JPS6119477B2

JPS6119477B2 -

Info

Publication number: JPS6119477B2
Application number: JP57036647A
Authority: JP
Inventors: Hideki Hara
Original assignee: Nippon Kokan Ltd
Current assignee: JFE Engineering Corp
Priority date: 1982-03-10
Filing date: 1982-03-10
Publication date: 1986-05-17
Also published as: JPS58156490A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、帆又は帆と機関とを併用して推進す
る船舶の帆装装置に関するものである。

マスト、帆等からなる帆装装置により、風力を
利用して推進する帆船は、蒸気機関や内燃機関の
出現により衰退し、一時はほとんど実用されてい
なかつたが、最近省エネルギーの要請もあり、帆
のみにより帆走する帆船あるいは帆と機関を併用
した機帆船が再び脚光を浴びるようになつた。

このような帆船又は機帆船は、周知のように上
甲板の荷役装置の間に複数本のマストを立設し、
このマストにとりつけたヤード又はブームを利用
して帆を展縮しているが、従来次のような問題が
あつた。即ち、従来の帆船又は機帆船（以下単に
帆船という）は、例えば第１図に示すように、ク
レーン装置１ａ〜１ｃの間にマスト２ａ〜２ｃを
立設し、このマストにとりつけたヤード又はブー
ムを利用して帆３ａ〜３ｃを展縮するようにして
いる。しかしながら、クレーン装置１ａ〜１ｃに
より荷役を行なう場合、クレーン装置１ａ〜１ｃ
のデリツクブーム４ａ〜４ｅが帆３ａ〜３ｃと干
渉するため、クレーン装置１ａ〜１ｃの操作に支
障を来し、必要以上の注意を払わなければならな
い。また、上甲板に複数本のマスト２ａ〜２ｃを
設けていので、ハツチカバーの格納スペースが減
り、このためハツチの長さを小さくしなければな
らない等の問題があつた。

また、ハツチの長さを大きくするため、第２図
に示すようにクレーン装置１ａ〜１ｃのポスト５
ａ〜５ｃに直接帆３ａ〜３ｃを装備したものもあ
るが、この場合は、風向きに追従して帆（したが
つてポスト５ａ〜５ｃ）を旋回すると、クレーン
装置１ａ〜１ｃのデリツクブーム４ａ〜４ｅも一
緒に旋回するためきわめて危険である等、依然と
して未解決の問題が残つている。

本発明は、上記の問題点を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、帆装装置
をクレーン装置と兼用し、帆装ポストとクレーン
ポストをそれぞれ独立して回転しうるように構成
することにより、デリツクブームと帆の干渉を排
除すると共に、ハツチの長さを大きくできる帆装
装置を得るにある。

本発明は、上記の目的を達成するため、帆又は
帆と機関とを併用して推進する船舶において、上
甲板に固定された下部ポストと該下部ポストに軸
受を介して連結された上部ポストとからなるクレ
ーンポストと、該クレーンポストの中心部に回転
可能に立設された帆装ポストを備え、該帆装ポス
トと前記上部ポストをそれぞれ独立して回転しう
るように構成したことを特徴とする荷役装置を利
用した帆装装置を提供するものである。以下図面
を用いて本発明を説明する。

第３図は本発明実施例の構成説明図、第４図は
その要部の拡大断面図である。両図において、１
１は円筒状のクレーンポストで、上甲板に固定さ
れた下部ポスト１２と、上部ポスト１３及び軸受
１５ａ，１５ｂとからなつている。３１は上部ポ
スト１３にとりつけられたクレーン、３２はデリ
ツクブームである。４１はクレーンポスト１１の
中心部の上甲板にとりつけられた軸受、４２は軸
受４１上に立設された帆装ポストで、上部ポスト
１３との間には軸受１６が介装されている。４３
は帆装ポスト４２に装備された帆である。４４は
帆装ポスト４２に固定された歯車で、クレーンポ
スト１１にとりつけられた可逆モータ４５の出力
歯車４６と噛合つている。なお、帆装ポスト４２
とモータ４５との動力の伝達機構は歯車に限定す
るものではなく、スプロケツトとチエーンその他
の機構を用いてもよい。

