JPH11181456A - アルキル化アニソール潤滑剤 - Google Patents

アルキル化アニソール潤滑剤

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JPH11181456A
JPH11181456A JP9304443A JP30444397A JPH11181456A JP H11181456 A JPH11181456 A JP H11181456A JP 9304443 A JP9304443 A JP 9304443A JP 30444397 A JP30444397 A JP 30444397A JP H11181456 A JPH11181456 A JP H11181456A
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lubricant
anisole
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alkylated
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JP9304443A
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Sheng Chu Alice
アリス・シェング・チュ
Mei-Sam Wu Margaret
マーガレット・メイ−サム・ウ
Shong Yusheng
ユシェング・ショング
Lewis Brewster Young
ルイス・ブリュースター・ヤング
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M105/00Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound
    • C10M105/08Lubricating compositions characterised by the base-material being a non-macromolecular organic compound containing oxygen
    • C10M105/18Ethers, e.g. epoxides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10MLUBRICATING COMPOSITIONS; USE OF CHEMICAL SUBSTANCES EITHER ALONE OR AS LUBRICATING INGREDIENTS IN A LUBRICATING COMPOSITION
    • C10M2207/00Organic non-macromolecular hydrocarbon compounds containing hydrogen, carbon and oxygen as ingredients in lubricant compositions
    • C10M2207/04Ethers; Acetals; Ortho-esters; Ortho-carbonates

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱及び酸化安定性および耐摩耗性を示
しながら、加水分解に安定な潤滑剤基礎原料または添加
剤組成物の提供。 【解決手段】 下記の構造を有するモノ−、ジ−及びト
リ−アルキル化アニソールの混合物を含有する潤滑剤成
分: 【化1】 [式中、Ra、Rb及びRcは水素であり、Ra、Rb及び
cの少なくとも1つは8〜24の炭素原子を有する第
2級アルキル基である]。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は潤滑剤基礎原料(ba
sestock)及び潤滑剤添加物として有用なアルキル化さ
れたアニソール組成物、およびその製造手段に関するも
のである。より詳しくは、本発明は加水分解安定性の、
且つ優れた耐摩耗性、熱安定性及び酸化安定性を示すア
ルキル化されたアニソール組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】天然鉱油ベースの潤滑剤の性能をオリゴ
マー炭化水素液体の合成により改良する努力が、少なく
とも50年間の石油工業での重要な研究及び開発の主題
であり、主としてアルファーオレフィン又は1−アルケ
ンのオリゴマーをベースとする超ポリアルファオレフィ
ン(PAO)合成潤滑剤が比較的最近に市場に導入され
て来た。潤滑剤の性質改良に関しては、合成潤滑剤の工
業的研究努力の突っ込みは、潤滑性、熱安定性及び酸化
安定性、および鉱油と等しいか又はそれより良好な流動
点を示すと共に、広い温度範囲に亙り有用な粘度、即ち
