JPS6119485B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は合成樹脂製食品容器を使用してなる食
品包装方法に関し、その目的は嫌気性食品の酸化
劣敗を防止し、長期間に亙り食品の品質の保持を
図ることにある。

一般にケチヤツプ、マヨネーズ、コーヒー粉末
などの嫌気性食品を包装する方法として、容器内
に食品を充填した後、容器内の空気を窒素などの
不活性ガスに置換し、食品の酸化を防止する方法
が食品包装業界において広く用いられている。し
かしながら、最近の食品包装業界においては長期
間に亙り食品の品質保持を図ることが要望されて
おり、それにともない従来行なわれていた上述の
不活性ガス置換による食品包装方法を改良し、さ
らに食品衛生性の向上及び工程の簡略化、合理化
を図ることが食品包装業界の課題として迫られて
いる。

従来の食品包装方法の欠点としては下記の事項
が挙げられる。

(1) 食品充填時、容器内の空気が食品内に混入し
気泡状態にて食品内に残留する恐れがあり、食
品の酸化を防止するうえで好ましくない。

(2) 容器を充填工程に移送する段階で容器内に塵
芥、害虫などの異物が侵入する恐れがある。

(3) また容器内の塵芥、害虫などの異物を不活性
ガスにて追い出すことが困難である。

(4) 食品包装において従来の不活性ガス置換装置
が複雑でかつ設置するには大きなスペースを必
要とする。

上述した従来の欠点を全て解消することは極め
て困難とされている。例えば容器内の食品に空気
が気泡状態にて残留する恐れを防ぐには充填前に
容器の空気を不活性ガスと置換することが考えら
れるが、容器内の空気あるいは塵芥、害虫などの
異物を完全に追い出すことは困難であり、これを
完全に追い出そうとするならば不活性ガスの供給
時間またはその量を過剰に必要とし、不活性ガス
を有効に使用することができない。

本発明は上述の欠点を全て解消するものであ
り、その主たる目的は嫌気性食品の酸化を防止
し、長期間に亙り食品の品質保持を図ることにあ
る。本発明の第２の目的は食品包装方法における
衛生性の向上及び工程の簡略化、合理化を図るこ
とにある。即ち本発明は、ブロー成形により不活
性ガスを密閉充満した容器を形成し、充填直前に
容器の口部を開口し、ついで充填ノズルにて口部
から容器と食品を充填した後口部を密封する食品
包装方法ならびに該食品包装方法にて使用される
合成樹脂製食品容器を提供するものである。

以下本発明の実施例を図面に基づき詳述する。

第１図に示す如く、本発明の合成樹脂製食品容
器１は熱可塑性合成樹脂材料を押出ブロー成形に
て製造したものであり、２は本体、３は螺子４を
形成した口部、５は口部３の上方に位置し容器１
の口部３を閉鎖する円筒形状に形成された頭部で
あり、食品を充填する直前に頭部５の下端５ａよ
り切断し、食品を充填するよう構成されている。
また容器１の内部にはブロー成形時に注入された
窒素、二酸化炭素などの不活性ガス６が密閉充満
されている。容器１の口部３と頭部５はブロー成
形時一体に成形されており、頭部５の下端５ａを
切断した場合、口部には後述する食品充填ノズル
２１の外径より若干大径の開口部が形成される。
本発明の合成樹脂製食品容器１を構成する熱可塑
性合成樹脂としては高圧ポリエチレン、中低圧ポ
リエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、ポリエステル、ポリアミド、ポリス
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体（あるい
はそのケン化物）などの単体あるいはその混合物
が使用される。特にガスバリヤ性、耐水性、耐衝
撃性などを向上する目的で上述の合成樹脂を適宜
に組合わせた２層以上からなる多層構成の容器と
してもよい。本発明の合成樹脂製食品容器１に充
填される食品としては、ケチヤツプ、マヨネーズ
などの粘稠性でかつ嫌気性食品が挙げられる。

