JPS6121338Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 土工車輛に適用される最近の法律は、土工車輛
の操作員及び傍観者がさらされる騒音レベルに非
常に強い制限を課している。これらの制限を十分
に満たし、過度の騒音レベルから人間及び環境を
守るために、土工機械の騒音発生要素に対する音
響システムが発達してきた。そのような騒音減衰
システムの例は、本出願人に譲渡された米国特許
出願（出願人；ハロルド・エル・レインスマ、名
称：スプロケツト歯及びトラツク用の騒音減衰衝
撃吸収手段）に見られる。

本明細書にて説明される騒音発生要素は、装軌
式車輛のスプロケツト・ホイールによつて駆動さ
れるトラツク・チエーンである。このような車輛
では、トラツク・チエーンがその回りに駆動され
るスプロケツト・ホイールとトラツク・チエー
ン・ブツシングとの係合に伴う衝撃によつて騒音
が発生する。騒音は、トラツク・ブツシングと回
転スプロケツト・ホイールのノツチとの金属同志
の接触により生じる。

衝撃を緩衝し騒音を吸収するための手段が設け
られている装軌式システムは、米国特許第
2003528号、第2412122号、第3057219号、第
3563614号、及び第3680929号に記載されている。

トラツク・チエーンがスプロケツト・ホイール
に掛かる際及びこれから離れる際に生じる摩耗及
び強い衝撃力に耐え得る手段にして、装軌式車輛
のトラツク・チエーンに設置される安価にして効
果的な騒音抑制手段を提供するこが非常に望まれ
ている。

本考案の目的は、トラツク・チエーン・ブツシ
ングがスプロケツト・ホイールのノツチと強く係
合するときに発生する騒音を実質的に減じる安価
にして効果的な騒音抑制手段を提供することであ
る。

本考案の他の目的は、各リンクのトラツク・ブ
ツシング間にて装軌式車輛のトラツク・チエーン
の周上内側に配置された複数個の騒音減少衝撃吸
収装置を提供することである。

本考案の更に他の目的は、弾性エラストマー圧
縮ばねがトラツク・チエーンとスプロケツト・ノ
ツチとの係合に関連した衝撃を吸収し、そしてこ
の圧縮ばねがスプロケツト・ホイールの歯の金属
性外側半径方向部分と直接に係合する摩耗板手段
により保護被覆されている騒音減衰装置を提供す
ることである。

本考案の更に他の目的は、各リンクに対して取
脱し可能な騒音抑制衝撃吸収手段を利用する、ス
プロケツト・ホイールと共に使用されるトラツ
ク・チエーンを提供することである。

本考案の更に他の目的は、トラツク・ブツシン
グとの駆動係合によつて大きく摩耗する傾向のあ
るスプロケツトのノツチの摩耗を軽減して騒音減
衰装置の騒音減衰能を害しないようにすることで
ある。

本考案は、駆動スプロケツトを備えた装軌式車
輛のトラツク・チエーンの衝撃を吸収するための
騒音減衰装置であつて、該駆動スプロケツトは周
囲に所定の角度を置いて配置された複数個のノツ
チ及び歯を有し、該歯の各々は外側先端を有し、
該トラツク・チエーンは複数個のリンク部分を有
し、該リンク部分の各々はそれぞれの隣接するリ
ンク部分に対してピン及びブツシングによつて関
節連結されており、該ブツシングは該駆動スプロ
ケツトのノツチと係合して該トラツク・チエーン
を駆動するようになつつているところの、騒音減
衰装置において、弾性材料のパツドと、金属製摩
耗板と、該パツド及び摩耗板を該ブツシングの中
間位置においてトラツク・シユーの内側表面に取
付けかつ調整可能の圧縮予負荷力を該パツドに加
えてパツドのエネルギ吸収特性を高めるための手
段とを具備し、該摩耗板は該パツドによつて支持
されかつ該スプロケツトの歯の外側先端にのみ直
接係合してスプロケツトのノツチには係合しない
ようになつていて、ブツシングとの係合による該
ノツチの摩耗を軽減して騒音減衰装置の騒音減衰
能を害しないようになつていることを特徴とする
騒音減衰装置を提供する。