改良された粘度指数を示す液体へ向けられている。これ
らの新しい合成潤滑剤は、摩擦を低下させ、それにより
ウォームギヤーから牽引装置への機械的負荷の十分な範
囲にわたって機械的効率を増加させ、そして鉱油潤滑剤
よりも幅広い操作条件に亙りそのようになる。
【0003】これらの一般的に優れた性質にもかかわら
ず、PAO潤滑剤は特定の用途においてその性質を高め
るために、添加剤がしばしば配合される。より普通に使
用される添加剤としては、酸化抑制剤、錆び防止剤、金
属不活性化剤、耐摩耗性添加剤、極圧剤、流動点降下
剤、洗剤分散剤、粘度指数(VI)改良剤、発泡抑制剤
などがある。潤滑剤技術のこの点については、特にKirk
-Othmerの“Encyclopediaof Chemical Technology”第
3版,第14巻,477-526頁に記載されている。アジピ
ン酸エステル及びペンタエリトリトールエステルのよう
なエステルが普通に使用される添加剤であるが、このよ
うなエステルは一般に加水分解に不安定である。
【0004】潤滑剤技術の改良には、潤滑剤基礎原料の
不足に取り組む新しい添加剤の開発と、固有的に良好な
性質のための新しい基礎原料の開発の二つの流れがあ
る。アルキル化芳香族、特にアルキル化ナフタレンは、
米国特許第4,211,665号、第4,238,343号、第4,604,491
号及び第4,714,794号に記載されているように、耐摩耗
性、熱及び酸化安定性の潤滑剤添加剤として従来から知
られている。
【0005】エステル類は潤滑剤に使用される基礎原料
のもう一つの重要な分類、例えばペンタエリトリトール
から製造されたエステル類を形成する。これらのエステ
ルは、他の有用性のなかでも、最終潤滑剤製品の溶解作
用、封止膨潤(seal swell)及び均一性を高める。該エ
ステルは潤滑剤の性質を補い且つ補強するが、加水分解
に対して不安定性であり、これは添加剤として有用性を
危うくする問題である。摩耗性、熱及び酸化安定性、分
散作用、潤滑性及び他の臨界的潤滑摩擦を改良すること
ができる加水分解に安定な添加剤及び基礎原料の研究が
続けられている。
【0006】オレフィン混合物及び水素化生成物中のア
ルキル化アニソールのある種の組成物は有用な潤滑剤基
礎原料として当該技術において公知である。米国特許第
5,202,040号は、PAOタイプの合成潤滑剤基礎原料の
粘度を高める目的でオレフィンオリゴマーによるアニソ
ールのアルキル化を開示している。この発明は直鎖オレ
フィンのオリゴマー化に伴う直鎖オリゴマーによるアニ
ソールのアルキル化によりオレフィンオリゴマーとアル
キルアニソールの混合物を製造することにより製造され
た組成物に関するものである。アルキル化アニソールは
混合物の少ない成分である。生成混合物は、オレフィン
オリゴマーを飽和させるために水素化すれば、潤滑剤と
して有用である。しかしながら、水素化工程では、アニ
ソール環も飽和されてしまい、これは熱及び酸化安定
性、および液体の溶解作用及び潤滑性にマイナス効果と
なる。
【0007】米国特許第5.171.915号は、アニソールを
オレフィン二量体の混合物でアルキル化する方法を教示
している。アルキル化剤として使用されるオレフィン二
量体は、C10+アルファーオレフィンを還元されたクロ
ム酸化物触媒と接触させて二量化することにより製造さ
れるビニリデンオレフィン及び分岐鎖の内部モノオレフ
ィン二量体のユニークな分類のものである。この方法の
生成物は複雑な混合物であり、アルキルアニソールの特
別の構造は同定されない。
【0008】米国特許第4,463,207号には、支持された
タンタルの塩化物/酸化物触媒によりアニソールを1−
ドデセンでアルキル化する例が与えられている。生成物
は98%のモノアルキレートを含有しており、潤滑剤基
礎原料として有用ではない。
【0009】A.A.Durrani及びその共同研究者は、[J.
C.S.,Perkin I,1979, 2079]にアルキル基が第1級の
3−及び4−アルキルアニソールの合成を記載してい
る。これらの化合物は1−アルキルリチウムをフルオロ
アニソールと反応させることにより合成される。これら
は揮発性が高いので潤滑剤としては有用ではない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た熱及び酸化安定性および耐摩耗性を示しながら、加水
分解的に安定な、ユニークな潤滑剤基礎原料または添加
剤組成物を提供することにある。本発明のもう一つの目
的は、十分量のオレフィンオリゴマーを製造することな
く、オレフィンで芳香族をアルキル化することにより前
記のユニークな潤滑剤基礎原料を製造する方法を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明はアニソール(メ
