JPS61271448A - 薄鋼帯の介在物連続探査方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 薄鋼帯の介在物探査に関してこの明細書では製鋼工場に
おける、冷間圧延又は熱間圧延の段階で薄鋼帯中の非金
属介在物を、超音波探傷によって的確に検出することに
ついての開発研究の成果を提案する。

材料に超音波を与えると、弾性波として伝播され、欠陥
や端部に当るとそこで反射して戻ってくる性質は古くか
ら知られているとおりであり、この現象を利用して材料
の傷や割れ、介在物の存在有無を検査する方法は、いわ
ゆる超音波探傷と呼ばれる。

ところでこの材料が薄銅帯の場合は、その境界面に応じ
た特別な波（板波）が伝わることから、従来より、いわ
ゆる板波超音波探傷法が一般的に行なわれている。

（従来の技術） 薄鋼板の進行中にその一端に板波用の超音波探触子を当
て、板波の超音波ビームを薄鋼帯中に幅方向にて発生さ
せ、この板波超音波ビームの薄鋼板のエツジからのエコ
ーを、そのときビーム経路内に存在するかも知れない非
金属介在物や傷などからのエコーとともに受信して後者
のエコーを選択的に検出し、検出回路信号処理回路を経
る信号伝達系を介し、記録計によってその薄鋼帯の検査
結果が与えられる。この従来方法は、薄鋼板の全幅、全
長を検査し得るという面においては、比較的容易に検査
できること、オンライン化も可能という優れた点も含め
、有用な方法であるが、内部の微小介在物の検出という
面において、不満を残す。

すなわち、板波超音波の物性そのもの、とくに超音波ビ
ームの拡がりなどのため、かなり大きな欠陥、例えば二
枚割れ、数１０ｍｍ長さ以上の大型介在物などの検出が
できるに留まっていたのである。

（発明が解決しようとする問題点） 今日薄銅帯に対する高品質要請が強まるにつれて鋼の製
鋼法も進歩し、二枚割れの発生の如きは皆無に近くなり
、また、清浄度も向上したのでより小さな介在物の類を
的確に検出することができるのでなければ、工程および
製品の管理、保証の用をなさな（なって来つつあり、こ
の点でこの従来法は次第にその立場を失いつつある。

このような実情に鑑み例えば厚さ数〜数１０μｍで幅も
数１０〜２００μｍそして長さ数ｍｍ程度の介在物を的
確に検出するため液中に配した薄銅帯の切板に焦点型探
触子から超音波集束ビームを垂直に送信するとともに、
薄板より受信した、各種エコーのうちから所定の回数番
目の底面エコーを取出し、この底面エコーの減衰量から
処理して介在物を検出することも試みられた。

この方式における不都合は、被検材薄鋼帯の切板を全没
させるような大型水槽が必要なことである。

然るにオンライン探傷において被検材は通常数ｋｍ以上
の長さを有して外径１ｍを越える太いコイル状に、巻き
取られているのが通例である。従って、これら全体を水
槽に没することはとうてい不可能なことなので、板幅全
体をカバーするに足りる水槽を用意し、この水槽の入・
出口に案内用ローラーを設け、このローラロー上を通し
て被検材を流すという比較的大がかりな装置とならざる
を（尋なかったのである。

（発明が解決しようとする問題点） 板波探傷における検出能力の不足および全没式焦点型探
触子を用いた底面エコー減衰量検出方式における装置の
大型化などの不都合を改善することがこの発明の目的で
ある。

（問題点を解決するための手段） この発明は走行する薄鋼帯の板面に向けて水ジェットを
噴射するノズルの内部に超音波探触子を配置して、該探
触子から発する超音波ビームを板面に対し垂直に水ジェ
ットを通して送信するとともに、薄鋼板より受信した反
射波のうち所定の底面反射波の減衰量から信号処理して
鋼中介在物を検出することからなる薄鋼帯の介在物連続
探査方法である。

ここに水ジェットが薄鋼帯の裏面への噴射を含み、これ
を裏面側の薄鋼帯板面に付着した水膜、圧延油膜による
底面反射波への影響の回避に寄与させることが好適であ
る。この方法では、被検材としての薄鋼帯に対し、焦点
型超音波探触子を内蔵する水ジエツトノズルを隣接して
設ける。

この探触子から発する超音波ビームを被検材に対して垂
直に当てることにより該被検材の裏面で反射してくる底
面エコーの波高を監視し、該被検材の内部に存在する介
在物影響により底面エコー波高が減衰する現象が有利に
介在物検査に活用される。この方法において、被検材裏
面に付着した水膜又は圧延油膜の存否やそれらの膜厚に
より該底面エコー波高が影響される不利についても該被
検材裏面に別の水ジエツトノズルを設けてこれにより水
を噴射することによって、裏面状況を一定に保ことによ
り容易に解決され得る。

第１図には、被検材としての薄鋼帯１をはさんで相対す
る位置に、焦点型超音波探触子２を内蔵する水ジェット
の噴射ノズル３−１と探触子２をそなえてはいない単純
な水ジェットのみの噴射ノズル３−２とを配置する。

第１図において探触子２と薄鋼板１との距離は探触子２
に付属する音響レンズの焦点距離だけ離し、しかも探触
子２から発する超音波ビーム４の軸心が薄鋼帯１の板面
に対して垂直に当る向きに配置することが必要である。

（作　用） このようにしたとき送受信を兼ねる探触子２から発振さ
れた超音波ビーム４は水ジェットの水柱５中を伝播し薄
鋼帯１の表面で、その大部分が反射して表面エコーＳと
なる。

