JPS61261699A - 送風機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、例えば自動車用空気調和装置に組込まれるブ
ロワの如く、騒音の発生を嫌う個所で用いるのに適した
低騒音タイプの送風機に関する。

［従来の技術］ 本発明による送風機の一具体例としての自動車用空気調
和装置に組込まれるブロワは、装置の主体部分である空
調用ダクト内に設置されて被空調用空気をダクト内に吸
入し、加熱または冷却用熱交換器に送り込んだ後、空調
温空気として車室内に吹出させる役目を果している。こ
のブ［ｌワは一般に第８図に模式的側断面図として示さ
れた如き構造を備えており、車室内の運転席計器盤の下
方空間を利用して装架するのが普通である。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記の第８図に示された遠心ファンと称される型式のブ
ロワは、円筒状の多翼ファン２０を渦巻き型のスクロー
ルケーシング３０内に納めた構造を備えており、多翼フ
ァン２０の筒端部からファンの高速回転に伴って減圧状
態にある中空筒内に吸入され羽根群２１の間隙に流入し
た被空調空気のいわば塊は、高速回転する羽根２１が呈
する遠心作用力によって図中にａで説明的に描かれたよ
うに疎、密波となって多翼ファン２０の外周方向に放出
されることになる。そして多翼ファン２０が納められて
いるスクロールケーシング３０の圧縮空気の吐出口３０
ｂの一方の縁辺部には、多翼ファン２０の外周面に近設
させてスクロールケーシング３０内に空気の吸入用の減
圧領域すを生成させるための仕切壁的な役割を果たすノ
ーズ部３０ａが設けられている。こ、　　　　　　　　
のノーズ部に近接した位置において羽根２１の働き□　
　　　　　　　によって放出された空気塊が恐らくノー
ズ部３０ａに衝突することに基づくと思われる耳ぎわす
な騒音Ｃが発生する。というのは、騒音発生の・−要因
がこのような空気塊の衝突によるものとすれば、衝突発
生の頻度Ｆは多翼ファン２０の回転数をＮ（ｒｏｍ）、
羽根２１の数をＳとすれば、Ｆ　＝　Ｎ　ｘ　Ｓ　／６
０（回／秒）となるが、騒音レベルを実測して得た騒音
周波数分析データ（第７図参照）には、人の耳に感じや
すい２，０ＯＯＨ７近辺に目立った音圧レベルのビーク
８ｐが現われており、この計測に使用した送Ｊｉｌｌｌ
についての上記Ｆの訓算値２，０００とほぼ一致したか
らである。

自動車用空調装置に使用される送風機の場合、前述のよ
うに車室内に設置されるのが一般であり、最近増々静粛
性が向上しつつあるエンジンに較べると、車室内の居住
性の面からして送Ｊ！１ｍはより大きな騒音発生源とも
いえる。

本発明は上述の如き実験に基づく知見を参考にしながら
、極力簡易な方法によって発生騒音レベルが低減された
送風機を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するために本発明の送風機は、ファン
の回転に伴って発生する騒音の周波数特性がほぼ同一で
ある２基の多翼ファンが、これら両ファンから生ずるそ
れぞれの騒音の発生周期がほぼ半周期だけずれるように
して、一基のファンケーシング内に取付ける構成を採用
した。

［作用］ 上記の如き構成からなる送Ｊ！１１は、１基のファンケ
ーシングを共用してその内部に納められている２基の多
翼ファンのそれぞれから発生する騒音の周波数特性がほ
ぼ同一に設定されていると共に、各ファンから生ずる騒
音音波の発生周期がほぼ半周期分だけ相対的にずれるよ
うにファンが取付けられていることにより、これら２つ
の音波の干渉効果によって少なくとも特定周波数帯域に
おいて、騒音の音圧レベルが目立って低下させられる。

［実施例］ 以下に付図に示す実施例に基づいて本発明による送風機
の具体的構成を説明する。

第１図は自動車用空気調和装置に組込むための本発明に
よる送風機について、ケーシングの一部を切除した状態
の側面図であって、１と２はそれぞれ同一寸法同一形状
を有する多翼ファンであ°す、３はこれら両ファン１と
２によって共用されるファン駆動用モータ、５はファン
ケーシング、５ａと５ｂはそれぞれファン１またはファ
ン２用の被空調空気の吸入口、５Ｃはファン１および２
から吐出される空気の吹出口、５ｄと５ｅはそれぞれフ
ァン１または２を納めるケーシング５の渦巻形状部分で
ある。