トキシベンゼン)を長鎖アルファーオレフィン又は内部
オレフィンでアルキル化してアルキルアニソールの混合
物を形成させることにより製造される潤滑液体に関す
る。慣用のルイス酸アルキル化触媒、固体触媒、例えば
過酸金属酸化物(super acid metal oxide)、酸クレ
イ、ゼオライト又はイオン交換樹脂触媒を用いて行うこ
とができるアルキル化は、オレフィンオリゴマーの形成
を最小にしながら、アルキル化アニソールを生成する。
アルキルアニソール生成物は、PAOタイプの潤滑剤を
凌駕する、優れた耐摩耗性並びに改良された熱及び酸化
安定性を示す。また、この生成物は潤滑剤配合物に対し
て、付加的な溶解作用及び分散作用の機能を与える。エ
ステル基礎原料と比べたとき、アルキル化アニソールの
加水分解安定性は非常に優れている。
【0012】
【発明の実施の形態】優れた耐摩耗性、分散作用、熱安
定性及び酸化安定性を示す、加水分解に対して安定な潤
滑剤基礎油は(不可避的不純物を除き)、専ら、下記の
構造を有する、モノ、ジ及びトリアルキル化アニソール
の混合物からなる:
【0013】
【化2】
【0014】[上記式中、Ra、Rb及びRcは水素であ
り、Ra、Rb及びRcの少なくとも1つは8〜24の炭
素原子を有する第2級アルキル基である。さらに、
a、Rb及びRcは、同じか又は異なるCHR12であ
る(その際、R1はメチルであり、R2は6〜22の炭素
原子を有するアルキルである)。また、Ra、Rb及びR
cが同じか又は異なるCHR12である場合、R1は2〜
21の炭素原子を含有するアルキルであり、R2は21
までの炭素原子を含有するアルキルであることができ、
1とR2の組み合わせは7〜23の炭素原子を含有す
る。潤滑剤はフレッシュに合成された状態では本質的に
オレフィン未含有であり、結果として、有用な低い臭素
価を有し、低不飽和度を示すので、ブレンドする前に水
素化は必要でない。
【0015】さらに、潤滑剤基礎油は潤滑剤添加剤、例
えば分散剤、洗剤、粘度指数改良剤、極圧剤/耐摩耗添
加剤、抗酸化剤、流動点降下剤、乳化剤、乳化破壊剤、
腐食防止剤、防錆抑制剤、防汚添加剤及び摩擦変性剤を
含有することができる。
【0016】アルキル化アニソール生成物は、アルキル
化条件下にアルキル化帯域で、アニソール及びC8〜C
24のモノオレフィンを含有するオレフィン性アルキル化
剤供給流を酸性アルキル化触媒と接触させることにより
製造されるので、所望のアルキル化アニソール(上記し
た構造を有するモノ、ジ及びトリアルキル化アニソール
の混合物)が、製品中の不飽和分の存在を導く成分であ
るオレフィンオリゴマーを生成することなく、製造され
る。これはアルキル化工程中にアニソールに比べて、存
在するオレフィンの生成を最小にすることにより達成さ
れる。望ましくは、バッチ法が採用される場合は、オレ
フィンは大量のアニソールに累進的に添加される。連続
法の場合は、オレフィンの増加的供給が採用され、オレ
フィンのオリゴマー化を最小にするために反応のいずれ
かの段階において存在する過剰のオレフィンが最小にさ
れる。
【0017】アニソール(メトキシベンゼン)は、長鎖
アルファーオレフィン又は内部オレフィンでアルキル化
され潤滑剤基礎原料として有用なアルキルアニソール混
合物が形成される。この方法はPAOタイプの潤滑剤よ
りも熱安定性及び酸化安定性のよい製品を与える。エス
テルベースの油に比べて、アルキル化アニソールは現代
の潤滑剤配合物に要求される付加的な溶解作用及び分散
作用の機能を与える。しかしながら、生成物は特に加水
分解に対して安定であることから、エステルよりも優れ
ている。
【0018】アニソールのアルキル化剤として有用なオ
レフィンは、C8〜C24のアルファーオレフィン又は内
部オレフィンを包含するが、生成物が置換アルキル基中
でより直鎖であるから、アルファーオレフィンが好まし
い。好ましいオレフィンは1−オクテン、1−デセン、
1−ドデセン及び1−テトラデセンがある。個々のオレ
フィンはアルキル化剤として使用することができ、ある
いはアルキル化剤はC8〜C24のアルファーオレフィン
又は内部オレフィンの混合物を含有することができる。
アルキル化アニソールの粘弾性、特に粘度及びVIは使
用されたオレフィンの長さに及び多ルキル化(multiple
alkylation)の程度に依存する。生成物の粘度は3c
sから6cs、又は10cs(100℃でのKV)に、
あるいは添加剤、例えば他の液体のためのVI改良剤と
して使用することができる製品を製造するための高い値
でさえも容易に変えることができる。
【0019】アルキル化反応はWOx/ZrO2、酸ク
レイ、ゼオライト及びイオン交換樹脂触媒のような固体
触媒を用いて実施される。供給オレフィンはゆっくりと
アニソール及び触媒の混合物にバッチタイプ操作で加え
