体
濃度は33.3%であり、含有される共重合体の21t
での粘度は約31,000cpsであった。重合率は、
共重合体全体として97.8%、第1共重合成分が96
.7%、第2共重合成分が100%、第3共重合成分が
99.3%であった。
(B)粘着シートの調製二本実施例(A)項で得られた
共重合体溶液から得られるポリマーは硬い樹脂状物であ
った。この樹脂状のポリマーは水やアルコール系溶媒に
溶解する一方、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどに
は溶解しない。ポリマー成分100gに対してジグリセ
リン50〜100重量部を加えたときに適度な粘着性が
得られた。本実施例(A)項で得られた共重合体溶液の
ポリマー成分100gに対してジグリセリン70重量部
を加えて粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液を用いて実
施例1 (B)項の方法に準じて粘着シートを調製した
(C)粘着剤の粘着代用物性二本実施例(B)項で得ら
れた粘着シートを用いて粘着代用物性を調べた。180
°折り返し法帖着力は800g/15mm。
ボールタック値は31であり凝集破壊は認められなかっ
た。対湿潤面接着性は300秒以上であった。
(D)粘着剤の殺菌性の評価:実施例1 (D)項に準
じて行った。別に比較例1と同様の条件下で粘着剤を調
製し、同様の方法で抗菌性の評価を行った(比較例1−
■)。それぞれの結果を表3に示す。
(以下余白) 表3 (E)各種粘着シートもしくはテープの構成:表7およ
び表8にその例を示す。
夫1勇↓ (A)共重合体の調製= (メタ)アクリル酸誘導体(
第1共重合成分)として、2(メタクリルオキシ)エチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド50g、第2共重
合成分としてアクリル酸2ヒドロキシプロピル40gお
よびメタクリル酸2ヒドロキシプロピル30g、第3共
重合成分としてアクリル酸ブチル60g、多官能性単量
体としてトリメチロールプロパントリメタクリレート0
.01 g 、そして溶媒としてメチルアルコール80
gを用いて実施例1 (A)項に準じて共重合体を調製
した。得られた反応液はやや乳白色の粘稠溶液であり、
含有、される共重合体の濃度は30.4%、21℃での
粘度は30.000cpsであった。重合率は、共重合
体全体として98.4%、第1共重合成分が97.6%
、第2共重合成分が合計量で99.2%、第3共重合成
分が98.1%であった。
(B)粘着シートの調製:本実施例(A)項で得られる
共重合体溶液から得られるポリマーは非粘着性の樹脂状
物であった。この樹脂状のポリマーは水やアルコール系
溶媒に溶解する一方、メチルエチルケトン、酢酸エチル
などには溶解しない。
ポリマー成分100gに対してジグリセリン35〜80
重量部を加えたときに適度な粘着性が得られた。
本実施例(A)項で得られた共重合体溶液のポリマー成
分100gに対してジググセ9フ50重量部を加えて粘
着剤溶液を得た。この粘着剤溶液を用いて実施例1 (
B)項の方法に準じて粘着シートを調製した。
(C)粘着剤の粘着代用物性:本実施例(B)項で得ら
れた粘着シートを用いて粘着代用物性を調べた。180
6折り返し法帖着力は690g/15mm。
ポールタック値は25であり凝集破壊は認められなかっ
た。対湿潤接着性は300秒以上であった。
(D)粘着剤の殺菌性の評価:実施例1 (D)項に準
じて行った。別に比較例1と同様の条件下で粘着剤を調
製し、同様の方法で抗菌性の評価を行った(比較例1−
■)。それぞれの結果を表4に示す。
(以下余白) 表4 黄 1” ■−− (E)各種粘着シートもしくはテープの構成:表7およ
び表8にその例を示す。
去血桝1 (A)共重合体の調製: (メタ)アクリルアミド誘導
体、(第1共重合成分)として3 (アクリルアミド)
プロピルトリメチルアンモニウムクロライド18g、第
2共重合成分としてアクリル酸2ヒドロキシプロピル4
2g、第3共重合成分としてアクリル酸ブチル80gお
よび酢酸ビニル40g、多官能性単量体として1・6−
ヘキサンゲリコールジメタクリレート0.02 g 、
そして溶媒としてエチルアルコール80gを用いて実施
例1 (A)項に準じて共重合体を調製した。ただし触
媒の使用量を0.6gとした。得られた反応液は透明で
