JPS6127459B2 - - Google Patents
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- JPS6127459B2 JPS6127459B2 JP1977983A JP1977983A JPS6127459B2 JP S6127459 B2 JPS6127459 B2 JP S6127459B2 JP 1977983 A JP1977983 A JP 1977983A JP 1977983 A JP1977983 A JP 1977983A JP S6127459 B2 JPS6127459 B2 JP S6127459B2
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Landscapes
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[発明の技術分野]
この発明は高温強度に優れたドープモリブデン
材の製造方法に関する。 [発明の技術的背景とその問題点] 一般に炉用ヒータや蒸着用ボートなど高温下で
使用されるモリブデン部品には再結温度が高く、
再結晶後の強度が高いドープモリブデン材料が使
用されている。この材料は、モリブデンにAl,
Si,Kの一種又は二種以上が添加された材料であ
る。 このドープモリブデン材料からなるモリブデン
板の製造方法および製品としての二次成形加工
は、従来第1図に示した方法、すなわち、焼結イ
ンゴツトに熱間加工を施こすことによつてモリブ
デン板を得る。その後加工のままの板あるいは再
結晶温度以下、通常は800℃〜1200℃での歪取り
焼鈍を施こした板に二次成形加工を施こして炉用
ヒータや蒸着用ボートとし、使用に供している。 しかし、上記従来の方法で得られた炉用ヒータ
や蒸着用ボートは、その使用温度が再結晶温度前
後からそれ以上の高温度で、かつ加熱、冷却を伴
なつて使用される。このため、使用中に再結晶の
成長を起すとともに、熱疲労やクリープ現象によ
る大きな変形あるいは割れを生じ、この変形ある
いは割れが使用時間の経過とともに大きくなり、
炉用ヒータの異常接触が生じ短絡して溶断した
り、加熱炉の温度分布が異常となり局部的に温度
が上り過ぎたり、断線したりし、正常な加熱炉と
しての用をなさなくなつてしまう。 [発明の目的] 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、
高温下の使用でも変形あるいは割れの少ない高温
強度に優れたドープモリブデン材の製造方法を提
供することを目的とする。 [発明の概要] 本発明に係るモリブデン板の製造方法はAl,
Si,Kの一種又は二種以上が重量%で0.005〜
0.75%含有したドープモリブデン材料をトータル
加工率で85%以上の減面加工した後、再結晶温度
より100℃高い温度から2200℃までの温度範囲に
て加熱処理して、再結晶粒を細長く大きく(再結
晶粒の幅に対する長さの比は5以上、好ましくは
15以上、更に好ましくは25以上である)成長させ
たことを特徴としている。 本発明に係るモリブデン板の製造方法を第2図
に従つて説明する。 本発明に係るドープモリブデン材料からなるモ
リブデン板の製造方法はAl,Si,Kの一種又は二
種以上が重量%で0.005〜0.75%、望ましくは合
計量が0.01〜0.6%で、かつ二種以上の場合には
それぞれが1/2あるいは1/3量、添加されたドープ
モリブデン焼結インゴツトを鍛造、圧延などの熱
間加工により加工率85%以上までの加工を施こ
し、所定の板厚のモリブデン板とする。その後、
限定した温度範囲で加熱処理を行ない、モリブデ
ン板の再結晶粒を細長く大きく成長させたことに
よつて高温下の使用でも変形あるいは割れの少な
いモリブデン板が得られることを究明してなされ
たものである。 ここで、本発明に係るモリブデン板の構成材料
であるドープモリブデン材料の組成範囲について
説明すると、Al,Si,Kは加工後の加熱処理によ
り整列した微小ドープ孔を生成させ、この微小ド
ープ孔の効果によつて再結晶粒を細長く大きく成
長させるのに必要な組成範囲である。その添加成
分量が少なすぎると効果が小さく、加工後の加熱
処理によつても再結晶粒が亀甲状の等軸結晶粒と
