JPS6128064B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、建築作業において壁面施工を行う
ときに用いる壁面用下板張り構造におけるコーナ
ー構造に関するものである。

壁面用下地板張り構造は、壁面用の下地板をコ
ンクリート型枠のせき板として兼用させることに
より、コンクリートの打設と同時にコンクリート
壁面に下地板が固着されるようにさせ、かつ同下
地板にパネル支持枠を進退自在に支持させて、こ
の支持枠の進退調整によつて壁面のレベル調整が
容易に行えるようにしたものであるが、本発明で
は直交壁面を形成させるときのコーナー部の施工
が容易に行えるようにさせ、しかもレベル調整が
正確に行えるようにさせようとするものである。

以下本発明を図面に示す実施例に基づき説明す
る。

１ａ，１ｂは直交壁面を形成させるための直交
下地板であり、所要大きさに形成した発泡ウレタ
ン板が用いられて、これをコンクリート型枠のせ
き板として兼用させるようにしている。尚この発
泡ウレタン板は、その表面が粗雑であることから
これをコンクリート型枠のせき板として兼用させ
ながらコンクリート打ちを行うと、コンクリート
壁面とウレタン板との掛りが良好となつてこのウ
レタン板による下地板をコンクリート壁面に強固
に固着させることができる。又この下地板１ａ，
１ｂは仕上げ板２の取付け基板となるのである
が、同時に防音材、保温材としての機能を持つて
いる。尚本実施例では、一方の下地板１ａの角側
端部に狭幅下板１ｃを均一面の状態で連設させ
て、この狭幅下地板１ｃと他方の下地板１ｂとを
直交状態に連接させることにより角部Ｃを形成さ
せているが、この狭幅下地板１ｃを用いることな
く、一方の下地板１ａを角部Ｃまで延設させても
よく、この場合には後述の基本支持枠３ｃをこの
下地板１ａに支持させることになる。

３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄはそれぞれ仕上げ板２
としての化粧板その他のボート等を取付けるため
のパネル支持枠であり、上記直交下地板１ａ，１
ｂに取付ける平面部支持枠３ａ，３ｂと、角部Ｃ
に設けるコーナー支持枠３ｄと、このコーナー支
持枠３ｄを支持させながら上記狭幅下地板１ｃに
取付ける基体支持枠３ｃとの３種類が用いられて
いる。

上記平面部支持枠３ａ，３ｂは、断面略コ字状
の型材により形成され、その内部は右ネジナツト
４ａ，４ｂが取付けられ、かつ同右ネジナツト４
ａ，４ｂのネジ孔５ａ，５ｂに符合する調整孔６
ａ，６ｂを外壁面３a′，３b′に設け、そしてこの
平面部支持枠３ａ，３ｂを下地板１ａ，１ｂの外
側面１a′，１b′にそれぞれ縦向きに取付けるよう
にしている。

又上記基体支持枠３ｃは、断面形状を略コ字状
とした短尺の型材により形成され、その内部に右
ネジナツト４ｃを取付けるとともに、同右ネジナ
ツト４ｃのネジ孔５ｃに符合する調整孔６ｃを外
壁面３c′に設け、かつ上記右ネジナツト４ｃに一
体的に連設させて左ネジナツト７を角部Ｃ側に向
けて横向きに設け、そしてこの基体支持枠３ｃを
狭幅下地板１ｃの外側面１c′に横向きに取付ける
ようにしている。

又上記コーナー支持枠３ｄは、断面略コ字状の
型材により形成され、その内部に右ネジナツト４
ｄを横向きに取付け、かつ同右ネジナツト４ｄの
ネジ孔５ｄに符合する調整孔６ｄを側壁面３d′に
設け、そしてこのコーナー支持枠３ｄを上記角部
Ｃに位置させながら狭幅下地板１ｃの外側面に取
付けるようにしている。

