JPS6118290B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は高圧大電流用のしや断器において、
しや断時に発生するアークに圧縮ガスを吹き付け
て消弧する型のガスしや断器の改良に関するもの
である。

従来からガスしや断器として主流をなしている
単圧式バツフア形しや断器では、密封容器内に封
入された数気圧のガス空間において、いわゆるバ
ツフア装置をしや断動作と同時に作動させて得ら
れる高圧ガスをアークに吹付けてしや断してい
る。このような形式のしや断器では、高速で大電
流をしや断するために、接触子を加速すると同時
にガスを圧縮するため、非常に強力な操作機構を
必要としていた。また、アークが消弧流体を加熱
分解として生じる圧力を利用して消弧する自力消
弧形開閉器では、接触子を駆動するだけの小さな
操作機構を設ければよいが、しや断電流が小さ
く、発生する圧力が十分に高くならない電流範囲
ではアーク時間が長くなり、場合によつてはしや
断不能となるなどの欠点があつた。

この発明は上述のような欠点を解消することを
目的としてなされたもので、接触子の動作初期で
は自力しや断方式として作動させ、動作の後半で
は接触子の加速力を利用してパツフア装置を働か
せるように構成したガスしや断器を提供するもの
である。

以下、この発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。第１図において、１はしや断器を収
容した消弧室、２および３は電路接続用の端子、
４は消弧室１を形成している絶縁筒、５は可動接
触子、６は固定フインガー接触子、７はアーク接
触子、８はアーク接触子７を下方に押し下げるば
ね、９は接触子の接触部分をとりまく電弧室、１
０は可動接触子５内部を貫通して設けられた貫通
孔、１１は可動接触子５をとりまいて電弧室９を
密閉している絶縁ノズル、１２は消弧流体が充填
されている消弧室１の内部空間、１３は可動接触
子５の側面に固着されたパツフアピストン、１４
はパツフアピストン１３と係合するパツフアシリ
ンダ、１５はパツフアシリンダ１４内の空間、１
６は連結機構、１７は可動接触子５を連結機構１
６を介して操作するための操作機構である。

このように構成された操作機構は、負荷時にお
いて、電流は端子から固定フインガー接触子６、
可動接触子５、端子３を通つてしや断器内部を流
れている。しや断器のしや断動作は、操作機構１
７を操作し、可動接触子５を下方に移動させるこ
とによつて行う。可動接触子５の下方への移動と
ともにアーク接触子７はばね８により下方に押し
下げられる。アーク接触子７の先端が固定フイン
ガー接触子６の外方に出たとき、可動接触子５の
先端と固定アーク接触子７の先端が離れ、これら
両者の先端間でアークを生ずる。アーク接触子７
とフインガー接触子６の上述の構成は、従来技術
として周知のとおり負荷動作時における通常の電
流流通状態ではフインガー接触子６が電流路とな
り、しや断時におけるアーク発生時にはアーク接
触子７がそのアークを受けとめ、通常状態での負
荷電流路であるフインガー接触子６をアークで損
傷しないようにしている。可動接触子５とアーク
接触子７の先端間に生じたアークは、電弧室９内
の消弧流体の熱解離などを起して電弧室９内の圧
力を上昇させる。可動接触子５内に設けられた貫
通孔１０は、その断面積が充分小さく、電弧室９
内の圧力上昇をさまたげない。電弧室９の出口は
テフロンなどの絶縁物で形成されたノズル１１と
可動接触子５の側面とでふさがれているが、電弧
室９内の圧力が充分上昇したところ可動接触子５
はノズル１１を抜け出す。可動接触子５がノズル
１１を抜け出すと、電弧室９内の圧縮流体は急速
に内部空間１２に排出され、その勢いの良い急速
な流体は可動接触子５とアーク接触子７の先端間
に生じたアークを吹き消す。この時点では可動接
触子５は操作機構１７により充分に加速され、可
動接触子５の慣性力によりパツフアピストン１３
はパツフアシリンダ１４に勢いよく突入する。パ
ツフアシリンダ１４の空間１５にある消弧流体は
圧縮され、貫通孔１０を通つて可動接触子５とア
ーク接触子７の両先端間に強い吹き付け流体を送
る。上記動作中端子２，３間に比較的大きい電流
が流れている場合のしや断時には、接触子５，７
間に生ずるアークは大きく、電弧室９内の消弧流
体が充分に熱解離されて流体圧力も十分に大きく
なる。そのため、接触子５がノズル１１を抜け出
た時の電弧室９から内部空間１２への排出流体は
アークを容易に吹き消すことができる。端子２，
３間の電流が差程大きくなく、生ずるアークも大
きくないため電弧室９から内部空間１２への圧縮
された排出流体がアークを吹き消すには十分では
ない場合には、動作の後半におけるパツフア装置
からの圧縮吹き付け流体がアークを吹き消す。パ
ツフアピストン１３およびパツフアシリンダ１４
を備えたパツフア装置からの圧縮吹き付け流体
は、比較的弱い電流による弱いアークを吹き消す
のに十分なものである。パツフア装置は、操作機
構１７により可動接触子５の作動慣性力が最大と
なつて減速期にさしかかる時点でパツフアピスト
ン１３をパツフアシリンダ１４に突入させている
ので、操作機構そのものはパツフア装置を駆動す
るための特別の操作力が不要で、小型のものを製
作し得る。また、このように構成されたパツフア
装置は、従来のガスしや断器が有していた、その
しや断時に非常に大きい騒音を発つするという欠
点を軽減している。なぜならば、しや断動作の後
半において空間１５内の消弧流体が可動接触子５
のクツシヨンとしても働いているからである。

