JPS61268110A - 水稲マツト苗の育苗方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 近年水稲育苗機械移植簡易化のため、本葉１集稈度の所
謂出芽マット苗の育成が検討されるようになって来た。

出芽マント苗は従来の所謂稚苗に比し少ない相数で多く
の苗を短時日で育成移植し得て、労力と費用を省き麦な
どとの二毛作にも作業期競合等の支障を来たす恐れ少な
（、地帯により生産コスト低減に大きく寄与する事が出
来、これを請負に応用すると育苗箱は元より育苗機（加
温出芽装置）育苗ハウスその他の利用回転効率を大幅に
高め、一層生産コスト低減に寄与する事が出来る。

同じく稲作の生産コスト低減に寄与するものとして来る
迄判らず不安を伴う詐りで無く、判った時は往々長区間
の欠株や生育不揃い過密生等を発見し処置に苦労する事
があり、低温に遭遇すると苗立ちゃ生育の遅延傾向を招
きその間鳥害を受ける率が大きくなるほか、播種時期を
早める例では前記低温に遭遇する危険を増し、且つ麦そ
の他の二毛作と競合し易い欠点も見受けられた。

出芽苗は前記の諸欠点を除くか太いに軽減し、当初から
整然とした移植状態を目撃出来、農家は請負を含め安心
して他の作業に取り掛かれると云う多数の特長が期待さ
れる。然しこの出芽苗も実際にはこれ迄さほど簡易確実
低廉につく育苗法が提供されていなかった。本発明は出
芽苗を従来多数の農家が使用して来た育苗箱等を用いマ
ント式にて簡易確実低廉に育成し、多数農家が所有して
いる田植機を用いて移植し真に稲作生産のコスト低減に
貢献しようとする。

「従来の技術」 従来は出芽苗、特に本葉１集稈度のそれを機械移植用の
マット苗に育成した簡易確実低廉な例が無（、僅かに在
来の育苗箱に納める床土の層を薄くした上に播種し覆土
しほぼ公知の如（育苗管理するものが見られた程度であ
った。然しこのような例では種籾からの山板がその生理
作用の常として、床土層をほぼ垂直状に降下する分だけ
横方向に伸びる率が当然少なく、従って近接の種籾の根
と絡み合う事もその間は促進されず、マット強度が小さ
いため育苗箱から取り出した後は、水分を含んだ床上覆
土等の層をその原形に保ち難く、マット崩れを起して移
植作業が出来な（なる傾向があった。然しマット強度を
大きくするため育苗日数を長くし葉数を増せば、出芽苗
としての諸特長や効果を失うと言う矛盾に陥る訳であっ
た。

「発明が解決しようとする問題点」 木葉１集稈度の出芽苗では発根数が少なくその長さも短
小である。このため例えば多量の種籾を育苗箱の底上に
直接播いて潅水保温等し、その根を速やかに横方向に伸
長させ、近接の種籾の根との絡み合いを促進させる事が
一良法となる。然し唯このようにするだけでは、種籾か
らの出根先が育苗箱の底に突き当って一種の反発力を生
じ、やがて部分的に多数の種籾が盛り上がるか反発力の
強弱に応じた種籾の高低競合を起こし、何れも種種不良
な結果を招く事となる。前記種籾の上に覆芽 土を特に厚（配したとすれば、出葉の困難や酸欠を来し
易（、例えマットを形成し得たとしても薄弱になり、上
層の覆土を支える力が不充分で苗取りした後は崩れ易い
。本発明はこれらの問題点を次のようにして解決しよう
とする。

「問題点を解決するための手段」 本発明では前項で述べた如き、育苗箱の底上に直接播い
た種籾の育苗に於ても不良な結果を来たさぬ手段として
、本発明に係る被覆鎮圧用資材を用いる。即ち育苗箱の
底上に播かれた種籾をほぼ全面に亘り被覆し適宜重量に
て鎮圧し、潅水その他所要の育苗管理を行うに支障なが
らしめ、マット苗の育成に効果あらしめるものである。

「作　　用」 本発明の被覆鎮圧用資材に依れば、育苗箱の底上に直接
多量に播いた種籾からの出根先が底に突き当っても、該
種籾を直ちに持ち上げる事態からしめ、強いて底添い等
の横方向に伸びるようにし、近接の種籾の根との絡み合
いを促進させる結果とする事が出来る。前項に明記した
通り、潅水そのに適した出芽マット苗を得る事となる。

「実施例」 本発明につき着手容易化の為もあり、既に多くの稲作農
家が所有し使い馴れている従来のマント苗育苗箱を用い
る例を挙げて説明する。この有孔又は無孔の育苗箱底の
上に、後日田植機の植付爪類により破砕掻取り等し得る
紙その他を敷く事が出来、これを保水性あらしめる事も
出来る。公知の如く浸漬消毒し鳩胸程度に催芽させた種
籾を、育苗箱の底上に直接又は前記紙その他を敷いた上
に全面に亘り撤播しほぼ均平状ならしめる。播種量は所
謂稚苗より多くし例えば乾籾換算で２５０〜３００ｇと
する事が出来る。播種と同時に又はその前・後に過酸化
石灰その他の酸素発生剤を適宜撒く事が出来る。

