JPS6119933Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のドアベルトライン部に装着
されるモール（以下、ドアモールと称する。）を
車体パネルに取付けるためのドアモール取付用ク
リツプに関する。

従来から既に提案されているドアモール取付用
クリツプの構造は第２図に示されている。この第
２図は第１図を−線で切断したときの断面図
であり、同図において、符号１は自動車のドアベ
ルトライン部に位置するドアモールを示してい
る。すなわち、このドアモール１は、この内側片
１ａがゴムあるいは軟質樹脂性のウエザストリツ
プ２内に嵌入して該ウエザストリツプ２と一体化
構造となつている。また、３は自動車用ドアの外
面を構成するアウトサイドパネル、４はこのアウ
トサイドパネルの内側に配置された補強板で、該
アウトサイドパネル３と補強板４の各上端部３
ａ，４ａは溶接固定された構造となつている。さ
らに、５は金属製部材により構成されたドアモー
ル取付用クリツプで、その下部５ａはウエザスト
リツプ２の下部２ａを挟持し得る如くＵ字状に折
曲され、かつ上部５ｂは、その上部外側片５ｃの
一部がアウトサイドパネル３の上端部３ａ側へ突
出形成されることによつて、該突出部５ｄと上部
内側片５ｅとで前記アウトサイドパネル３と補強
板４の各上端部３ａ，４ａを挟持し得る如く形成
されている。

したがつて、今、このようなドアモール取付用
クリツプ５を使用して、ドアモール１をアウトサ
イドパネル３および補強板４に取付ける場合に
は、まず、ドアモール取付用クリツプ５の下部５
ａを、ウエザストリツプ２の下部２ａに装着し、
この後、上部５ｂをアウトサイドパネル３と補強
板４の各上端部３ａ，４ａに嵌合させれば、これ
によつてドアモール１のアウトサイドパネル３お
よび補強板４への装着作業は完了することにな
る。

しかしながら、従来にあつてはこのドアモール
取付用クリツプ５が金属製のため、アウトサイド
パネル３および補強板４へ組み付けるとき、該ド
アモール取付用クリツプ５の突出部５ｄにてアウ
トサイドパネル３の上端部３ａの塗装膜をはがし
てしまうという欠点があつた。すなわち、これを
さらに詳述するに、ドアモール取付用クリツプ５
の上部５ｂにあつては、アウトサイドパネル３と
補強板４の各上端部３ａ，４ａに強固に組付けら
れるように、前記突出部位置における突出部５ｄ
と上部内側片５ｅ間の間隔寸法を、前記各上端部
３ａ，４ａの厚み寸法に較べてかなり小さく設定
しており、したがつて、前記ドアモール取付用ク
リツプ５を前記各上端部３ａ，４ａに装着してい
く際、前記突出部５ｄがアウトサイドパネル３面
をこすつて、該アウトサイドパネル３面の塗装膜
をはがしてしまうという不具合が生じていた。こ
の結果、この塗装膜のはがれた部分に錆が生じ、
錆汁の流出により美観が著しく損なわれたり、さ
らにはアウトサイドパネル３自体の腐食が進んだ
り、ドアモール取付用クリツプ５自体が腐食した
りして、ドアモール１のアウトサイドパネル３へ
の保持が困難になるという欠点があつた。

本考案の目的は上述した欠点に鑑みなされたも
ので、アウトサイドパネルの塗装面を傷つけるこ
となく、ドアモールのアウトサイドパネルおよび
補強板への取付けが可能なドアモール取付用クリ
ツプを提供するにある。

このような目的を達成するために、本考案は、
全体を、半硬質性および可撓性を有する非金属製
部材により一体に形成し、かつその外側面をドア
モールの外側片裏面形状に略対応させた形状にす
ると共に、内側面に、アウトサイドパネルに当接
して屈曲変可能な複数個の弾性リツプを突設し、
かつ上端部にドアモールの内側片側へ所定量延び
る固定リツプを形成した構成としたものである。

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を
説明する。

第３図は本考案に係るドアモール取付用クリツ
プを採用した自動車ドアの一部断面図、第４図お
よび第５図は本考案のドアモール取付用クリツプ
の断面図と斜視図である。第３図において、符号
１はドアモール、２はウエザストリツプ、３はア
ウトサイドパネル、４は補強板で、これらは従来
と同一なのでその詳細な説明は省略する。

