JPS6117767B2 - - Google Patents

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JPS6117767B2
JPS6117767B2 JP56180329A JP18032981A JPS6117767B2 JP S6117767 B2 JPS6117767 B2 JP S6117767B2 JP 56180329 A JP56180329 A JP 56180329A JP 18032981 A JP18032981 A JP 18032981A JP S6117767 B2 JPS6117767 B2 JP S6117767B2
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JP
Japan
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zeolite
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alkaline earth
earth metal
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JP56180329A
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JPS5884115A (ja
Inventor
Hiroyuki Kashiwase
Muneo Mita
Toshihiko Morishita
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Nippon Chemical Industrial Co Ltd
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Publication of JPS6117767B2 publication Critical patent/JPS6117767B2/ja
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  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Detergent Compositions (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はA型ゼオライトアルカリ土類金属置換
体およびその製造法に関する。その目的とすると
ころは、各種のゴムや合成樹脂の物性改善に有用
な添加剤及び充填剤あるいは触媒等にも使用でき
る独特の無機質粉体を提供すると共に併わせてそ
の工業的に有利な製造法を提供するにある。 近時、ナトリウムA型ゼオライトはそのカルシ
ウムイオン交換能の特性に着目して各種の洗剤用
ビルダーとして利用することが注目されてより現
実に多量に使用されるに至つた。 また一方、この種のゼオライトはそのナトリウ
ムが他の金属イオンと置換された金属置換体と共
に触媒や合成樹脂の充填剤、あるいは塩化ビニー
ル樹脂などの熱安定剤として用途の提案がある。
例えば、樹脂の物性改善のための添加剤として
は、(1)300℃以上の温度で脱水活性化したA型ゼ
オライトを用いる場合(米国特許第3245946号明
細書)、(2)含水率18〜25%の不活性ゼオライトを
他の安定剤と併用する場合(米国特許第4000100
号明細書)、(3)ナトリウム塩のイオン交換容量が
2.1meq/g以上のゼオライト結晶のアルミノ珪
酸塩を用いる場合(特開昭54―34356号)、(4)ポリ
オレフイン樹脂のアンチブロツキング、染色また
は帯電防止などの物性改善剤として使用する場合
(特開昭49―23245号、特公昭37―18624号、特公
昭44―22612号、特公昭45―33303号、特公昭46―
22577号、特公昭51―48791号、特公昭52―39066
号など)、(5)ゴム充填剤、塗料などに使用する場
合(特開昭49―34936号、特開昭49―36747号)な
どが代表的に知られている。 これらはいずれも主として結晶構造にNa+を有
するナトリウムゼオライトを用いた例であり、ま
