JP2006177872A - 超音波探傷方法及び超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷方法及び超音波探傷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 被検査体を透過する超音波を利用して被検査体内部に存在する欠陥を検出する際において、超音波伝播媒質中の音速が均一か不均一かによらず、安定して欠陥を検出することのできる超音波探傷方法及び超音波探傷装置を提供する。
【解決手段】 探触子2から発射した超音波が被検査体を透過し、探触子2に到達する超音波エコー強度を測定する際に、被検査体1の端面6bで反射しさらに端面6aで反射するプロセスを一回又は複数回行った後に、受信探触子2bに到達した透過エコー(多重反射透過エコー11)強度を測定し、異なった反射回数の多重反射透過エコー同士の強度を対比し、あるいは被検査体端面で反射せずにそのまま透過したエコー(第1透過エコー10)強度と多重反射透過エコー11の強度とを対比することによって被検査体中の欠陥検出を行うことを特徴とする超音波探傷方法及び超音波探傷装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被検査体を透過する超音波を利用して被検査体内部に存在する欠陥を検出するための超音波探傷方法及び超音波探傷装置に関するものである。
超音波を利用して被検査体内部に存在する欠陥を検出するための超音波探傷方法には、反射法、透過法、共振法などがある。
反射法では、試験材の表面から持続時間の極めて短い超音波パルスを内部に伝わらせ、試験材中の欠陥によって反射されてくる超音波を検出する。このときのエコーの大きさから欠陥の大きさを推定し、また、送信された超音波パルスが受信されるまでの時間を測定して欠陥までの距離を知ることができる。
透過法では、図4(a)に示すように、被検査体1の一方の側に配置した送信探触子2aから発射した超音波が経路5を通って被検査体1を透過し、被検査体1の他方の側に配置した受信探触子2bに受信する。図5には、被検査体1の内部に欠陥5が存在する場合において、欠陥5付近において超音波エコー強度がどのように変化するのかを模式的に示している。被検査体1内部の超音波の進路に欠陥5が存在すると、透過する超音波が欠陥5によって減衰するので、図5に示すように欠陥5の位置において超音波エコーの減衰が大きくなる。このように、透過法によると超音波の減衰を利用して被検査体内部に存在する欠陥を検出することができる。
また、特許文献1に記載されたものは、図4(c)に示すように、透過法を用いた超音波探傷方法として、被検査体1の一方の側に配置した探触子2から発射した超音波が被検査体1を透過し、被検査体の他方の側に配置した反射板3で反射し、被検査体1を再度透過して探触子2に到達する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う超音波探傷方法が記載されている。
透過法には連続波およびパルス波が使用可能であるが、最近はパルス波が多用されている。透過法では、探触子と被検査体間での超音波の安定な伝達が重要であり、被検査体表面が特に良好な場合を除いて、水浸法が用いられることが多い。
特開平1−250056号公報
透過法による超音波探傷において、超音波探触子と被検査体の間、被検査体と反射板との間は、超音波の伝播媒体として、通常は水が充満している。ところで、水中における超音波伝播速度は、図8に示すように水の温度によって変動する。従って、伝播媒質の中に温度の不均一があると、それによって伝播媒質中の超音波伝播速度(音速)に分布ができてしまう。音速が不均一になると超音波が直進せず、温度差に応じて伝播媒質中で屈折するため、それが原因で透過エコー強度が大きく変動することとなる。
伝播媒質中の温度不均一に起因して透過エコー強度が低下すると、被検査体内に欠陥が存在しないのに欠陥に起因するエコーの減衰であると誤認識し、誤検出が発生する原因となっている。