なり、一方、多すぎると上述の微小ドープ孔を必
要以上に大きく、かつ多量に生成させるため局部
的に再結晶粒が亀甲状の等軸結晶粒となること
や、ドープ孔の集合および異常成長の起ることに
よる欠陥穴の生成することとなるため、高温下で
使用する炉用ヒータや蒸着用ボートとして使用し
た場合、粒界すべりに伴なう異常変形や粒界割れ
および欠陥穴を起点とする粒内割れを容易にさせ
る。したがつて、この組成範囲が好ましい。 次に、本発明に係るモリブデン材の限定した加
工率について説明すると、85%以上の加工率は加
工後の加熱処理によつて再結晶粒を細長く大きく
成長させるに必要な加工率範囲である。この加工
率が少なすぎると充分に加工繊維組織の発達を行
なわせることができず、加工後の限定した温度範
囲での加熱処理によつても再結晶粒が亀甲状の等
軸結晶粒となるため、高温下で使用する炉用ヒー
タや蒸着用ボートとして使用した場合、粒界すべ
りに伴なう異常変形や粒界割れを容易にさせる。
したがつて、この範囲が好ましく、加工率が95%
以上あると更に好ましい。 ただし、加工率100%の場合はあり得ないので
加工率100%は含まない。 さらに、加工後の加熱処理温度範囲について説
明すると、加工後の加熱処理は、85%以上の加工
率まで熱間加工を施こし、充分に加工繊維組織を
発達させたモリブデン板の再結晶粒を細長く、大
きくジグザグに結合した状態にするための加熱処
理温度で、高温下で優れた熱疲労度やクリープ強
度を兼備させるに必要な温度範囲である。加熱処
理の温度が低すぎると、再結晶粒の成長を充分に
行なわせることができないため、高温下で使用中
に不安定な結晶粒成長が起り、熱疲労強度やクリ
ープ強度のバラツキを生じさせ、一方、温度が高
すぎると、細長く、大きくジグザグに成長した再
結晶粒が過大に成長し、等軸結晶粒と同様になる
とともに、前述の微小ドープ孔の異常成長や集合
が起り、大きな欠陥穴となるため、高温下で使用
する炉用ヒータや蒸着用ボートとして使用した場
合、粒界すべりに伴なう異常変形や粒界割れを容
易にさせたり、欠陥穴を起点とする粒内割れを容
易にさせたり、粗大な欠陥穴の生成による局部的
な電気抵抗の上昇による炉用ヒータの溶断を発生
させる。したがつて、この温度範囲が好ましい。 ここで、加工率で85%以上の減面加工し、再結
晶温度より、100℃高い温度から2200℃までの温
度範囲にて加熱処理する工程(以下、第2の工程
を称す)の前に、加工率で45%以上の減面加工
し、再結晶温度より200℃〜800℃高い温度で加熱
処理する工程(以下、第1の工程と称す)を設け
た理由について説明する。 第2の工程の目的は、長大結晶を形成させるこ
とである。それに対して、第1の工程の目的は、
再結晶粒を均一に生成させることである。つま
り、第2の工程の85%以上の減面加工は、部分ご
とに、被加工材に異なる歪を与え、その為異なる
大きさの長大結晶を形成させやすく、高温強度に
バラツキの有るモリブデン材が製造される場合が
あつた。そこで、第2の工程の前に第1の工程を
設けることにより、長大再結晶粒を比較的均一に
生成させやすく、バラツキが少ないドープモリブ
デン材を提供する。第1の工程の加熱温度につい
て、温度が低すぎると、効果が少なく、一方、温
度が高すぎると、再結晶粒が粗大になつてしまう
ので、再結晶温度より200℃〜800℃の温度範囲が
好ましい。したがつて、第2の工程の前に、第1
の工程を設けることにより、本発明の目的を、よ
り一層有効に達成できる。 [発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、炉用ヒー
タや蒸着用ボート等として使用されるモリブデン
材に限定した加工率での熱間加工を施こした後、
限定した熱処理温度範囲での加熱処理を施こすこ
とにより、熱疲労強度およびクリープ強度を高め
ることが出来る。 このため高温下で使用される炉用ヒータや蒸着
用ボート等の破壊寿命を大幅に伸ばし、かつ長時
間安定状態で使用でき、電気炉や蒸着装置などの
運転効率と信頼性を大幅に向上できる効果があ
る。 さらに、本発明に係るモリブデン板を使用する
ことによつて、希少金属を有効に活用できること
となり、工業上頻る有用である。 [発明の実施例] 本発明のモリブデン板の製造方法は、Al2O3,
SiO2,K2Oをそれぞれ重量%で0.015%添加した
