JPS6126801Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は高周波発振器の他にグリル料理用のヒ
ータやオーブン料理用のヒータなどを加熱源とし
加熱室内温度を調節する温度調節器を備えた高周
波加熱装置の改良に関するものである。

上記の高周波加熱装置において、オーブン料理
は加熱室内の空気温度を温度調節器により調理に
適する温度に調節して行い、グリル料理は加熱室
内の上部に設けた上ヒータを730〜800℃まで上げ
て赤外線エネルギーにより行なうようにしたもの
が多い。この場合、温度調節器の感熱素子は加熱
室の上部に配設する必要があるが、グリル料理時
の上ヒータの高熱により温度調節器が早く動作し
て、グリル料理中に上ヒータがオフすることがあ
る。そのため上ヒータの温度が下がつて赤外線エ
ネルギーが減少し、調理時間が長くなつたり、十
分な焦げ目が得られなかつたりするという欠点が
あつた。

また、オーブン料理用ヒータ、グリル料理用ヒ
ータの他にスチーム発生用ヒータを備えた高周波
加熱装置においても、スチーム加熱時の加熱室内
の温度調節を精度よく行うために加熱室内の周壁
近傍に温度調節器の感熱素子を挿入する場合があ
る。この場合も前述と同様に、グリル料理を行な
うと感熱素子が直接赤外線エネルギーを受けてグ
リル料理用ヒータが早切れするという欠点があつ
た。

特に、加熱室の上部に設けた上ヒータをダイオ
ード等を用いて電力を大小二段に変えられるよう
にして電力を大きくした場合は上ヒータをグリル
料理用ヒータとして使い、電力を小さくした場合
は加熱室の下部に設けた下ヒータと組み合わせて
オーブン料理用ヒータとしても使うことがある。
この使い方ではグリル料理時の上ヒータの早切れ
が一層生じ易い。

本考案の目的とするところは、オーブン料理時
やスチーム料理時における加熱室内温度の調節を
適切に行なうと共に、グリル料理用ヒータの早切
〓〓〓
れを防止する手段を備えた高周波加熱装置を提供
することにある。

本考案の高周波加熱装置を図面と共に説明す
る。

第１図は本考案の高周波加熱装置の一実施例を
示す要部断面図である。この第１図において１は
高周波エネルギーを導波管２を介して加熱室３内
に供給する高周波発振器である。４は高周波発振
器の発熱を放散させるための送風機である。５は
加熱室３の上部に設けた上ヒータで、電力が大小
二段切換できるようになつている。上ヒータ５の
電力を大きくした場合は赤外線エネルギー放出量
が大きくなり、グリル料理に適するようになる。
上ヒータ５の電力を小さくした場合は下ヒータ６
と同時に使用してオーブン料理を行なう。７はス
チーム発生器８に取付けたスチームヒータであ
る。９は加熱室３内の温度を調節する温度調節器
本体と連結している感熱素子である。１０は食品
１１を載置する受皿である。

第２図は第１図に対応する電気部品類の接続を
示す回路図である。１２は高周波加熱とヒータ加
熱とのどちらか一方を選定するための加熱切換ス
イツチである。ヒータ加熱には上ヒータ５、下ヒ
ータ６、スチームヒータ７およびこれらヒータの
組合せがあるが、これらのヒータ５，６，７を切
換えるのがヒータ切換スイツチ１３である。加熱
切換スイツチ１２を接点ａ側に閉成すると、商用
周波数の電圧が高周波発振器１を駆動する高周波
駆動回路１ａに印加される。このとき送風機４に
直列に入つているスイツチ１４も接点ａ側に閉成
され、送風機４も回転するようになつている。加
熱切換スイツチ１２とスイツチ１４とはカム等に
より連動するようになつている。加熱切換スイツ
チ１２を接点ｂ側に閉成すると、スイツチ１４は
接点ｂ側に閉成されると同時に、商用周波数の電
圧がヒータ切換スイツチ１３および温度調節器１
５のスイツチｇを介してヒータ５，６，７の少な
くとも一つに印加されるようになつている。すな
わち、スイツチｃのみが閉成されている場合は、
スチームヒータ７が発熱してスチーム料理が行な
える。スイツチｄとｅのみが閉成されている場合
は下ヒータ６と、ダイオード１６により電力を半
分に減らされた上ヒータ５とによりオーブン料理
が行なえる。スイツチｅとｆのみが閉成されてい
る場合は、上ヒータ５は直接商用周波数の電圧が
掛かるので大きな電力で発熱し、赤外線エネルギ
ーを多量に放出し、グリル料理が行なえる。１７
は温度調節器１５とカム等により連動しており、
温度調節器１５を特定の温度範囲を越えて設定し
たときのみ閉成され、送風機４と上ヒータ５とが
並列接続されるようにする送風機駆動スイツチで
ある。第２図の接続はグリル料理時の状態であ
る。