本発明は、被検査体を通過する超音波を利用して被検査体内部に存在する欠陥を検出する際において、超音波伝播媒質中の音速が均一か不均一かによらず、安定して欠陥を検出することのできる超音波探傷方法及び超音波探傷装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)被検査体1の一方の側に配置した送信探触2a子から発射した超音波が被検査体1を透過し、被検査体1の他方の側に配置した受信探触子2bで受信し、被検査体1を透過する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う超音波探傷方法において、被検査体1の受信探触子側端面6bで反射しさらに送信探触子側端面6aで反射するプロセスを一回又は複数回行った後に、受信探触子2bに到達した透過エコー(以下「多重反射透過エコー11」という。)強度を測定し、異なった反射回数の多重反射透過エコー同士の強度を対比し、あるいは被検査体端面で反射せずにそのまま透過したエコー(以下「第1透過エコー10」という。)強度と多重反射透過エコー11の強度とを対比することによって被検査体中の欠陥検出を行うことを特徴とする超音波探傷方法。
(2)被検査体1の一方の側に配置した探触子2から発射した超音波が被検査体を透過し、被検査体1の他方の側に配置した反射板3で反射し、被検査体1を再度透過して探触子2に到達する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う超音波探傷方法において、被検査体1の一方の端面6で反射しさらに他方の端面6に反射するプロセスを一回又は複数回行った後に、探触子2に到達した透過エコー(以下「多重反射透過エコー11」という。)強度を測定し、異なった反射回数の多重反射透過エコー同士の強度を対比し、あるいは被検査体端面で反射せずにそのまま透過したエコー(以下「第1透過エコー10」という。)強度と多重反射透過エコー11の強度とを対比することによって被検査体中の欠陥検出を行うことを特徴とする超音波探傷方法。
(3)被検査体1の一方の側に配置した送信探触子2aと、被検査体1の他方の側に配置した受信探触子2bと、送信探触子2aから発射して被検査体1を透過した超音波を受信探触子2bで受信し、該受信した超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う検出装置7とを有する超音波探傷装置において、検出装置7は被検査体の受信探触子側端面6bで反射しさらに送信探触子側端面6aで反射するプロセスを一回又は複数回行った後に、受信探触子2bに到達した透過エコー(以下「多重反射透過エコー11」という。)を検出する第2のゲート20bを有し、さらに異なった反射回数の多重反射透過エコー11又は被検査体端面で反射せずにそのまま透過したエコー(以下「第1透過エコー10」という。)を検出する第1のゲート20aを有し、第1のゲート20aと第2のゲート20bをそれぞれ通過して検出された2つのエコー強度を対比することによって被検査体中の欠陥検出を行うことを特徴とする超音波探傷装置。
(4)被検査体1の一方の側に配置した超音波探触子2と、被検査体の他方の側に配置した反射板3と、超音波探触子2から発射して被検査体1を透過した超音波を反射板3で反射し、被検査体1を再度透過して超音波探触子2に到達する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う検出装置7とを有する超音波探傷装置において、検出装置7は被検査体1の一方の端面6で反射しさらに他方の端面6で反射するプロセスを一回又は複数回行った後に、超音波探触子2に到達した透過エコー(以下「多重反射透過エコー11」という。)を検出する第2のゲート20bを有し、さらに異なった反射回数の多重反射透過エコー11又は被検査体端面で反射せずにそのまま透過したエコー(以下「第1透過エコー10」という。)を検出する第1のゲート20aを有し、第1のゲート20aと第2のゲート20bをそれぞれ通過して検出された2つのエコー強度を対比することによって被検査体中の欠陥検出を行うことを特徴とする超音波探傷装置。
本発明は、欠陥によるエコー強度の減衰を検出するのではなく、多重反射エコー同士あるいは第1透過エコーと多重反射透過エコーとの強度を対比することによって欠陥の有無を検出するため、超音波伝播媒質の不均一によって透過エコーの強度が変動する場合においても安定して正確に欠陥の有無を検出することが可能となる。
