JPS6123873Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はターレツトチユーナ、特にコイルユ
ニツトを効果的に保持するVHFチユーナにおけ
るターレツト保持手段の改良構造に関する。

従来、ターレツト式VHFチユーナでは選局軸
にコイルユニツトのドラム状ターレツトを構成す
るのに三枚の保持板を用いて行なつていた。これ
にデテントホイールを固定して節動機構を組み込
むと使用する部品点数が多くなつて取付スペース
を大きくしたり作業性を煩雑にしたりしていた。
その結果、小型化チユーナの提供やコスト低減化
に対して問題点として残されていた。

従つて本考案の目的は上記欠点に鑑み提案され
たものであり、部品点数を減少して小型化且つロ
ーコスト化に有利なVHFチユーナのターレツト
構造を提供することにある。

本考案によれば、ターレツト構造における複数
個のコイルユニツトは実質的に２個の保持板で保
持される。加えて、デテントホイールがシヤーシ
ベース枠内へのの配置を可能にしたのでこれの取
付部品を少なくするる。更に、各コイルユニツト
の微調ネジの支持を一方の保持板に一体形成した
係留片で係留することで微調ネジ用保持部品を省
略するなど構成の簡素化が計られた。

以下、本考案に係る実施例により図面を参照し
つつ詳述する。

第１図乃至第４図は、従来のターレツト式
VHFチユーナについて、本考案に係る改良点の
前提となる構造を示す。例えば、第１図に示す通
りターレツトチユーナはシヤーシベース１に回転
可能に軸架した選局軸２から成るターレツト体で
構成される。この選局軸２上には弾性金属保持板
３、シールド金属保持板４及び絶縁保持板５の３
枚の保持板が固定され、各保持板周辺部に多数の
コイルユニツト６が装着されターレツト体を構成
している。また、選局軸２にはシヤーシベース１
の外側にデテントホイール７がプツシユナツト８
を用いて取付けられ、これに第３図に示す如きト
ーシヨンバースプリング９の一方のアーム１０が
弾接される。一方、このバースプリング９は支点
部分をシヤーシベース１に係留して取付けられて
おり、他方のアーム１１が選局軸２の軸受を形成
している。

一方、コイルユニツト６は一端部に微調ネジ１
２が配置され、弾性保持具１３により係留保持さ
れててコイルユニツト６の絶縁支持体に巻回した
共振コイル１４内を進退自在に移動する。すなわ
ち、絶縁体の凹部１５内部で微調ネジ１２の位置
を可動させ共振コイル１４のインダクタンスを可
変させ微同調させる。この微同調操作は、第１図
の選局軸２上に設けられた微同調機構により達成
される。このようなターレツトチユーナにおい
て、３枚の保持板にコイルユニツトを組み込む作
業が比較的面倒であるほか、選局軸上への保持板
やデテントホイール等の組み立て用部品数が多く
なる欠陥があつた。加えて、シヤーシベースを介
しての配置から小型化に対して制約される等の欠
点があり、更には、微調ネジの支持構造にも弾性
保持具１３の使用などの問題があつた。

