JPS6121277B2 - - Google Patents

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JPS6121277B2
JPS6121277B2 JP15146678A JP15146678A JPS6121277B2 JP S6121277 B2 JPS6121277 B2 JP S6121277B2 JP 15146678 A JP15146678 A JP 15146678A JP 15146678 A JP15146678 A JP 15146678A JP S6121277 B2 JPS6121277 B2 JP S6121277B2
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JP
Japan
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power transmission
boiling point
fluid
point range
fraction
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JP15146678A
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Isoo Shimizu
Eiichi Matsuzaka
Kunio Sugisawa
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、水力学的に動力を伝達することを目
的とする動力伝達機械装置に使用する動力伝達流
体の製造法に関するものである。更に詳しくは、
主としてエチレン、プロピレンを製造する際に副
生する熱分解油を酸触媒で処理し、次に実質的に
芳香族成分を含まないように水素添加することに
よつて動力伝達流体を製造する方法に関するもの
である。 従来から、自動車用トランスミツシヨン、牽引
駆動装置、水力学装置、シヨツクアブソーバ、水
圧ステアリング、クラツチ、その他の流体作動装
置には、それらを操作する際に発生する摩擦や熱
を減少させるために種々の潤滑油が使用されてい
る。しかし自動車の自動変速機で代表される動力
伝達機械装置について種々の機構が開発され、大
動力の伝達および高速化が要求されるにつれて、
これらの機構の作動に適した性能を有する流体が
要求されるようになつた。これらの複雑な機構を
作動させるためには、流体が数種類の異なつた作
用をする必要がある。流体が果たす役割として
は、動力伝達機械装置の作動部材が摩擦すること
により発生する熱の除去および摩擦を減少させる
ための潤滑作用など通常の潤滑油としての作用が
あるが、これらのみではなく他の重要な役割をも
果す必要がある。 流体によつて動力を伝達する動力伝達機械装置
は、本質的には入力部材と出力部材との点接触お
よび/または線接触によるころがり摩擦接触によ
つて、その作用を発揮する。ころがり接触面で
は、流体が作動部材に挾まれて油の薄膜を形成す
ると同時に、非常に高い圧力がその油膜に加わ
り、油膜の流動性が失われころがり摩擦が生ず
る。流体による動力伝達はこのころがり摩擦力に
よつて達成されるので、流体は接触面でのころが
り摩擦(ころがり摩擦係数で表わされる)が大き
いことが重要である。 従来から、動力伝達用流体については、米国特
許第3411369号、第3925217号、第3440894号、特
公昭47−7664号、47−35763号、48−29715号、特
開昭46−4510号、47−2229号等の技術が開示され
ており、デカリン、パービドロアンスラセン、ポ
リシクロヘキシル類、ビシクロヘキシル、ジシク
ロヘキシル類、α−メチルスチレン二量体水素化
物、アダマンタン類等を流体として使用すること
が提案されている。しかしながら上記資料中に提
案されている流体は、ころがり摩擦係数が実用に
適さないことや、工業規模での実施のためには原
料の入手が困難であること等の理由によつて実用
化されたものは多くない。特にころがり摩擦係数
が大きいものとして、特開昭47−7664号におい
て、α−メチルスチレンの線状二量体の水素化物
である2,4−ジシクロヘキシル−2−メチルペ
ンタンが提案されている。この動力伝達流体を工
業的に製造するためには、α−メチルスチレンを
線状二量化し、水素添加する方法が知られている
が、原料であるα−メチルスチレンが高価であ
り、二量化工程における副反応、例えば、環状二
量化や多量化が起こるので、目的反応のみを行う