透過法を用いた超音波探傷方法について図4に基づいて説明を行う。第1に、図4(a)に示すように、被検査体1の一方の側に配置した送信探触子2aから発射した超音波が経路5を通って被検査体1を透過し、被検査体1の他方の側に配置した受信探触子2bに受信し、被検査体1を透過する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う方法がある。第2に、図4(b)(c)に示すように、被検査体1の一方の側に配置した探触子2から発射した超音波が被検査体1を透過し、被検査体1の他方の側に配置した反射板3で反射し、被検査体1を再度透過して探触子2に到達する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う方法とがある。本発明は、そのいずれにおいても適用することが可能である。なお、探触子2の形状については、図4(b)に示すような集束型と図4(c)に示すような非集束型とがあり、そのいずれにおいても本発明を適用することができる。図4(a)に示すものについても、非集束型を用いることができる。
図1(a)において、被検査体1の一方の側に配置した送信探触子2aから発射した超音波が被検査体1を透過し、そのまま被検査体1の他方の側に配置した受信探触子2bに受信される透過エコー、または図1(b)において、被検査体1の一方の側に配置した探触子2から発射した超音波が被検査体1を透過し、被検査体の他方の側に配置した反射板3で反射し、被検査体1を再度透過してそのまま探触子2に到達する透過エコーを、ここでは第1透過エコー10と呼ぶ。
図1(a)の場合を例にとって説明する。被検査体1の一方の端面6aから被検査体内に進入した超音波は、被検査体の他方の端面6bに到達すると、前記の第1透過エコー10のようにそのまま被検査体の外部に出て行く波の他に、当該他方の端面6bで反射する波も存在する。反射した波は、被検査体の一方の端面6aまで戻り、そこから被検査体の外部に出て行く波の他に、当該一方の端面6aで反射する波も存在する。反射した波は、また他方の端面6bまで到り、一部はその他方の端面から直進して外部に進行する。このように被検査体内部で多重反射した透過エコーを、ここでは多重反射透過エコー11と呼ぶ。
透過法のうち、図1(b)のように被検査体の一方の側に配置した探触子2から発射した超音波が被検査体1を透過し、被検査体の他方の側に配置した反射板3で反射し、被検査体1を再度透過してそのまま探触子2に到達する透過法における多重反射は、探触子2から発射された超音波が最初に被検査体を透過する際に多重反射を行った多重反射エコー11aと、反射板で反射した超音波が2度目に被検査体を透過する際に多重反射を行った多重反射エコー11bの両方が存在する。この両方の多重反射した透過エコーが、探触子に同時に到達することとなる。従って、この場合には、両方の多重反射したエコーを総称して多重反射透過エコー11と呼ぶ。
従来の透過法による超音波探傷においては、上述の第1透過エコー10を検出して欠陥検出を行っていた。第1透過エコー10はその経路において、図4(a)の場合には被検査体を1回、図4(b)の場合には被検査体を2回通過する。被検査体中に欠陥が存在すれば、その欠陥によって透過エコーが減衰する(図5)。従って、透過法によって被検査体の探傷を行い、第1透過エコー10の強度が低下したら、その部分は欠陥によって透過する超音波が減衰したと判断し、欠陥有りと判断していた。例えば、図2(a)が欠陥なし時の透過エコーの時間変化であり、図2(b)が欠陥有り時の透過エコーの時間変化である。欠陥なし時の第1透過エコー強度がA1、欠陥有り時の第1透過エコーの強度がB1であり、A1とB1の強度比をもって欠陥による減衰と考え、欠陥検出を行っていた。
前述のとおり、超音波伝播媒体である水中における超音波伝播速度は、図8に示すように水の温度によって変動する。従って、伝播媒質の中に温度の不均一があると、それによって伝播媒質中の超音波伝播速度(音速)に分布ができ、それが原因で透過エコー強度が大きく変動することとなる。
例えば、伝播媒体中に温度不均一が存在しない場合においては、欠陥がなければ図2(a)のような透過エコーが得られ、第1透過エコー強度はA1である。ところが、伝播媒体中に温度不均一が存在する場合は、欠陥がないときでも図2(c)のような透過エコーが得られ、第1透過エコー強度はC1となる。欠陥が存在すれば図2(d)のような透過エコーが得られ、第1透過エコー強度はD1となる。
伝播媒体の温度不均一の影響を受けた第1透過エコー強度C1は、影響を受けない第1透過エコー強度A1に比較して小さくなるので、従来の判断基準に基づけば、エコー強度C1の時点において、欠陥が存在しないにもかかわらず「欠陥有り」の判定、即ち誤判定を行ってしまうこととなる。