尚上記平面部支持枠３ａ，３ｂの右ネジナツト
４ａ，４ｂおよび基体支持枠３ｃの右ネジナツト
４ｃは各支持枠３ａ，３ｂ，３ｃの内部に着脱自
在に係合させるようにしたコ字状金具８ａ，８
ｂ，８ｃの内部に係止状態で取付けられ、又各支
持枠３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄは下地板１ａ，１
ｂ，１ｃの外側面１a′，１b′，１c′に形成した嵌
合溝９ｃ，９ｂ，９ｃ内に嵌合して、下地板１
ａ，１ｂ，１ｃの外側面１a′，１b′１c′と均一面
となるように支持されている。

１０ａ，１０ｂ，１０ｃ，１０ｄは一端側に右
ネジ部１０を、他端側に左ネジ部１０′を形成さ
せた調整ネジ杆であり、平面部支持枠用の調整ネ
ジ杆１０ａ，１０ｂと、基体支持枠用の調整ネジ
杆１０ｃと、コーナー支持枠用の調整ネジ杆１０
ｄとの３種類が用いられている。そして上記平面
部支持枠用および基体支持枠用のネジ杆１０ａ，
１０ｂ，１０ｃはそれぞれ下地板１ａ，１ｂ，１
ｃを貫通して、同下地板１ａ，１ｂ，１ｃの外側
面１a′，１b′，１c′側において右ネジ部１０をそ
れぞれ右ネジナツト４ａ，４ｂ，４ｃに螺合さ
せ、他方内側面側において左ネジ部１０′をイン
サート部材１１ａ，１１ｂ，１１ｃの内部に形成
した左ネジ孔１２ａ，１２ｂ，１２ｃに螺合させ
ている。又コーナー支持枠用のネジ杆１０ｄは、
同支持枠３ｄの側壁を貫通して右ネジ部１０をコ
ーナー支持枠３ｄに取付けた右ネジナツト４ｄに
螺合させ、他方左ネジ部１０′を基体支持枠３ｃ
の右ネジナツト４ｃに一体的に連設させた左ネジ
ナツト７に螺合させている。したがつて上記平面
部支持枠３ａ，３ｂおよび基体支持枠３ｃは調整
ネジ杆１０ａ，１０ｂ，１０ｃによつて下地板１
ａ，１ｂ，１ｃの外側方向に進退自在に支持さ
れ、又コーナー支持枠３ｄは調整ネジ杆１０ｄに
よつて基体支持枠３ｃに支持されながら他方の下
地板１ｂに外側方向に進退自在に支持されること
になる。尚１３は各調整ネジ杆に形成したドライ
バーの係合溝である。

そして上述のようにして支持枠３ａ，３ｂ，３
ｃ，３ｄおよびインサート部材１１ａ，１１ｂ，
１１ｃを取付けた各下地板１ａ，１ｂ，１ｃを角
部Ｃを形成させるように組立ててその内部にコン
クリート打ちを行うものであり、この場合各下地
板１ａ，１ｂ，１ｃ，をコンクリート型枠のせき
板として兼用させることにより、コンクリート壁
Ｗの施工と同時に各下地板１ａ，１ｂ，１ｃをそ
れぞれ直交状態のコンクリート壁面ｗ，ｗに固着
させるようにしている。尚１４で示すものはコン
クリート型枠における支保工であり、この場合各
下地板１ａ，１ｂ，１ｃを直接に支持させる縦バ
タ角１４ａの並設間隔を狭くしてせき板となる下
地板の強度を補強させるとともに、適当数を屈曲
自在な鎖１５等によりすのこ状に連結させて取扱
いを簡便にさせるようにしている。又１４ｂは横
バタ角である。