第２図は多翼゛ファン１および２を前記第１図の左側方
向および右側方向からそれぞれ眺めた側面図であって、
１ａまたは２ａは羽根群、１ｂまたは２ｂは羽根１ａま
たは２ａを植設するための回転盤、４ａおよび４ａ’は
モータ３の出力軸嵌着用軸穴、４ｄおよび４ｄ’はモー
タ３の出力軸に設けられた回転盤１ｂまたは２ｂの空転
止め用切削面に係合させるための係合部である。図中の
Ｐは羽根１ａまたは２ａの植設ピッチを表しており、多
翼ファン１と２では、共用モータ３の出力軸４および４
゛の軸芯線に対して植設位置が１７２ピツチ分だけずら
されていることが示されている。

第３図は２基の多翼ファン１と２の羽根の植設位置を相
対的に１７２ピツチだけずらすための別の方法を説明し
たファンの模式的側面図であって、ファン１とファン２
をそれぞれ取付けるためのモータ３の出力軸４と４°は
分割状態にあり、ファン係合面４ｂと４ｂ’を相対的に
傾斜させである。４Ｃと４Ｃ’はそれぞれモータ３の出
力軸４または４°に嵌着された多翼ファン１または２の
回転盤１ｂまたは２ｂを固定させるためのナツト（図示
略）の螺着用ボルトであって出力軸と一体的に製作され
ている。

図中の他の符号は第２図のそれと共通している。

第４図は第１図ないし第３図に示された多翼ファン１お
よび２並びにその駆動用モータ３を組込んだファンケー
シングの形状を例示的に描いた外観図であって、５は２
基の多翼ファン１と２によって共用される一基のファン
ケーシング、６はケーシング５内に車外空気または車至
内空気を選択的に適宜に導入するための内外気切換箱、
７と８は内外気切換箱の外気または内気導入口に設けら
れた、それぞれ導入口開閉ダンパ、９はファンケーシン
グ５の底部に開口する水扱き孔であり、図中の他の符号
は前記のそれと共通している。

第５図は多翼ファン１（または２）の外観斜視図であり
、１Ｃは回転盤１ｂの中央部分を円錐形に賦形させたボ
ス部分、１ｄは回転盤１ｂに対置されて、羽根１ａの他
端部の植設基盤となる羽根植付は用リングである。

第７図は第１図ないし第５図に説明された如き構造を有
する本発明の第１実施例の送風機と、この送風機と基本
的には同一であるが、ただ多翼ファン１と２のそれぞれ
の羽根１ａと２８がその駆動用モータ３の出力軸４およ
び４°の共通軸芯上にずれなく一線をなして整列するよ
うに植設されている点が異なる、いわば第８図に描かれ
た従来の送風機の多翼ファンをその軸方向に２基に分割
したうえ、一基のモータに取付けた如き構造を備えた比
較実験同送ｆｆ１機とのそれぞれについて測定された、
送風機の発生騒音の周波数特性データグラフであって、
横軸に周波数、縦軸に音圧レベル（ｄＢ（Ａ））がとら
れており、グラフＡは上記の本発明による第１実施例の
送風機の、またグラフＢは比較実験用送風機の測定グラ
フである。

次に本発明による送風機の構成および作動上の特徴につ
いて付図を参照しながら説明する。第３図に明らかなよ
うに一基の電動モータ３の回転軸の延長部分としての左
右対称型の１組の出力軸４および４°にそれぞれ取付け
られた多翼ファン１と２は、モータ３の回転数によって
決定される全く同一の速度をもって同方向に回転させら
れる。そして各ファン１と２を納めている渦巻型のファ
ンケーシング部分５ｄと５０は第８図に模式的に描かれ
ているように全く同一の形状寸法を備えているので、既
述の如きメカニズムによって発生する騒音の周波数特性
も同一となる。但し第２図に説明されているように、２
基のファン１と２では羽根１ａと２ａがこれら両ファン
の共通回転軸４および４゛の軸芯線に対してファンの回
転方向に羽根の植設ピッチＰの１／２ピッチ部分だけず
らされるように取付けられている。従って２つの渦巻型
ケーシング部分５ｄと５ｅのそれぞれの吐出口５ｇおよ
び５ｈ近傍で発生する騒音の発生周期は１７２周期分だ
けずらされることになる。２個所の吐出口５ｇと５ｈか
ら押出された圧縮空気は騒音音波（イ）および（［１）
をそれぞれ伴いながら、ブロワケーシング５の唯１つの
吹出口５Ｃに向けて合流しながら進行するが、この間に
周波数特性が同・−で音波発生周期が半周期分だけずれ
ているという条件を備えた２つの波の間には当然に干渉
効果が現れて音波エネルギーの減衰作用が営まれること
になる。このような騒音レベル減衰効果が第７図に説明
されている。グラフＢは上記の従来型の比較実験用送風
機が描いた周波数特性グラフであって、２基の多Ｗブロ
ワの発生騒音間に干渉効果が生じないために、既述の如
くブロワの羽根の遠心作用力によって放散された空気塊
がファンケーシングのノーズ部に衝突することによって
発生したとみなされる著しいピーク音圧Ｂｐが、聴感上
に敏感に感じられやすい２゜０００Ｈ２付近に認められ
る。それに対して本発明による第１実施例の送風機が発
する騒音の周波数特性グラフＡからはピーク音圧Ｂｐが
完全に消滅している。この実験結果として、２種類のテ
スト送風機がそれぞれ吹出口から放出する全騒音の音圧
レベルは、比較実験用送風機が６７．８ｄＢ（Ａ）　、
本発明のそれは６７、２ｄＢ（Ａ）の値を示し、音圧低
下効果は０．６ｄＢ（Ａ）にとどまったが、ピーク音圧
Ｂｐの発生帯域が２，０ＯＯＨ７近辺であることに由来
して聴感上は充分に有効な不快騒音の低減効果を確認す
ることができた。