従来、伝播媒質中の温度不均一に起因して透過エコー強度が低下すると、被検査体内に欠陥が存在しないのに欠陥に起因するエコーの減衰であると誤認識し、誤検出が発生する原因となっていたのは、上記のようなメカニズムによることが明らかになった。
ところで、透過エコーとして得られる波形には、第1透過エコー10の他に、上述のとおり多重反射透過エコー11がある。多重反射透過エコー11としては、被検査体の両端面で1回ずつ反射した透過エコー111、被検査体の両端面で2回ずつ反射した透過エコー112、さらに多数回反射した透過エコーなどが得られる。そして、第1透過エコー10とこれら多重反射透過エコー11とは、伝播媒質中の温度不均一によるエコー強度への影響を等しく受ける。ただし、電気ノイズの影響も受けるため、実用上は若干の差異を生じる。
このことは、第1透過エコー10の強度と多重反射透過エコー111の強度との比、あるいは多重反射透過エコー111と多重反射透過エコー112の強度比は、伝播媒質中の温度不均一の有無にかかわらず、一定であることを意味している。このことは図2において、A2/A1とC2/C1との比がほぼ一定であることを意味している。同じく、A3/A2とC3/C2との比がほぼ一定であることを意味している。
一方、被検査体中に欠陥が有るかないかによって、第1透過エコー10の強度と多重反射透過エコー111の強度との比、あるいは多重反射透過エコー111と多重反射透過エコー112の強度比は変化する。被検査体を多重反射する際におけるエコー強度の低下代は、欠陥が存在する場合により大きくなるからである。このことは図2において、A2/A1とB2/B1が相違し、C2/C1とD2/D1が相違していることを意味している。同じく、A3/A2とB3/B2が相違し、C3/C2とD3/D2が相違していることを意味している。
以上より、第1透過エコー10の強度と多重反射透過エコー111の強度との比、あるいは多重反射透過エコー111と多重反射透過エコー112の強度比を検出することにより、伝播媒質中の温度不均一の影響を受けず、欠陥の有無の検出が可能となることが明らかである。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、異なった反射回数の多重反射透過エコー同士(例えば多重反射透過エコー112と多重反射透過エコー111)の強度を対比し、あるいは第1透過エコー10の強度と多重反射透過エコー(例えば多重反射透過エコー111)の強度とを対比することによって被検査体中の欠陥検出を行うことを特徴とする。
ここでは、第1透過エコー10の強度と多重反射透過エコー111の強度とを対比する場合を例にとって説明を行う。多重反射透過エコー111の強度を第1透過エコー10の強度で割った値をRとおく。そして、
A=A2/A1 (図2(a):欠陥なし、伝播媒質中の温度不均一なし)
B=B2/B1 (図2(b):欠陥あり、伝播媒質中の温度不均一なし)
C=C2/C1 (図2(c):欠陥なし、伝播媒質中の温度不均一あり)
D=D2/D1 (図2(d):欠陥あり、伝播媒質中の温度不均一あり)
と記述すると、これまでの説明から明らかなように、
A≒RC>RB≒RD
の関係が成立する。
即ち、比Rの閾値として、RA≒RCより小さい値でRB≒RDよりも大きな値を有する閾値RTを予め定めておけば、伝播媒質中の温度不均一があろうとなかろうと、比RがRTよりも大きければ欠陥なし、比RがRTよりも小さければ欠陥有りと判定することが可能となり、伝播媒質中の温度不均一の影響を受けることなく、正確に欠陥の有無を検出することが可能となる。
以上の関係は、異なった反射回数の多重反射透過エコー同士(例えば多重反射透過エコー112と多重反射透過エコー111)の強度を対比する場合にも同様に成立する。
また、適用する透過法のタイプとしては、図4(a)に示すように、被検査体1の一方の側に配置した送信探触2a子から発射した超音波が被検査体1を透過し、被検査体1の他方の側に配置した受信探触子2bで受信し、被検査体1を透過する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う超音波探傷方法及びその超音波探傷装置であっても、あるいは図4(b)(c)に示すように、被検査体1の一方の側に配置した探触2子から発射した超音波が被検査体を透過し、被検査体1の他方の側に配置した反射板3で反射し、被検査体1を再度透過して探触子2に到達する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う超音波探傷方法及びその超音波探傷装置であっても、いずれのタイプでも適用することが可能である。