平均粒径4μのドープモリブデン粉末を2ton/cm2
の圧力でプレス成形した後、水素炉中で1830℃×
9Hrの条件で焼結し、焼結インゴツトとした。 この焼結インゴツトを1100℃〜1400℃の温度範
囲で熱間鍛造と、その後300℃〜1100℃の温度範
囲で熱間圧延により、加工率が82%,86%,98%
になるように加工率を調整して板厚が2mmの板を
得た。 次に、上記加工率の板厚2mmのモリブデン板か
ら試験素材を各々4枚切り出し、それぞれに対し
て本試験素材の再結晶温度である1650℃、再結晶
温度より充分低いひずみ取り焼鈍に相当する1000
℃、再結晶温度より350℃高い2000℃および2400
℃の4種の温度で2時間加熱処理を施こした。 この加熱処理を行なつた試験素材から巾10mm、
長さ100mmの試験片を切り出し、この試験片を第
3図に示す方法で水平支持し、1800℃のH2気流
中に10Hr投入と室温1Hr放置との加熱冷却サイク
ルを20回繰り返し、試験片1先端の自重によるた
わみ量Lを測定した。この結果を第1表に示す。 第1表より明らかなように本発明に係るドープ
モリブデン材料からなるモリブデン板の製造方法
によつて得られた本発明例1、2のモリブデン板
は比較例1〜10に示した従来の製造方法によるモ
リブデン板や加熱処理を本発明の加熱処理温度範
囲外で行なつて得られたモリブデン板に比較し
て、たわみ量Lが1/6からそれ以下と大巾に少な
く、優れた耐熱疲労性および耐クリープ性を持つ
ことが確認できた。 次に前記の実施例で示した焼結インゴツトを
1100℃〜1400℃の温度範囲で加工率が70%まで熱
間鍛造した後、再結晶温度より350℃高い2000℃
×1時間の再結晶粒均一化処理を行なつた。(第
1の工程) 続いて、再結晶粒均一化処理を施こしたモリブ
デン合金素材を1100℃〜1400℃の温度範囲で鍛造
と、その後300℃〜1100℃の温度範囲で圧延によ
り、加工率が98%の板厚2.0mmのモリブデン合金
板を得た。 上記モリブデン合金板から巾10mm、長さ100mm
の試験片を切りだした。 この試験片に2000℃×2時間の加熱処理を施こ
した後、第3図に示す方法で水平支持し、1800℃
のH2気流中に10Hr投入と室温1Hr放置との加熱
冷却サイクルを20回繰返し、試験片1先端のたわ
み量Lを測定した。 この結果は、第1表に示した加工率が98%で
2000℃の加熱処理を施こした本発明例2の測定結
果に対比してみると試験片のたわみ量が1.1mm
(本発明例3)と、たわみ量をより小さくでき、
本発明の効果がモリブデン合金板の加工工程中に
第1の工程を設けることにより、本発明の目的
を、より一層有効に達成できることが確認でき
た。 これらの結果は、本発明によるモリブデン板の
製造方法において、加工率で85%以上の鍛造又は
圧延加工した後、再結晶温度よりも100℃高い温
度から2200℃までの温度範囲にて加熱処理したこ
とにより再結晶粒が細長く大きくジグザグに結合
した状態になつたためであり、さらに、再結晶温
度よりも充分高い温度での加熱処理を行なうこと
により本発明のモリブデン板の高温下での使用中
の金属組織の安定度が増したためとである。 なお、加工率が86%および98%で1000℃×1時
間および1650℃×1時間の加熱処理を施こした比
較例5、6、8、9のたわみ量で判るように、本
発明は加工率が最も重要な事項であり、本発明の
製造方法により80%以上の加工を施こされ、その
後の加熱処理温度が本発明の加熱処理温度範囲よ
り低いが、その後の使用温度が二次再結晶温度よ
り100℃以上高い場合には、実質的に本発明のモ
リブデン材の製造方法によつて製造されたモリブ
デン材と同様の特性を保持できる。 このため、本発明の製造方法によつて製造され
たモリブデン材が二次再結晶温度より、100℃以
上高い温度で使用される場合には、本発明の一部
である加熱処理温度範囲より低い温度で加熱処理
を施こした(たとえば、ひずみ取り焼鈍)モリブ
デン材をも本発明に含むものである。 【表】
材の製造方法に関する。 [発明の技術的背景とその問題点] 一般に炉用ヒータや蒸着用ボートなど高温下で
使用されるモリブデン部品には再結温度が高く、
再結晶後の強度が高いドープモリブデン材料が使
用されている。この材料は、モリブデンにAl,