ためには種々の改善すべき点が残されている。し
かし製造技術上の改善が加えられたとしても、高
価な出発原料を使用するので経済的に不利な点を
避けることはできない。更に流体が具備すべき重
要な要素である粘度が低いことが挙げられる。 自動車関連技術の発展にみられるように、馬力
の増大に伴い伝達動力が大きくなつてきたことに
加えて、動力伝達機械装置の作動が高速化し、作
動部材や動力伝達流体は苛酷な状態にさらされる
ことになる。従つて動力伝達流体は苛酷な条件下
で使用されるので、流体の粘度が重要な要素とな
る。高速で作動して温度が上昇した状態における
高温粘度の維持のために、上記の公開された技術
においては、粘度指数向上剤や高分子ポリブチレ
ン等の添加を提案しているが、添加される物質は
ころがり摩擦係数が小さいものであり、動力伝達
流体本来の目的には好ましくない。すなわち、高
温粘度維持の目的には合致するが、ころがり摩擦
を利用する本来の目的を犠牲にすることは避け得
ない。通常の自動車の変速機用流体に対して要求
される粘度の具体的な指数に関しては、ゼネラル
モーターズ社の「デクスロン」(商標:Dexron)
の流体規格を挙げることができる。この規格では
210〓(99℃)における最低粘度として7.0cStの
高温粘度を要求している。 本発明者らは、これら種々の要求性能を満足
し、しかも経済的に安価に動力伝達流体を製造す
る方法について研究を重ねた結果、従来から何ら
価値のない留分としてしか評価されていなかつた
副生油の特定の留分が、動力伝達流体製造用の原
料として非常に適した物である事実を発見し本発
明を完成したものである。 すなわち本発明は、石油系炭化水素を700℃以
上で熱分解して得られる沸点範囲150〜195℃の成
分を含む留分をフリーデルクラフツ触媒の存在下
で重合して石油樹脂を製造する際に得られる未反
応油留分で、沸点範囲150〜195℃の成分を主とし
て含み、かつ同沸点範囲内の不飽和芳香族炭化水
素を含む炭化水素混合物を、酸触媒の存在下に液
相で反応温度0〜200℃の条件下で処理して、沸
点範囲(常圧換算)275〜380℃の反応生成物を得
て、該反応生成物を残留ベンゼン核が2モル%以
下になるまで水素添加して、沸点範囲(常圧換
算)280〜375℃の留分を得ることを特徴とする動
力伝達流体の製造法に関するものである。 本発明の方法に使用する原料は、主としてエチ
レン、プロピレン等を得る目的で、石油系炭化水
素、例えば、ナフサ、灯油、軽油、重油、原油な
どを700℃以上で熱分解する際に得られる副生油
である。熱分解副生油のうちで、沸点範囲が150
〜195℃内の留分はC9〜C10芳香族炭化水素を主
成分としており、不飽和芳香族炭化水素として
は、アリルベンゼン、メチルスチレン、ビニルト
ルエン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン等の
スチレン類、およびインデン、メチルインデン等
のインデン類、ならびにジシクロペンタジエンを
含み、これらの成分は石油樹脂製造の際の重合可
能成分である。この留分は他にアルキルベンゼン
類、インダン類のごとき飽和芳香族炭化水素およ
び微量の脂肪族炭化水素を含む。沸点範囲150〜
195℃内の成分を含む熱分解副生油から石油樹脂
を製造するには、塩化アルミニウムもしくは三フ
ツ化ホウ素またはこれらの錯化合物のごときフリ
ーデルクラフツ触媒の存在下に、−30〜+85℃内
の任意の反応温度で重合させる。その際、上記熱
分解副生油とともに、沸点150℃以下の不飽和炭
化水素、例えば、スチレン、脂肪族オレフイン、
ジオレフイン等を重合原として併用してもよい。 本発明においては、石油樹脂製造後の未反応油
のうち、沸点範囲150〜195℃の成分を主として含
み、かつこの沸点範囲内の不飽和芳香族炭化水素
を含む炭化水素混合物留分を動力伝達流体製造の
直接の原料として使用する。 この留分は、C9およびC10の芳香族炭化水素が
主成分であり、不飽和芳香族炭化水素として、ア
リルベンゼン、メチルスチレン、ビニルトルエ
ン、エチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチ
レン類およびインデン、メチルインデン等のイン
デン類を含み、さらにジシクロペンタジエン、飽
和芳香族炭化水素としてプロピルベンゼン、エチ
ルトルエン、トリメチルベンゼン、ブチルベンゼ
ン、サイメン、ジエチルベンゼン、ジメチルエチ
ルベンゼン、プロピルトルエン等のアルキルベン
ゼン類およびインダン、メチルインダン、テトラ
