JPS6118974B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は鋼管試験装置に関する。

地下数千メートルに達する油井用鋼管等のよう
に使用時に非常に大きな外圧力と同時に引張り力
場合によつては捩り力を受ける大外径鋼管（例え
ば406.4mmφ）のための試験装置として、外圧力
と引張り力と更に要すれば捩り力とを同時に試験
鋼管に付与する試験装置が要望されている。その
ため、該鋼管をそのまま試験鋼管としその実用性
能を的確に評価することが出来る大型の鋼管試験
装置が必要となる。

本発明は、実際の使用条件に近い状態での大外
径鋼管の性能を得るために、該試験鋼管の軸方向
引張り力と捩り力とを単独又は同時に付与した状
態で該試験鋼管外周面に大きな外圧力を付与し要
すれば当該試験鋼管を外圧圧潰することが出来る
鋼管試験装置を提供することを目的とする。

以下本発明に係る鋼管試験装置（以下、本発明
装置という）の構成を図面に示す実施例に基づき
具体的に説明する。第１図乃至第３図は本発明装
置の実施例を示すものであつて、第１図は装置全
体の左側面、第２図は装置全体の平面、第３図は
試験状態における左側断面を夫々示し、図中１は
長手方向に試験鋼管２の外径よりも大径の貫通孔
１ａ（第３図参照）を有する該試験鋼管２に外圧
力を付与するための長尺筒状のベツセル本体であ
つて、基礎に据え付けられた架台３，３′の上に
設けた支持体４，４′により支持固定してある。
該貫通孔１ａの内壁１ｂの下部には圧力可変型高
圧流体供給装置（図示せず）から供給される高圧
流体の流入孔１ｃが穿設してあり、また該内壁１
ｂの上部には、空気抜き孔１ｄが穿設してある。
前方の架台３の下部から前方向へ該貫通孔１ａの
延長軸線と略々平行に軌道５，５が敷設してあ
る。該軌道５，５上には台車６が油圧モーター等
適宜の駆動手段７により前後方向に移動出来るよ
うに乗せてある。該台車６上に設けた支持フレー
ム６ａには、前記ベツセル本体１の貫通孔１ａに
挿入した試験鋼管２の前端部を支持して該試験鋼
管２が後方向及び円周方向へ移動することを阻止
するクランプ筒８と、該台車６の前後方向への移
動にともない前記ベツセル本体１の前端部に着脱
自在に装着するパツキングユニツト９を保持す
る、試験鋼管２の外径よりも大径の貫通孔１０ａ
を有する環状のパツキング保持具１０とが一体的
に取付けてある。該クランプ筒８は試験鋼管２の
前端部に直径方向へ穿設した貫通孔２ａに挿入す
るコツター１１と、長手方向に試験鋼管２の外径
よりも大径の貫通孔１２ａを有する筒状のコツタ
ー保持具１２とから構成してある。更に該コツタ
ー保持具１２の左右側部には、第８図ａ，ｂに示
す如く、試験鋼管２の外周面を左右から挾むよう
にネジ込み操作で半径方向に移動するチヤツク１
３ａと油圧シリンダー等からなる操作機器で半径
方向に移動するチヤツク１３ｂとを一組とした鋼
管用チヤツク１３とこれと同様の鋼管用チヤツク
１３′とが前後に設けてある。前記パツキングユ
ニツト９は第５図にその下部断面を示す如く、前
記パツキング保持具１０の後端部凹所１０ｂ内に
はパツキング箱１４の前端部が嵌入してあり、該
パツキング箱１４の凹所１４ａにはパツキング輪
１５の外周面１５ａとパツキング押え１６とで囲
繞した水密室１４ｂが形成してある。また、前記
パツキング輪１５の内周面１５ｂは、高圧流体流
入孔２４（第３図参照）から環状凹溝３５及びパ
ツキング箱１４に穿設した貫通孔１４ｃを通過し
て該水密室１４ｂへ流入する高圧流体の背圧によ
り、試験鋼管２の外周面２ｂへ水密に圧着されて
おり、該水密室１４ｂに発生した高圧流体の背圧
を解除したときには、第４図に示す如くパツキン
グ輪１５のバネ作用により、自然に該パツキング
輪１５の内周径が拡大するように構成してある。
１７は複数個からなる補強用のバツクアツプ材で
あり、更に３４は該バツクアツプ材１７のサポー
トである。１８は前記パツキング保持具１０を前
記ベツセル本体１の前端部に連結させるクランプ
継手で、第７図ａ，ｂに示す如く、前記架台３上
に左右方向へ移動可能に左右一組の締付け具１
９，１９が載置してあり、該締付け具１９，１９
のテーパー内周面１９ａ，１９ａ（第３図参照）
が、前記ベツセル本体１の前端部に設けた環状突
起のテーパー外周面１ｅと、前記パツキング保持
具１０の後端部に設けた環状突起のテーパー外周
面１０ｂとを油圧シリンダー等の適宜手段にて同
時に締付け又は開放するように構成してある。前
記軌道５，５の中間部位には、前記台車６の移動
を妨げることなく二組の試験鋼管昇降装置２０，
２０が配設してある。該試験鋼管昇降装置２０は
油圧シリンダー等の適宜手段からなる昇降手段２
０ａと鋼管支持ころ２０ｂとから構成してある。
後方の架台３′の下部から後方向へ前記ベツセル
本体１の貫通孔１ａの延長軸線と略々平行に軌道
２１，２１が敷設してある。該軌道２１，２１上
には台車２２が油圧シリンダー等適宜の駆動手段
２３（第３図参照）により前後方向に移動出来る
ように乗せてある。該台車２２上に設けた支持フ
レーム２２ａには、該台車２２の前後方向への移
動にともない、前記ベツセル本体１の後端部に着
脱自在に装着する、前記パツキングユニツト９と
同様のパツキングユニツト９′を保持する環状の
パツキング保持具１０′と、試験鋼管２用の引張
り手段２６とが一体的に取付けてある。該引張り
手段２６は該パツキング保持具１０′の後端部に
取付けたシリンダー２７と、該シリンダー２７の
内周面２７ａを流体流入孔２７ｂ，２７ｃから流
入した高圧流体等により前後方向に摺動する筒状
ラム２８とからなり、該筒状ラム２８が試験鋼管
２の後端外周部にネジ込んだナツト等適宜の外周
突起２９を後方向に押圧して〔要すれば後述の捩
り応力と引張応力と同時に負荷するときなど、２
９をスラスト軸受とし、試験鋼管２の後端部に直
径方向へ穿設した貫通孔２ｃ（第３図参照）へ挿
入したレバー等適宜手段により取付けた外周突出
部３２を後方向に押圧して〕、前記ベツセル本体
１の貫通孔１ａに挿入した試験鋼管２に引張り応
力を付与するように構成してある。１８′は前記
パツキング保持具１０′を前記ベツセル本体１の
後端部に連結させる、前記クランプ継手１８と同
様のクランプ継手である。３１は試験鋼管２用の
捩り手段で、試験鋼管２の後端部に直径方向へ穿
設した貫通孔２ｃ（第３照参照）へ挿入したレバ
ー等適宜手段により取付けた外周突出部３２を、
第９図に示す如く試験鋼管２の接線方向へ押圧す
る先端部にころ３３ａを備えた油圧シリンダー等
適宜の押圧手段３３，３３がフレーム３４，３４
に取付けてあり、前記ベツセル本体１の貫通孔１
ａに挿入した試験鋼管２に捩り応力を付与するよ
う構成してある。