Si,Kの一種又は二種以上が添加された材料であ
る。 このドープモリブデン材料からなるモリブデン
板の製造方法および製品としての二次成形加工
は、従来第1図に示した方法、すなわち、焼結イ
ンゴツトに熱間加工を施こすことによつてモリブ
デン板を得る。その後加工のままの板あるいは再
結晶温度以下、通常は800℃〜1200℃での歪取り
焼鈍を施こした板に二次成形加工を施こして炉用
ヒータや蒸着用ボートとし、使用に供している。 しかし、上記従来の方法で得られた炉用ヒータ
や蒸着用ボートは、その使用温度が再結晶温度前
後からそれ以上の高温度で、かつ加熱、冷却を伴
なつて使用される。このため、使用中に再結晶の
成長を起すとともに、熱疲労やクリープ現象によ
る大きな変形あるいは割れを生じ、この変形ある
いは割れが使用時間の経過とともに大きくなり、
炉用ヒータの異常接触が生じ短絡して溶断した
り、加熱炉の温度分布が異常となり局部的に温度
が上り過ぎたり、断線したりし、正常な加熱炉と
しての用をなさなくなつてしまう。 [発明の目的] 本発明は以上の点を考慮してなされたもので、
高温下の使用でも変形あるいは割れの少ない高温
強度に優れたドープモリブデン材の製造方法を提
供することを目的とする。 [発明の概要] 本発明に係るモリブデン板の製造方法はAl,
Si,Kの一種又は二種以上が重量%で0.005〜
0.75%含有したドープモリブデン材料をトータル
加工率で85%以上の減面加工した後、再結晶温度
より100℃高い温度から2200℃までの温度範囲に
て加熱処理して、再結晶粒を細長く大きく(再結
晶粒の幅に対する長さの比は5以上、好ましくは
15以上、更に好ましくは25以上である)成長させ
たことを特徴としている。 本発明に係るモリブデン板の製造方法を第2図
に従つて説明する。 本発明に係るドープモリブデン材料からなるモ
リブデン板の製造方法はAl,Si,Kの一種又は二
種以上が重量%で0.005〜0.75%、望ましくは合
計量が0.01〜0.6%で、かつ二種以上の場合には
それぞれが1/2あるいは1/3量、添加されたドープ
モリブデン焼結インゴツトを鍛造、圧延などの熱
間加工により加工率85%以上までの加工を施こ
し、所定の板厚のモリブデン板とする。その後、
限定した温度範囲で加熱処理を行ない、モリブデ
ン板の再結晶粒を細長く大きく成長させたことに
よつて高温下の使用でも変形あるいは割れの少な
いモリブデン板が得られることを究明してなされ
たものである。 ここで、本発明に係るモリブデン板の構成材料
であるドープモリブデン材料の組成範囲について
説明すると、Al,Si,Kは加工後の加熱処理によ
り整列した微小ドープ孔を生成させ、この微小ド
ープ孔の効果によつて再結晶粒を細長く大きく成
長させるのに必要な組成範囲である。その添加成
分量が少なすぎると効果が小さく、加工後の加熱
処理によつても再結晶粒が亀甲状の等軸結晶粒と
なり、一方、多すぎると上述の微小ドープ孔を必
要以上に大きく、かつ多量に生成させるため局部
的に再結晶粒が亀甲状の等軸結晶粒となること
や、ドープ孔の集合および異常成長の起ることに
よる欠陥穴の生成することとなるため、高温下で
使用する炉用ヒータや蒸着用ボートとして使用し
た場合、粒界すべりに伴なう異常変形や粒界割れ
および欠陥穴を起点とする粒内割れを容易にさせ
る。したがつて、この組成範囲が好ましい。 次に、本発明に係るモリブデン材の限定した加
工率について説明すると、85%以上の加工率は加
工後の加熱処理によつて再結晶粒を細長く大きく
成長させるに必要な加工率範囲である。この加工
率が少なすぎると充分に加工繊維組織の発達を行
なわせることができず、加工後の限定した温度範
囲での加熱処理によつても再結晶粒が亀甲状の等
軸結晶粒となるため、高温下で使用する炉用ヒー
タや蒸着用ボートとして使用した場合、粒界すべ
りに伴なう異常変形や粒界割れを容易にさせる。
したがつて、この範囲が好ましく、加工率が95%
以上あると更に好ましい。 ただし、加工率100%の場合はあり得ないので
加工率100%は含まない。 さらに、加工後の加熱処理温度範囲について説
明すると、加工後の加熱処理は、85%以上の加工
率まで熱間加工を施こし、充分に加工繊維組織を
発達させたモリブデン板の再結晶粒を細長く、大
きくジグザグに結合した状態にするための加熱処