リン等の飽和環状側鎖アルキルベンゼン類等を含
み、さらに微量の飽和および不飽和脂肪族炭化水
素を含む。 本発明の方法において使用する酸触媒とは、芳
香族炭化水素のアラルキル化反応およびスチレン
類の重合に活性を有する酸触媒である。本発明の
範囲を限定するものではないが、例えば、硫酸、
燐酸等の鉱酸や、酸性白土、活性白土等の固体酸
性物質、カチオン交換樹脂、およびハロゲン化金
属、例えば、塩化アルミニウム、三フツ化ホウ
素、三フツ化ホウ素錯化合物等のフリーデルクラ
フツ触媒等を使用することができる。この内実用
上好ましいものは鉱酸、固体酸性物質、カチオン
交換樹脂等である。 酸触媒による処理は、温度0℃以上200℃以下
で行うことが望ましい。温度0℃未満では、不飽
和成分が重合等によつてゲル状ないし樹脂状物に
なり好ましくない。また200℃を越える温度で
は、熱分解が生じて水素添加後の動力伝達流体の
性能に好ましくない結果を生ずる。温度は上記範
囲内であれば適宜に選択できるものであるが、酸
触媒が鉱酸またはハロゲン化金属の場合には温度
100℃以下、また固体酸物質の場合には100℃以上
で処理することが望ましい。 酸触媒による処理をすることによつて、上記未
反応油留分中の不飽和芳香族成分がそれ自身重合
したり、飽和芳香族成分にアラルキル化反応で付
加したりして、重質生成留分が得られる。この酸
触媒による処理で得られた重質生成留分は3mm
Hgの減圧蒸留で、温度140〜200℃(常圧換算で
275〜380℃)の留分として回収される。蒸留で得
られた重質生成留分は多くの成分の混合物であつ
て個々の成分をすべて確認することはできない
が、非縮合型多環芳香族の混合物であり、アルキ
ル−ジフエニルアルカン、アルキル−ジフエニル
アルケン、アルキル−フエニルインダン、アルキ
ル−トリフエニルアルカン、アルキル−トリフエ
ニルアルケン、インデン付加のアルキル−ジフエ
ニルアルカン、二分子のインデンが付加したアル
キルベンゼン、二分子のインデンが付加したアル
キルインダン等が含まれている。 つぎに、この重質生成留分を、ベンゼン核が2
モル%以下になるまで、すなわち、実質的に芳香
族成分を含まなくなる程度まで水素化することに
よつて動力伝達流体を得ることができる。 この水素化に使用する触媒としては、通常知ら
れている芳香族環水素化触媒であればいずれでも
好ましく使用できる。例えば、ニツケル、酸化ニ
ツケル、ニツケル珪藻土、ラネーニツケル、ニツ
ケル−銅、白金、酸化白金、白金−活性炭、白金
−ロジウム、白金−アルミナ、白金−リチウム−
アルミナ、ロジウム−活性炭、パラジウム、コバ
ルト、ラネーコバルト、ルテニウム、硫化タング
ステン−硫化ニツケル−アルミナ等が良好に使用
できる。水素化反応の温度は20℃以上250℃まで
の範囲が好ましい。20℃未満では水素化反応が充
分に行われず、250℃を越えると分解反応が生じ
て収率が低下する。圧力は液相を保つために必要
な圧力であればよく、常圧から100気圧までの範
囲で良好に行うことができる。反応の条件は、反
応形式、例えば、回分式または連続式で、使用す
る水素の量および圧力、反応に要する時間などの
条件によつて適宜に定める。水素化は残留するベ
ンゼン核を2モル%以下にすることが必要であ
り、0.5モル%以下であれば更に望ましい。また
水素化に際して、不活性な溶剤、例えば、パラフ
イン系溶剤やナフテン系溶剤を用いることもでき
る。 更に水素化反応後には、若干生成する分解生成
物等の軽質分を除いて、常圧換算の沸点範囲280
〜375℃に含まれる留分を得てこれを動力伝達流
体とする。本発明方法によれば、従来石油樹脂製
造後の未反応油としてその価値を顧みられなかつ
た物質を原料として使用し、有用な動力伝達流体
を得ることができる。この原料は極めて安価であ
るから、α−メチルスチレンのように高価な原料
から動力伝達流体を得ていた従来の方法と比較し
て経済的に有利である。また、本発明の方法にお
いては、原料および生成物のいずれも混合物、す
なわち留分として使用するので、成分単離のため
の精留や抽出等の経済的に負担の大きい設備や処
理を必要としない点においても極めて経済的であ
る。 以下に本発明の動力伝達流体の製造法を実施例
等により更に詳細に説明する。 実施例.本発明流体の製造 (イ) 原 料 原料は、ナフサ分解装置でナフサを800℃にお
いて熱分解することにより副生した熱分解ガソリ
ンを精密蒸留にかけて、キシレンより軽質の留分
を分離した残油を、0.4wt%の三フツ化ホウ素エ
チルエーテル錯化合物の存在下に、10℃で5時間
重合して収率35%で石油樹脂を製造し、未反応油