た一部にはこれと等価的にカルシウムゼオライト
の如き置換ゼオライトも示唆してはいるが、具体
的には殆ど開示されていない。 本発明者らは、これらの提案に基づきナトリウ
ムA型ゼオライトの含ハロゲン樹脂、特に塩化ビ
ニル樹脂に対する熱安定化能に関し数多くの実験
を試みたが、前記の提案にも拘らず、該性能はナ
トリウム特有の赤味を呈する着色が加熱初期から
生じて実質的に実用性を期待できるものは認めら
れなかつた。 また、ゼオライトは独特な三次元の構造結晶を
有するアルミノ珪酸塩の一種であるが、例えば樹
脂添加剤としてゼオライトを用いる場合、その独
特な化合物であるがゆえにその結晶系、形状、一
次粒子の平均粒子径、陽イオン等の種類や程度に
よつて樹脂に与える性能に著しい差異が生ずるこ
とが認められ、ゼオライト粒子という一般的概念
で同一に論ぜられないことがわかつたが、かかる
問題について従来知られていないことは、意外な
ことであつた。 このようなことから本発明者らは、先に例えば
樹脂添加剤として好適なナトリウムA型ゼオライ
トをイオン交換により他の金属イオンで置換した
特定なA型ゼオライト金属置換体に関する発明を
して特許出願をした(特願昭55―149321号)。 しかしながら、たとえばカルシウム置換と称す
る同じ種類の置換ゼオライトであつても、その樹
脂への適用において再現性にバラツキが多く、ま
た特に樹脂の耐候性に大きな差異が生じる欠点も
認められた。更に一方、他の安定剤との併用によ
る樹脂特性をみると著しい変化を生じる等の問題
があり、このような事実は含ハロゲン樹脂にかぎ
らず、例えばポリオレフイン樹脂、エチレン―酢
酸ビニル系樹脂あるいはゴム等への添加剤として
配合した場合にも同様の傾向を示した。上述の事
実に鑑み本発明者らは更に鋭意研究を重ねたとこ
ろ、A型ゼオライトの性能が特定な置換金属とそ
の置換ゼオライトが有する塩基度との関係が樹脂
添加剤の性能に及ぼす影響が大であるとの知見に
基づいてその改質に成功し本発明を完成した。 すなわち、本発明はナトリウムA型ゼオライト
をアルカリ土類金属イオンでイオン交換したアル
カリ土類金属置換A型ゼオライトが以下の物性 (i) 残留ナトリウムがNa5Oとして10重量%以下
であること; (ii) 光透過式粒度分布測定法による平均粒子径が
0.5〜5μmの範囲にある均一微細粒子である
こと; (iii) 微細な球状ないし丸味のある立方体の粒子で
あること; (vi) 該ゼオライト粒子は5重量%水性スラリーの
平衡PHが25℃において8.5〜10の範囲を有する
こと; を有することを特徴とする樹脂添加剤用アルカリ
土類金属置換A型ゼオライトに関する。 更に、本発明はナトリウムA型ゼオライトとア
ルカリ土類金属塩水溶液とを接触さてイオン交換
を行つて、金属置換A型ゼオライトを製造するに
当たり、 平均粒子径が0.5〜5μmの球状ないし丸味の
ある立方体のナトリウムA型ゼオライトを用いて
イオン交換処理を行つて残留ナトリウムがNa2O
として10重量%以下とし、得られるアルカリ土類
金属置換A型ゼオライトをその水性スラリーのPH
が8.5〜10になるように酸で中和処理することを
特徴とする樹脂添加剤用アルカリ土類金属置換A
型ゼオライトの製造方法に関する。 一般に、“ゼオライト”なる意義は独特な3次
元的骨格構造をもつアルミノ珪酸塩の総称であ
り、SiO2/A2O3のモル比や結晶構造の違いに
よつて種々のゼオライトが知られているが、本発
明におけるナトリウムA型ゼオライトは置換ゼオ
ライトの原体であつて、一般式Na2O.A2O3
(1.5〜2.5)SiO2・nH2O(nは0〜4.5)に近い化
学組成のカチオン交換能を有する結晶性アルミノ
珪酸塩である。 このA型ゼオライトは等軸晶系に属する結晶構
造を有し、X線回折により示される回折線のスペ
クトル特性から容易に確認される。 本発明にかかる置換ゼオライトは前記の如きナ
トリウムA型ゼオライトのナトリウムイオンがカ
ルシウム、マグネシウム、バリウムまたはストロ
ンチユームから選ばれた少なくとも1種のアルカ
リ土類金属イオンとイオン交換により置換された
アルカリ土類金属置換A型ゼオライトであり、そ
の基本的結晶の骨格構造は原体のナトリウムゼオ
ライトと同様である。 これらのうち、樹脂添加剤の用途として特にカ