理温度で、高温下で優れた熱疲労度やクリープ強
度を兼備させるに必要な温度範囲である。加熱処
理の温度が低すぎると、再結晶粒の成長を充分に
行なわせることができないため、高温下で使用中
に不安定な結晶粒成長が起り、熱疲労強度やクリ
ープ強度のバラツキを生じさせ、一方、温度が高
すぎると、細長く、大きくジグザグに成長した再
結晶粒が過大に成長し、等軸結晶粒と同様になる
とともに、前述の微小ドープ孔の異常成長や集合
が起り、大きな欠陥穴となるため、高温下で使用
する炉用ヒータや蒸着用ボートとして使用した場
合、粒界すべりに伴なう異常変形や粒界割れを容
易にさせたり、欠陥穴を起点とする粒内割れを容
易にさせたり、粗大な欠陥穴の生成による局部的
な電気抵抗の上昇による炉用ヒータの溶断を発生
させる。したがつて、この温度範囲が好ましい。 ここで、加工率で85%以上の減面加工し、再結
晶温度より、100℃高い温度から2200℃までの温
度範囲にて加熱処理する工程(以下、第2の工程
を称す)の前に、加工率で45%以上の減面加工
し、再結晶温度より200℃〜800℃高い温度で加熱
処理する工程(以下、第1の工程と称す)を設け
た理由について説明する。 第2の工程の目的は、長大結晶を形成させるこ
とである。それに対して、第1の工程の目的は、
再結晶粒を均一に生成させることである。つま
り、第2の工程の85%以上の減面加工は、部分ご
とに、被加工材に異なる歪を与え、その為異なる
大きさの長大結晶を形成させやすく、高温強度に
バラツキの有るモリブデン材が製造される場合が
あつた。そこで、第2の工程の前に第1の工程を
設けることにより、長大再結晶粒を比較的均一に
生成させやすく、バラツキが少ないドープモリブ
デン材を提供する。第1の工程の加熱温度につい
て、温度が低すぎると、効果が少なく、一方、温
度が高すぎると、再結晶粒が粗大になつてしまう
ので、再結晶温度より200℃〜800℃の温度範囲が
好ましい。したがつて、第2の工程の前に、第1
の工程を設けることにより、本発明の目的を、よ
り一層有効に達成できる。 [発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、炉用ヒー
タや蒸着用ボート等として使用されるモリブデン
材に限定した加工率での熱間加工を施こした後、
限定した熱処理温度範囲での加熱処理を施こすこ
とにより、熱疲労強度およびクリープ強度を高め
ることが出来る。 このため高温下で使用される炉用ヒータや蒸着
用ボート等の破壊寿命を大幅に伸ばし、かつ長時
間安定状態で使用でき、電気炉や蒸着装置などの
運転効率と信頼性を大幅に向上できる効果があ
る。 さらに、本発明に係るモリブデン板を使用する
ことによつて、希少金属を有効に活用できること
となり、工業上頻る有用である。 [発明の実施例] 本発明のモリブデン板の製造方法は、Al2O3,
SiO2,K2Oをそれぞれ重量%で0.015%添加した
平均粒径4μのドープモリブデン粉末を2ton/cm2
の圧力でプレス成形した後、水素炉中で1830℃×
9Hrの条件で焼結し、焼結インゴツトとした。 この焼結インゴツトを1100℃〜1400℃の温度範
囲で熱間鍛造と、その後300℃〜1100℃の温度範
囲で熱間圧延により、加工率が82%,86%,98%
になるように加工率を調整して板厚が2mmの板を
得た。 次に、上記加工率の板厚2mmのモリブデン板か
ら試験素材を各々4枚切り出し、それぞれに対し
て本試験素材の再結晶温度である1650℃、再結晶
温度より充分低いひずみ取り焼鈍に相当する1000
℃、再結晶温度より350℃高い2000℃および2400
℃の4種の温度で2時間加熱処理を施こした。 この加熱処理を行なつた試験素材から巾10mm、
長さ100mmの試験片を切り出し、この試験片を第
3図に示す方法で水平支持し、1800℃のH2気流
中に10Hr投入と室温1Hr放置との加熱冷却サイク
ルを20回繰り返し、試験片1先端の自重によるた
わみ量Lを測定した。この結果を第1表に示す。 第1表より明らかなように本発明に係るドープ
モリブデン材料からなるモリブデン板の製造方法
によつて得られた本発明例1、2のモリブデン板
は比較例1〜10に示した従来の製造方法によるモ
リブデン板や加熱処理を本発明の加熱処理温度範
囲外で行なつて得られたモリブデン板に比較し
