JPS6124236Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は乾燥機、中でもドラム式のものであつ
て更にそのドラム内からの被乾燥物の出し忘れを
無くす様にした乾燥機に関する。

従来よりこの種ドラム式乾燥機に於いては、そ
のドラム内から乾燥を終えた被乾燥物を取出す折
り、一部の被乾燥物を出し忘れることが多く、特
にドラム内前方の下部隅所は外箱前面の出入口か
ら覗く使用者には死角となることから其所に被乾
燥物を残すことが多かつた。そこで近年、ドラム
内の上記前方の隅所と対応する奥端部の周囲数箇
所に夫々例えばバツフルを避ける程度の範囲で鏡
を貼設し、以て上述の如く残し易い被乾燥物をそ
の鏡に映し出しその出し忘れを防止する様にした
ものが考えられている。然しながらこのものに於
いては、使用する鏡の個数が多くてその組付けが
面倒な欠点があり、且つ、コスト高ともなる欠点
があつた。又、鏡と鏡との間即ちバツフル部分に
位置した被乾燥物が見えず、従つてそれを出し忘
れる心配が末だにあつた。

又、この他、上記鏡体が位置したドラム内の奥
端部周囲の部分は出入口からの光が届き難くて暗
く、その上本来的に使用者が出入口から覗き込む
ようにしなければ見えない箇所でもあり、従つて
一段と被乾燥物の出し忘れを起こし易く、更に乾
燥機全体を洗濯機など他の機器の上方に置いて使
用するものに於いては、ドラム内を覗き込むこと
も困難或いは不可能になつて、被乾燥物の出し忘
れを更に起こし易くなる実情にあつた。

本考案は上述の事情に鑑みてなされたものであ
り、従つてその目的は、鏡の組付けが簡単で且つ
コストの低廉化をも図り得、その上被乾燥物の出
し忘れをより確実に防止し得る極めて実用的な乾
燥機を提供するにある。

以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明するに、図中先ず１は外箱、２はその前面に形
設した出入口、３は出入口２を開閉する扉、４は
扉３に形設した排気口である。そして５は出入口
２に連ねて外箱１内に横軸回転可能に支承配設し
たドラムで、これには外箱１内の底部に配置した
モータ６から一方の駆動プーリ７及びテンシヨン
プーリ８を介したベルト９を掛け、一方、モータ
６の反対側からは他方の駆動プーリ１０を介して
ベルト１１を出し、これをドラム５後方の吸気ダ
クト部１２に配置したフアン１３に掛けている。
従つて本実施例の場合、ドラム５も、又、フアン
１３も夫々モータ６により回転駆動せられるもの
で、ドラム５はその回転により前記出入口２から
収容した図示しない被乾燥物を撹拌し、又、フア
ン１３は吸気ダクト部１２を通じて機外の空気を
吸入する。そこで更に１４はフアン１３が上述の
如く吸気して起こした風を熱する様に設けたヒー
タで、これによる熱風をドラム５の奥端部に形設
した通風口１５からドラム５内に送入せしめ、以
て前記被乾燥物を乾燥させる様にしている。而し
て１６は上述の通風口１５が存するドラム５内の
奥端部、中でもその略中央に設けた凸面鏡で、詳
細にはステンレスやアルミニウム等の金属から成
り、その外縁部に複数個突設した脚部１６ａの夫
夫を前記ドラム５内の奥端部略中央に曲げ止めす
ることによつて取付け、更に又、その外縁部には
エツジカバー１７を装着している。