第３図は温度調節器１５と連結している温度調
節ダイヤル１８と温度目盛１９との関連を示す一
例で、この図では温度調節ダイヤル１８は最高目
盛のグリルの状態になつている。矢印２０は送風
機駆動スイツチ１７が開閉される位置を示し、矢
印２０より高い温度目盛範囲では閉成され、矢印
２０より低い温度目盛範囲では開成される。スチ
ーム料理の場合は発酵からスチームまで、オーブ
ン料理の場合は150〜250℃まで、グリル料理の場
合はグリルの位置にそれぞれ温度調節ダイヤル１
８を合わせればよい。上記送風機駆動スイツチ１
７により温度調節器１５を250℃を若干越えて設
定したとき送風機が回転し始め、グリル設定時に
も回転している。

次に、本考案の高周波加熱装置の動作、作用を
説明する。高周波加熱時には温度調節器１５とは
無関係に食品１１が誘電加熱されるが、加熱室３
内の空気は高周波では加熱されない。スチーム加
熱時には加熱室３内にはスチームが充満し、加熱
室３内温度はスチーム料理に適するように温度調
節器１５によつて調節される。上下ヒータ５，６
によるヒータ加熱時には加熱室３内空気が加熱さ
れ、オーブン料理に適する温度に温度調節器１５
によつて調節される。上ヒータ５のみによる加熱
時には赤外線エネルギーによりグリル料理が行な
えるが、このとき送風機４が回転して加熱室３の
外周が冷却されるので、加熱室３の周壁近傍に設
けた感熱素子９も冷却される。したがつて、上ヒ
ータ５の通電率が上がり、赤外線エネルギー放出
時間が長くなり、温度調節器１５の早切れが起こ
ることもなく、食品１１に十分焦げ目を付けるこ
とができる。もちろん、グリル料理時には温度調
節器１５の温度目盛１９は最高に設定しておく必
要がある。スチーム料理やオーブン料理の場合は
加熱室３内の食品１１周囲の温度によつて加熱さ
〓〓〓
れるが、これらの場合には送風機４は回転してい
ないので、加熱室３内の熱エネルギーが加熱室３
の周壁を介して外部へ放散する割合が少ない。し
たがつて熱効率よく料理することができる。

第１図や第２図では電気ヒータ５，６，７を使
用した例をあげたが、これらのヒータをガスヒー
タにした場合でも、上記と同様な動作、作用を持
たせることができるのはいうまでもない。

以上のように、本考案によると、温度調節器１
５を特定の温度範囲を越えて設定したときにのみ
高周波発振器１冷却用の送風機４を回転させ、グ
リル料理時にも回転しているので、温度調節器１
５によるグリル用のヒータの早切れを防止して赤
外線エネルギーの放出量を増し、十分な焦げ目を
短時間で付けることができる高周波加熱装置を提
供する。

さらに、本考案では上記のように送風機４が回
転しているので、加熱室３外周が冷却され、加熱
室３からの熱による各種電気部品等の熱損傷を防
止する効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の高周波加熱装置の一実施例を
示す要部断面図、第２図は第１図に対応する電気
部品類の接続を示す回路図、第３図は温度調節器
１５と連結している温度調節ダイヤル１８と関連
した温度目盛１９の一例である。 １……高周波発振器、３……加熱室、４……送
風機、５，６，７……ヒータ、１５……温度調節
器。 〓〓〓

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 食品を収納する加熱室と、該加熱室に供給する
   高周波エネルギを発生する高周波発振器と、少な
   くとも前記加熱室内の天井部および底部にそれぞ
   れ設けられた上ヒータおよび下ヒータと、前記加
   熱室内温度を検出する感熱素子と、該感熱素子の
   検出する温度に応じて前記各ヒータのオンオフを
   行なうスイツチと、加熱機能を高周波加熱とヒー
   タ加熱に切換える加熱機能切換スイツチと、前記
   上ヒータと下ヒータとを並列接続して使用する場
   合と上ヒータのみで使用する場合とに切換えるヒ
   ータ切換スイツチと、前記高周波発振器を冷却す
   るとともに加熱室外側を冷却する送風機と、前記
   加熱機能切換えスイツチによつて高周波加熱が選
   択された時に前記送風機をオンにする一方前記ヒ
   ータ切換スイツチにより上ヒータのみが選択され
   た時にも前記送風機をオンにするスイツチとで構
   成されたことを特徴とする高周波加熱装置。