JPS6119163Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は生単板特に横はぎした生単板を割
れ、裂け或は接合面の分離等の不都合を生ずるこ
となく、また平らに仕上る乾燥を施すことができ
る単板乾燥用搬送装置に関する。

従来の合板の心板となる生単板又は横はぎした
生単板の乾燥は主として単板をロールによつて送
り方式で行われている。このロール送り方式は回
転する多数の上下一対のロールによつて単板を順
次に挾持搬送するものであつて、多数のロールに
よつて単板を挾持搬送するので、単板は平らに仕
上る利点はあるが、ロールの中には熱によつてベ
ンデイングしたり、木粉、テープ屑等の異物が多
数付着したりして、相前後するロール間にまたは
各ロールの部位において送り差を生じ、単板に不
均一な送りを与えることになる。このようにロー
ル送り式においては単板に対して苛酷な送りとな
り、従来のように１枚ものの生単板の場場合に
は、単板に多少の損傷を生じても使用に差支えな
いが、横はぎした生単板の場合は、生単板の横は
ぎに使用する接着剤および接合手段に種々制約が
あつて、このようなロールによる苛酷な搬送を行
うと乾燥の完了まで横はぎ状態が維持されず、接
合面がずれたり分離したりして満足な乾燥を施す
ことができず、これが生単板の横はぎおよび乾燥
の隘路となつていた。

また従来のこの種乾燥手段としては、特公昭43
−25262号公報の印刷紙自動乾燥機があるが、こ
の乾燥機は紙に特殊な印刷インキで印刷した印刷
紙を乾燥するもので、対象とする被乾燥物が材質
のほぼ均一な紙に印刷した印刷紙でそのインキを
乾燥させるものであるから、印刷した部分に影響
を及ぼさないように印刷紙の端部を複数箇所紙押
えばねと保持片によつて点状又は短線状に支持す
る構成になつている。このような構成によつて生
単板を乾燥する場合に、生単板には繊維に方向性
があり、材質も不均一で乾燥によつて繊維方向と
直交する方向に長さの数％の収縮を生じ、また繊
維方向に沿つて多数の割れや裂けが存在すること
が多く、従つてこのような端部における複数箇所
の点状又は短線状の支持では、収縮の際に支持部
の部分的な抵抗によつて割れや裂けを増大させ、
横はぎした生単板においては接合面のずれや離間
させる等の不具合があり、また乾燥に伴う波打ち
を防止できない難点もある。

この考案は前記隘路打開と従来手段の難点解消
を目的に開発したもので、複数個の回転車に複数
条の無端帯を張設し、各無端帯に多数の腕体を等
ピツチで同位相に突設してウイケツトコンベヤを
形成し、各腕体に押えバーを付設して腕体がウイ
ケツトコンベヤの直線走路を移行するとき、腕体
間の単板をその繊維方向と直交する方向のほぼ全
長に渡つて挾持搬送できるように構成することに
よつて、搬送体と単板との間に相対運動のない安
定した状態での単板搬送を行い、生単板又は横は
ぎした生単板の割れや裂けの増大、横はぎした生
単板の接合面のずれや離間も防止し、またロール
送り式と同様の平らで良好な乾燥単板を得ること
ができるものでる。

この考案を図面に示す実施例によつて説明すれ
ば、複数本の軸１，２，３（実施例は３本）にそ
れぞれ複数個の回転車４，４ａ，４ｂ，４ｃ，
５，５ａ，５ｂ，５ｃおよび６，６ａ，６ｂ，６
ｃ（実施例は各軸に４個）を固定し、各回転車
４，５，６，４ａ，５ａ，６ａ，４ｂ，５ｂ，６
ｂおよび４ｃ，５ｃ，６ｃにそれぞれ無端帯７，
７ａ，７ｂ，７ｃ（４条）を張設し、各無端帯
７，７ａ，７ｂ，７ｃにそれぞれ多数の腕体８を
等しいピツチＰでもつてまた同位相となるように
突設してウイケツトコンベヤ９を形成し、単板Ａ
を各腕体８間に平板状に支持できるように構成す
る。