て、たわみ量Lが1/6からそれ以下と大巾に少な
く、優れた耐熱疲労性および耐クリープ性を持つ
ことが確認できた。 次に前記の実施例で示した焼結インゴツトを
1100℃〜1400℃の温度範囲で加工率が70%まで熱
間鍛造した後、再結晶温度より350℃高い2000℃
×1時間の再結晶粒均一化処理を行なつた。(第
1の工程) 続いて、再結晶粒均一化処理を施こしたモリブ
デン合金素材を1100℃〜1400℃の温度範囲で鍛造
と、その後300℃〜1100℃の温度範囲で圧延によ
り、加工率が98%の板厚2.0mmのモリブデン合金
板を得た。 上記モリブデン合金板から巾10mm、長さ100mm
の試験片を切りだした。 この試験片に2000℃×2時間の加熱処理を施こ
した後、第3図に示す方法で水平支持し、1800℃
のH2気流中に10Hr投入と室温1Hr放置との加熱
冷却サイクルを20回繰返し、試験片1先端のたわ
み量Lを測定した。 この結果は、第1表に示した加工率が98%で
2000℃の加熱処理を施こした本発明例2の測定結
果に対比してみると試験片のたわみ量が1.1mm
(本発明例3)と、たわみ量をより小さくでき、
本発明の効果がモリブデン合金板の加工工程中に
第1の工程を設けることにより、本発明の目的
を、より一層有効に達成できることが確認でき
た。 これらの結果は、本発明によるモリブデン板の
製造方法において、加工率で85%以上の鍛造又は
圧延加工した後、再結晶温度よりも100℃高い温
度から2200℃までの温度範囲にて加熱処理したこ
とにより再結晶粒が細長く大きくジグザグに結合
した状態になつたためであり、さらに、再結晶温
度よりも充分高い温度での加熱処理を行なうこと
により本発明のモリブデン板の高温下での使用中
の金属組織の安定度が増したためとである。 なお、加工率が86%および98%で1000℃×1時
間および1650℃×1時間の加熱処理を施こした比
較例5、6、8、9のたわみ量で判るように、本
発明は加工率が最も重要な事項であり、本発明の
製造方法により80%以上の加工を施こされ、その
後の加熱処理温度が本発明の加熱処理温度範囲よ
り低いが、その後の使用温度が二次再結晶温度よ
り100℃以上高い場合には、実質的に本発明のモ
リブデン材の製造方法によつて製造されたモリブ
デン材と同様の特性を保持できる。 このため、本発明の製造方法によつて製造され
たモリブデン材が二次再結晶温度より、100℃以
上高い温度で使用される場合には、本発明の一部
である加熱処理温度範囲より低い温度で加熱処理
を施こした(たとえば、ひずみ取り焼鈍)モリブ
デン材をも本発明に含むものである。 【表】
第1図は従来のモリブデン板の製造方法を説明
する加工工程図、第2図は本発明のモリブデン板
の製造方法を説明する加工工程図、第3図は実施
例の試験方法を示す概略図である。
する加工工程図、第2図は本発明のモリブデン板
の製造方法を説明する加工工程図、第3図は実施
例の試験方法を示す概略図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Al,Si,Kの一種又は二種以上が重量%で
0.005〜0.75%含有したドープモリブデン焼結体
をトータル加工率で85%以上の減面加工した後、
再結晶温度より100℃高い温度から2200℃までの
温度範囲にて加熱処理して、再結晶粒を細長く大
きく成長させたことを特徴とするモリブデン材に
製造方法。 2 加工率は、95%以上である特許請求の範囲第
1項に記載のモリブデン材の製造方法。 3 特許請求の範囲第1項乃至第2項に記載の減
面加工工程の前に、加工率で45%以上の減面加工
を行ない再結晶温度より200℃〜800℃高い温度で
加熱処理をし、再結晶粒を均一に生成させる工程
を有する特許請求の範囲第1項乃至第2項に記載
のモリブデン材の製造方法。 4 加工率は95%以上である特許請求の範囲第3
項に記載のモリブデン材の製造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1977983A JPS59150070A (ja) | 1983-02-10 | 1983-02-10 | モリブデン材の製造方法 |
AT84101344T ATE31082T1 (de) | 1983-02-10 | 1984-02-09 | Molybdaenblech und herstellungsverfahren. |