従つて、コンクリート打設作業が完了してコン
クリートが固結すると、各下地板の内側面とコン
クリートとの掛りが生じ、又インサート部材１１
ａ，１１ｂ，１１ｃがコンクリート壁Ｗ内に埋設
された状態となることから、このコンクリートの
打設と同時に各下地板１ａ，１ｂ，１ｃのコンク
リート壁面ｗ，ｗへの固着が行われるのである。
そしてこの後において各支持枠３ａ，３ｂ，３ｃ
を進退調整させながら壁面のレベル調整を行うも
のであり、この場合各調整ネジ杆１０ａ，１０
ｂ，１０ｃの回転により各支持枠３ａ，３ｂ，３
ｃを下地板の外側面から所要高さ突出させながら
各支持枠の外面レベルを均一に調整させることに
なるが、コーナー支持枠３ｄは、基体支持枠３ｃ
に支持されていることから、この基体支持枠３ｃ
のレベル調整と同時に一方側（矢印ａ方向）の調
整が行われ、又他方側（矢印ｂ方向）の調整ネジ
杆１０ｄの回動調整により行われることになるの
である。

上述のように本発明によれば、壁面用下地板張
り構造の角部にコーナー支持枠を設けたので、仕
上げ板の取付け状態における角部の強度も確保す
ることができるし、又直交両壁面の直交状態を確
実に保持させることができるし、そのレベル調整
を容易にさせながら壁面施工を容易かつ確実に行
わせることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の正面図、第２図は同横
断面図、第３図は施工完了状態の要部横断面図、
第４図は第３図−線による断面図である。 １ａ：直交下地板、１ｂ：直交下地板、１ｃ：
狭幅下地板、２：仕上げ板、３ａ：平面部支持
枠、３ｂ：平面部支持枠、３ｃ：基体支持枠、３
ｄ：コーナー支持枠、Ｃ：角部、Ｗ：コンクリー
ト壁、ｗ：コンクリート壁面。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 発泡ウレタン板を用いたコンクリート型枠の
   せき板としての直交下地板１ａ，１ｂを、直交状
   態に配設して直交壁面を形成すると共に、直交下
   地板１ａ，１ｂの中途部には平面部支持枠３ａ，
   ３ｂを、また直交下地板１ａ，１ｂの角部Ｃには
   基体支持枠３ｃ及び、コーナー支持枠３ｄをそれ
   ぞれ取付け、平面部支持枠３ａ，３ｂは、直交下
   地板１ａ，１ｂのコンクリート打設側に配したイ
   ンサート部材１１ａ，１１ｂと、直交下地板１
   ａ，１ｂの外側面に配したコ字状金具８ａ，８ｂ
   と、インサート部材１１ａ，１１ｂとコ字状金具
   ８ａ，８ｂとの間に螺合連結した調整ネジ杆１０
   ａ，１０ｂとより構成し、同調整ネジ杆１０ａ，
   １０ｂをコ字状金具８ａ，８ｂの外側から回転せ
   しめることにより、コ字状金具８ａ，８ｂを進退
   自在にレベル調整可能に構成し、また角部Ｃに取
   付けた基体支持枠３ｃは、直交下地板１ａ，１ｂ
   のいづれかの一方の下地板の角部Ｃ側の端部にお
   いて、コンクリート打設側に配したインサート部
   材１１ｃと、直交下地板１ａの外側面に配したコ
   字状金具８ｃと、インサート部材１１ｃとコ字状
   金具８ｃとの間に螺合連結した調整ネジ杆１０ｃ
   とより構成し、同調整ネジ杆１０ｃをコ字状金具
   ８ｃの外側より回転せしめてコ字状金具８ｃを進
   退自在にレベル調整可能に構成し、また、角部Ｃ
   に取付けたコーナー支持枠３ｄは、基体支持枠３
   ｃのコ字状金具８ｃの横側方において、同コ字状
   金具８ｃに、調整ネジ杆１０ｃを介して螺合連結
   し、同調整ネジ杆１０ｃの回転により、基体支持
   枠３ｃの横側方向へレベル調整可能に進退摺動す
   べく構成し、直交壁面としての直交下地板１ａ，
   １ｂの外側において平面部支持枠３ａ，３ｂ、基
   体支持枠３ｃ及びコーナー支持枠３ｄの外側面
   に、各コ字状金具８ａ，ｂ，ｃとコーナー支持枠
   ３ｄの進退作動によつて仕上げ板２をレベル調整
   して直交状態に張設すべく構成してなる壁面用下
   地板張り構造におけるコーナー構造。