播種した上に本発明に係る被覆鎮圧用資材（以下本項で
は覆工材と略称する）をほぼ均平状に全面に亘り配し潅
水する。覆工材は本発明の如く床上やその代替材・覆土
類を欠（場合の種籾をも適幽な重量にてほぼ全面的に箱
底との間に押し付け、即ち種籾からの種子板等が箱底に
突き当る等して一種の反発現象を起こし種籾を持ち上げ
ようとする事を避けしめ、その出根先を努めて横方向に
転じ伸ばさせ、以て近接種籾の根が速やかに互いによう
にし、且つ後日田植機の植付爪類使用に差支えを生じな
いように処理出来るものとして構成し、斯る条件に添い
さえすればその材質形状構造組合せその他の如何を問わ
ないものとする。次に覆工材の例を少しく述べる。

繊維に関する物として、ピートモスその他天然系のほか
化学繊維金属繊維ロックファイバー等を適宜の長さにし
たもの及び籾殻おが屑類。粒片に関する物として、砂礫
のほか岩石鉱滓類を破砕したもの及び金属の屑細片等。

前記の内の１種にて成るものをＡとし、２種以上を混合
して成るものをＢとし、２種以上を積層させて成るもの
をＣとし、これらの繊維や粒片に関する物を離合容易に
即ちばらばら状態とする構成をＸとし、離合やや困難に
即ち一時接着状態とする構成なＹとすれば、ＡＸ−ＡＹ
−ＢＸ−ＢＹ−ＣＸ−ＣＹの組合せが出来る。

前記の一時接着用として糊着剤粘着剤凝着剤（石膏類）
等があるが何れも水溶性のものが望ましく、潅水によっ
て接着部が溶けたり軟化崩壊し穿取りを可能にすると共
に、紙状・布状・板紙状・板状等の加工覆工材（以下単
に加工材と略称する）として保存〜諸操作に便ならしめ
る事が出来る。

面積はほぼ一般の育苗箱の内寸法（３０ｃｍＸ６０［）
とする。

覆工材として次のような成型物を用いる事が出来る。即
ち育苗箱内に全部又は一部が落し蓋の如く嵌入し得る面
積と厚さで、少な（共育苗期間はぼ所定の形状を保つ剛
性の資材に依り、上面視種籾からの出葉上進を可能とす
る太きさや形状とした多数の穿孔間隙等を設け、既述条
件に添う適宜の重量あらしめたものとする。

一例を挙げれば、上面視格子状を成し側面視平板状を成
す硬質プラスチック製で、格子状を成す仕切壁及び枠状
を成す側壁等の、下面側は下先細に類せしめて出葉し易
からしめ、上面側は上先細に類せしめて育苗終了後これ
を箱から抜去する際茎葉を傷めぬようにし、平板状を成
す厚さは狂い防止の為もあり約１ｃｎＬにしたもの等で
ある。

上記の如（したものを成型覆工材（成型被覆鎮圧用資材
）とする。成型覆工材は上記の例に限らず、穿孔間隙等
を網の目その他とし、厚さＩＣｍ以下の金属その個展に
する事を妨げない。

成型覆工材は是に設ける穿孔間隙等の大きさく形状を含
む）に因り大別し、本発明に係る育苗過程に於て種籾が
容易に上昇通過出来ないａ型と、容易に上昇通過出来る
ｂ型の２種あるものとする。

ａ型は既述の育苗箱底に撒播した種籾の上に直接配する
事も出来るが、ｂ型は直接配する事を避は次の補助資材
を種籾に載せた上に配するを可とする。

即ち浸水に因り徐々に穿孔間隙亀裂等を多発し砕容易と
した多数の繊維質を含む特殊な紙、例えばトイレットペ
ーパーに類するものの如き資材を以て、成型復圧材用の
補助資材（以下単に補助費を含む。

該補助資材に予め穿孔間隙等を設は置く事を妨げず、厚
さや着色その他に依り遮光性保温蓄熱性等あらしめる事
が出来、水溶性の糊着剤凝着剤等を以て処理し乾燥時に
は適宜固さの板紙状に硬直化せしめおき、保存〜諸操作
し易からしめる事が出来る。面積はほぼ一般育苗箱の内
寸法（３０ｃＩｒＬ×６０　ｃｒｎ　）とする。この補
助資材を育苗箱底に撒播した種籾の上に延べ、その上に
ｂ型の成型覆工材を載せ潅水する。ａ型の成型覆工材を
用いる事を妨げない。浸水した補助資材は前記の事情に
因り種籾からの出葉上進を許すが、種籾そのものの上昇
通過は種籾の大きさと多数繊維質の残存事情もあり是を
容易に許さぬものとする。