超音波を発信する探触子から超音波パルスを発信してから、受信する探触子で対象とする超音波パルスを受信するまでの時間については、探触子2、被検査体1、反射板3相互間の距離、被検査体1の厚さ、それに被検査体1を浸漬する溶媒および被検査体1の音速によって定まる。これは、最初に到着する第1透過エコー10、次いで到着する多重反射透過エコーそれぞれについて定まる。また、多重反射透過エコー11についても、まず一往復多重反射のエコー111が到着し、次いで二往復多重反射の透過エコー112などが順次到着する。
本発明においては、被検査体での反射回数が異なる2つの透過エコーを計測対象のエコーとしているので、その2つの透過エコーが到着する時間帯のみを検出対象とする。このため、図3に2つのゲート信号(20a、20b)として記載しているように、検出対象の透過エコーが到着する2つの時間帯に信号が発生するゲート信号(20a、20b)を発生させ、ゲート信号20が発生している時間帯のみにおいてエコー高さを検出する。これにより、正確に対象とする超音波パルスのピークのみを検出することが可能となる。
本発明の超音波探傷装置においては、受信した超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う検出装置7を有し、検出装置7は多重反射透過エコー11を検出するために上記のようなゲート20を有し、多重反射透過エコー強度の減衰を測定することによって被検査体中の欠陥検出を行う。
図4(b)に示すような透過型の超音波探傷装置を用い、本発明を適用した。超音波探傷装置は、非集束型で振動子径が6mmの探触子2を用い、超音波の周波数は20MHzとし、反射板3として板厚10mmのステンレス鋼板を用い、探触子2と反射板3との間隔を50mmとした。探触子2と反射板3とを含む装置を水中に設置し、探触子2と反射板3との間に被検査体1を配置して探傷を行う。
被検査体1として板厚3.8mmの鋼板を用い、鋼板の内部に幅3mmの人工欠陥を形成し、この人工欠陥を擬似的な欠陥5として扱うこととした。
受信した超音波透過エコーのエコー強度の時間変化を図6、図7に示す。図6は伝播媒質の温度分布が均一で音速不均一が存在しない場合、図7は26℃の水中で実験中に超音波経路に28℃の温水を注入し、伝播媒質の音速不均一を発生させた場合である。図6、7とも、(a)は欠陥5が存在しない場所を探傷した結果、(b)は欠陥5が存在する場所を探傷した結果である。エコー強度13の時間変化において、欠陥なし、欠陥有りいずれも、まず第1透過エコー10のピークが現れ、次いで被検査体1内を一往復した多重反射透過エコー111のピークが現れ、その後、二往復した多重反射透過エコー112、三往復した多重反射透過エコー113などが順次出現する。
表1にエコー強度の比較結果を示す。表1において、第1透過エコー強度をE1、多重反射透過エコー強度をE2で示す。また、欠陥なし時を添え字n、欠陥有り時を添え字yで示している。
Figure 2006177872
従来のように第1透過エコーの減衰状況から欠陥の有無を検出する方法を用いた場合、温度差が存在しない場合は、図6の(a)と(b)の比較から明らかなように、第1透過エコーの強度の減衰状況から欠陥の有無を検出できる。しかし、伝播媒質中に温度差が発生すると、図7(a)から明らかなように、欠陥が存在しないにもかかわらず第1透過エコー強度が低下し、欠陥が発生したものと誤判断する原因となる。
一方、多重反射透過エコー強度E2と第1透過エコー強度E1との比Rについて着目すると、欠陥なし時の比Rnについては、温度差の有無にかかわらず、比Rnは1.5前後であって温度差有無の影響を受けない。同じく欠陥有り時の比Ryについては、温度差の有無にかかわらず比Ryは1.0程度であって温度差有無の影響を受けない。そして、欠陥有無によって比Rは変動している。
即ち、多重反射透過エコー強度E2と第1透過エコー強度E1との比Rに着目することにより、伝播媒質中の温度差などの不均一にかかわらず、欠陥の有無を正確に検出することができた。