られ、オレフィンオリゴマーの形成が最小にされる。
【0020】アルキル化アニソール生成物はモノ、ジ及
びトリ第2級アルキルアニソールからなる。モノアルキ
ル化とジアルキル化及びトリアルキル化との実際の割合
はアルキル化反応に使用されるオレフィンとアニソール
のモル比に依存する。本発明の方法により製造されるモ
ノアルキルアニソールについては、GC−MASSによ
る詳細分析は2−アリールアルカン及び3−アリールア
ルケンのような多くの側鎖異性体があることを明らかに
した。アニソール環のアルキル化の位置は、オルソ−及
びパラ−位である。高粘度生成物は長鎖アルキル化合剤
を使用することにより、又は分子中に多くのアルキル基
を導入することにより、例えばジアルキル化及びトリア
ルキル化生成物にすることにより製造することができ
る。添加剤用途については、少なくとも50重量%のジ
アルキル化又はトリアルキル化物質を含有する生成物が
好ましい。
【0021】本発明のアルキル化法は、HF、H2
4、AlCl3、BF3、FeCl3、TiCl4、Zn
Cl2及びP25のようなルイス酸であるアルキル化触
媒を使用する。また、酸性クレイ、酸性天然又は合成ゼ
オライト及び混合金属酸化物過酸(mixed metal oxide
super acid)が有効である。混合金属酸化物過酸はM.Hi
no及びK.ArataのJ,Chem.Soc.Chem.Commun.,1987,125
9;及びK.Arata及びM.Hinoのon Proc.9th Int.Cong. on
Catal., 1988, 4, 1727;及び米国特許第5,453,556号に
記載されている。混合金属酸化物過酸、特にWOx/Z
rO2が好ましい触媒である。
【0022】混合金属酸化物過酸は、タングステートの
ようなタングステンのオキシアニオンのようなVIB属金
属のオキシアニオンで変成したIVB属金属の酸化物、好
ましくはジルコニア、チタニアを含有する。VIB属金属
のオキシアニオンによるIVB属金属の変成はその物質に
酸官能性を与える。IVB属金属酸化物とVIB属金属のオ
キシアニオンとの組み合わせは実際の化学的相互作用が
起こり、それがいずれにしても別に形成された混合IVB
属金属酸化物と別に形成された混合VIB属金属酸化物と
の簡単な混合物より高い酸性度を有する組成物を与える
ものと思われる。
【0023】ゼオライト、特に大気孔ザイズのゼオライ
ト、例えばゼオライトY及びUSYも、本発明の方法の
有効なアルキル化触媒である。ゼオライト触媒として
は、ZSM−5、ZSM−11、ZSM−12、ZSM
−48、ZSM−50、ゼオライトベータ、MCM−5
6、MCM−22、MCMー36、MCMー49、超安
定ゼオライトY(USY)、ゼオライト X、TMAオ
フレタイト、TEAモルデナイト、モルデナイト、稀金
属交換ゼオライトY(REY)及び脱アルミニウムYが
ある。使用することができる他の触媒としては、酸性化
クレイ及び非晶性シリカーアルミナがあるが、これらは
他の触媒よりも所望の生成物への選択性が低い。
【0024】MCM−56は本発明のアルキル化法に有
用なゼオライトタイプ触媒である。MCM−56は本発
明において有用な、MCM−22、MCMー36、MC
Mー49及びMCM−56を含むMCM−22グループ
の一員である。MCM−22は米国特許第4,954,325号
に記載されている。MCM−36は米国特許第5,250,27
7号に及びMCM−36(バウンド)は米国特許第5,29
2,698号に記載されている。MCM−49は米国特許第
5,236,575号に及びMCM−56は米国特許第5,362,697
号に記載されている。
【0025】アニソールのオレフィンによるアルキル化
は10℃から260℃の温度で、大気圧から7000k
Paの圧力で適当に行われる。好ましくは、アルキル化
反応は、大気圧又はその近傍で、オレフィンをゆっくり
とアニソールとアルキル化触媒の混合物に加えることに
より行われる。WOx/ZrO2については、10℃か
ら150℃の温度が好ましい。慣用のフリーデルクラフ
ツ触媒、ゼオライト又は酸クレイタイプの触媒について
は、10℃から345℃の温度を採用することができ
る。これらの条件下では、アルキル化生成物の多くはア
ルキル置換基が第2級アルキル基であるジアルキル化ア
ニソールを含有する。
【0026】アルキル化アニソール生成物はオレフィン
オリゴマーが本質的に不存在で得られる低不飽和度を有
することが注目される。10未満、特に5未満又は3未
満、例えば1又は2の臭素価も得られるので、生成物を
使用するために準備する前に水素化処理を行って残って
いる不飽和分を除去する必要がない。また、生成物は優
れた低流動点(ASTM D 97)、典型的には−20
℃未満、好ましい場合は−40℃未満、により特徴づけ