以上の如く種籾を撒播した上に何れかの覆工材を所望に
依り補助資材と共に配し、潅水した育苗箱をほぼ公知の
例に従い一旦育苗機に納め加温出芽させるか、直ちに地
面や台・棚等の上に置き保温浴光させ適宜潅水を繰り返
す。木葉１集稈度の出芽苗育成には施肥を必ずしも要し
ない。斯くすると覆工材の穿孔間隙等を通じ種籾からの
出葉が所要長に上進する。

覆工材の下では多数の種籾が適宜重量で均等状に鎮圧さ
れている為、はぼ均平状を保った侭、根を横方向に伸ば
し近接の種籾の根とそれだけ速やかに絡み合いマント形
成を促進し、マット層の肥厚化につれ覆工材を多少押し
上げる傾向となり、覆工材や補助資材の種類によっては
その下辺の一部に根が絡み付く事もある。

このようにして木葉１葉程度に生長した時、成型覆工材
を用いた場合は先ず是を上方へ抜き去り、マット苗を取
り出して田植機に掛ける。葉数少なき出芽苗は前記のよ
うに上方から均等状に鎮圧されると、播種量が多く且つ
床上や覆土が無くても競合乱立に因る高低不揃い倒伏等
を起さず好結果なマット苗を得易い。田植機はその型式
により従来の侭使用する事が出来、植付けや苗送り機構
等を多少変更したり補助機構を加える事に依って使用出
来る場合もある。

如上育苗箱内に床土及び覆土又はこれらの代替資材を全
く用いぬ例で示したが、本発明は生育葉数の増加その他
の事情に基づき必ずしもこれらの従来に比し少量の使用
を妨げるものではない。肥料農薬・生長発根促進剤・蒸
発乾燥防止剤その他の適切な使用をも可とする。

本発明は育苗箱を用いず、置床上等の上に配したフィル
ムや紙類・板状物その他の上に枠型や角材等を配し、所
謂簡易マント式育苗にも応用実施する事が出来る。この
場合覆工材・加工材・成型覆工材・補助資材等の面積を
簡易マントの面積に合せる事が出来る。本発明に由って
得たマット苗を適当サイズに切断等し、所謂苗撒きに使
用する事も出来る。

前記迄に述べた数量は場合により変更を妨げない。本発
明は所謂稚苗・中面・成苗等のマット苗の育成に応用す
る事も出来、この為に公知または新規の育苗技術を応用
付加等する事を妨げない。

育苗箱を大量に更新する場合は従来より底浅にする事が
出来、その底面上に多数の等面積等深の小形の窪みを密
接状や等間隔並行状に設けろか、多数の等幅等深等長の
溝を密接状や等間隔並行状に設け、是らの窪み又は溝の
中に種籾が例えば２〜３朋の深さで２粒程纒まって入る
か又は１粒宛はぼ直列を成して入るようにし、是らの設
は方に依って稚苗・中面・成苗等のマット苗の適確な播
種育成を図る事も出来る。前記の窪みや溝の底に所望サ
イズの小孔を穿設する事を妨げな（・。

「発明の効果」 以上詳述した通り本発明には凡そ次のような効果がある
。

■育苗箱当り苗数甚だ多き良質の出芽マット苗を簡易確
実低廉に育成する事が出来る。

■前項の出芽マント苗育成に於て育苗箱内に使用する床
上や覆土等を全廃し他の消耗資材の使用も軽微にする事
が出来ろ。

■育苗箱・加温出芽装置・育苗）・ウス・田植機等の諸
機具設備は在来の物を利用回転率良く使用し得て、稲作
コスト低減への移行が容易である。

■本発明に依り得られる出芽マット苗は、甚だ軽量で且
つ苗数多く育苗日数少な（出来る為、育苗〜移植の労力
と費用を相当に軽減し、麦類の二毛作でも作業期の競合
を避は容易化する等の大きな効果があるが、本発明を請
負に応用すると前項の諸機具設備の利用回転率が更に良
くなり、一層生産コスト低減に寄与する事となる。

■本発明に係る成型被覆鎮圧用資材と補助資材の併用は
、本発明の育苗方法を実際化する上に於て極めて効果的
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 育苗箱の底上に種籾を播き被覆鎮圧用資材にて種籾を覆
   い潅水その他所要の育苗管理を行ない種籾の出根を努め
   て速やかに横方向に伸ばし近接の種籾の根と絡み合いを
   促進させると共に種籾からの出葉は被覆鎮圧用資材を通
   し上進させ所望度に生長させる事を特徴とした水稲マッ
   ト苗の育苗方法。