JPS6125484Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、病院で使用される寝具（ふとん、
毛布、枕、寝巻等）のような気体を透過させる性
質のある物品（即ち気体透過性物品）をガス消毒
する装置に関し、深部まで消毒用ガスを浸透させ
て十分な消毒を行ない得させる消毒装置を得るこ
とを目的として考案されたものである。

例えば、病院では患者の退院後、特に感染症の
患者の場合は、寝具を消毒しているが、従来は寝
具の深部まで消毒用ガスを浸透させて十分な消毒
を行なうことが困難であつた。即ち、従来の消毒
装置は、第１図に略示するように、密閉室１内に
ふとん等の寝具２を吊し、気化器３で気化させた
ホルマリンガスをフアン４、管５により密閉室１
を通し循環させて寝具２を消毒するものであつ
た。しかしながらこの装置では寝具の深部まで消
毒ガスたるホルマリンガスを浸透させることがで
きず、消毒が表面のみに限られる欠点があつた。

本考案は、寝具等の深部まで消毒ガスを浸透さ
せ循環させると共に、消毒終了後は空気を通して
消毒ガスを排除することができて確実な消毒を行
なうと共に消毒ガスが残留しないようにすること
のできる気体透過性物品の消毒装置を得たもので
ある。

以下図示の実施例により本考案を説明する。

第２図は本考案の消毒装置の概要を示すブロツ
ク図である。６はマツト、ふとん、毛布等を収容
する密閉容器で、側壁からフランジ７を内方に突
出させ、その内方に金網８を支持させている。金
網８の部分はマツト、ふとん等の寝具９より少し
く小さく作り、フランジ７は寝具９を通らない気
体を通過させないように無孔に作られる。密閉容
器６のフランジ７より下の部分には、管１０によ
りフアン４を接続し、フアン４の吐出口は、管１
１により排気弁１２および管１１から分岐する管
１３により循環弁１４、ヒータ１５、気化器３を
経て密閉容器６のフランジ７より上の部分に通じ
させている。ヒータ１５は、管１６により空気弁
１７、フイルタ１８を経て大気に通じる。気化器
３には消毒液容器１９中の消毒液、例えばホルマ
リン液がポンプ２０により逆止弁２１を経て供給
される。気化器３にはまた、アンモニア容器２２
からポンプ２３により逆止弁２４を経てアンモニ
ア液を必要に応じて供給できるようにしてもよ
い。

以上のように構成される本考案の消毒装置は、
次のようにして使用される。

(a) 準備行程 密閉容器６の蓋を開いて寝具９、例えばふと
んを金網８の上に載せる。寝具の縁は通風性の
ないフランジ７にかかつている。

(b) 予熱行程 排気弁１２、空気弁１７を閉じ、循環弁１４
を開き、フアン４を運転し、ヒータ１５を発熱
させる。フアン４の吸気により寝具９は下に引
張られて縁がフランジ７に密着し、密閉容器６
の上部の空気は全部寝具９を通つて下部に移動
し、ヒータ１５により加熱された40℃程度の空
気が寝具９を通つて循環し、寝具を暖める。

気化器３には未だホルマリン液を供給しない
から、空気は気化器３を素通りする。

この予熱により、ホルマリンの消毒効果を妨
げる寝具内の湿気が除かれ、またホルマリンガ
スを通したとき、これが凝縮するのが防止され
る。

(c) 消毒行程 ポンプ２０を運転して、寝具９の大きさに適
当した量のホルマリン液を気化器３に送つた
後、ポンプ２０を停止させる。気化器３にはヒ
ータが組込まれているので、ホルマリン液は蒸
発気化して密閉容器６、寝具９、管１０，１
１，１３を通つて循環し、寝具の内部まで消毒
する。この循環を所定時間行なう。

(d) 排出行程 排気弁１２、空気弁１７を開き、循環弁１４
を閉じる。これによりフイルタ１８を通つた外
気がヒータ１５で加熱されて寝具９を通り排気
弁１２から外に排出され、寝具９内のホルマリ
ンガスは除かれる。

(e) 中和行程 必要ある場合、例えば寝具の性質により残留
ホルマリンガスが多いような場合には、第２図
に鎖線で示したようにアンモニア供給装置を設
けることにより、(c)の消毒行程と同様にしてア
ンモニア容器２２から気化器３にアンモニア液
を送り、気化させてアンモニアガスを循環さ
せ、ホルマリンを中和させた後、(d)の排出行程
を行なうように動作させることができる。

本考案は、以上のように構成され、作用するも
のであるから、ふとん等の寝具や絨毯、衣服等の
空気透過性のある物品全般について、深部までホ
ルマリン等の消毒ガスを滲透させて良好な消毒を
行なうと共に、外気を流通させてガスの排出を行
ない、必要に応じてアンモニアによる中和を行な
う装置を付設することができるものであつて、前
使用者による寝具、衣服等からの感染の危険を確
実に除くことのできる消毒装置として有効なもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の寝具消毒装置を略示する図、第
２図は本考案の実施例を示すブロツク図である。 １：密閉室、２：寝具、３：気化器、４：フア
ン、５：管、６：密閉容器、７：フランジ、８：
金網、９：寝具、１０，１１：管、１２：排気
弁、１３：管、１４：循環弁、１５：ヒータ、１
６：管、１７：空気弁、１８：フイルタ、１９：
ホルマリン容器、２０：ポンプ、２１：逆止弁、
２２：アンモニア容器、２３：ポンプ、２４：逆
止弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側壁から無孔のフランジ７を内方に突出させ、
   その内方に金網８を支持させて内部を上下に仕切
   つた密閉容器６の下の部分を、管１０によりフア
   ン４の吸入口に連通させ、フアン４の吐出口は管
   １１により排気弁１２および管１１から分岐する
   管１３により循環弁１４、ヒータ１５、気化器３
   を経て密閉容器６の上の部分に通じさせ、ヒータ
   １５は、管１６により空気弁１７、フイルタ１８
   を経て大気に通じさせ、気化器３には逆止弁２
   １、ポンプ２２を経て消毒液容器１９を通じさせ
   て成る気体透過性物品の消毒装置。