第５図乃至第１１図は上記欠点を解消するため
に提案される本考案に係るVHFチユーナについ
ての要部を示している。

第５図において、本考案及のターレツト式
VHFチユーナ２０は略コ字状のシヤーシベース
２１に選局軸２２が支軸されると共にこの軸上に
複数個のコイルユニツト２３を装備する非弾性材
金属保持板２４及び弾性材プラスチツク保持板２
５の保持手段が固定される。また、選局軸２２に
節動的亭回転を与えるべくデテントホイール２６
がシヤーシベース２１内の選局軸２２に固定さ
れ、シヤーシベースの背面板２７を部分的に折曲
して係留された板バネ２８により弾接される。選
局軸２２への保持板２４，２５及びデテントホイ
ール２６の装着は段状に面取りされた選局軸２２
にそれぞれのフランジ付中央孔部分を挿入して所
定位置に固定されるが、位置決めには選局軸の段
状面又はテーパ面が利用される。すなわち、第６
図に示すように、選局軸２２の後端より、先ず、
プラスチツク板２５が選局軸２２の面取り断面と
略一致する中央孔により挿入され、第１の所定位
置の段状面に当接する位置に取付けられ、次いで
金属板２４が第２の所定位置に圧入嵌着され、更
にデテントホイール２６が第３の所定位置に取付
けられる。ここで、注目すべきことはコイルユニ
ツト２３の保持手段が２枚の保持板により構成さ
れたことであり、ターレツト中央部の空間を利用
してデテントホイール２６に補強用ハブ部２９を
設け、略Ｕ字形シヤーシベース１の内側にこの突
デテントホイール２６を配置したことにある。こ
の構成は第１及び第２図に示す従来例に比べて保
持板の使用点数を減じ、デテントホイール用プツ
シユナツトを省略してシヤーシベース背面板を利
用すると共にスペースの有効利用を計つて小型化
に好適する。

一方、２枚の保持板２４，２５の周辺部の受入
溝で保持される多数のコイルユニツト２３にはそ
の先端に微調ネジ３０を具備しており、シヤーシ
ベースの前面板３１上の微同調機構３２の操作に
より微同調調整される。微同調機構３２は、例え
ば、選局軸２２上のフランジギヤ付微調軸３３、
前面板３１と微調軸３３間に弾圧介在した板バネ
３４、及びこの板バネ３４の動きで位置を変えて
選択されたコイルユニツト２３の微調ネジ３０に
微調回転を伝達する揺動ギヤ３５とから構成され
る。選局軸２２のチヤンネル選局操作は所望する
チヤンネルのコイルユニツト２３をシヤーシベー
ス２１に固定された固定側接点群のターミナル３
６に電気的接続するものであり、シヤーシベース
２１に組み込まれたチユーナ主要回路（図示せ
ず）によつて所望するチヤンネルの同調が達成さ
れる。

ここで、選局軸２２をシヤーシベース２１に支
軸するために、シヤーシベース前面板３１の軸受
部では弾圧バネ３７が選局軸２２を直接弾圧する
のに対しシヤーシベース背面板２７の軸受部では
デテントホイール２６に弾接する板バネ２８の弾
圧が選局軸２２の軸受部に作用する。従つて、各
シヤーシ板のＶ字形軸受部で選局軸は軸架される
こととなる。尚、各軸受部での弾圧力は、固定側
接点群ターミナル３６からコイルユニツト２３に
印加される弾圧力の方向に対し互に加重する方向
に選定されるのが望ましい。

次に本考案の一つの特徴であるデテントホイー
ル２６のシヤーシベース２１内への配置構造と関
連して、第５図及び第７図を参照しつつ、選局軸
の節動機構について述べる。前述した通り、保持
体を２枚の保持板２４，２５で構成することから
シヤーシベース背面板２７の内側部分の空間が利
用され、ここにデテントホイール２６を含む節動
機構が構成される。デテントホイール２６は、第
５図に示す通り、内方側に延びたハブ部２９を設
けて補強されると共に反対側に突出部３８を設
け、背面板２７との摩擦を軽減して選局軸２２の
所定位置に取付けられる。このデテントホイール
２６に略Ｌ字形に折曲した板バネ２８がその周辺
面に弾接され所望する節動機能を得る。特に第７
図に示す通り、シヤーシベース２１の背面板２７
の一部分を折曲して切曲片４０乃至４３を設け、
これらの切曲片を板バネ２８の停止手段、係留手
段に利用される。従つて、実質的に板バネ２８及
びデテントホイール２６の二点部品で節動機構が
構成される。尚、切曲片４０は板バネ２８の終端
位置に対応して設けられ、選局軸２２に対する弾
圧力にの反対方向の偶発力が生ずるとき板バネ２
８を突停止させるストツパとして用いられる。ま
た、切曲片４１，４２及び４３はそれぞれの位置
で板バネ２８の支点として係留点を構成する。更
に、このバネ２８の弾圧力は前面板２７の切欠部
４４に嵌合した選局軸２２に対し固定側接点群タ
ーミナルの押圧方向に反対する方向に印加され
る。

