JPS6118217Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はアルコール改質ガスエンジンに取り付
けられるアルコール改質装置に関する。

アルコール改質装置は、エンジンの排熱を利用
し、液体アルコールを水素、一酸化炭素を主成分
とする改質ガスにせしめる熱交換器の一種であ
り、排熱を回収することにより高エネルギー位
（高位発熱量）の燃料を得ることができるという
利点がある。

従来のアルコール改質装置としては例えば第１
図に示すようなものがある。（例えば特開昭55−
93952号公報参照）。図において図示しないエンジ
ンの排気マニホルド出口に接続される２重壁構造
の排気通路１内には、蒸発器２及び改質器３が隔
壁４を隔てて配設される。アルコール供給路５か
ら蒸発器２に導入された液体アルコールは、蒸発
器２によつて気化された後、改質器３に流入し、
該改質器３内において触媒の存在下で排気熱を吸
収して改質反応を生じ、水素、一酸化炭素を主成
分とする改質ガスとなつてガス供給路６から図示
しないエンジン吸気通路へ供給される。

又、前記隔壁４の上端部が開口され、該開口部
７を開閉制御するバイパス制御弁８が取り付けら
れる。そして、改質器３上流の排気通路１に臨設
した温度センサ９からの排気温度に基づいてコン
トローラ１０を介して電磁式のバイパス制御弁７
を駆動制御するようになつている。具体的には、
排気温度が設定値（例えば、600℃）以下の時に
は、バイパス制御弁８を閉として、排気通路１内
に導入されて排気を改質器３、蒸発器２を経由さ
せて排気出口１１に導き、設定値を超える時に
は、バイパス制御弁８を開として排気を改質器
３、蒸発器４をバイパスさせ開口部７から直接排
気出口１１へ逃すようにしている。即ち、設定値
を超える高温の排気が改質器３を流通することを
防止し、改質器３内の触媒の劣化防止を図つてい
る。

しかしながら、このように排気を触媒の耐熱温
度を超える時だけ改質器をバイパスさせるという
従来構成では、触媒の反応に最も重要な雰囲気温
度が排気の温度変化に影響され、排気温度の低下
時は前記雰囲気温度が低下して良好な吸熱改質反
応が行なわれなくなるという難点を解消できるも
のではなかつた。

本考案はかかる従来の問題点に鑑み為されたも
ので、排気温度と改質器の触媒温度との双方を検
出し、前者が後者を下回るときには改質器をバイ
パスして排気を流通させる構成とし、もつて触媒
温度を良好な改質反応が行なわれる温度以上に維
持することにより上記従来の問題点を解決したア
ルコール改質装置の提供を目的とする。

以下に本考案を図示実施例に基づいて詳細に説
明する。一実施例を示す第２図において、２重壁
構造の排気通路２１内に蒸発器２２及び改質器２
３が隔壁２４を介して配設され、該隔壁２４上端
部に開口された開口部２５を開閉制御するバイパ
ス制御弁２６が設けられることは従来と同様であ
る。

ここに、本考案では、前記バイパス制御弁２６
を制御する制御手段を以下の如く構成する。

改質器２３上流の排気通路２１に排気温度セン
サ２７を設けると共に、改質器２３の触媒温度を
検出する触媒温度センサ２８を設け、かつ、これ
らセンサ２７，２８からの排気温度信号及び触媒
温度信号に基づきバイパス制御弁２６を駆動制御
するコントローラ２９を設ける。コントローラ２
９は比較器等を備えて構成され、前記両センサ２
７，２８からの入力信号に基づき、排気温度が触
媒温度以上であるときにはバイパス制御弁２６を
閉とし、排気温度が触媒温度を下回る時にはバイ
パス制御弁２６を開とする制御信号を出力する。

このようにすれば、排気温度が触媒温度以上あ
るときにはバイパス制御弁２６が閉じることによ
り、排気は改質器２３及び蒸発器２２を経由して
流通するため、改質器２３を流れるアルコールに
排気熱を供給して良好な吸熱改質反応がなされ、
改質ガスの生成が促進される。

又、排気温度が触媒温度を下回るときには、バ
イパス制御弁２６が開き、排気は改質器２３及び
蒸発器２２をバイパスして流れるため、排気流通
による触媒の温度低下が防止される。この場合、
改質器２３の熱容量は大きいため、熱供給が停止
されても触媒温度の低下は極めて緩慢であり、改
質ガスの生成を安定状態に維持することができ
る。そして排気温度が再び触媒温度以上になると
バイパス制御弁２６が閉じて、排気が改質器２３
を流通し、排気熱の積極的な供給によつて触媒温
度を適温以上に保持することができる。

尚、例えば触媒温度に対して排気温度が10℃以
上低くなつた時にバイパス制御弁２６を閉じ、そ
の後排気温度が上昇して触媒温度より10℃以上高
くなつた時にバイパス制御弁２６を開くようにヒ
ステリシスを持たせた制御とすれば、排気温度の
変動に対しバイパス制御弁２６の頻繁な開閉の繰
り返しを防止でき、耐久性が向上する。

又、かかる本考案に係る制御と、前記した従来
の制御とを併用することができることは勿論であ
る。この場合、コントローラにおける回路は例え
ば第３図に示すようにすればよい。即ち、排気温
度信号と触媒温度信号とを入力し、排気温度が触
媒温度を下回る時にON、それ以外でOFFとなる
比較器３１を設けると共に（この場合も前記した
ようなヒステリシスを持たせるとよい）、排気温
度信号と基準温度信号とを入力し、排気温度が基
準温度以下の時にOFF、基準温度を超える時に
ONとなる比較器３２を設け、これら両比較器３
１，３２からの出力をOR回路３３、増幅器３４
を介してバイパス制御弁３５に供給するように構
成する。このようにすれば、排気温度が触媒温度
を下回る時の他、基準温度を超える時にもOR回
路３３がONとされ、バイパス制御弁３５が通電
して開かれるため、触媒を適温以上に保持できる
と共に、異常温度上昇を防止でき、安定した改質
ガスの生成と触媒の劣化防止とを同時に図ること
ができる。

以上説明したように、本考案によれば排気温度
が改質器の触媒温度を下回る時には改質器を経由
させない構成としたから、触媒温度を適温以上に
安定させることができ、改質ガスの生成を安定状
態に維持できるという利点を備えるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のアルコール改質装置の一例を示
す構成図、第２図は本考案の一実施例に係るアル
コール改質装置を示す構成図、第３図は本考案の
別の実施例に係るアルコール改質装置を示す構成
図である。 ２１……排気通路、２３……改質器、２５……
開口部、２６……バイパス制御弁、２７……排気
温度センサ、２８……触媒温度センサ、２９……
コントローラ、３１……比較器、３２……比較
器、３３……OR回路、３４……増幅器、３５…
…バイパス制御弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アルコールを触媒の存在下で吸熱改質反応させ
   可燃成分を主成分とするガスを発生させる改質器
   をエンジン排気通路に介装してなるアルコール改
   質装置において、改質器をバイパスして排気を流
   通させるバイパス排気通路と、該バイパス排気通
   路を開閉するバイパス制御弁とを設けると共に、
   排気温度を検出する排気温度センサ及び改質器の
   触媒温度を検出する触媒温度センサを設け、かつ
   前記両センサからの検出信号に基づき排気温度が
   触媒温度を下回る時にバイパス制御弁を開とする
   弁制御手段を設けて構成したことを特徴とするア
   ルコール改質装置。