ルシウム置換A型ゼオライトが好ましい。本発明
において前記の如き置換ゼオライトはゼオライト
中の残留ナトリウムがNa2Oとして10重量%以下
であり、特に好ましくは5重量%以下のものをい
う。この理由は、ゼオライト構造体におけるナト
リウムイオンと他の金属イオンとの量的バランス
によつてA型ゼオライトの特性が左右され、ゼオ
ライト中にNa2Oとして10重量%以下にあつては
ナトリウムが一部残留していても、置換ゼオライ
トの特性が優先し、一方逆にNa2Oが10重量%を
越えると置換ゼオライトの影響は殆んど見られず
ナトリウムA型ゼオライトの特性が著しく優先す
る傾向を示すからである。従つて、A型ゼオライ
ト中の残留ナトリウムがNa2Oとして約10重量%
以下の置換ゼオライトにあつては、相当する金属
の置換ゼオライトの特性をもつようになり、特に
Na2Oが約5重量%以下にあつては、何れの置換
金属イオンの場合にも実質的にそれぞれの置換ゼ
オライト本来の特性のみを示すようになるので、
所望する用途に応じて各置換ゼオライトを選択す
る。例えば塩化ビニル樹脂の添加剤として用いた
場合ナトリウムは塩基性が強く塩化水素捕捉能と
いう観点からは非常に優れている筈であるが、実
際にナトリウム塩を塩化ビニル樹脂に配合すると
加熱加工初期に樹脂が赤色に着色し、その耐候性
も著しく低下する。この点、ゼオライト結晶構造
中のナトリウムも他のナトリウム塩と同様に例外
でなくナトリウムゼオライトを含む塩化ビニル樹
脂を屋外に曝露すると劣化が激しく赤色に着色し
て耐候性に著しく悪影響を及ぼす。しかして、残
留ナトリウムが約10重量%以下の特定の置換ゼオ
ライトの場合には、前記のような現象は見られ
ず、特に5重量%以下の本発明における特定の置
換ゼオライトの常に著しい樹脂安定化能をもつに
至る。この事実は他の樹脂についても同様で、そ
れぞれの置換ゼオライトの特性に外ならないと考
えられる。なお本発明における残留ナトリウムイ
オン量は原子吸光度計による測定で分析される値
を採るものとする。 このような置換ゼオライトは弱塩基性を示す適
度な塩基度を有することが特徴であり、それは次
の如き極めて簡単な評価法にて測定される。 すなわち、置換ゼオライト試料5gを100mlの
純水(脱塩水)に均一に分散懸濁させた水性スラ
リーを30分間撹拌後、そのスラリーのPH値を測定
する。これを本願発明では平衡PHと定義し、本発
明にかかる置換ゼオライトは、平衡PHが8.5〜10
の限られた範囲の値を示すものである。平衡PHは
置換ゼオライト中の残留ナトリウムが多ければ遊
離してくるNa+のために強アルカリの傾向を示す
ので、残留Na2O量の関係も当然にあるが、しか
し、その量が少なく、例えばCa++の置換量が多
くなるとPHが低下するとは限らず、残留Na2Oと
は直接的な関係はなく、従つて、本発明にかかる
置換ゼオライトは意図的に塩基度を調整して上記
の範囲内となるように改質されたものでなければ
ならない。この理由は、平衡PHが約8.5以下にあ
つては、ゼオライトの独特な結晶構造が破壊され
る傾向になるのでその特異な本質的機能がなくな
るからであり、一方その値が約10を越えると、強
塩基性のために、ナトリウムイオン並びにこれと
イオン交換された如何なる金属イオンであつて
も、本発明の最も期待される用途の1つである樹
脂添加剤としてはいわゆるアルカリ焼けと称する
樹脂へ着色を呈しやすく、他の所望の樹脂改善効
果が得られたとしても本質的欠点として作用する
からである。従つて、前記所定のPHを有する置換
ゼオライトにあつては例えばポリ塩化ビニル樹脂
に対する熱安定剤、ポリプロピレン樹脂に対する
触媒中和剤、熱安定剤あるいは他の所望の樹脂配
合剤との併用により、予期せぬ効果が多面的に、
かつ再現性よく発揮できる極めて興味ある特性を
有する置換ゼオライトである。 本発明にかかる置換ゼオライトは樹脂添加剤と
して用いる場合、次のような粒度特性および形状
を有することが好ましい。すなわち、光透過式粒
度測定法で得られる平均粒子径が0.5〜5μmの
範囲にあり、かつ電子顕微鏡写真観察による一次
粒子が実質的に0.1〜10μmの範囲にある均一微
細な結晶粒子であること、及び形状は一般的には
角砂糖の如き立方体であるが、球状ないし立方体