本考案の騒音減衰装置は、車輛のトラツク・チ
エーンに設置された複数個の衝撃及び騒音吸収装
置を含む。各装置は、ばね手段即ち弾性エラスト
マー材のパツド部材と、スプロケツトの歯の外側
先端と直接係合しスプロケツトのノツチとは係合
しない摩耗板を含む。各装置は、トラツク・シユ
ーが取付けられているリンクの各ブツシングの間
のトラツク・シユー上に設けられている。パツド
部材は、パツド部材のエネルギ吸収特性を保護し
強めるために装置内の手段により予め圧縮されて
いる。この装置は、好ましくはトラツク・ブツシ
ングがスプロケツトのノツチと係合する前にスプ
ロケツトの歯の端部と係合するように配置されて
いる。更に好ましくは、この装置は、要素のこす
りを減じるために、駆動作用の終了後にトラツ
ク・ブツシングをノツチから迅速に取脱するよう
にトラツク・チエーンをスプロケツト・ホイール
から偏寄させる様な位置に配置されている。更
に、この装置には、前縁が隣接トラツク・シユー
の金属面に接合する前に弾性材と出合うように、
各トラツク・シユーの前縁と弾性係合する面が設
けられていることが好ましい。

本考案の騒音減衰装置においては、上述のよう
にに摩耗板はスプロケツトの歯の外側先端に直接
係合し、スプロケツトのノツチとは係合しないよ
うになつているので、スプロケツトのノツチの摩
耗による騒音減衰能の劣化が実質的に防止され
る。

本考案の他の目的と利点は以下の記載と図面か
ら明らかになるのであろう。

図面、特に第１図及び第２図を参照して説明す
ると、本考案の騒音抑制手段が無端トラツク・チ
エーン１２と関連して全体として１０で示されて
いる。この無端トラツク・チエーンは、関節連結
された複数個のリンク部分１４から構成されてお
り、各リンク部分は、横方向に間隔をおいて配置
されれた一対のリンク部材１６及び１７とボルト
１９によりリンク部材に固定されたトラツク・シ
ユー部材１８を含む。各トラツク部分は、ピン２
０とブツシング２１とによつて隣接するトラツク
部分に関節連結されている。トラツク・シユー部
材１８は、内面２４並びに隣接するシユーの従縁
２６上に位置する前縁２５を有する。

トラツク・チエーン１２は駆動スプロケツト２
７上に回転可能に設置されている。スプロケツト
２７は、その円周上に所定の角度を置いて配置さ
れた複数個のノツチ２８を有し、ノツチとノツチ
の間は半径方向に延びた歯部材３０となつてい
る。歯部材３０の各々の最も外側の部分３１は平
坦になつている。駆動スプロケツト２７は“ハン
テイング”型であり、トラツク・ブツシング間の
ピツチ長さの半分の間隔で配置された奇数個のノ
ツチを有し、トラツク・チエーンを駆動するため
に交互に使用される２組の歯を有するスプロケツ
トとなつている。

騒音抑制手段１０は、各リンク部分の隣接する
トラツク・ブツシング２１間の空間内に配置され
たゴム或いはその他の弾性材の圧縮パツド或いは
ばね手段３２を備えている。ばね手段は、リンク
部材１６と１７との間に配置され、トラツクシユ
ー１８上に支持されている。図示の如く、ばね手
段のスプロケツトと係合する側には硬化摩耗金属
板手段３３が結合されていて、スプロケツト歯３
０の外側先端３１と係合するようになつている。

ばね手段３２及び摩耗板３３は、一対のボルト
３５及びナツト３６によりトラツク・シユー１８
の内面２４に取付けられている。ボルト及びナツ
トは、ばね手段に加わる力を調節して、これに予
負荷がかかるように作用する。騒音抑制装置は、
歯表面３１と摩耗板３３との間の接触が、ブツシ
ング２１と関連するスプロケツト・ノツチ２８と
の間の接触よりも先に行なわれるような寸法にな
つている。従つて、ブツシングとノツチとの接触
によつて起こる実質的な衝撃とそれに伴なう騒音
が大幅に減少せしめられる。

第３図及び第４図は、第１図及び第２図に示さ
れた騒音抑制手段を少し変形した実施例を示して
いる。全図面に於いて同じ部品には同じ数字を付
している。

第３図について説明すると、騒音抑制手段１０
は、内部板４１が結合されているゴム製圧縮パツ
ド４０を備えている。板４１は、パツド４０をナ
ツト４４によつてトラツク・シユー１８に固定す
るための植込みボルト４２を有する。同様に、パ
ツドのスプロケツト歯と係合する側には硬化金属
摩耗板４５が結合されていて、歯３０の先端３１
と係合する。内部板４１には、その一つが第３図
に示されている半径方向内側に延びた一対のＬ型
アーム４６が設けられている。このアームは、摩
耗板４５の横方向側面を越えて延びていて、先の
実施例にてボルト３５及びナツト３６により行な
われたのと同じ方法にて、圧縮パツド４０の半径
方向の膨張を制限してこれに予負荷をかけてい
る。