上記の如く構成された本発明装置は次の如く使
用される。先ず、第１図に示す如く、台車６，２
２をベツセル本体１より矢符Ｃ方向又は矢符Ｄ方
向へ後退させて、パツキング保持具１０，１０′
に試験鋼管外径に対応するパツキングユニツト
９，９′を取付ける。次に、後方の台車２２を矢
符Ｅ方向へ前進させてパツキング保持具１０′と
ベツセル本体１の後端部とをクランプ継手１８′
で連結（第６図参照）する。更に、前方の軌道
５，５上に試験鋼管２を該試験鋼管２の軸心とベ
ツセル本体１の貫通孔１ａの延長軸心とが一致す
るように吊り、第６図に示す如く、試験鋼管昇降
装置２０，２０の鋼管支持ころ２０ｂ，２０ｂを
上昇させて、該試験鋼管２を支持する。続けて、
台車６を矢符Ｆ方向へ前進させて該試験鋼管２の
前端部をパツキング保持具１０及びコツター保持
具１２の貫通孔１０ａ，１２ａに挿入し、第８図
ｂに示す如く、鋼管チヤツク１３で該試験鋼管２
の前端部をチヤツキングし、台車６の前進にとも
ない該試験鋼管２をベツセル本体１、パツキング
保持具１０′及び引張り手段２６の筒状ラム２８
の貫通孔１ａ，１０′ａ，２８ａに挿入する。更
に引き続き、ベツセル本体１の前端部とパツキン
グ保持具１０とをクランフ継手１８で連結して、
第８図ａに示す如く、鋼管チヤツク１３，１３′
を解放し要すれば試験鋼管２を所要角度回転させ
た後に第３図に示す如く、該試験鋼管２の前端部
貫通孔２ａにコツター１１を挿入し、みた該試験
鋼管２の後端部には外周突起２９を、更に要すれ
ば外周突出部３２を取付ける。最後に、第３図に
示す如く、パツキングユニツト９，９′の水密室
１４ｂ，１４′ｂへ高圧流体流入孔２４，２４′か
ら高圧流体を流入し、パツキング輪１５，１５′
内周面１５ｂ，１５′ｂを試験鋼管２の外周面２
ｂへ水密に圧着させる。ベツセル本体１の貫通孔
１ａの内周面と試験鋼管２の外周面２ｂとの間に
水密に形成した空隙部Ａに流入孔１ｃから所定圧
の流体を流入して試験鋼管２の外周面２ｂに試験
外圧力（例えば、2000Kg/cm²）を付与する。引張
り手段２６の流体流入孔２７ｂに所定圧の流体を
流入して、筒状ラム２８を外周突起２９に押圧さ
せて試験鋼管２に試験引張り応力を付与して引張
り応力下の外圧試験を行う。更に要すれば、第９
図に示す如く、押圧手段３３，３３に所定の押圧
力を発生させて外周突出部３２，３２を接線方向
に押圧させて試験鋼管２に試験捩り応力を付与し
て捩り応力下の外圧試験を行う。また、引張り応
力を付与することなく、単に捩り応力のみを付与
して捩り応力下の外圧試験を行うことも匁論可能
である。