の角や稜線がとれた丸味のある粒子であるもので
ある。 この理由は、一次粒子が0.1μm以下の場合
は、原体ゼオライトの調製が非能率的で実用性に
欠け、一方、10μm以上の場合には、置換ゼオラ
イトの機能が制限される傾向、例えばゴムや樹脂
への分散性および相溶性が悪く、また、比表面積
が小さくなつて活性能が減少する等のことから置
換ゼオライトの特性を実質的に活用できなくなる
からである。また同様の理由から、特に光透過式
粒度測定法による粒度分布が前記のようなシヤー
プなものが最も効果的に置換ゼオライトの機能を
発揮できる。 また、A型ゼオライトは結晶学的には等軸晶系
に属する結晶であるため、通常のものは角や稜線
の顕著な角砂糖型の立方体状の粒子であるが、本
発明においては、そのようなものも含むけれども
球状の結晶粒子ないし立方体の角や稜線に相当す
る部分が消失して平滑な曲面となつて丸味のある
立方体状をしたものの方が分散性および粒子の均
一性の点から同様に置換ゼオライトの機能をより
効果的に発揮できるので特に好ましいからであ
る。かかる形状は走査型電子顕微鏡の観察によつ
て容易に識別される。 なお、置換ゼオライトはその種類によつて、性
質上、微細な相当する金属の含水酸化物、炭酸塩
等の難溶性アルカリ土類金属化合物の微粒子がゼ
オライト粒子表面に沈積したり、または一部遊離
した状態で含有する場合がある。これはイオン交
換の際に金属イオンが一部加水分解によつてイオ
ン交換反応と競合して金属水酸化物が生成した
り、あるいは塩基度調整の如何によつて生ずるか
らであるが、実用上ほとんど支障をきたすことは
なく、本質的に置換ゼオライトの機能を低下させ
ない限り許容される。また、本発明においては結
晶水を有する置換ゼオライトは勿論、それを脱水
した無水の置換ゼオライトまで含む。 次に本発明にかかる置換ゼオライトの製法はナ
トリウムA型ゼオライトとアルカリ土類金属塩水
溶液とを接触させてイオン交換を行つた後、得ら
れる置換ゼオライトを酸で中和処理することを特
徴とする。 原体であるナトリウムA型ゼオライトは前記の
通りであり、近時、このものは洗剤用ビルダーと
して多量に生産されているが、勿論この種のもの
を用いて差支えなく、その履歴や製法の如何は問
わない。例えば先に本発明者らが開発した方法で
あるが、珪酸ソーダ水溶液とアルミン酸ソーダ水
溶液とをモル比SiO2/A2O3が0.5ないし3の範
囲においてバツクミキシングのない状態で反応さ
せてゲルを得た後、該ゲルを熟成し結晶化して得
られたナトリウムA型ゼオライトは粒径がシヤー
プで微細であり、形状も球状ないし丸味のある立
方体のものとして好適である。(特開昭56―59618
号、特願昭55―74383号)。 所望の原体すなわち、ナトリウムA型ゼオライ
トと置換すべき金属塩水溶液との接触により行う
イオン交換には幾つかの態様が可能であるが、本
発明においては、残留ナトリウムがNa2Oとして
ゼオライト中に10重量%以下となるような方法で
あればその態様の如何については特に限定される
ものでない。 例えば、ナトリウムA型ゼオライトを水に分散
させて所定のスラリー濃度にしアルカリ土類金属
塩水溶液を該スラリーに添加混合する方法、カラ
ム型式にしてゼオライト層へ該金属塩水溶液を連
続または非連続に流通させる方法が代表的であ
る。 なお、この操作中またはその前後において、ホ
モジナイザーの如き剪断力を用いたり、湿式粉砕
または分級を兼ねた手段を適宜採ることが粒子特
性の調整のうえで好ましいことである。この工程
において、イオン交換の条件は、交換量、金属塩
の種類等によつて一様でないが、共通していえる
ことは遊離するアルカリイオンのためにアルカリ
側で行われる。その他、温度、時間またはスラリ
ー濃度等は所望の条件により設定できる。例え
ば、本発明においては、スラリー濃度は多くとも
30重量%、好ましくは5〜20重量%のゼオライト
スラリーと金属塩水溶液とを常温または温度40℃
以上の加温状態で金属塩水溶液とを少なくとも10
分以上、好ましくは30分〜6時間接触させること
よつて所望の金属イオンとイオン交換される。こ
の場合バツチ処理においては1回に限らず、必要
により2回以上の操作を繰り返して残留ナトリウ