残りの一部のエネルギーは、薄鋼帯１中に透過しその内
部にあるかも知れない介在物６や底面によって反射され
て、欠陥エコーＦ、、　Ｆ２・・・・・・Ｆ、、および
底面エコー８１．　Ｂ２・・・・・・Ｂ、となる。

この発明は特に厚さの小さい薄鋼板１に適用する際の工
夫として第２図（ａ）　　に示す如くゲート範囲７を、
底面エコー８．、　Ｂ２・・・・・・［３，、につきと
くにその中でも第２回目以降の底面エコーＢ２．８３・
・・・・・Ｂ、に設定する、底面エコー減衰方式が有利
に採用される。

即ち、通常の探傷にあっては、介在物６からの欠陥エコ
ーＦ１やＦ２に対してゲートを設定し、所定のスレッシ
ュホールド値（ゲートレベル）以上の欠陥エコーの有無
を以って、介在物６の有無、程度を検査するものである
。

また、第２図（ｂ）　には介在物エコーのない場合の検
査結果を対比して示した。

なお上に述べたような通常の欠陥ゲート方式では特に板
厚の極めて薄い鋼板が被検材である場合には、板厚分解
能がかなり悪く表面エコーＳおよび底面エコーＢ、、　
Ｂ２・・・・・・と区別して欠陥エコーＦｌ。

Ｆ２・・・・・・を検出することが困難となり勝ちであ
る。

加えて検出しようとする欠陥も非常に微小であるため充
分高いレベルの欠陥検出エコーを得難いうれいもある。

このような時に用いる探傷方法に底面エコーロス方法が
あり、これは底面エコーが途中に介在する介在物欠陥に
よって減衰することに着目し、所定の底面エコーの高さ
を監視する方法である。

然るに、オイライン中においてこの底面エコーロス方式
によって探傷しようとする時に水ジエツトノズル方式を
用いると、水槽を設ける必要はなく装置の簡略化が図れ
る利点がある。

なお超音波探触子を内蔵する水ジェットの噴射ノズル３
−１の反射裏面側に付着した水膜又は油膜の厚さの差又
はその存否などによって、監視すべき、底面エコーのレ
ベルが変化するうれいがないわけでもないので、これに
ついては薄鋼帯１中に透過超音波エネルギーがその裏面
に到達したとき、そこに水膜又は油膜が存在するか否か
によってエネルギーの反射が変化するためであり、この
ことは、超音波技術にとっては、基礎的な事実である。

実用レベルの実験によれば、その影響は−０，６（１１
３即ち、裏面が空気の場合に比してその反射エコーは約
９３％に低下する。又、一方、厚さ約１０μｍ×幅約１
００μｍ×長さｆ＋＋１１００μｍの内部欠陥を検出し
た時の底面エコーレベルの減衰は高々−２，５ｄＢ、即
ち、７５％までしか低下しない。従ってさらに微小な欠
陥を検出しようとするとき、又はオンラインでの状況の
不安定さを考慮に入れるとき、裏面状況による変動は大
きなノイズとなり得る可能性もある。

そこでこの裏面条件を一定に保つ為に検出用水ジェット
ノルズ３−１と薄鋼板１をはさんで相対する位置に単純
な水ジェットの噴射ノズル３−２を配置しこの噴射ノズ
ル３−１からの水柱が当っている丁度その裏面に相当す
る部分に水を噴射するようになしこの位置関係を微視的
に観察する時あたかも全没方式にて超音波探傷している
かの如くすることが実際上より好適である。勿論、裏面
側の水ジェットの噴射ノズル３−２の口径はラインの揺
動、取付の容易さを考慮して噴射ノズル３−１よりも大
きい方が実用的である。

ちなみに第３図にて従来の板波超音波探傷法の実施要領
を模式図で示し、図中１は薄鋼板、２は板波用超音波探
触子４を超音波ビームであり、６は介在物、そして８は
検出回路、９は信号処理回路、］０は信号伝達系、１１
は記録計であり、１２．１３はエコーをあられしている
。

（実施例） 第１図に従い次の条件にて、厚０．６ａ＋ｍ、幅ｍｍの
薄鋼帯の介在物探査をライン速度約４００ｍ／ｍｉｎで
行ったところ、第３図に示した従来の板波超音波探傷法
を次の条件板厚０．５ｍｍ、幅１２００ｍｍライン速度
約３００ｍ／ｍｉｎで行ったときと比べて、次表に示す
ところに明らかな、介在物探査成績の著しい向上が実現
された。

表 具体的な成績比較を掲げて下さい。

（発明の効果） この発明によれば薄鋼帯の介在物が甚だ微細であるとき
でも、確実に、高速の通板中にオンラインで容易に検出
するとかできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による介在物探査法の実施要領説明図
、 第２図は検出信号波形図であり、 第３図は従来の板波超音波探傷法の模式図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、走行する薄鋼帯の板面に向けて水ジェットを噴射す
   るノズルの内部に超音波探触子を配置して、該探触子か
   ら発する超音波ビームを板面に対し垂直に水ジェットを
   通して送信するとともに、薄鋼板より受信した反射波の
   うち所定の底面反射波の減衰量から信号処理して鋼中介
   在物を検出することからなる薄鋼帯の介在物連続探査方
   法。 ２、水ジェットを薄鋼帯の裏面へも噴射することにより
   、薄鋼帯の裏面に付着した水膜、圧延油膜による底面反
   射波への影響の回避に寄与させる１記載の方法。