あり、含有される共重合体の濃度は27.7%、21℃
での粘度は約27、000cpsであった。重合率は共
重合体全体としては98.4%、第1共重合成分が99
.4%、第2共重合成分が99.6%、第3共重合成分
のうちアクリル酸ブチルが97.5%、酢酸ビニルが9
8.5%であった。
(B)粘着シートの調製二本実施例(A)項で得られる
共重合体は、わずかに粘着性を有する比較的強靭な樹脂
状物であった。この樹脂状のポリマーは水、アルコール
類、アセトンなどに溶解する一方、トルエン、酢酸エス
テル類などには溶解しない。ポリマー成分100gに対
してジググセ1220〜60重量部を加えたときに適度
な粘着性が得られた。本実施例(A)項で得られた共重
合体溶液のポリマー成分100gに対してジグリセリン
35重量部を加えて粘着剤溶液を得た。この粘着剤溶液
を用いて実施例1 (B)項の方法に準じて粘着シート
を調製した。
(C)粘着剤の粘着代用物性二本実施例(B)項で得ら
れた粘着シートを用いて粘着代用物性を調べた。180
°折り返し法帖着力は590g/15a+s。
ボールタンク値は18であり凝集破壊は認められなかっ
た。対湿潤面接着性は300秒以上であった。
(D)粘着剤の殺菌性の評価:実施例1 (D)項に準
じて行った。別に比較例1と同様の条件下で粘着剤を調
製し、同様の方法で抗菌性の評価を行った(比較例1−
■)。それぞれの結果を表5に示す。
(以下余白) 表5 (E)各種粘着シートもしくはテープの構成二表7およ
び表8にその例を示す。
叉止斑工 (A)共重合体の調製: (メタ)アクリルアミド誘導
体(第1共重合成分)として3 (アクリルアミド)イ
ソペンチルトリメチルアンモニウムクロライド45gお
よび2(メタクリルオキシ)エチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド45g、第2共重合成分としてアクリル
酸2ヒドロキシエチル40g、第3共重合成分としてブ
トキシエチルアクリル酸50g、そして溶媒としてメチ
ルアルコール80gを用いて実施例1 (A)項に準じ
て共重合体を調製した。得られた反応液はやや乳白色の
粘稠な溶液であり、含有される共重合体の濃度は33.
0%、21℃での粘度は32.0OOcpsであった。
重合率は共重合体全体としては98.5%、第1共重合
成分のうち3 (アクリルアミド)イソペンチルトリメ
チルアンモニウムクロライドが97.3%、2 (メタ
クリルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライ
ドが98.5%、第2共重合成分が99.7%、第3共
重合成分が98.7%であった。
(B)粘着シートの調製二本実施例(A)項で得られる
共重合体溶液から得られるポリマーはやや硬い非粘着性
の樹脂状物であった。この樹脂状のポリマーは水やアル
コール系溶媒に溶解する−方、メチルエチルケトン、酢
酸エチルなどには鍔解し゛ない。ポリマー成分100 
gに対してジグリ七、 リン40〜95重量部を加えた
ときに適度な粘着性力得られた。本実施例(A)項で得
られた共重合付溶液のポリマー成分100gに対してジ
グワセリン65重量部を加えて粘着剤溶液を得た。この
粘着斉溶液を用いて実施例1 (B)項の方法に準じて
桿着シートを調製した。
(C)粘着剤の粘着代用物性:本実施例(B)項で得ら
れた粘着シートを用いて粘着代用物性苓調べた。  1
80’折り°返し法帖着力は660g/15a+m。
ボールタック値は29であり凝集破壊は認められfJか
った。対湿潤面接着性は300秒以上であった。
(D)粘着剤の殺菌性の評価:実施例1 (D)項に準
じて行った。別に比較例1と同様の条件下で粘着剤を調
製し、同様の方法で抗菌性の評価を行った(比較例1−
■)。それぞれの結果を表6に示す。
表6 □ (E)各種粘着シートもしくはテープの構成二表7およ
び表8にその例を示す。
(以下余白) 此Jidt先 通常使用されているアクリル系粘着剤を調製し。
、 本発明の樹脂から得られる粘着剤と比較を行った。
(A)共重合体の調製:メタクリル酸2エチルヘキシル
60g、アクリル酸ブチル120g、1・6ヘキサング
リコールジメタクリル酸エステル0.018gおよび酢
酸エチル80gを反応容器に仕込み、実施例1 (A)
項に準じて共重合体を調製した。ただし触媒の使用量を
0.51 gとした。得られた反応液に含有される共重
合体の濃度は27.6%、21℃での粘度は約25.0
