JPS6125807Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は磁気作用と電流作用とを身体に与え
ることによつて血行を良くする磁気治療器に関す
るものである。

従来より肩こりや腰の痛みあるいは筋肉痛など
を治療するものとして、磁気を利用した治療器が
多く提案されている。それらの中でも磁性体の粒
子を粘着基材に接着し、磁気を人体のツボや患部
に集中させると共に、磁性体粒子による押圧効果
を併用したもの等は一般に使用されてもいる。

また、電流を筋肉の一部に瞬間的に流すことに
よつて筋肉を刺激し、肩こりの治療や筋肉マツサ
ージ等に使用する電気治療機なども知られてい
る。

しかしながら、粘着基材に磁性体を接着して使
用するものは、粘着基材の粘着持続力が永久磁石
の保磁持続時間と比して極めて短いので、磁力を
有効に活用しないうちに捨てざるを得ないもので
あつた。また、この種の治療器に用いる永久磁石
は小さな粒状のものが多く、身体の極一部にしか
作用を及ぼさないで、ツボや患部をわずかでもは
ずしてしまうと全く効き目がないものであつた。
また、電気治療機においては、特別な電源や装置
を必要とし、治療可能な場所も限定され、また、
乾電池等の電源や電源からのコード等を常時携帯
しなければならず、取扱いが極めて不便であつ
た。

そこでこの考案は上述の欠点に鑑み、永久磁石
の磁力をより有効に活用することが可能で、身体
に対して点的な作用を与えるのみならず、ツボや
患部から多少ずれても十分効果を発揮できる上
に、特別な電源やコード等を使用しなくても電流
による治療を行なうことが可能な磁気治療器の提
供を目的とするものである。

以下、図面を参照してこの考案の一実施例を詳
細に説明する。

図において１はパルス発生体であり、これは永
久磁石２、筒体３、封止片４、導線５から成り、
また６は粘着基材を示す。

永久磁石２は筒体３内に遊嵌状態になるように
封止片４で封入されており、筒体３と封止片４と
は共に非磁性体によつて形成し、封止された筒体
３の内部を永久磁石２が自在に移動するように設
けるものである。このとき、封止片４は図示例に
限らず粘着基材６の粘着面側に設けてもよく、ま
た、筒体３と封止片４とを一体形成してカプセル
状に設けてもよいものである。更に図示例におい
ては永久磁石２が筒体３の内部で上下移動する状
態が示されているが、これに限定されるものでは
なく、後述する導線５の巻回方向によつては上下
左右の何れの方向に移動するように設けてもよ
い。導線５は細いエナメル線や銅線を使用し、導
線５の先端を粘着基材６の粘着面に貼着する。こ
のとき、導線５の先端部を延長して粘着基材６の
粘着面全体に広く貼着することで、電気的刺激を
広く身体に与えることができる（第２図参照）。
また、第３図に示す如く粘着基材６の粘着面にア
ルミ箔等の導電性材７を貼着し、この導電性材７
に導線５を連結してもよい。更に、導電性材７の
材質に薄い銅板を使用するならば、銅イオンの効
果を皮膚に与えることも可能である。そして、パ
ルス発生体１の皮膚に接触する面を皮膚側に突出
させることで、パルス発生体１の押圧力を患部や
ツボに集中させて指圧の如き効果を奏することも
できる（第４図参照）。

また、パルス発生体１に使用する導線５の代わ
りに磁気テープ８等を使用してもよく、第１図に
示すように導線５と磁気テープ８とを併用しても
よい。要は永久磁石２の移動によつて誘導起電力
を発生させる材質であればどのようなものでもよ
い。

尚、粘着基材６は絆創膏やその他の粘着テープ
を利用してもよいが、粘着剤に血行を促進させる
膏薬や湿布薬等を混合して用いるならば、薬剤と
永久磁石２との相剰効果によつてより効果的な治
療をすることが可能であり、粘着基材６全体は身
体に粘着させる関係上できるだけ小さくし、また
第５図に示すように円形に形成しておくのが好ま
しい。

この考案は上述の如く、永久磁石２が遊嵌状態
に封入されている非磁性体製の筒体３外周囲に導
線５を巻回してパルス発生体１を形成したことに
よつて、永久磁石２の振動によつて誘導起電力が
発生し、導線５に電流を流すことができる。

更に、パルス発生体１を粘着基材６に装着する
と共に、露出せしめた導線５の両端を粘着面に貼
着したことによつて、パルス発生体１で生じた誘
導起電力による電流を身体に与えることがで、血
行を促進させるなど有益な治療を施すと共に、特
別な電源やコード等を必要とせずに安価にして顕
著な治療効果を期待できる。

また、パルス発生体１の永久磁石２の磁気も身
体に及ぶので、磁気効果によつて血行を促し、肩
こりや腰痛などの治療に用いることができる。こ
のことから、ひとつの永久磁石２の磁力を磁気と
電流とのふたつの作用として利用できるので、短
時間の使用においても極めて有効な永久磁石２の
利用をすることができるものである。

そして、パルス発生体１を指圧や針灸のツボに
当てることで、押圧効果による治療も可能であ
る。また、この際にパルス発生体１がツボから多
少ずれてしまつても、前述した磁気効果と電流効
果とがパルス発生体１周辺に作用を及ぼすので、
ツボに対して確実な作用を与えることができる。

更にまた、パルス発生体１内の永久磁石２が振
動等によつて筒体３の内壁にぶつかると軽微な衝
突音が発生する。そしてこの衝突音の発生と共に
誘導起電力も生じるものであることから、誘導起
電力の発生を耳で確認することができ、このこと
が心理的効果として極めて有益な効果を奏するも
のである。

このようにこの考案によれば、磁石を有効に活
用することができ、しかも指圧効果や心理的効果
も有し、更に、ツボや患部から多少ずれても十分
効果を発揮することができるなどと実用上有益な
種々の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は断面
図、第２図は底面図、第３図乃至第５図は他の実
施例を示すもので、第３図は底面図、第４図は使
用状態の断面図、第５図は使用状態の斜視図であ
る。 １……パルス発生体、２……永久磁石、３……
筒体、４……封止片、５……導線、６……粘着基
材、７……導電性材、８……磁気テープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 永久磁力が遊嵌状態に封入されている非磁性体
   製の筒体外周囲に導線を巻回してパルス発生体を
   形成し、このパルス発生体を粘着基材に装着する
   と共に露出せしめた導線の両端を粘着面に貼着し
   たことを特徴とする磁気治療器。