１７は帆装ポストクラツチで、下部ポスト１２
に固定された円筒状のガイド１８と、帆装ポスト
４２に固定されたガイド４７及びクラツチ棒１９
等からなつている。ガイド４７は、例えば第５図
に示すように、中央部に穴４９が設けられた円弧
状の板４８を、帆装ポスト４２の周囲に所定の間
隙を隔てゝ、帆装ポストクラツチ１７に対応して
設けたものである。なお、このガイド４７は、例
えば帯状の鋼板に一定間隔で穴４９を明け、帆装
ポスト４２の周囲に所定の間隔でめぐらせて固定
してもよい。

２０は下部ポスト１２と上部ポスト１３との間
に介装されたクレーンポストクラツチで、下部ポ
スト１２の端部に設けられたガイド２１と、上部
ポスト１３の外周に固定されたガイド１４及びク
ラツチ棒２２等からなつている。ガイド１４は帆
装ポスト４２に設けたガイド４７とほゞ同様の構
成のものである。

このクレーンポストクラツチ２０は、例え第６
図に示すように、クラツチ棒２２の一端を、レバ
ー２３を介して下部ポスト１２に装着された油圧
（又は空気）シリンダ２４の作動桿に連結し、油
圧シリンダ２４を操作してクラツチ棒２２をガイ
ド２１に沿つて摺動させ、その先端を上部ポスト
１３に設けたガイド１４の穴と係合させ、又離脱
するようにしたものである。なお、帆装ポストク
ラツチ１７も上記に準じた構成により操作され
る。

上記のように構成した本発明装置の作用を、第
７図を用いて説明すれば次の通りである。

(1) 帆装時第７図ａに示すように、帆装ポストクラツチ
１７を離脱し、クレーンポストクラツチ２０を
連結する。この結果、下部ポスト１２と上部ポ
スト１３は一体に固定され、帆装ポスト４２は
自由状態になる。したがつて、モータ４５を回
転させることにより、帆装ポスト４２を所望の
角度回転させることができる。

(2) 荷役時第７図ｂに示すように、帆装ポストクラツチ
１７を連結し、クレーンポストクラツチ２０を
離脱させれば、下部ポスト１２と帆装ポスト４
２は上甲板に固定され、上部ポスト１３は自由
状態になる。したがつて、モータ４５を回転す
れば、上部ポスト１３は帆装ポスト４２の周囲
を所望の角度回転できるので、クレーン３１を
任意の位置に移動できる。なお、この場合、あ
らかじめ帆装ポスト４２を回転しておき、帆４
３をクレーン３１のデリツクブーム３２と干渉
しない位置まで移動させておけばよい。

第８図は本発明の他の実施例の構成説明図、
第９図はその要部の拡大断面図である本実施例
は、クレーンポスト１１に２台のクレーン３１
ａ，３１ｂを装備したツインクレーン方式の場
合を示すもので、第３図及び第４図の実施例に
対し、第９図の実施例では、下部ポスト１２と
上部ポスト１３との間に、内部円筒１３ａが設
けられ、内部円筒１３ａと下部ポスト１２及び
上部ポスト１３を連結又は離脱させるクレーン
ポストクラツチ２０，２５を上下に独立して設
けたこと、及び上部ポスト１３と帆装ポスト４
２との間に第２の帆装ポストクラツチ２６を設
けた点が相違する。したがつて、第３図、第４
図と同じ機能の部分には同じ符号を付し、説明
を省略する。

次に第１０図により本実施例装置の作用を説明
する。

(1) 帆装時第１０図ａに示すように、クレーンポストク
ラツチ２０，２５を連結し、帆装ポストクラツ
チ１７，２６を離脱させる。この結果、下部ポ
スト１２、内部円筒１３ａ及び上部ポスト１３
は固定され、帆装ポスト４２は自由状態とな
る。したがつて、モータ４５により帆装ポスト
４２のみ回転させることができる。

(2) 荷役時（ツインクレーン方式）第１０図ｂに示すように、下部のクレーンポ
ストクラツチ２０と上部の帆装ポストクラツチ
２６を連結し、下部の帆装ポストクラツチ１７
と上部のクレーンポストクラツチ２５を離脱さ
せる。この結果、下部ポスト１２と内部円筒１
３ａは固定され、上部ポスト１３と帆装ポスト
４２は一体にかつ自由状態になる。したがつ
て、上部ポスト１３と帆装ポスト４２は、モー
タ４５により一体となつて回転する。