00cpsであった。その重合率は全体として98.4
%、メタクリル酸2エチルヘキシルが99.6%、アク
リル酸ブチルが97.8%であった。
反応液の溶媒を留去・乾燥して得られるポリマーは粘着
性を有するため軟化剤を必要としない。
(B)粘着シートの調製:基材として厚さ50μmのP
ETフィルムを用い、その片面にコロナ放電処理を行っ
た。処理面に本比較例(A)項で得られた共重合体を含
む反応液を乾燥後の厚さが50μ腸となるように転写塗
工法によって塗布・乾燥して粘着シートを得た。
(C)粘着剤の粘着代用物性:本比較例(B)項で得ら
れた粘着シートを用いて粘着代用物性を調べた。180
 ’折り返し法帖着力は520g/15mm。
ボールタック値は15であり凝集破壊は認められなかっ
た。しかし、対湿潤面への接着性は7秒と低い値を示し
た。
(D)粘着剤の抗菌性の評価:実施例1 (D)項に準
じて行った。その結果を表9に示す。
表9 (発明の効果) 本発明によれば、このように、粘着性に優れ内部凝集力
が高く劣化しにくいなどのアクリル系粘着剤の持つ優れ
た特性を有し、かつ優れた抗菌性をもった医療用粘着剤
を形成しうる樹脂が得られる。このような粘着剤の層を
設けた本発明のシートもしくはテープを皮膚に貼付する
と2例えば傷口への微生物の感染が起こらず、したがっ
て、治癒が促進されうる。蒸れが生じた部分への微生物
の二次感作によるかぶれも生じない。
この粘着剤は、また、親水性に優れるためこれを用いな
本発明のシートもしくはテープを濡れた(湿った)皮膚
表面へ接着させることが可能である。貼付時に発汗して
も容易に剥離しない。この粘着剤は吸水性および水蒸気
透過性に優れ、そのため、シートもしくはテープを長時
間皮膚に貼付しても蒸れることがない。それゆえ、蒸れ
によるかぶれが生じにくい。貼付したシートもしくはテ
ープを剥離するときに水を用いると粘着剤がこの水に溶
解もしくは水で膨潤するため容易にこのシートもしくは
テープを剥離することができる。そのため、乳幼児など
の弱い皮膚面へ貼付しても剥離時に皮膚面を損なうこと
がない。粘着剤がシートもしくはテープの貼付時に周囲
にはみ出したり。
剥離後に粘着剤が皮膚上に残留した場合にも、それを水
で洗浄すれば容易に除去することができる。
粘着剤中には水溶性薬剤を高濃度で溶解させることがで
きる。そのため、従来調製が困難であった水溶性薬剤を
高単位で含有する治療用粘着シートもしくはテープが容
易に得られうる。
さらに、粘着剤自体が導電性を有するため帯電防止効果
が大きく、そのため2例えば、ロール状の粘着テープを
巻きもどしたときに静電気により目的外の物体に付着し
たり、火花放電による引火の危険性もない。
本発明の樹脂を用いると、従来のアクリル系粘着剤より
も高い粘着力を示す粘着剤から低粘着力の粘着剤に至る
までの任意の粘着力の粘着剤が得られうる。そのため、
目的に応じた粘着性を有するシートもしくはテープが調
製されうる。
このような医療用粘着シートもしくはテープは。
外傷部を保護したり、骨折部などを固定するためのシー
ト状もしくはテープ状の絆創膏として使用されるほか2
例えば1点滴を行うときにその静注針を皮膚表面に固定
したり1人工肛門などの医療用部材を所定の場所に固定
・密着させるためにも好適に用いられる。手術時のドレ
ープ用にも利用されうる。また、各種薬剤を含有する貼
付剤としても利用され得、水溶性の薬剤が高含量に含有
される貼付剤も容易に得られうる。顔面の深皺伸ばしや
髪の固定・造形など美容目的にも用いられる。
以上

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、第1共重合成分と第2共重合成分とを含有する共重
    合体でなる樹脂であって、 (1)該第1共重合成分が、 (a)置換アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリル
    アミド基とアミド結合により結合した化学構造の(メタ
    )アクリルアミド誘導体、および/もしくは (b)置換アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリル
    オキシ基とエステル結合により結合した化学構造の(メ
    タ)アクリル酸エステル誘導体であり;そして、 (2)第2共重合成分がグリコール類のモノ(メタ)ア
    クリル酸エステルである、 医療用粘着剤に用いられる樹脂。 2、前記共重合体中に前記第1共重合成分が5〜70重