第４図について説明すると、騒音抑制手段１０
は、図示の如く圧縮パツド５０の縁を越えてブツ
シング２１の下まで延びている傾斜フランジ部分
５３及び５４を有するる金属摩耗板５１が結合さ
れている圧縮パツド５０を備えている。騒音抑制
手段をリンク部分内に維持し且つ圧縮パツドに予
負荷をかけるために、摩耗板５１がスプロケツト
歯３０の端部３１からはずれると部分５３と５４
が隣接するブツシング２１に係合する。騒音抑制
手段はリンク部材とトラツク・シユーとブツシン
グとの間に形成された空間内に厳密に囲まれてい
るので、先に述べた場合の如くの騒音抑制手段を
トラツク・シユーに固定するための手段は必要で
ない。

騒音抑制手段の実施例にて、スプロケツト・ノ
ツチ２８内にてブツシング２１と係合する前に各
摩耗板３３，４５及び５１がスプロケツト歯３０
の先端３１と接触する機能について説明した。ブ
ツシングとスプロケツト・ノツチとの相対係合速
度は、圧縮パツド３２，４０及び５０にエネルギ
が吸収され蓄えられることにより減少せしめられ
る。圧縮パツドの各々に与えられた予負荷は、使
用材料の疲れ寿命を改善し、圧縮パツドのエネル
ギー吸収を増大せしめる。

圧縮パツドは、その下側の各隣接トラツク・シ
ユーの前縁２５が隣接シユーの従縁２６の一つと
係合する前に圧縮パツドの一つと係合するような
寸法に定められている。これによつて、そのよう
な要素間にての金属と金属との接触により生じる
騒音が減少せしめられている。

ばね手段の圧縮負荷率は、作動中にトラツクが
スプロケツトに掛かつたりこれから脱れる際に、
スプロケツト・ノツチと完全に駆動係合していな
いブツシングを移動させて非係合にせしめるに充
分なものである。従つて、トラツクがスプロケツ
トに掛かつたりこれから脱れる際に連続した摩耗
板によつて起こるこすり（scrubbing）作用が回
避される。

好適実施例を参照して本考案を説明したが、本
考案の範囲から逸脱することなく変形が可能であ
ることは説明するまでもなく明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は装軌式車輛の部分断面図で、スプロケ
ツト・ホイールとこれに係合するトラツク・チエ
ーン部分を示している。第２図は第１図の部分平
面図である。第３図は第１図と同様の図で、騒音
抑制手段の他の実施例を示してい。第４図は第１
図及び第３図と同様の図で、本発明の騒音抑制手
段の更に他の実施例を示している。 １０……騒音抑制手段、１２……トラツク・チ
エーン、１４……リンク部分、１８……トラツ
ク・シユー部分、２１……ブツシング、２７……
スプロケツト、２８……スプロケツト・ノツチ、
３２……ばね手段、３３……金属板手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動スプロケツトを備えた装軌式車輛のトラツ
   ク・チエーンの衝撃を吸収するための騒音減衰装
   置であつて、該駆動スプロケツトは周囲に所定の
   角度を置いて配置された複数個のノツチ及び歯を
   有し、該歯の各々は外側先端を有し、該トラツ
   ク・チエーンは複数個のリンク部分を有し、該リ
   ンク部分の各々はそれぞれの隣接するリング部分
   に対してピン及びブツシングによつて関節連結さ
   れており、該ブツシングは該駆動スプロケツトの
   ノツチと係合して該トラツク・チエーンを駆動す
   るようになつているところの、騒音減衰装置にお
   いて、弾性材料のパツドと、金属性摩耗板と、該
   パツド及び摩耗板を該ブツシングの中間位置にお
   いてトラツク・シユーの内側表面に取付けかつ調
   整可能な圧縮予負荷力を該パツドに加えてパツド
   のエネルギ吸収特性を高めるための手段とを具備
   し、該摩耗板は該パツドによつて支持されかつ該
   スプロケツトの歯の外側先端にのみ直接係合して
   スプロケツトのノツチには係合しないようになつ
   ていて、ブツシングとの係合による該ノツチの摩
   耗を軽減して騒音減衰装置の騒音減衰能を害しな
   いようになつていることを特徴とする騒音減衰装
   置。