を精密蒸留して得られた初留150℃、終点195℃の
留分である。この原料油の組成分析値を下記の表
1に示す。
【表】
【表】 (ロ) 酸触媒による処理 上記(イ)項の原料油1Kgに対して、活性白土(水
沢化学(株)製ガレオナイト236)80gを、還流冷却
器および撹拌機を備えたガラス製反応器に仕込
み、還流温度(150〜160℃)まで加熱して8時間
撹拌した。臭素価が3.0となり、臭素価から見た
反応率が95%以上になつた時に反応を終了し、冷
却後活性白土を別した。次に常圧で留分温度
200℃になるまで軽質留分を分離し、生成した重
質油を3mmHgの減圧下で蒸留し、留出温度135〜
200℃(常圧換算280〜380℃)の重質生成留分220
gを得た。この重質生成留分は比重0.990(15/
4℃)および引火点154℃の粘稠な液体である。 (ハ) 水素化反応 (ロ)項で得られた重質生成留分220gとラネーニ
ツケル18gとを容量1のオートクレーブに仕込
み、圧力調節バルブを通じて水素ボンベと結合し
て、オートクレーブ内の圧力が35気圧に保たれる
ように調節した。撹拌をつづけながら加熱を開始
し、100℃で3時間、次に160℃で4時間加熱して
最終的に180℃で更に3時間加熱して水素化を終
了した。冷却後、触媒のラネーニツケルを過
し、水素化重質油230gを得た。水素化工程で生
成した分解物を除くためにこれを再度3mmHgの
減圧下で蒸留し、留出温度140〜195℃(常圧換算
290〜370℃)の留分225gの本発明流体を得た。
本発明流体は比重0.895(15/4℃)、粘度
83.6cSt〔100〓(38℃)〕、8.08cSt〔210〓(99
℃)〕、および引火点160℃の無色の液体である。
また紫外吸収分析の結果残留ベンゼン核は0.34モ
ル%であつた。 (ハ) 本発明流体のタイプ分析 本発明流体は多成分の混合物であり、個々の構
造の確定は不可能であるが、質量分析の結果、タ
イプと炭素数分布は次の通りであつた。 C16〜C24 ジシクロヘキシル類 C16〜C24 モノシクロヘキシルヒドロインダ
ン類 C22〜C29 トリシクロヘキシル類 C22〜C29 ジシクロヘキシルヒドロインダン
類 C26〜C29 モノシクロヘキシルジヒドロイン
ダン類 C27〜C30 トリヒドロインダン類 対照製造例. 2,4−ジシクロヘキシル−2−
メチルペンタン(DHMP)の製造 (イ) α−メチルスチレンの線状二量化 純度99%のα−メチルスチレン500g、メシチ
ルオキシド25gおよび酸性白土(水沢化学(株)製ガ
レオナイト036)5gを、撹拌機を備えたガラス
製反応器に仕込み、撹拌しつつ加熱した。温度65
℃附近で発熱反応が始まり加熱を停止した。温度
が上昇し100℃になつた時点で冷却し、温度100℃
で20分間反応させ、発熱が減少した時点で再度加
熱して、温度95〜100℃で更に3時間反応を続け
た。 反応終了後、酸性白土を別し、10mmHgの減
圧蒸留を行い、50gの軽質留分(メシチルオキシ
ドと未反応α−メチルスチレンを含む)および
415gの二量体(留出温度170〜180℃)を得た。
ガスクロマトグラフイー分析によると、この線状
二量体の純度は98%で残与の2%は環状二量体で
あつた。 (ロ) 水素化反応 上記(イ)項で得たα−メチルスチレン線状二量体
98%と環状二量体2%との混合物400gとラネー
ニツケル43gとを1のオートクレーブに仕込み
水素化を行つた。操作は前記実施例の(ハ)項と同様
に行つた。水素化工程で生成した分解物を除去す
るために、3mmHgの減圧で再度蒸留し、留出温
度145〜160℃の留分409gを得た。これを比較実
験に使用するDHMPとした。DHMPは比重
0.884、粘度22.4cSt〔100〓(38℃)〕、3.62cSt
〔210〓(99℃)〕の無色の液体であつた。また紫
外吸収分析の結果残留ベンゼン核は0.27モル%で
あつた。 すなわち上記DHMPは2%の環状二量体水素化
物と98%の線状二量体水素化物との混合物であ
る。 性能試験 実施例により得た動力伝達流体(本発明流体)
と対照製造例により得たα−メチルスチレンの線
状二量体の水素化物である2,4−ジシクロヘキ
シル−2−メチルペンタン(DHMP)および
DHMPに粘度向上剤としてポリイソブチレンを
5wt%容解したもの(DHMP−PB)を用いて動力
伝達流体の性能試能を行つた。 本発明流体が動力伝達流体としてすぐれた特性
を有することを証明するために、熱安定性および
金属腐食性試験を行つた。この試験は空気恒温槽
中で150℃の温度において120時間加熱劣化させた