つぎに本発明の合成樹脂製食品容器１の製造工
程の一例を第２図Ａ，Ｂ，Ｃにて示す。第２図Ａ
において、押出機７にて溶融された熱可塑性合成
樹脂は、押出ヘツド８にて筒状のパリスン９とし
て押出される。ついで分割形式の金型１１はパリ
スンを挾持するように閉鎖され吹込位置（横方向
あるいは下方向）に移行される。このときパリス
ン９はパリスンカツター１０にて切断される。そ
して第２図Ｂに示す如く、金型１１に挾持された
パリスン９の上方開口より吹込ノズル１２が挿入
され、コンプレツサー１３より供給された圧縮空
気などの圧力流体をパリスン９内に吹き込むこと
により、パリスン９は所望の容器形状１ａに吹膨
される。ついでバルブ１４を切換え、ボンベ１５
より供給された窒素など液化状の不活性ガス６を
吹込ノズル１２より注入すると、注入された不活
性ガス６は容器１ａ内にて気化し、膨満する。こ
のとき吹膨用の空気と膨満した余剰の不活性ガス
６は吹込ノズル１２の外通路を経て安全バルブ１
６から外気へ放出され、容器１ａ内は不活性ガス
６のみとなる。そして第２図Ｃに示す如く、容器
１ａの上方開口をシヤツター１７にて閉鎖し、つ
いで金型１１を開き上下のバリを除去して本発明
の合成樹脂製食品容器１が得られる。

本発明の合成樹脂製食品容器１の製造方法は上
述した方法の他にロータリー式連続ブロー成形法
などの公知のブロー成形方法により製造すること
ができ、吹膨用の圧力流体も、液化状の不活性ガ
ス６のみにて実施することも可能である。さらに
容器１ａの頭部（吹込孔）を閉鎖する方法も成形
直後に加熱溶着など適宜の手段で閉鎖してもよ
い。尚、不活性ガスをブロー成形時に使用するこ
とにより、パリスン９の内部冷却が行なわれ、冷
却時間を大巾に短縮し、容器１ａの製造効率を向
上する効果がある。

上述の如く、本発明の合成樹脂製食品容器１は
容器内にブロー成形時注入した窒素などの不活性
ガスを密閉充満してなるので、容器１の移送中塵
芥、害虫などの異物が容器内に侵入する恐れが全
くなく、容器がたとえスクイズ性を有するもので
あつても変形することがない。

つぎに本発明の合成樹脂製食品容器１に食品を
充填する工程の一例を第３図に示す。不活性ガス
６を密閉充満した合成樹脂製食品容器１は底部を
ホルダー１８にて保持され、コンベア１９により
食品の充填位置へ移送される。そして充填する直
前に頭部５の下端５ａよりカツター２０にて切断
され、容器１の口部３には充填ノズル２１の外径
より若干大径の開口が形成される。ついで容器１
の口部３に充填ノズル２１を挿入し食品を充填
し、充填後容器口部３の螺子４に螺合するキヤツ
プ２２を螺合し密封して、充填工程は終了する。
尚充填時に容器１内には不活性ガス６が充満され
ており、充填により容器１内は不活性ガスが食品
と置換されるが、かりに食品中に不活性ガス６が
混入したとしても食品が酸化劣敗する恐れは全く
なく、また充填後密封された容器内の上部空間は
常に不活性ガス６が充填しており、食品の品質保
持を図ることができる。また本発明は、口部３を
形成する切断開口装置と食品を充填する充填装置
の間、またこの充填装置とキヤツプ等の密封装置
との間に従来のような不活性ガス置換装置を必要
としないで、工程距離を短縮でき、さらにこの間
に塵芥、害虫など異物侵入の恐れがなく衛生的で
ある。

本発明は上述の如く、ケチヤツプ、マヨネーズ
などの粘稠性でかつ嫌気性食品の酸化劣敗を防止
し、長期間に亙り食品の品質保持を図ることがで
き、また食品包装方法における工程の簡略化、合
理化を図ることができるなど、食品包装業界にお
いて要望されていた課題を解決するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る合成樹脂製食品容器の一
部断面にて示した正面図、第２図Ａ，Ｂ，Ｃは本
発明に係る合成樹脂製食品容器の製造工程を示す
一部断面略図、第３図は充填工程を示す一部断面
略図である。 １……合成樹脂製食品容器、２……本体、３…
…口部、５……頭部、６……不活性ガス、１１…
…金型、１２……吹込ノズル、１３……コンプレ
ツサー、１５……ボンベ、２０……カツター、２
１……充填ノズル、２２……キヤツプ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 分割金型間にパリスンを配置して該金型を締
   めてパリスン内に圧縮空気を吹込ノズルより導入
   して、本体、口部及び吹込ノズルが導入された頭
   部より成る合成樹脂製食品容器をブロー成形した
   後、該金型内で該容器内に該吹込ノズルより不活
   性気体を導入して該吹込ノズルより容器内の空気
   と置換し、該吹込ノズルを抜いた該吹込ノズル孔
   を密封し、ついで充填直前で頭部を切除して容器
   口部を開口するとともに充填ノズルにて粘稠性の
   食品を充填した後、口部を密封することを特徴と
   する合成樹脂製食品容器を使用してなる食品包装
   方法。