JPS6118012Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、撹拌搬送機の撹拌搬送作用によつて
堆肥化材料が通風床面側に押し付けられて硬盤と
なり、空気不透層が起成されるのを撹拌搬送機の
前低側下部に配設した通風床形成体により未然に
防止して常に空気が円滑に堆肥化材料層中を通風
できるようにした場合にあつても、前記通風床面
が堆肥化材料層中に介入された比較的長い異物が
通風床形成体に絡みつくことで通風床面が破壊さ
れるのを適確に防止せしめると共に、通風床面を
常に水平面状に保持して良好な通風堆肥化作業を
長期に亘り継続させることができる堆肥化装置に
関する。

さきに本出願人は、堆肥化槽の底部に通風床を
設け、該通風床上には堆肥化材料を上積み状に収
容して堆肥化材料層を形成し、上記堆肥化槽内に
は収容した堆肥化材料を掬い上げて後方へ撹拌搬
送できる前低後高状の撹拌搬送機を走行自在に配
設せしめると共に、撹拌搬送機の前低側下部には
通風床形成体を配設して、撹拌搬送機の撹拌搬送
作用によつて堆肥化材料が通風床面側に押し付け
られて硬盤となり、空気不透層が起成されるのを
未然に防止し、常に良好な通風性を保持せしめて
材料の堆肥化は勿論のこと乾燥の促進を達成でき
る堆肥化装置を開発した。

しかしながら、さきに開発した通風床形成体の
形状は、第４図および第５図に示されたように、
全体を下向きに傾斜させたヘラ体ａの先端縁ｂを
ヘラ体ａの進行方向に対し直角となつた直線状に
形成したものであつたから、堆肥化作業中におい
て、通風床形成体を撹拌搬送機と共に通風床面に
沿い進行させた際には、堆肥化材料中に混入され
た比較的長い異物等が直線状となつた先端縁に絡
み付き、除去されずにその量が次第に多くなり、
遂には通風床面を絡み付いた異物で削り取つて凹
凸ならしめるは勿論のこと、通風床面の形態を破
壊してしまい、その結果、均一な通風作用を行う
ことができなくなつて均等な堆肥を得ることがで
きない欠点が生ずる。

本考案は前記に鑑み、通風形成体は通風床面と
接する前方側部分を水平面としたヘラ状となし、
かつ水平面全体を先端が角尖状に形成せしめて、
通風床形成体を撹拌搬送機と共に通風床面に沿い
進行させた際に、堆肥化材料中に混入された比較
的長い異物等が通風床形成体の先端側に絡み付く
事態が起きても、該異物を通風床形成体の進行に
伴ない自動的に除去せしめ、異物等の絡み付き現
象で通風床面が妄りに破壊されるのを未然に防止
せしめると共に通風床面を常に水平に保持させて
均一な通風作用を達成させ、もつて長期に亘り均
等に完熟された堆肥を得ることができる堆肥化装
置を提供しようとするものであつて、以下に本考
案に係る堆肥化装置の構成を添附図面に示された
好適な一実施例について説明する。

図面において、１は収容した多量の畜糞尿およ
び粗大有機物からなる材料を流通する空気との接
触作用および好気性発酵菌の繁殖作用で発生した
堆肥化熱或は発酵熱との併用作用により速かに材
料の堆肥化ならびに乾燥の促進を図ることができ
る堆肥化槽であつて、本考案の堆肥化槽１は上面
を開放した横長槽状のものが示されている。上記
堆肥化槽１の底部には通風床２が設けられてお
り、この通風床２の上部には堆肥化材料を上積み
状に収容して形成した堆肥化材料槽３が設けられ
ている。そして通風床２はその一例として通風良
好な籾殻、鋸屑や木材片等の有機材料又は砂、砂
利や軽石或はプラスチツク材片等の無機材料を通
風性に富むような状態のもとに堆積した層２′の
下部に寒冷紗又は多孔板２″を介して砕石、玉石
等を通風性に富むよう適当厚さに亘り敷設した層
２を順次立体的に重積して形成すると共に砕
石、玉石等からなる層２中には周面に多数の通
風孔５を穿孔した通風管４を適宜形状に埋設して
吸引作用或は圧送作用により大気中の空気を堆肥
化槽１内を下向き或は上向きに流通せしめる。

６は堆肥化槽１に沿つて移動走行できるように
配設された撹拌搬送機であつて、該撹拌搬送機６
は左右両側に回転車８………を軸架した基台７へ
支持軸９を介して前低後高状となるよう支持され
た撹拌搬送ベルト１０により形成されており、上
記撹拌搬送ベルト１０は適宜の動力で矢印方向に
回転されるよう懸回されると共に基台７は回転車
８………が堆肥化槽１の左右両側壁１ａ，１ｂ上
を転動できるよう搭載されていることで堆肥化槽
１上に位置されている。１１は撹拌搬送機６の撹
拌搬送作用によつて堆肥化材料が通風床２面側に
押し付けられて空気不透層の硬盤となるのを未然
に防止せしめるためのヘラ状を呈する通風床形成
体であつて、該通風床形成体１１は通風床面２と
接する先方側部分を水平面１２としてヘラ状とな
しかつ水平面１２全体を先端が角尖状１３に形成
せしめる。前述のような通風床形成体１１は該通
風床形成体１１の後方両側に設けた材料進入防止
用の取付板１４，１４を介して、撹拌搬送機６の
前低側下部に位置する如く装着されている。