ウイケツトコンベヤ９は適宜の軸例えば軸３を
駆動する作動機構１０によつて第１図の矢印で示
す方向に間けつ的または連続的に走行させる。そ
して挿入コンベヤ１１を各腕体８が上昇過程でそ
の相前後する互の間隔が開く回転車４（４ａ，４
ｂ，４ｃ）の部位に相対するように設け、挿入コ
ンベヤ１１によつて横はぎ生単板Ａをその繊維方
向に各腕体８間に木口端Ｂが各無端帯７（７ａ，
７ｂ，７ｃ）に接するように送り込む。

押えバー１２，１２′および１３，１３′は同位
相の各腕体８に付設したもので、例えば押えバー
１２，１２′は各腕体８の進行方向の前方に、押
えバー１３，１３′は後方となるようにそれぞれ
各腕体８に付設したものである。そしてこれらの
押えバーはウイケツトコンベヤ９の各回転車間に
おける直線走路、例えば回転車４と回転車５との
間における無端帯７の部位において、単板Ａを挾
持搬送できるように押えバー１２と１３、押えバ
ー１２′と１３′を相対面するように各腕体８に付
設し、また各押えバーは第３図に示すように単板
Ａをその繊維方向と直交する方向にそのほぼ全長
に渡つて挾持できるように細長い形状とする。な
お、実施例では押えバーは単板Ａを２箇所におい
て挾持するものであるが、単板Ａの繊維方向の寸
法が長い場合等は３箇所以上を挾持できるように
押えバーを付設する。また各押えバーの単板に接
する面に柔軟体等を付せば、単板面の損傷の防止
および単板厚さの多少の変更に際しても単板を確
実に挾持できる等の利点がある。

搬出コンベヤ１４は各腕体８の下降過程で相前
後する互の間隔が開く回転車６（６ａ，６ｂ，６
ｃ）に相対して設けたもので、腕体の開きによつ
て押えバーの挾持から解放された乾燥単板を腕体
から受け取り、これを次位の堆積等の工程へ送り
出すものである。１５はウイケツトコンベヤ９を
囲う隔壁、１６は熱風の供給源である。

本考案は以上のように構成したので、作動機構
１０によつてウイケツトコンベヤ９を間けつ的ま
たは連続的に駆動し、挿入コンベヤ１１によつて
横はぎした生単板Ａ等を順次に各腕体８間に送り
込み、熱風の供給源１６から隔壁１５内に熱風を
送り込めば、各単板Ａは回転車４の位置から回転
車５の位置間の上昇過程の直線走路と回転車５か
ら回転車６への下降過程の直線走路において、各
腕体８に付設した各押えバー１２，１２′，１
３，１３′によつて挾持された状態で移行しなが
ら乾燥が施される。そして各押えバーによる各単
板Ａの挾持はその繊維方向と直交する方向にその
ほぼ全長に渡つて少なくとも２箇所において行う
から、単板Ａが多数の小巾の生単板を接合した横
はぎ生単板でも、乾燥による繊維と直交する方向
のわん曲が防止されて平らな状態で乾燥され、ま
た搬送体である腕体８と単板Ａとの間には相対運
動のない安定した状態で単板Ａの搬送が行われる
から、単板に割れ、裂けを発生させたり増大させ
ることなく或は接合面がずれたり分離したりする
等のトラブルは全く起らず、良好な乾燥を施すこ
とができるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は本装置の概略を示す側面図、第２図は第１図の
Ｅ−Ｅ拡大正面図、第３図は第２図の平面図であ
る。 １，２，３……軸、４，５，６……回転車、７
……無端帯、８……腕体、９……ウイケツトコン
ベヤ、１２，１２′，１３，１３′……押えバー、
Ａ……横はぎした生単板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数本の軸にそれぞれ固定した複数個の回転車
   に無端帯を張設し、該各無端帯にそれぞれ多数の
   腕体を等ピツチで且つ同位相となるように突設し
   てウイケツトコンベヤを形成し、該ウイケツトコ
   ンベヤの各腕体が前記各回転車間における直線走
   路を移行するとき、各腕体間に挿入された各単板
   の両面をその繊維方向と直交する方向のほぼ全長
   に渡つて少なくとも２箇所において挾持できるよ
   うに各腕体に押えバーを付設して成る単板乾燥用
   搬送装置。