パツフアピストン１３とパツフアシリンダ１４
の良好な滑合動作を行わせるために、第２図に示
すように、シリンダ１４の周辺に複数の切込溝２
０を設けても良い（第２図）。この切込溝２０は
ピストン１３を所定位置に支持し、ピストンとシ
リンダの係合動作を容易にしている。また、第３
図に示すように、ピストン１３はシリンダ１４の
上部にばね２２で支持しておき、突起２１がピス
トン１３を押し下げるようにしても良い。

以上説明したようにこの発明は、大電流しや断
時のアークは電弧室内の圧縮流体による自己消弧
方式により消弧し、小電流しや断時のアークはパ
ツフア装置により消弧し、電流の大小にかかわら
ず確実な消弧を実現するものである。またパツフ
ア装置を駆動するために、大型の操作装置は不要
で、経済的にも有利で、しかも騒音を比較的に軽
減する効果をも有している。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明によるガスしや断器の断面
図、第２図および第３図はそれぞれこの発明の他
の実施例を示す断面図である。 図中、１は消弧室、２および３は端子、４は絶
縁筒、５は可動接触子、６は固定フインガー接触
子、７はアーク接触子、９は電弧室、１０は貫通
孔、１１は絶縁ノズル、１３はパツフアピスト
ン、１４はパツフアシリンダー、１６は連結機
構、１７は操作機構である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 絶縁性消弧流体を充填した消弧室と、しや断
   器操作装置と、前記消弧室の内部に設置したアー
   ク接触子および可動接触子と、これらアーク接触
   子および可動接触子を密閉して囲む電弧室と、前
   記可動接触子の操作軸の内部を貫通して設けた圧
   縮流体送出孔と、前記可動接触子の操作軸の一端
   に設けた圧縮流体発生装置を作動するためのパツ
   フアピストンおよびパツフアシリンダとを備え、
   前記可動接触子が前記しや断器操作装置によつて
   操作され、前記可動接触子の接触部がその電路開
   放の最終段階に近く到達した時、前記圧縮流体発
   生装置を作動し、前記圧縮流体送出孔を経て前記
   消弧室に圧縮流体を放出することを特徴とするガ
   スしや断器。 ２ パツフアピストンと結合するパツフアシリン
   ダの端部に複数の切込溝を設けた特許請求の範囲
   第１項記載のガスしや断器。 ３ パツフアシリンダの内空部にパツフアピスト
   ンの動程を制御するための渦巻ばねを設けた特許
   請求の範囲第１項記載のガスしや断器。