JPS6127125Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、バランス調整用可変抵抗器、特にカ
ーステレオ等の車載音響機器における前後段の出
力バランスを調整するフエダーコントロールと一
般に呼ばれている回転式可変抵抗器の改良に係る
ものであり、小形でかつ高電力に耐え得るものを
提供しようとするものである。

この種の高電力型可変抵抗器は主として、出力
側のスピーカと直列接続されて使用されるため、
電力最大部は使用スピーカのインピーダンスと整
合する抵抗摺動部であり、導電摺動部ではスピー
カ出力が最大となり、可変抵抗器ではほとんど電
力消費はないという特長を生かしている。

第１図に従来のフエダーコントロールと呼ばれ
る回転式可変抵抗器を示しており、絶縁基板１上
に抵抗摺動部２ａ、その両側に連絡して設けられ
た導電摺動部２ｂおよびその摺動部２ｂと連絡し
て設けられた端子取出し部２ｃを有する円弧状の
抵抗素子２を形成し、上記抵抗摺動部２ａの円弧
角度よりもやや広い間隔をおいて２組の複数接点
部３ａ，３ｂが同一円周上に配された摺動子３が
適当な圧力で上記抵抗素子２に接触し、また中端
子４で絶縁基板１に固定された弾性接触子５が腕
部５ａ，５ｂでもつて上記摺動子３と接触されて
導通している。第１図で６は端子取出し部２ｃと
接続されて上記絶縁基板１に固定された外端子で
ある。ここで、摺動子３は操作軸（図示せず）を
回転操作することにより抵抗素子２上を接点部３
ａ，３ｂが接触摺動するのは周知の通りである。

この従来構成の場合、摺動子３の接点部３ａ，
３ｂの内径は、接触子５の腕部５ａ，５ｂの外径
よりも大きく設定しなければならないため、可変
抵抗器の外径に制約がある場合、接点部３ａ，３
ｂの接触範囲が制約されることになり、摺動子３
の接点部３ａ，３ｂの電流容量および抵抗素子２
の電力容量で決定される可変抵抗器の許容電力を
大きく取れないという欠点があつた。

本考案は上記のような従来の欠点を改善し、抵
抗摺動部の面積および摺動子の接点部の接触面積
を最大限に取りうる構造の回転式可変抵抗器を提
案するものである。

以下、本考案の一実施例について第２図ととも
に説明する。まず、絶縁基板７上に抵抗摺動部８
ａ，その両側に連絡して設けられた導電摺動部８
ｂおよびその導電摺動部８ｂと連絡して設けられ
た端子取出し部８ｃを有する円弧状の抵抗素子８
を形成している。上記導電摺動部８ｂは外周を上
記抵抗摺動部８ａと同一にしてその巾の約1/2の
巾に設定された形で設けられている。９は上記導
電摺動部８ｂの内周側に上記抵抗摺動部８ａと内
周を同一にして上記絶縁基板７上に設けられた導
電摺動部で、この導電摺動部９は抵抗摺動部８ａ
の巾の約1/2の巾を有しており、かつこの導電摺
動部９は抵抗素子８に対し適当な絶縁間隔をもつ
て上記導電摺動部８ｂに相当する角度範囲で設け
られている。上記導電摺動部９の一部は絶縁基板
７に固定された中間取出し端子１０と電気的に導
通されており、かつ上記端子取出し部８ｃと接続
されて外端子１１が絶縁基板７に固定されてい
る。そして、それぞれ複数個の接点部が同一放射
線上に位置する２組の弾性接点１２ａ，１２ｂが
上記抵抗摺動部８ａの円弧角度よりもやや広い間
隔をおいて同一円周上に配された摺動子１２が上
記抵抗素子８および導電摺動部９に対し適当な圧
力で接触してお、操作軸（図示せず）を回転操作
することにより摺動子１２は弾性接点１２ａ，１
２ｂが抵抗摺動部８ａおよび導電摺動部８ｂ，９
上を接触摺動する。

つぎに、その動作について第３図とともに説明
すると、例えば摺動子１２が中点位置より若干時
計方向に回転されている状態では、抵抗摺動部８
ａに摺動子１２の一方の弾性接点１２ａの接点部
全てが接触してその全体で電力分担し、中間取出
し端子１０と摺動子１２との導通は導電摺動部８
ｂ，９上に位置するもう一方の弾性接点１２ｂが
たずさわることになる。

なお、上記において導電摺動部８ｂ，９の内外
周の位置関係は逆となつてもよいものである。

以上のように本考案の回転式可変抵抗器は構成
されており、摺動子の弾性接点の一部に従来の接
触子の役割をもたせており、そのために従来より
も抵抗摺動部の面積および摺動子の接点接触面積
を増やすことができ、同じ外径の大きさのものに
おいては実用上約1.5倍の電力向上が図れる可変
抵抗器を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転式可変抵抗器を示す斜視
図、第２図は本考案に係る回転式可変抵抗器の一
実施例を示す斜視図、第３図は同可変抵抗器の動
作を説明するための概略上面図である。 ７……絶縁基板、８……円弧状の抵抗素子、８
ａ……抵抗摺動部、８ｂ……第１の導電摺動部、
８ｃ……端子取出し部、９……第２の導電摺動
部、１０……中間取出し端子、１２……摺動子、
１２ａ，１２ｂ……弾性接点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 絶縁基板上に抵抗摺動部、その両側に連絡して
   第１の導電摺動部および端子取出し部を配した円
   弧状の抵抗素子を形成し、上記第１の導電摺動部
   を上記抵抗摺動部の巾の約1/2の巾で外周または
   内周をその抵抗摺動部と同一にして設け、上記絶
   縁基板上に上記抵抗素子に対し適当な絶縁間隔を
   もつて上記第１の導電摺動部の内側または外側に
   上記抵抗摺動部の巾の約1/2の巾で内周または外
   周をその抵抗摺動部と同一にして第２の導電摺動
   部を中間取出し端子と導通して設け、かつそれぞ
   れ複数の接点部を同一放射線上に位置させてなる
   ２組の弾性接点が上記抵抗摺動部の円弧角度より
   もやや広い間隔をおいて配された摺動子が上記抵
   抗素子および第２の導電摺動部上を接触摺動する
   構成とした回転式可変抵抗器。