第８図及び第９図は、本考案の重要な特徴であ
るコイルユニツト２３に対する非弾性材金属保持
板２４での取付状態を示している。ここで保持板
２４はコイルユニツト２３のRF段の入出力回路
用コイルをシールドするため金属板で作られ、且
つ本考案の特徴である特定形状のコイルユニツト
受け入れ用の収容溝５０をその周辺に形成してい
る。この収容溝５０はコイルユニツト２３の金属
板側対応位置に設けた窪み部分５１を嵌め込まれ
るように形成されており、収容溝５０の底辺側に
は切欠部５２が設けられ、コイルユニツト２３の
窪み部分５１の傾斜面５３をこの切欠部５２に進
入させることで、コイルユニツト２３の放射方向
への離脱を阻止している。ここで、傾斜面５３を
切欠部５２に進入させるには別の保持板として弾
性プラスチツク板２５を用いコイルユニツト２３
を軸方向に弾圧することで達成される。第８図は
コイルユニツト２３が非弾性材金属板２４の収容
溝５０に完全に収納された状態を示す断面図であ
り、これによつて放射方向及び円周方向の動きは
確実に規規制され、更に軸（スラスト）方向に対
してもプラスチツク板２５の弾圧力によつてコイ
ルユニツトの動きを制約する。

第１０図及び第１１図は本考案の他の重要な特
徴であるコイルユニツト２３に対する弾性材プラ
スチツク保持板２５での取付状態を示している。
ここでのプラスチツク保持板２５は従来例として
示す第４図の弾性保持具手段がプラスチツク保持
板２５と一体に成形加工され使用部品点数の低減
に大きく寄与している。プラスチツク保持板２５
はその周辺にコイルユニツト２３を受け入れる収
容溝５５が形成され、その底面部には爪状係留片
５６が一体成形され、微調ネジ３０を弾力的に支
持している。従つて、微調ネジ３０はこの爪状係
留手段により第４図の従来の弾性支持具と同様に
回転自在に支持されることとなる。

一方、このプラスチツク保持板２５でのコイル
ユニツトの保持はコイルユニツト２３に設けた突
起部分５７と保持板２５の収容溝５５に隣接して
設けたスリツト５８，５９及び係止片６０の共働
によつて達成される。すなわち、スリツト５８，
５９を設けることで、収容溝５５は拡開自在とな
り、係止片６０があつてもコイルユニツト２３の
所定位置を収容溝５５に嵌合させる。ここで、注
目すべきことは、コイルユニツト２３の２枚の保
持板への装着に際し、先ず、金属保持板２４の収
容溝５０にコイルユニツト２３の窪み部分５１を
嵌合し、次いでプラスチツク保持板２５の収容溝
５５を弾力的に拡開し、且つ全体を前方側に倒す
ようにすると共にコイルユニツト２３を軸方向後
方側に押圧しつつ、その突出部分５７に隣接する
位置がプラスチツク保持板２５の収容溝５５に嵌
着される。従つて、嵌着されたコイルユニツト２
３は係止片６０で放射方向坑への離脱が阻止され
ると共に、プラスチツク保持板２５の弾力が突出
部分５７に付与され軸方向に押圧されてターレツ
ト状に保持兎されることとなる。また、スリツト
５８，５９はコイルユニツト２３を挾着するに効
果的な弾力を付与する。その結果、コイルユニツ
ト２３は所定位置に保持され固定側接点群ターミ
ナルとの電気的接続を得る。

第１０図はプラスチツク保持板２５で保持され
るコイルユニツト２３に関し微調ネジ３０を挿着
したとこきの爪状係留片５６の係合状態を示して
いる。微調ネジ３０は第５図に示す微同調機構３
２により駆動されるが、本考案によれば、微調ネ
ジ３０の支持手段も牢プラスチツク保持板２５が
利用されることとなる。