られる。100以上、例えば100又は120以上のV
I値が到達可能である。
【0027】
【実施例】以下の実施例により本発明をさらに説明す
る。実施例1 この実施例はアニソールのアルキル化用WOx/ZrO
2触媒の使用を説明するためのものである。アニソール
(216g,2.00モル)及びWOx/ZrO2触媒(3
2g,3.2%)を供給した2000mlフラスコに4
0℃で1−ドデセン(758g,4.50モル)を2時
間かけて添加した。反応温度をすばやく95℃に上げ、
必要に応じて加熱又は冷却して95〜100℃に維持し
た。添加終了後、2時間以上加熱を続けた。使用触媒を
除去した後、粗生成物を蒸留して未反応オレフィンを除
き、94%の収率で無色油を得た。使用条件及び生成物
の評価結果を表2に示す。
【0028】アルキル化アニソール生成物のGCクロマ
トグラフィー分析を行った。モノ−アルキル化アニソー
ル生成物についての詳細なGC分析を表1に示す。高沸
点ジ−及びトリ−アルキル化アニソールは複雑な異性体
分布を有し過ぎ、GCでは容易に溶解しがたかった。こ
れらの構造はモノ−アルキル化アニソールの比較分析及
び全混合物のNMRスペクトルに基づくものである。ア
ルキル化アニソール混合物の赤外(IR)スペクトルも
調製した。IRスペクトルにOHの吸収の不存在は、ア
ルキル化反応中に形成されるフェノール誘導体がないこ
とを示すものである。
【0029】実施例2−6 実施例2−6は、異なる温度及び異なる触媒を使用した
以外は実施例1と同様に行われた。条件及び結果を表2
に示す。
【0030】実施例7−8 実施例7−8は最初に全ての出発原料を反応器に供給し
て行われた。特定の反応温度である期間の後、触媒を濾
過により除去し、未転化のオレフィンを蒸留により除去
した。結果を表2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】生成物評価 実施例1−8の生成物の粘弾性及び組成を表2示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】実施例9 実施例9は、ポリアルファーオレフィン(PAO)及び
アジピン酸エステル潤滑剤基礎原料に対する、アルキル
化アニソールの熱及び酸化安定性の測定を行うための試
験結果を示すものである。この結果は表3(熱安定性)
及び表4(酸化安定性)に示されている。熱安定性試験
は窒素下で特定の時間及び温度で行われた。試験サンプ
ル(ガラスフラスコ中10g)は試験前に脱ガスした。
表3の第2欄及び第3欄には、アルキル化アニソールが
アジピン酸エステル及びペンタエリスリットエステル又
はポリオールエステルよりも高い熱安定性を有している
ことを明確に示している。
【0036】酸化安定性についてのB−10試験は添加
剤あり又はなしでの潤滑剤(鉱油又は合成油)の酸化安
定性を評価する試験法である。評価は、スラッジの形
成、鉛試験片の腐食、及び中和価及び粘度の変化より測
定されるような特定の条件下で空気に対する潤滑剤の耐
酸化性に基づくものである。この方法において、サンプ
ルは鉄、銅及びアルミニウム触媒、および計量された鉛
腐食試験片と共にガラス酸化セル中に入れられる。セル
及びその内容物は特定の温度に維持されたバス中に入れ
られ、測定された容量の乾燥空気が試験期間中サンプル
へバブルされる。セルはバスから外され、触媒がセルか
ら除去される。油はスラッジが存在するか調べられ、中
和価(ASTM D664)及び100℃での動粘度
(ASTMD445)が測定される。鉛試験片は洗浄さ
れ、重量損失を決定するために計量される。
【0037】RBOTはASTM規格法(D2272)
である。表4の酸化安定性のデータはアルキル化アニソ
ールがPAOよりも良好な酸化安定性を有すること及び
エステルの酸化安定性比較しうるものであることを実証
している。
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】実施例10 この実施例はBF3のような均一な触媒がアルキルアニ
ソール合成を触媒するために使用することができること
を実証するものである。この実施例においては、アニソ
ール200g(2モル)を3リットル反応フラスコに供
給した。プロパノール7.2gを含有する1−デセン5
18g(4モル)を供給フラスコに供給した。BF3
スを反応フラスコ及び供給フラスコにバブルさせた。1
−デセン溶液を4時間で反応フラスコにポンプ輸送し
た、発熱が生じたときに反応フラスコをブライン水で室
温に冷却した。6時間反応させた後、N2パージにより
反応を停止し、ついでNaOHでクエンチした。有機相
を分離し、蒸留して未反応の出発原料を除去した。残っ
た油は次の性質を有していた: KV@100℃=5.05cS.KV@40℃=30.