なお上記通風床形成体１１は取付板１４，１４
によらず、複数本のリンク杆により撹拌搬送機６
へ装着せしめてもよい。

次に本考案の作用について説明する。

今、適当な搬入手段により通風床２上の堆肥化
槽１内に堆肥化材料を上積み状に収容して堆肥化
材料層３を形成せしめた後、基台７を堆肥化槽１
に沿い矢印方向に向け移動走行させると同時に撹
拌搬送ベルト１０を矢印方向に回転させる。次い
で、通風管４および通風孔５を介して吸引作用或
は圧送作用により外気を堆肥化材料層３および通
風床２中を下向き或は上向き状に流通させる。

さすれば上積み収容された堆肥化材料Ａは回転
しながら移動する撹拌搬送機６の撹拌搬送作用で
撹拌状態のもとに順次正確に後方へ搬送されると
同時に流通する空気と良く接触し、好気性発酵菌
を繁殖し、堆肥化熱を発生せしめ堆肥化材料全体
の堆肥化ならびに乾燥を促進せしめる。

ところで上述のような堆肥化処理過程において
移動回転する撹拌搬送機６の前低側下部には通風
床面２と接する前方側部分を水平面１２としたヘ
ラ状となし、かつ水平面１２全体を先端が角尖状
に形成した通風床形成体１１が配設されているの
で、撹拌搬送機６の回転作動で通風床２の表面側
に押し付けられようとした堆肥化材料は総て通風
床形成体１１で受け止められ、通風床２の表面側
に押し込められるのが防止される。その結果、通
風床２は撹拌搬送機６の回転移動作用にも拘らず
膨軟状を呈し硬盤等の如き空気不透層の起成が未
然に防止され何時迄も良好な通風床を維持できる
許りか、通風床２は水平面１２にならされて常に
水平に保持される。そして上述の通風床形成作業
中において堆肥化材料中に混入された比較的長い
異物例えば藁等が通風床形成体１１の先端縁に引
かかつて絡み付く事態が発生しても、該異物は通
風床形成体１１の進行に伴ない角尖状１３に沿い
自動的に通風床形成体１１から離反され、絶対に
絡み付くのが防止せられるものである。

したがつて、撹拌搬送機６を複数回に亘り反復
移動走行させれば、均一な通風作用で好気性発酵
菌の繁殖は益々盛んとなり堆肥化材料の堆肥化は
勿論のこと尿の蒸発散作用も促進されて、短時間
内に完熟した堆肥を得ることができる。

要するに本考案は、前記のような構成を具備せ
しめたから、撹拌搬送機６の撹拌搬送作用によつ
て堆肥化材料か通風床面２側に押し付けられて硬
盤となり、空気不透層となるのを撹拌搬送機６の
前底側下部に配設した通風床形成体１１により未
然に防止して、常に膨軟状ならしめ、均一な通風
作用が良好に営まれるようなすと共に、堆肥化材
料中に混入された比較的長い異物等が走行中の通
風床形成体１１の先端側に絡み付く事態が発生し
ても、該異物を通風床形成体１１の先端側に形成
した角尖状１３に沿わせながら自動的に離反せし
めて、異物の絡み付きによつて生ずる通風床面２
の破壊を皆無ならしめることができる許りか、通
風床面２は通風床形成体１１の水並面１２により
常に水平に形成されてより効率的な通風作業を行
わせ、堆肥化材料の完熟化ならび水分蒸発作業の
促進を図ることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案装置の一実施例を示すものであつ
て、第１図は一部を切欠した側断面図、第２図は
第１図の平面図、第３図は通風床形成体の平面
図、第４図および第５図は縦来の通風床形成体の
側面図および平面図である。 １……堆肥化槽、２……通風床、３……堆肥化
材料層、６……撹拌搬送機、１１……通風床形成
体、１２……通風床形成体の水平面、１３……通
風床形成体の角尖状部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 堆肥化槽の底部に通風床を設け、該通風床上に
   は堆肥化材料を上積み状に収容して堆肥化材料層
   を形成し、上記堆肥化槽内には収容した堆肥化材
   料を掬い上げて後方へ撹拌搬送できる前低後高状
   の撹拌搬送機を走行自在に配設せしめると共に、
   撹拌搬送機の前低側下部には通風床形成体を配設
   したものにおいて、前記通風床形成体は通風床面
   と接する前方側部分を水平面としたヘラ状とな
   し、かつ水平面全体を先端が角尖状に形成したこ
   とを特徴とする堆肥化装置。