さて、上記の様な構成として本実施例の場合、
ドラム５内の様子はそのすべてが凸面鏡１６に出
入口２に向かつて映し出されるもので、勿論、そ
の出入口２から覗く使用者にとつて死角となるド
ラム５内前方の下部隅所に残し易い被乾燥物もそ
の凸面鏡１６に映し出されるものであり、しかも
ドラム５が如何な位置で回転を停止しようともそ
れを凸面鏡１６一個で変わりなく映し出し得るも
のであるから、従来の様な数個の組付けを要せず
一個の組付けのみにて作業を大幅に簡略化し得、
且つコストの低廉化も充分に果すことができる。
又、上述の様な凸面鏡１６によれば、ドラム５内
のバツフル５ａ部分に位置した被乾燥物も残さず
映し出すことができ、更に出入口からの光も充分
に届いて明るく、又、その出入口から使用者が逐
一覗き込むようにしなくても充分に見え、そして
洗濯機など他の機器の上方に置いて使用した場合
にも問題なく見えるもので、よつて被乾燥物をす
べて残さずに取出し得るものであり、殊に乾燥機
の全体を洗濯機の上方など高所に置いて使用する
場合の様に出入口２が使用者の目の高さや或いは
それ以上の高さにくる反面ドラム５の内部特に下
部が一段と見難くなる様なものでも、上記凸面鏡
１６によれば被乾燥物を残さず映し出して使用者
に見させることができ、従つて一層確実な効果を
得ることができる。そして更に本実施例の場合、
凸面鏡１６を設けたドラム５内の奥端部には乾燥
のための熱風を通す通風口１５が存するもので、
斯様に通風口１５が存する部所であつても、その
中央部に設けた凸面鏡１６はドラム５内の全部を
映し出すのに小径のもので事足り、よつてその周
囲に於ける通風口１５の配置等にも格別な制約を
与えず、乾燥のための熱風を通す該通風口１５を
所望の個数、所望の形態で設けることができ、乾
燥機の性能を良好に確保することができる。加え
て、このドラム５内の奥端部の略中央に設けた凸
面鏡１６によれば、それがドラム５内に突出した
形態を呈すため、中央に位置しながらも該凸面鏡
１６には乾燥運転中撹拌される被乾燥物が極めて
接触し易く、従つてその被乾燥物により凸面鏡１
６が磨かれ、よつて被乾燥物の映し出しも常によ
り鮮明に行なうことができ、しかもこの場合凸面
鏡１６の磨きを使用者が逐一行なう必要がないこ
とから、実際の使用上大いに便利ならしめ得る。

尚、凸面鏡１６を取付けるドラム５内の奥端部
としては、其処を外箱１の後壁が兼ねる静止形の
ものであつても良いし、又、通風口１５は上記実
施例の場合要するに吸気用であるが、それに限ら
れず逆の排気用であつても良いもので、何れにし
ても本考案の要旨を逸脱するものではない。

その他、本考案は上記し且つ図面に示した実施
例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱し
ない範囲内で適宜変更して実施し得る。

以上、要するに本考案は、出入口から被乾燥物
を収容して回転されるドラムを有し、このドラム
の内部に熱風を供給して前記被乾燥物を乾燥させ
る様にしたドラム式の乾燥機にあつて、そのドラ
ム内の通風口の存する奥端部の略中央に該ドラム
内の様子を前記出入口に向かつて映し出す凸面鏡
を設けたことを特徴とするものであり、以て鏡組
付けの作業を簡略化し得ると共にコストの低廉化
をも達成し得、その上被乾燥物の出し忘れをより
確実に防止し得、又、乾燥のための熱風を通す通
風口も凸面鏡があつても格別大きな制約を受ける
とことなく所望に設けることができて乾燥性能を
良好に確保でき、更に使用者が逐一磨かずとも凸
面鏡を被乾燥物により自然に磨くことができて、
被乾燥物を常により鮮明に映し出し得、よつてそ
の出し忘れも更に確実に防止できる等、数々の優
れた実用的効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示した縦断面図であ
る。 図中、２は出入口、５はドラム、６はモータ、
１３はフアン、１４はヒータ、１５は通風口、１
６は凸面鏡である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 出入口から被乾燥物を収容して回転されるドラ
   ムを有し、このドラムの内部に熱風を供給して前
   記被乾燥物を乾燥させるようにしたものであつ
   て、そのドラム内の通風口の存する奥端部の略中
   央に該ドラム内の様子を前記出入口に向かつて映
   し出す凸面鏡を設けたことを特徴とする乾燥機。