JPS6121595Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は遠心圧縮機のインテークボツクスに関
する。

空気を圧縮機インペラの軸方向から流入させて
外周部から半径方向に流出させ遠心力により圧縮
空気を得るようにした遠心式の圧縮機で、殊に空
気取入れ口の開口部がインペラの軸とは直角の一
方向に設けられている型式のものがある。かかる
型式の圧縮機にあつては、インペラへの空気の流
入経路が複雑となり圧縮機の性能に影響するので
種々な配慮が必要とされる。

第１図Ａはこのような圧縮機における従来のイ
ンテークボツクス構造の一例を示すもので、開口
部１から流入する空気はインテークボツクス２の
気体通路３に設けられた整流用のベルマウス４か
ら圧縮機の羽根車（インペラ）５に流入し、回転
軸６の回りに高速回転するインペラ５の遠心力に
よつてデイフユーザ７に送り込まれる。８は回転
軸６にカツプリング９で連結された補機駆動軸で
あり、駆動軸８の回りにはインペラ５のハブ５Ａ
に連らなる平滑な気体通路３を形成するために、
コーン型のハブ１０が設けられている。ここで、
矢印１１，１２および１３は、開口部１からベル
マウス４に導かれインペラ５に流入する空気の流
入経路をそれぞれ例示したものである。

しかしながら、このような従来の圧縮機のイン
テークボツクス２にあつては、開口部１からの空
気は、直接ベルマウス４に導かれてインペラ５に
流入する矢印１１のような流入経路ばかりでな
く、ハブ１０に沿つて下方に回り込みながらベル
マウス４に流入する矢印１２のような流入経路
や、更にベルマウス４の背部４Ａ側に回り込んで
からベルマウス４に流入する矢印１３のような流
入経路等種々複雑な経路をたどる。

このためにインペラ５における速度分布が周方
向において異なつたり、また流入経路によつては
曲りが多くまた経路が長くなる等、開口部１から
インペラ５までの間で大きな圧力損失が生じる。
更にまた、複雑な曲り経路となる流線では渦流を
生じ、空気が渦流の状態でインペラ５に流入する
ので、インペラ翼に流入する空気の流入角が設計
値から外れて衝突損失が大きくなり、効率の低下
をきたすと共にサージングを起し易くなるなど遠
心圧縮機の性能を低下させる。

また、第１図ＡおよびＢにおいては、矢印１２
のようなハブ１０に沿つて下方に回り込む流入経
路の空気が入り乱れるのを防ぐために旋回止め板
１４が設けられているが、このような旋回止め板
１４を設けても矢印１３のようにベルマウス４の
背部４Ａ側から回り込んでくる経路の空気が互い
に干渉しあい旋回止め板１４近傍で渦流が発生し
てしまう。

本考案の目的は、このような従来の問題点を解
決して、インペラ軸と直角の一方向に開口部を有
し、開口部から流入空気をベルマウスの周囲に設
けた流路からベルマウスに導き、ベルマラスから
インペラに流入させるようにした遠心圧縮機のイ
ンテークボツクスにおいて、開口部のベルマウス
側端部からインテークボツクスの開口部とは反対
側にあたる底部に向けて傾斜させ、ベルマウスの
周囲を斜めに囲むようにした仕切壁を設け、ベル
マウスの裏面側にまわり込んだ空気流がインテー
クボツクスの底部側に導かれて流れを乱すのを抑
制し、無理な流入経路によらずベルマウス入口に
導かれるように構成したインテークボツクスを提
供することにある。

以下に図面に基づいて本考案を説明する。

以下で第１図ＡおよびＢと同様の箇所には同一
符号を用いるものとする。

第２図Ａは本考案の一実施例を示すもので、２
０は仕切板であり、開口部１から開口部１とは軸
６に対して反対側にあたるインテークボツクス２
底部にかけて斜めに設け、ボルト２１によつて壁
面に固定する。仕切板２０をベルマウス４の外周
を斜めに囲んだように取付けることにより、第１
図ＡおよびよびＢに示した矢印１３のような流入
経路がなくなり、たとえ第２図Ｂに示したような
速度分布に歪のある流れの空気が開口部１から流
入する場合にあつても、気体通路２２ではこのよ
うな流れを仕切板２０によつて整えベルマウス４
入口へと歪の少ない流れを提供することができ
る。

第３図は本考案の他の実施例を示すもので、本
例は仕切壁３０をベルマウス４およびインテーク
ボツクス２と一体に形成したものである。本例で
はベルマウス背部４Ａ側下方の無駄なスペースを
除去することができるほかは第２図に示す例とな
んら変わらない。

以上説明してきたように、本考案によれば、遠
心圧縮機の開口部からインテークボツクスの底部
にかけて、ベルマウスを囲むようにして斜めに仕
切を設け、気体通路をインテークボツクスの底部
に行くに従いしぼるように形成したので、ベルマ
ウスの背面から気体が流れ込まず、ベルマウス入
口部において速度分布に歪の少ない流れが得ら
れ、殊にインテークボツクス上流における流れに
速度分布の歪があるようなときでもこれを均質な
ベルマウスへの流れとすることができ、渦流の発
生が抑制できるので、遠心圧縮機における性能を
改善することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ＡおよびＢは従来の遠心圧縮機における
インテークボツクスの構成の一例を示す断面図お
よびその気体通路をベルマウス入口側から見て示
す正面図、第２図Ａおよび第３図は本考案遠心圧
縮機のインテークボツクスの構成の一例をそれぞ
れ示す断面図、第２図Ｂは流入気体の速度分布を
示す線図である。 １……開口部、２……インテークボツクス構
造、３……気体通路、４……ベルマウス、４Ａ…
…背部、５……インペラ、５Ａ……ハブ、６……
回転軸、７……デイフユーザ、８……補機駆動
軸、９……カツプリング、１０……ハブ、１１，
１２，１３……矢印、１４……旋回止め板、２０
……仕切板、２１……ボルト、２２……気体通
路、３０……仕切壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インペラ軸と直角の一方向に開口部を有し、該
   開口部から流入空気をベルマウスの周囲に設けた
   流路からベルマウスに導き、該ベルマウスからイ
   ンペラ軸に流入させるようにした遠心圧縮機のイ
   ンテークボツクスにおいて、前記開口部の前記ベ
   ルマウス側端部から前記インテークボツクスの前
   記開口部とは反対側にあたる底部に向けて傾斜さ
   せ、前記ベルマウスの周囲を斜めに囲むようにし
   た仕切壁を設けたことを特徴とする遠心圧縮機の
   インテークボツクス。