以上詳述の如く本発明装置は、引張り力と捩り
力とを単独又は同時に付与した状態で試験鋼管外
周面に外圧力を付与し、要すれば当該試験鋼管を
外圧圧潰することが出来るので、実際の使用条件
に非常に近い状態における鋼管の性能評価が得ら
れ、今後の油井用鋼管等の設計、製造及び施工等
の技術向上に寄与すること大である。更に、試験
鋼管径に応じてパツキングユニツトを交換するの
みで数多くの鋼管寸法の試験が出来る等、幾多の
優れた利点をも有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る鋼管試験装置の左側面
図、第２図は同上の平面図、第３図は本発明に係
る鋼管試験装置の使用状態を示す要部左側断面
図、第４図はパツキング輪の正面図、第５図は第
４図−線切断面図、第６図は本発明に係る鋼
管試験装置に試験鋼管をセツトする状態を示す左
側面図、第７図ａ，ｂはクランプ継手の締付け状
態及び開放状態を示す正面断面図、第８図ａ，ｂ
は鋼管チヤツクの開放状態及び締付け状態を示す
正面断面図、第９図は捩り手段の背面図である。 １……ベツセル本体、１ａ……貫通孔、１ｂ…
…内壁、１ｃ……流入孔、２……試験鋼管、８…
…クランプ筒、９，９′……パツキングユニツ
ト、１０，１０′……パツキング保持具、２６…
…引張り手段、３１……捩り手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鋼管試験装置において、基礎に据え付けられ
   た架台に支持固定され、試験鋼管を軸線方向へ挿
   貫する貫通孔及び挿貫された試験鋼管に外圧力を
   負荷するため前記貫通孔へ通ずる高圧流体の流入
   孔が設けられた長尺筒状のベツセル本体と、前記
   架台の両端部から前記ベツセル本体の軸方向延長
   線に沿つて敷設された両沿軌道上を走行する両台
   車にそれぞれ搭載されてベツセル本体の両端部に
   着脱自在に設けられ、ベツセル本体の試験鋼管を
   挿貫した状態でベツセル本体の両端部を水密に封
   止するパツキングユニツトを備えた両パツキング
   保持具と、前記両台車のうち一方の台車に搭載固
   定され、前記ベツセル本体へ挿貫された試験鋼管
   の端部を保持して該試験鋼管の軸方向移動を阻止
   するチヤツク機構を備えたクランプ筒と、前記両
   台車のうち他方の台車に搭載固定され、前記ベツ
   セル本体へ挿貫された試験鋼管に引張り力を負荷
   する引張り手段とからなることを特徴とする鋼管
   試験装置。 ２ 鋼管試験装置において、基礎に据え付けられ
   た架台に支持固定され、試験鋼管を軸線方向へ挿
   貫する貫通孔及び挿貫された試験鋼管に外圧力を
   負荷するため前記貫通孔へ通ずる高圧流体の流入
   孔が設けられた長尺筒状のベツセル本体と、前記
   架台の両端部から前記ベツセル本体の軸方向延長
   線に沿つて敷設された両沿軌道上を走行する両台
   車にそれぞれ搭載されてベツセル本体の両端部に
   着脱自在に設けられ、ベツセル本体へ試験鋼管を
   挿貫した状態でベツセル本体の両端部を水密に封
   止するパツキングユニツトを備えた両パツキング
   保持具と、前記両台車のうち一方の台車に搭載固
   定され、前記ベツセル本体へ挿貫された試験鋼管
   の端部を保持して該試験鋼管の軸方向移動を阻止
   するチヤツク機構及び円周方向移動を阻止するコ
   ツタ機構を備えたクランプ筒と、前記両台車のう
   ち他方の台車に搭載固定され、前記ベツセル本体
   に挿貫された試験鋼管に引張り力を負荷する引張
   り手段と、前記両台車のうち他方の台車が走行す
   る軌道の側辺に設置され、前記ベツセル本体へ挿
   貫された試験鋼管に捩り力を負荷する捩り手段と
   からなることを特徴とする鋼管試験装置。