後の流体について、酸性度、粘度変化および金属
試験片の重量変化を測定した。以下の表2から表
4に示す結果は下記の条件で行つたものである。 試料の量 300ml 容 器 内径70mmのガラス製円筒容器 金属試験片 鉄、銅、錫、亜鉛、銀 試験片の寸法は20mm×30mm×1.5
mmで表面積は同一である
【表】
【表】
【表】 上記の表2から表4の結果から、本発明の方法
に係る動力伝達流体は優れた流体であることは明
らかである。特に表4の結果によれば、従来品の
DHMPの粘度を向上させる目的で粘度向上剤を添
加したDHMP−PBは、金属、特に鉄、銅に悪影
響を及ぼしている。DHMP−PBの場合の銅試験
片の重量減少が大きいのは表2に示したように全
酸価が大きいことに起因しているものと考えられ
る。これに対して、粘度向上剤を添加しなかつた
本発明流体とDHMPは金属試験片への影響が少な
かつた。 動力伝達流体は、広い温度範囲で作用するため
粘度が重要な要素となる。すなわち、最初にある
一定の粘度条件を満足すると共に、使用中の粘度
変化ができる限り少ないことが重要である。表3
によれば、粘度向上剤を加えたDHMP−PBの粘
度変化は大きく、しかも粘度が減少する結果を示
している。これは添加したポリイソブチレンの熱
安定性が更に悪く、長期加熱によつて分解したも
のと考えられ、粘度向上剤を単に加えることのみ
では高温粘度を維持する目的を達し得ないことを
示すものである。動力伝達流体が最初に満たすべ
き粘度条件として、前記の「デクスロン」流体規
格がある。その規格によれば210〓(99℃)で
7.0cSt以上の数値である。次の表5に本発明流体
と比較流体2種類についての粘度測定結果を示
す。
【表】 上記の結果が示すごとく、本発明流体は粘度向
上剤を添加することなく好ましい高温粘度を維持
しているすぐれた流体である。 さらに動力伝達に最も重要な因子であるころが
り摩擦係数も、表6に示すように本発明流体は
DHMPと同等の高い数値を示している。なおころ
がり摩擦係数の測定は「潤滑」、第16巻、573頁
(1971)に記載された方法に準じて行つた。
【表】 このように本発明流体はそれ自身が高い高温粘
度を有し、しかもα−メチルスチレンのごとく高
価な原料を使用することなく製造できるというこ
とは画期的なことである。 本発明の方法により製造した本発明流体は、上
記の説明のごとくそれ自身が優れた動力伝達流体
であるが、実際の動力伝達機械装置に使用する場
合には、装置の形式、使用される条件によつて
は、通常の潤滑油の場合と同様に種々の添加剤を
添加して使用条件に適合するように特性を改善し
て使用し得ることはいうまでもない。上記の添加
剤としては、耐荷重添加剤、油性剤、耐摩耗剤、
極圧添加剤、金属表面不活性剤、さび止め剤、腐
食防止剤、清浄分散剤、流動点降下剤、あわ消し
剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤、潤滑性付与
剤、着色剤、かび防止剤、乳化剤、抗乳化剤、ス
テイン防止剤などを挙げることができ、これらは
必要に応じて添加すればよい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 石油系炭化水素を700℃以上で熱分解して得
    られる沸点範囲150〜195℃の成分を含む留分をフ
    リーデルクラフツ触媒の存在下で重合して石油樹
    脂を製造する際に得られる未反応油留分で、沸点
    範囲150〜195℃の成分を主として含み、かつ同沸
    点範囲内の不飽和芳香族炭化水素を含む炭化水素
    混合物を、酸触媒の存在下に液相で反応温度0〜
    200℃の条件下で処理して、沸点範囲(常圧換
    算)275〜380℃の反応生成物を得て、該反応生成
    物を残留ベンゼン核が2モル%以下になるまで水
    素添加して、沸点範囲(常圧換算)280〜375℃の
    留分を得ることを特徴とする動力伝達流体の製造
    方法。 2 前記酸触媒は、芳香族炭化水素のアラルキル
    化反応およびスチレン類の重合に活性を有する触
    媒からなる特許請求の範囲第1項に記載の動力伝
    達流体の製造法。
JP15146678A 1978-12-09 1978-12-09 Preparation of power transmission fluid Granted JPS5578095A (en)

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