9cS;粘度指数(VI)=84。 油は優れた熱安定性及び酸化安定性を有していた。
【0041】実施例11 この実施例はアニソール108g、1−ヘキサデセン2
24g及びプロパノール5gを反応の開始時に用いた以
外は実施例10と同様に行われた。生成物は次の性質を
有していた:KV@100℃=5.78cS.KV@4
0℃=33.4cS;粘度指数(VI)=115。油は
優れた熱安定性及び酸化安定性を有していた。
【0042】実施例12 この実施例は実施例11と同様に行われた。使用オレフ
ィンは1−ヘキサデセン及び1−オクタデセンの混合物
であった。生成物は次の性質を有していた:KV@10
0℃=9.20cS.KV@40℃=62.5cS;粘
度指数(VI)=125。油は優れた熱安定性及び酸化
安定性を有していた。アルキル化アニソール潤滑剤基礎
原料は、種々の触媒及びで容易に合成することができ、
PAOやアジピン酸エステルよりも良好な熱安定性及び
酸化安定性を示す。アルキル化アニソールは加水分解的
に安定せあるのでエステル基礎原料を凌駕する十分な改
良を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10N 30:10 (72)発明者 マーガレット・メイ−サム・ウ アメリカ合衆国、ニュージャージー州、ス キルマン、リッチモンド・ドライブ 45 (72)発明者 ユシェング・ショング アメリカ合衆国、ニュージャージー州、プ レインズボロ、ブラッドフォード・レーン 60 (72)発明者 ルイス・ブリュースター・ヤング アメリカ合衆国、ニュージャージー州、ス キルマン、パインヴュー・コート 26

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造を有するモノ−、ジ−及びト
    リ−アルキル化アニソールの混合物を含有する優れた耐
    摩耗性、分散作用、熱安定性、酸化安定性を示す加水分
    解に安定な潤滑剤成分: 【化1】 [式中、Ra、Rb及びRcは水素であり、Ra、Rb及び
    cの少なくとも1つは8〜24の炭素原子を有する第
    2級アルキル基である]
  2. 【請求項2】 Ra、Rb及びRcは、同じか又は異なる
    CHR12であり、その際、R1はメチルであり、R2
    6〜22の炭素原子を有するアルキルである請求項1記
    載の潤滑剤成分。
  3. 【請求項3】 Ra、Rb及びRcは、同じか又は異なる
    CHR12であり、その際、R1は2〜21の炭素原子
    を含有するアルキルであり、R2は21までの炭素原子
    を含有するアルキルであり、R1とR2の組み合わせは7
    〜23の炭素原子を含有する請求項1記載の潤滑剤成
    分。
  4. 【請求項4】 本質的にオレフィンオリゴマーを含有し
    ない請求項1記載の潤滑剤成分。
  5. 【請求項5】 40℃で30cSより大きい粘度を有す
    るジアルキル化アニソールの少なくとも50重量%含有
    する請求項1記載の潤滑剤成分。
  6. 【請求項6】 100を越える粘度指数及び−20未満
    の流動点を有する請求項1記載の潤滑剤成分。
  7. 【請求項7】 −40未満の流動点を有する請求項6記
    載の潤滑剤成分。
  8. 【請求項8】 5未満の臭素価を有する請求項1記載の
    潤滑剤成分。
  9. 【請求項9】 5以下の臭素価を有する請求項1記載の
    潤滑剤成分。
  10. 【請求項10】 さらに、潤滑剤基礎油は潤滑剤添加
    剤、例えば分散剤、洗剤、粘度指数改良剤、極圧剤/耐
    摩耗添加剤、抗酸化剤、流動点降下剤、乳化剤、乳化破
    壊剤、腐食防止剤、防錆抑制剤、防汚添加剤及び摩擦変
    性剤から選ばれる潤滑剤添加物を含有する請求項1記載
    の潤滑剤成分。
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