透過法による超音波探傷方法において、第1透過エコー、多重反射透過エコーの超音波経路を説明するための概念図である。 伝播溶媒中に不均一が存在する場合としない場合それぞれの超音波透過エコー強度の時間変化を示す図であり、欠陥なし、欠陥有りそれぞれについて、透過エコーピークの出現状況を示す図である。 対象とする2つの透過エコーピークを検出するためのゲートについて説明する図である。 透過法による超音波探傷方法を説明する概念図である。 被検査体の欠陥存在部で透過エコー強度が減衰する様子を示す概念図である。 伝播媒質中に温度差が存在しない実施例において、欠陥なし、欠陥有りそれぞれについて超音波透過エコー強度の時間変化を示す図である。 伝播媒質中に温度差が存在する実施例において、欠陥なし、欠陥有りそれぞれについて超音波透過エコー強度の時間変化を示す図である。 水中における超音波音速と水温との関係を示す図である。
符号の説明
1 被検査体
2 探触子
2a 送信探触子
2b 受信探触子
3 反射板
4 欠陥
5 超音波経路
6 端面
7 検出装置
10 第1透過エコー
11 多重反射透過エコー
13 エコー強度
20 ゲート

Claims (4)

  1. 被検査体の一方の側に配置した送信探触子から発射した超音波が被検査体を透過し、被検査体の他方の側に配置した受信探触子で受信し、被検査体を透過する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う超音波探傷方法において、
    被検査体の受信探触子側端面で反射しさらに送信探触子側端面で反射するプロセスを一回又は複数回行った後に、受信探触子に到達した透過エコー(以下「多重反射透過エコー」という。)強度を測定し、異なった反射回数の多重反射透過エコー同士の強度を対比し、あるいは被検査体端面で反射せずにそのまま透過したエコー(以下「第1透過エコー」という。)強度と多重反射透過エコー強度とを対比することによって被検査体中の欠陥検出を行うことを特徴とする超音波探傷方法。
  2. 被検査体の一方の側に配置した探触子から発射した超音波が被検査体を透過し、被検査体の他方の側に配置した反射板で反射し、被検査体を再度透過して前記探触子に到達する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う超音波探傷方法において、
    被検査体の一方の端面で反射しさらに他方の端面に反射するプロセスを一回又は複数回行った後に、探触子に到達した透過エコー(以下「多重反射透過エコー」という。)強度を測定し、異なった反射回数の多重反射透過エコー同士の強度を対比し、あるいは被検査体端面で反射せずにそのまま透過したエコー(以下「第1透過エコー」という。)強度と多重反射透過エコー強度とを対比することによって被検査体中の欠陥検出を行うことを特徴とする超音波探傷方法。
  3. 被検査体の一方の側に配置した送信探触子と、被検査体の他方の側に配置した受信探触子と、前記送信探触子から発射して被検査体を透過した超音波を前記受信探触子で受信し、該受信した超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う検出装置とを有する超音波探傷装置において、
    該検出装置は被検査体の受信探触子側端面で反射しさらに送信探触子側端面で反射するプロセスを一回又は複数回行った後に、受信探触子に到達した透過エコー(以下「多重反射透過エコー」という。)を検出する第2のゲートを有し、さらに異なった反射回数の多重反射透過エコー又は被検査体端面で反射せずにそのまま透過したエコー(以下「第1透過エコー」という。)を検出する第1のゲートを有し、第1のゲートと第2のゲートをそれぞれ通過して検出された2つのエコー強度を対比することによって被検査体中の欠陥検出を行うことを特徴とする超音波探傷装置。
  4. 被検査体の一方の側に配置した超音波探触子と、被検査体の他方の側に配置した反射板と、前記超音波探触子から発射して被検査体を透過した超音波を反射板で反射し、被検査体を再度透過して超音波探触子に到達する超音波エコー強度から被検査体中の欠陥検出を行う検出装置とを有する超音波探傷装置において、
    該検出装置は被検査体の一方の端面で反射しさらに他方の端面で反射するプロセスを一回又は複数回行った後に、超音波探触子に到達した透過エコー(以下「多重反射透過エコー」という。)を検出する第2のゲートを有し、さらに異なった反射回数の多重反射透過エコー又は被検査体端面で反射せずにそのまま透過したエコー(以下「第1透過エコー」という。)を検出する第1のゲートを有し、第1のゲートと第2のゲートをそれぞれ通過して検出された2つのエコー強度を対比することによって被検査体中の欠陥検出を行うことを特徴とする超音波探傷装置。
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