JPS6118251Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の速度計と、変速機等に接続し
たケーブルとの連結をするのに用いる自動車用速
度計におけるケーブルの連結装置に関する。

従来、自動車の速度計と、速度機等に接続した
ケーブルとの連結をするのに用いる斯種連結装置
としては、例えば速度計に設けた金属製の結合筒
に、ケーブルに固定して合成樹脂等の弾性可塑物
にて形成した結合子を係止することにより速度計
を回転軸とケーブルとを連結していた。

ところが、この従来品は前記結合筒及び結合子
との２部品乃至はその止め部材等の３部品とから
なるため、その等各部品の単独の精度又は組付け
精度により、寸法誤差が生じ易かつた。従つて、
速度計の回転軸とフレキシブルケーブルとの確実
な連結乃至は離脱ができない欠点があつた。

本考案は上述の如き点に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは速度計の回転軸に対
するケーブルの連結及び離脱がワンタツチにて行
えしかも確実且つ構造堅牢に連結することが可能
な自動車用速度計におけるケーブルの連結装置を
提供するにある。

以下、本考案を一実施例につき添付図面に従つ
て説明する。

１は合成樹脂弾性可塑物又は合成ゴムにて形成
され、大径部１Ａと小径部１Ｂとを有する締着筒
本体で、この締着筒本体１の大径部１Ａにはその
前方と左右両端に亘る周囲を略平面コ字状の切込
孔３となすことにより形成する切離部４と該切離
部４を後方に延長して設けた押しレバー４Ａとか
らなる結合子片５を形成している。従つて、結合
子５は切離部４と押しレバー４Ａ間において切込
孔３の後方における大径部Ａの一部に支点５Ａを
有している。６は該結合子片５の内周の前方に設
けた爪、７は結合子片５を保護するのと補強を兼
ねて大径部１Ａから小径部１Ｂにかけしかも前記
結合子片５の両側傍に設けた保護リヴ、８は大径
部１Ａの外周に設けた補強用のリヴであり、９は
大径部１Ａの前端に設けたフランジであり、速度
計のステムとの円滑な嵌合を案内する。

１０はインナー１１をその前端に突出したケー
ブルで、このケーブル１０は前記締着具本体１の
小径部１Ｂ内に嵌挿する。

１２はマグネツト１３を装着した速度計の回転
軸で、この回転軸１２は速度計のハウジング等に
形成したステム１４内に挿入し、しかも回転軸１
２の嵌入孔１２ａ内に前記インナー１１が嵌着さ
れることにより、ケーブル１０の回転を回転軸１
２に伝えるようにしている。ステム１４の外周に
形成した環状孔１４ａには前記結合子片５の爪６
が係止する。

本考案の一実施例は上述の如き構成から成るも
のであるから速度計とケーブルとを連結するに
は、締着具本体１の小径部１Ｂ内にケーブル１０
を嵌挿しておき、そしてこの締着具本体１の大径
部１Ａ内に速度計のステム１４を嵌入すると、ス
テム１４の環状孔１４ａ内に大径部１Ａの結合子
片に５設けた爪６が係止して抜け出しを防止す
る。しかも速度計の回転軸１２の嵌入孔１２内に
ケーブル１０のインナー１１が嵌着することによ
り速度計とケーブルとは連結される。

他面、速度計とケーブル１０とを分離するには
結合子片５の押しレバー４Ａを軸心方向に押圧す
ると、該結合子片５の内周面と先窄りのステム１
４との間に間隙Ｐが形成されているため結合子片
５はステム１４との接触終点面付近が支点となる
ことにより先端がもち上がり、結合子片５の内周
の前方に設けた爪６がステム１４の環状孔１４ａ
から脱する。従つて、締着筒本体１をステム１４
から引き離すことにより、回転軸１２の嵌入孔１
２ａからインナー１１を抜くことができ、之によ
りケーブル１０を速度計から分離できる。

本考案は、上記しこ如くに、合成樹脂等の弾性
可塑物にて大径部と小径部とを有する締着筒本体
を形成し、前記大径部にはその前端に全周にわた
る環状突出部と、該環状突出部の後方に切込孔に
より形成した切離部と、さらに該切離部の後方に
延長した押しレバーとからなる結合子片を該切離
部の後方において前記小径部に臨んだ大径部の一
部を支点として形成し、前記小径部には、前記大
径部の後端から前記結合子片の両側傍に延出する
一対の保護リブを形成し、前記小径部にケーブル
を接続し、前記大径部内に速合計のステムを嵌入
してケーブルのインナーを速度計の回転軸内に嵌
挿し、係合子片に設けた爪を該ステムに係止する
ようにして成るものであるから、結合子片が締着
筒本体に対して最もコンパクトな形で組み込まれ
ており、この際に大径部の後方の一部が支点とな
つているので、支点の腰が強く、結合保持作用が
安定している。

また、大径部の前端に全周にわたる環状突出部
が形成されているので、該環状突出部はケーブル
の曲げ等による大径部の変形を防止すると共に結
合子片とステムとの結合部分の保護を行なう。

更にまた大径部の後端から小径部に延出する一
対の保護リブを結合子片の両側に形成してあるの
で、該保護リブは結合子片を保護してケーブルと
ステムの連結の安定性を確保すると共に、切離部
を大径部の全体にわたつて設けることなくして結
合子片の支点が大径部の一部に形成されているこ
とと相俟つて大径部と小径部の連設部分を補強し
て締着筒本体の耐久性を保持することを可能とす
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜面図、第２
図は同じく連結状態を示す縦断側面図、第３図は
本考案を構成する締着具本体の平面図である。 １……締着具本体、１Ａ……大径部、１Ｂ……
小径部、３……切込孔、４……切離部、４Ａ……
押レバー、５……結合子片、６……爪、１０……
ケーブル、１４……ステム、１４ａ……環状孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂等の弾性可塑物にて大径部と小径部と
   を有する締着筒本体を形成し、前記大径部にはそ
   の前端に全周にわたる環状突出部と、該環状突出
   部の後方に切込孔により形成した切離部と、さら
   に該切離部の後方に延長した押しレバーとからな
   る結合子片を該切離部の後方において前記小径部
   に臨んだ大径部の一部を支点として形成し、前記
   小径部には、前記大径部の後端から前記結合子片
   の両側傍に延出する一対の保護リブを形成し、前
   記小径部にケーブルを接続し、前記大径部内に速
   合計のステムを嵌入してケーブルのインナーを速
   度計の回転軸内に嵌挿し、係合子片に設けた爪を
   該ステムに係止することを特徴とする自動車用速
   度計におけるケーブルの連結装置。