    量%の割合で、そして第2共重合成分が第1共重合成分
    の残余成分のうち20重量%以上の割合で含有される特
    許請求の範囲第1項に記載の樹脂。 3、前記共重合体中に(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テル、(メタ)アクリル酸アルコキシエステルおよび脂
    肪酸ビニルエステルのうちの少なくとも1種が第3共重
    合成分として含有される特許請求の範囲第1項に記載の
    樹脂。 4、前記共重合体中に第3共重合成分が、第1共重合成
    分および第2共重合成分の残余成分のうちの50重量%
    以上の割合で含有される特許請求の範囲第3項に記載の
    樹脂。 5、粘着剤の層が基材の少なくとも片面に設けられた医
    療用粘着シートもしくはテープであって、該粘着剤は第
    1共重合成分と第2共重合成分とを含有する共重合体樹
    脂を主成分とし、 (1)該第1共重合成分が、 (a)置換アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリル
    アミド基とアミド結合により結合した化学構造の(メタ
    )アクリルアミド誘導体、および/もしくは (b)置換アンモニオ基を有する基が(メタ)アクリル
    オキシ基とエステル結合により結合した化学構造の(メ
    タ)アクリル酸エステル誘導体であり;そして、 (2)第2共重合成分がグリコール類のモノ(メタ)ア
    クリル酸エステルである、 医療用粘着シートもしくはテープ。 6、前記共重合体中に前記第1共重合成分が5〜70重
    量%の割合で、そして第2共重合成分が第1共重合成分
    の残余成分のうち20重量%以上の割合で含有される特
    許請求の範囲第5項に記載のシートもしくはテープ。 7、前記共重合体中に(メタ)アクリル酸アルキルエス
    テル、(メタ)アクリル酸アルコキシエステルおよび脂
    肪酸ビニルエステルのうちの少なくとも1種が第3共重
    合成分として含有される特許請求の範囲第5項に記載の
    シートもしくはテープ。 8、前記共重合体中に第3共重合成分が、第1共重合成
    分および第2共重合成分の残余成分のうちの50重量%
    以上の割合で含有される特許請求の範囲第7項に記載の
    シートもしくはテープ。 9、前記粘着剤が水と親和性を有する軟化剤を含有する
    特許請求の範囲第5項に記載のシートもしくはテープ。 10、前記粘着剤が前記軟化剤を前記共重合体100重
    量部あたり10〜100重量部の割合で含有する特許請
    求の範囲第9項に記載のシートもしくはテープ。 11、前記粘着剤に薬剤が含有される特許請求の範囲第
    5項に記載のシートもしくはテープ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5785985A (en) * 1994-05-13 1998-07-28 Lohmann Gmbh & Co., Kg Medical pressure-sensitive adhesive mass having a high moisture vapor transmission and a high adhesive strength on dry human skin and in case of intense perspiration
WO2021210490A1 (ja) * 2020-04-13 2021-10-21 コスメディ製薬株式会社 皮膚用粘着シート

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US5785985A (en) * 1994-05-13 1998-07-28 Lohmann Gmbh & Co., Kg Medical pressure-sensitive adhesive mass having a high moisture vapor transmission and a high adhesive strength on dry human skin and in case of intense perspiration
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