本考案の特徴とする点は、まず、ドアモール取
付用クリツプ６の材質を、従来の金属製部材か
ら、半硬質性および可撓性を有する非金属製部
材、本実施例においては合成樹脂材にしたところ
である。すなわち、該ドアモール取付用クリツプ
６は、全体を合成樹脂材により一体に成形されて
いる。そして、外側面６ａをドアモール１の片側
片１ｂの裏面形状に略対応させた形状とすると共
に、内側面６ｂに、アウトサイドパネル３の上端
部３ａの外側面に当接して、第３図に示すよう屈
曲変形する複数個の弾性リツプ６ｃを突設し、か
つ上端部にドアモール１の内側片１ａ側に向つて
所定量延びる固定リツプ６ｄを有した構造となつ
ている。また、該ドアモール取付用クリツプ６の
高さ寸法は、ドアモール１の上面片１ｃと、外側
片１ｂの下端において内側に折曲形成された折曲
片１ｄとの間の間隔寸法に較べていく分大きめに
なるよう形成されている。したがつて、ドアモー
ル取付用クリツプ６を、ドアモール１内に嵌入し
た場合、該ドアモール取付用クリツプ６は、その
上端部および下端部を、ドアモール１の上面片１
ｃと折曲片１ｄとによつて強固に保持されること
になる。さらに、ドアモール取付用クリツプ６に
おいて、外側面６ａから弾性リツプ６ｃ先端まで
の間隔寸法Ｈ（第４図参照）は、ドアモール１
を、第３図に示す如く、アウトサイドパネル３お
よび補強板４に装着した際におけるドアモール１
の外側片１ｂ裏面と、アウトサイドパネル３の上
端部３ａの外側面との間の間隔寸法よりいく分大
きめになるよう形成されている。したがつて、ド
アモール１をアウトサイドパネル３および補強板
４に装着した状態において、該ドアモール取付用
クリツプ６の内側面６ｂに設けた複数個の弾性リ
ツプ６ｃが、アウトサイドパネル３の上端部３ａ
の外側面に、第３図に示す如く屈曲変形した状態
で圧接することになり、これによつて、前記ドア
モール１のアウトサイドパネル３および補強板４
からの抜けが確実に防止され、その装着作業を強
固ならしめることができる。なお、前記固定リツ
プ６ｄは、ドアモール取付用クリツプ６をドアモ
ール１内に嵌入した場合において、該固定リツプ
６ｄの開放端部がウエザストリツプ２の外側面２
ｂに圧接する位置まで突出されている。したがつ
て、前記ドアモール取付用クリツプ６は、ドアモ
ール１内に嵌入した状態において、その外側面６
ａと固定リツプ６ｄを、ドアモール１の外側片１
ｂ裏面とウエザストリツプ２の外側面２ｂによつ
て強固に保持されることになる。

今、ドアモール１のアウトサイドパネル３およ
び補強板４への取付作業について述べるに、ま
ず、ドアモール１内にドアモール取付用クリツプ
６を嵌入すると、ドアモール取付用クリツプ６
は、上述した如く、その上下方向をドアモール１
の上面片１ｃと折曲片１ｄによつて、またその左
右方向を外側片１ｂとウエザストリツプ２の外側
面２ｂによつて挟持され、これによつて、ドアモ
ール１内に強固に嵌合固定されることになる。次
に、このようにしてドアモール取付用クリツプ６
をドアモール１内に組付けた後、該ドアモール取
付用クリツプ６の内側面６ｂとウエザストリツプ
２の外側面２ｂ間の間隙を、アウトサイドパネル
３および補強板４の各上端部３ａ，４ａに対して
位置決めし、この後、ドアモール、ウエザストリ
ツプ２およびドアモール取付用クリツプ６の組立
体を、前記アウトサイドパネル３および補強板４
に対して押し込んでいく。すると、前記ドアモー
ル取付用クリツプ６の内側面６ｂに設けた複数個
の弾性リツプ６ｃが、アウトサイドパネル３の上
端部３ａ外側面に屈曲変形した状態で圧接するこ
とになり、これによつて、前記ドアモール１のア
ウトサイドパネル３および補強板４への取付け作
業は完了する。

また、例えばアウトサイドパネル３と補強板４
との間に、第６図に示すような隙間７ができ、は
さみ代がばらついたとしても、該ばらつきを前記
弾性リツプ６ｃが吸収するので、ドアモール１の
組付作業性に何ら影響を与えることなく、該ドア
モール１をアウトサイドパネル３および補強板４
に対して強固に組付けることができる。

なお、上述した実施例においては、ドアモール
取付用クリツプ６を合成樹脂材により形成した場
合について述べてあるが、半硬質ゴムで形成して
も同様な効果が得られることは勿論である。

以上説明したように本考案に係るドアモール取
付用クリツプは、全体を半硬質性および可撓性を
有する非金属製部材により一体に形成され、しか
もその外側面をドアモールの外側片裏面形状に略
対応させた形状にすると共に、内側面に、アウト
サイドパネルに当接して屈曲変形可能な複数個の
弾性リツプを突設し、かつ上端部にドアモールの
内側片側へ所定量延びる固定リツプを形成した構
成としたことにより、ドアモールをアウトサイド
パネルおよび補強板に強固かつ半永久的に取付け
ることができるのみならず、ドアモール組付け時
に、従来のようにアウトサイドパネルの塗装膜を
はがすようなことはなくなり、したがつて、錆の
発生がないので、自動車の美観を損なうようなこ
ともないという極めてすぐれた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の概略側面図、第２図は第１図
を−線で切断したときの断面図、第３図およ
び第６図は本考案に係るドアモール取付用クリツ
プを採用した自動車ドアの一部断面図、第４図お
よび第５図は本考案のドアモール取付用クリツプ
の断面図と斜視図である。 １……ドアモール、１ａ……内側片、１ｂ……
外側片、３……アウトサイドパネル、６……ドア
モール取付用クリツプ、６ａ……外側面、６ｂ…
…内側面、６ｃ……弾性リツプ、６ｄ……固定リ
ツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドアモールをアウトサイドパネルおよび補強板
   に装着させるドアモール取付用クリツプにおい
   て、全体を、半硬質性および可撓性を有する非金
   属製部材により一体に形成し、かつその外側面を
   ドアモールの外側片裏面形状に略対応させた形状
   にすると共に、内側面に、アウトサイドパネルに
   当接して屈曲変形可能な複数個の弾性リツプを突
   設し、かつ上端部にドアモールの内側片側へ所定
   量延びる固定リツプを形成したことを特徴とする
   ドアモール取付用クリツプ。