JPS6126731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、芯上下式の石油燃焼器に関するもの
で、灯芯に付着するタールを削除できるようにし
て、芯の耐用寿命を伸ばすとともに、灯芯へのタ
ールの堆積による種々の不都合を解消するもので
ある。

一般に、芯上下式の石油燃焼器においては、灯
芯の燃焼部にタールが堆積してくる。特に、白灯
油が酸化されて変質した変質油や、誤つてエンジ
ンオイル、軽油等の異種油が混入した白灯油を用
いた場合は、タールの堆積が著しい。このように
して芯にタールが堆積すると、芯上下操作に支障
をきたし、芯の下降による自動消火装置が働かな
くなるなどの不都合がある。

また、灯芯燃焼部に堆積したタールを除去する
方法として、空焼きする方法がある。この方法に
よれば灯芯の先端部のタールを除去することがで
きる。しかし、火皿近傍のタールは、芯外筒およ
び芯案内筒の灯芯摺動壁に接していることと、燃
焼空気量が少ないため、空焼時の温度上昇が少な
く、ほとんど消滅させることができない。従つ
て、灯芯にタールがある程度以上堆積すると、新
しい灯芯と交換せざるをえなかつた。

本考案は、以上のような従来の欠点を解消する
もので、以下実施例により説明する。

第１図は石油燃焼器の要部を示す。１は燃料タ
ンクであり、その中央には芯案内筒２を固定し、
上部にはパツキン３を介して芯外筒４を取りつけ
ている。５は筒２の外周に芯上下機構により上下
するように設けられた灯芯であり、タンク１内の
白灯油を吸上げ、気化させる役目をするものであ
る。６は外炎筒、７は内炎筒で、それぞれ多数の
小孔を有する。８は筒６，７の間に形成される燃
焼室で、ここで灯芯から気化した燃料が、筒６，
７の小孔より入る空気と混合されて燃焼する。９
は外筒、１０は赤熱ネツトである。

１１，１２はそれぞれ芯案内筒２、芯外筒４に
連なる灯芯摺動壁であり、それぞれ空気孔１３，
１４を設けている。１５，１６は灯芯摺動壁１
１，１２と灯芯５との間に空気孔１３，１４を閉
塞するように挿入したリングで、上端部には火皿
１７，１８より上位に突出するエツジ部１９，２
０を設けている。なお、第３〜４図のようにエツ
ジ部１９はリング１５の外縁部に、またエツジ部
２０はリング１６の内縁部に設けてある。

上記の構成によれば、日常の石油燃焼器使用後
の自動消火装置による芯降下操作、あるいはそれ
で無理な場合は手動による強制的な芯降下操作に
より、灯芯先端部に堆積したタール２１をエツジ
部１９，２０で削りとることができる。削りとら
れたタールは火皿部１７，１８上に堆積するが、
これは布等で拭きとることができる。

また、灯芯５の火皿部近傍に対応する部分への
タールの堆積が著しくなつた場合は、第２図のよ
うにリング１５，１６を取り外して空焼きをすれ
ばよい。この場合、灯芯摺動壁１１，１２の空気
孔１３，１４より空気が流入するので、灯芯は火
皿より下方の部分でも燃焼し、従来不可能であつ
た火皿近傍の灯芯タールを効率的に消滅させるこ
とができる。

上記の実施例では、芯案内筒側および芯外筒側
の両者にエツジ部を設けたが、燃焼器のタール付
着状況に応じて、一方にのみエツジ部を設けても
よい。

以上のように、本考案によれば、灯芯へのター
ルの堆積による芯上下操作に支障をきたすことが
ないので、異常時に自動消火装置が働かなくなる
おそれはなく、またリングを取外せば空焼きによ
るタールの焼却も効率的に行え、灯芯の耐用寿命
を伸ばせるなど、実用効果は大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の石油燃焼器の実施例を示す要
部の縦断面図、第２図は空焼き時の要部縦断面
図、第３図および第４図はエツジ部を有するリン
グの一部欠截斜視図である。 ２…芯案内筒、４…芯外筒、５…灯芯、１１，
１２…灯芯摺動壁、１３，１４…空気孔、１５，
１６…リング、１７，１８…火皿、１９，２０…
エツジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内外の灯芯摺動壁間に灯芯を上下動自左に設け
   るとともに前記灯芯摺動壁の少なくとも一方には
   多数の空気孔を設け、かつ前記空気孔を設けた灯
   芯摺動壁と灯芯との間にリングを着脱自在に配設
   し、このリングは灯芯摺動壁の上端近傍部分に灯
   芯に付着したタールを削りとるエツジ部を設けた
   石油燃焼器。