本発明の技術的構成の要点をなす２基のファンの騒音発
生周期をほぼ１７２周期分だけずらすための具体策とし
ては、上記第１実施例以外にもさまざまな方法が可能で
ある。第６図は本発明の第２実施例としてのいわば２連
型多翼フアンの一部破断面を含む外観図であって、この
場合には２基のファンを１つに合体させたような形態を
備えている。図中の１０はこの２基合体型の多翼ファン
、１１はその基体部分をなす回転盤、１２と１３は２段
重ねの羽根群１４と１５を所定の植設ピッチを保たせな
がらそれぞれ円筒状に組立てるための羽根植設用リング
、１６は回転盤１１の一部をなすボス、１７はモータの
出力軸の嵌合用軸孔である。そしてこの実施例では、上
段側羽根群１４と下段側羽根群１５とでは、ファンの回
転軸の軸芯線方向を基準として、その植設位置を図にみ
られるように１７２ピッチ分だけずらしである。なお多
翼ファン１０の直径および回転軸方向の巾は従来の単一
構造のファンとほぼ同一にしても送風能力の低下を来た
すことはない。

この点については前記第１実施例の場合も同様であって
、従来の単一ファン型送風機に組込まれていたファンと
同一の径で巾がそのほぼ１／２．の大きさを有する２基
の多翼ファン１と２を使用することによって、送風機の
外径寸法の増大を招くことなく、且つ送風能力の低下を
来たさずに、運転騒音が目立って低減された、しかも構
造的には従来の高騒音を発生する送Ｉ！１機に比べて著
しい設計変更個所がなくてコスト上昇の不利も最小限に
とどめられた送風機を製作することができる。

なお２基の多翼ファンが発生する騒音の周波数特性は必
ずしも同一でなくてもよく、要は２基のファンから発生
する音波のうち人の耳に特に不快感を与える周波数帯域
において雨音波間に干渉現−′象が生じて騒音１ネルギ
ーが減衰させられれば目的は達成される。従って場合に
よっては一つの駆動用モータの出力軸を共用する、ある
いは各独立した駆動源によって回動される３基以上の多
翼ファンから発生する圧縮空気を１つの吹出口に向けて
合流させるようにしてもよいし、多異なった形状寸法の
複数個の多翼ファンの組み合せ使用によって本発明目的
を達成することも可能である。

［発明の効果１ 上記実施例に例示された構造を有する本発明の送風機は
、従来の送風機のファンの形状に格別の設計変更を施す
ことを要せず、単に今まで使われて来た一基の多翼ファ
ンを二基に分割し、分割された多翼ファンから発生する
それぞれの騒音音波の発生周期が相対的にずれるように
して一台の共用モータ回転軸に取り付けるというすこぶ
る簡易な手段を講することによって極めて明確な騒音レ
ベルの低減効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図は自動重用空気調和装置に使用する
ための本発明の第１実施例の説明図であって、第１図は
ケーシングを切除した状態にある送風機の側面図、第２
図は２基の多翼ファンのそれぞれを対向方向からみた側
面図、第３図は２基のファンを一台のモータに取付ける
別の方法を示した模式的側面図、第４図は送風機の全体
像を示した透視図、第５図は多翼ファンの斜視図である
。 第６図は本発明の第２実施例の多翼ファンの斜視図、第
７図は本発明による送風機と従来の送風機との発生騒音
周波数特性の比較グラフ、そして第８図は従来の送風の
側断面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）ファンの回転に伴って発生する騒音の周波数特性が
   ほぼ同一である２基の多翼ファンが、これら両ファンか
   ら生ずるそれぞれの騒音の発生周期がほぼ半周期だけず
   れるようにして、一基のファンケーシング内に取付けら
   れていることを特徴とする送風機。 ２）前記２基の多翼ファンが一台のファン駆動用モータ
   の回転軸を共用して一基のファンケーシング内に対称的
   取付け構造のもとに組込まれると共に、該２基の多翼フ
   ァンを構成するそれぞれの羽根群が、羽根の植設ピッチ
   のほぼ１／２ピッチ分だけ相対的にずれるようにして各
   ファンの回転盤に取付けられていることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の送風機。