EP84101344A EP0119438B1 (en) | 1983-02-10 | 1984-02-09 | Molybdenum board and process of manufacturing the same |
DE8484101344T DE3467774D1 (en) | 1983-02-10 | 1984-02-09 | Molybdenum board and process of manufacturing the same |
US06/578,580 US4514234A (en) | 1983-02-10 | 1984-02-09 | Molybdenum board and process of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1977983A JPS59150070A (ja) | 1983-02-10 | 1983-02-10 | モリブデン材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59150070A JPS59150070A (ja) | 1984-08-28 |
JPS6127459B2 true JPS6127459B2 (ja) | 1986-06-25 |
Family
ID=12008803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1977983A Granted JPS59150070A (ja) | 1983-02-10 | 1983-02-10 | モリブデン材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59150070A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0190256U (ja) * | 1987-12-07 | 1989-06-14 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6033335A (ja) * | 1983-07-30 | 1985-02-20 | Toho Kinzoku Kk | 耐熱性モリブデン材 |
AT386843B (de) * | 1984-02-29 | 1988-10-25 | Plansee Metallwerk | Verwendung einer hitzebestaendigen molybdaen-legierung |
JPS61204360A (ja) * | 1985-03-06 | 1986-09-10 | Toshiba Corp | モリブデン合金板の製造方法 |
JPS63114935A (ja) * | 1986-10-31 | 1988-05-19 | Tokyo Tungsten Co Ltd | モリブデンるつぼ及びその製造方法 |
JPS63241149A (ja) * | 1987-03-30 | 1988-10-06 | Toshiba Corp | モリブデン巨大粒または単結晶およびその製造方法 |
JPWO2012169262A1 (ja) * | 2011-06-08 | 2015-02-23 | 株式会社東芝 | モリブデン造粒粉の製造方法およびモリブデン造粒粉 |
WO2012169256A1 (ja) * | 2011-06-08 | 2012-12-13 | 株式会社東芝 | モリブデン造粒粉の製造方法およびモリブデン造粒粉 |
-
1983
- 1983-02-10 JP JP1977983A patent/JPS59150070A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0190256U (ja) * | 1987-12-07 | 1989-06-14 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59150070A (ja) | 1984-08-28 |
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