これによつて、帆装ポスト４２にとりつけら
れた帆４３とクレーンブーム３２と接触する不
安がなく、荷役を行うことが出来る。

(3) クレーンポストの位置調整第１０図ｃに示すように、下部の帆装ポスト
クラツチ１７と上部のクレーンポストクラツチ
２５を連結し、下部のクレーンポストクラツチ
２０と上部の帆装ポストクラツチ２６を離脱さ
せる。この結果、下部ポスト１２と帆装ポスト
４２は固定され、内部円筒１３ａと上部ポスト
１３とは一体にかつ自由状態になる。したがつ
て、モータ４５により内部円筒１３ａと上部ポ
スト１３とは、一体となつて帆装ポスト４２の
周囲を回転する。このことにより帆装ポスト４
２を固定したまゝクレーン３１ａ，３１ｂだけ
を任意の位置に移動させることができる。

このように、内部円筒１３ａを設けたことに
よつて、帆走時には帆装ポスト４２のみの回転
を行い、荷役時には上部ポスト１３と帆装ポス
ト４２が一体となつて回転し、その上更に帆装
ポスト４２の状態に応じて、自在にクレーンポ
スト１１の位置を移動調整することも可能とな
り、機能を増大することが出来る。上記の各実
施例では、クラツチの機成及び作用について一
例を示したが、本発明に使用するクラツチはこ
れ以外にも各種の機構を採用することができ
る。また、その他の構成も実施例に限定するも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
各種の変形をなしうることは云う迄もない。

以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、帆装ポストとクレーンポストを兼用したの
で、帆装ポストの取付が容易であるばかりでな
く、上甲板のスペースを広くとることができる。
また、帆装ポストとクレーンポストをそれぞれ独
立して回転しうるように構成したので、荷役時等
において、デリツクブームと帆との干渉を回避す
ることができる。さらに、帆装ポストとクレーン
ポストの回転は１台のモータで兼用できので経済
的である等、実施による効果大である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の帆船の一例を示す側
面図、第３図は本発明実施例の構成説明図、第４
図はその要部の拡大縦断面図、第５図は帆装ポス
トに設けたガイドの実施例の斜視図、第６図はク
レーンポストクラツチの作用説明図、第７図ａ，
ｂは本発明実施例の作用説明図、第８図は本発明
の別の実施例の構成説明図、第９図はその要部の
拡大縦断面図、第１０図ａ，ｂ，ｃは作用説明図
である。１１：クレーンポスト、１２：下部ポスト、１
３：上部ポスト、１３ａ：内部円筒、１７，２
６：帆装ポストクラツチ、２０，２５：クレーン
ポストクラツチ、３１，３１ａ，３１ｂ：クレー
ン、４２：帆装ポスト、４４，４６：歯車、４
５：モータ。

Claims

【特許請求の範囲】１帆又は帆と機関とを併用して推進する船舶に
おいて、上甲板に固定された下部ポストと該下部ポスト
に軸受を介して連結された上部ポストとからなる
クレーンポストと、該クレーンポストの中心部に
回転可能に立設された帆装ポストとを備え、前記
上部ポストと下部ポストとの間及び前記下部ポス
トと帆装ポストとの間にそれぞれクラツチを介装
し、前記両クラツチの何れか一方を連結し、前記
上部ポストに設けた駆動機構により該帆装ポスト
と前記上部ポストをそれぞれ独立して回転しうる
ように構成したことを特徴とする荷役装置を利用
した帆装装置。２帆又は帆と機関とを併用して推進する船舶に
おいて、上甲板に固定された下部ポストとクレーンを備
えた上部ポストとを内部円筒と軸受を介して連結
してなるクレーンポストと、該クレーンポストの
中心部に回転可能に立設された帆装ポストとを備
え、前記下部ポストと帆装ポストとの間、下部ポ
ストと内部円筒との間、上部ポストと内部円筒と
の間及び上部ポストと帆装ポストとの間にそれぞ
れクラツチを介装し、前記内部円筒に設けた駆動
機構により前記帆装ポスト、帆装ポストと上部ポ
スト及び内部円筒と上部ポストをそれぞれ独立し
て回転しうるようにしたことを特徴とする荷役装
置を利用した帆装装置。