前述する本考案のターレツトチユーナは複数個
のコイルユニツトの保持手段が２枚の保持板で構
成する簡素化構造に改良され、この簡素化構造が
デテントホイールのシヤーシベース内への装着を
可能にして節動機構の改良を達成した。一方、２
枚の保持板のうち一方を弾性材プラスチツク板と
することでコイルユニツト用微調ネジの係留手段
を一体成形させ、部品点数の大幅な低減を計つ
た。従つ、部品点数の低減により作業能率の向上
が計られ、スペースの有効利用による小形化を可
能にした安価で量産可能なターレツトチユーナが
提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のターレツトチユーナの要部側面
図、第２図乃至第４図は第１図のチユーナに用い
られた部分の分解斜視図、第５図は本考案に係る
ターレツトチユーナの側面図、第６図は第５図の
ターレツト体の部分的斜視図、第７図は第６図の
７−７線に沿つた断面図、第８図は第６図の金属
保持板部分の装着断面図、第９図は第８図の部分
的分解斜視図、第１０図は第６図のプラスチツク
保持板部分の装着断面図、及び第１１図は第１０
図の部分的分解斜視図である。 ２１……シヤーシベース、２２……選局軸、２
３……コイルユニツト、２４……非弾性材金属保
持板、２５……弾性材プラスチツク保持板、２６
……デテントホイール、２７……背面板、２８…
…板バネ、３０……微調ネジ、３１……前面板、
３２……微同調機構、５０……収容溝、５１……
窪み部分、５２……切欠部、５３……傾斜面、５
５……収容溝、５６……爪状係留片、５７……突
出部分、５８，５９……スリツト、６０……係止
片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 固定側接点群を組み込んだシヤーシベースで
   支軸される選局軸に複数個のコイルユニツトを
   装着する保持手段を固定し、この選局軸の節動
   回動により前記コイルユニツトの一個を選択し
   て前記固定側接点群と接続させて所望するチヤ
   ンネルを選局するVHFチユーナであつて、前
   記保持手段は前記コイルユニツトに対して放射
   方向への離脱を阻止する切欠部のある収容溝を
   設けた非弾性材金属保持板、および前記コイル
   ユニツトに対して、放射方向への離脱を阻止す
   る係止片のある収容溝と周辺方向恒に弾圧挾着
   させるべく前記係止片のある収容溝に隣接設置
   したスリツトとを設けた弾性材プラスチツク保
   持板を具備し、前記コイルユニツトは略中央に
   窪み部分と端部側に突出部分を有し、このコイ
   ルユニツトを先ず、前記窪み部分を前記金属保
   持板の収容溝に嵌合し、次いで、軸方向後方側
   に押圧しつつ前記突出部分に隣接する位置を前
   記プラスチツク保持板の収容溝に圧入嵌着し、
   前記プラスチツク保持板の弾力を前記突出部分
   に付与しつつ前記保持手段の所定位置に装着さ
   せることを特徴とするターレツトチユーナ。 ２ 前記コイルユニツトは進退自在の徴調ネジを
   具備し、前記プラスチツク保持板は前記徴調ネ
   ジに係合してこれを弾力的に支持する爪状係留
   手段を一体成形して具備する実用新案登録請求
   の範囲第１項記載のターレツトチユーナ。 ３ 前記選局軸は前記シヤーシベース内に配置し
   たデテントホイールを具備し、前記シヤーシベ
   ースの所定位置で係留される折曲した板バネを
   前記デテントホイールに弾接して前記選局軸の
   節動回動を構成した実用新案登録請求の範囲第
   １項に記載のターレツトチユーナ。 ４ 前記コイルユニツトは前記窪み部分に前記金
   属保持板の収容溝の切欠部に嵌め込まれる傾斜
   面を設けた実用新案登録請求の範囲第１項に記
   載のターレツトチユーナ。