ムイオンがNa2Oとして10重量%以下となるまで
行うことが必要となる。 このように置換ゼオライトは原体ゼオライトと
イオン交換すべき金属塩水溶液と充分に接触させ
ることによつて得られるが、可溶性金属塩として
カルシウム、マグネシウム、バリウムまたはスト
ロンチウム等アルカリ土類金属の塩化物、硝酸
塩、硫酸塩、燐酸塩または有機酸塩等のうち可溶
性塩があげられる。 次いで得られた置換ゼオライトを中和処理す
る。 この未処理の置換ゼオライトは残留ナトリウム
及びアルカリ土類金属イオンのために極めて強塩
基性であるため、樹脂添加剤として使用する場合
ある種の効果が得られても総合的には不適となる
ことがわかつた。ところが、このものの塩基度を
調整すべく中和処理したものは、置換ゼオライト
の本来的機能が再現性よく何らの欠点も与えるこ
となく達せられるので、本発明においては、中和
処理は重要な工程である。中和に用いられる酸は
特に限定なく、無機酸または有機酸のいずれであ
つてもよい。無機酸としては、例えば、塩酸、硫
酸、硝酸、燐酸またはほう酸、その他、炭酸ガ
ス、炭酸水、亜硫酸ガス、亜硫酸水、あるいは強
酸と弱塩基との反応による塩類などが代表的であ
り、他方、有機酸としては例えば、ギ酸、酢酸、
酪酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸、シユウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸またはア
ジピン酸等のジカルボン酸、グリコール酸、乳
酸、リンゴ酸、酒石酸またはクエン酸等のオキシ
カルボン酸あるいはそれらの低級アルキルエステ
ル、その他炭酸エチレンなどの炭酸誘導体等が代
表的であが、水可溶性の有機酸であれば特に限定
されない。この場合、強酸はできるだけ希釈した
ものを穏やかな条件で用いることが必要である
が、多くの場合弱酸類が好適である。 中和処理はイオン交換処理後、母液と分離し、
更に洗浄後行つてもよいが、イオン交換処理後そ
のままのスラリーについて行つてもよい。工業的
には後者の方が廃水処理の点から有利である。 すなわち、イオン交換された置換ゼオライトス
ラリーと前記の酸の1種または2種以上とを接触
させる。従つて、通常は置換ゼオライトスラリー
にガスを導入または酸の水溶液を添加混合して中
和処理する。この中和処理は前記のイオン交換処
理における条件とほぼ同様であるが平衡PHに近ず
けるように安定したPH状態に至るまで中和する。
唯、A型ゼオライトは強酸に接触するとその結晶
構造が破壊されるのでスラリーPHが約5以下とな
らない範囲で行うことが必要である。このゼオラ
イトの分解は、スラリーがかさ高となり、また
過性が著しく低下するなどの現象が見られること
から容易に判別できる。中和処理後は、常法によ
り母液を分離し、洗浄し乾燥後粉砕して製品とす
る。なお、乾燥に当り更に加熱処理を行うことに
よつて結晶水をも脱水した活性化置換ゼオライト
を得ることができ、更に必要に応じて界面活性剤
や有機表面処理剤で所望により粒子表面の加工を
行うと一層置換ゼオライトの機能を向上させるこ
とがある。 本発明にかかる置換ゼオライトは、例えば塩化
ビニル樹脂、ポリオレフイン樹脂、エチレン―酢
酸ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂の物
性改善のための添加剤、ゴム添加剤あいは触媒、
吸着剤、乾燥剤等の用途が期待できる。 実施例 1 球状ないし丸味のある立方形の平均粒子径が
0.5〜2.5μmにある3種のナトリウムA型ゼオラ
イトの200g/水性スラリー50をそれぞれ調
製した。 次いで、濃度100gCaC/の塩化カルシ
ウム水溶液30.5を上記ナトリウムA型ゼオライ
トスラリー50の中に添加し撹拌混合した。約1
時間撹拌しながらイオン交換処理を施した。この
ときの温度は40℃、イオン交換処理終了後のPHは
11.1であつた。次いで炭酸ガスを10/分の流速
でイオン交換処理後の各スラリーに撹拌しながら
導入し、PHが9.5になるまで40℃で中和処理し
た。 中和処理終了後母液を過分離、ケークを水洗
および乾燥したのち粉砕して改質したカルシウム
置換A型ゼオライトを得た。 得られた改質ゼオライトの特性を調べるため、
粉末X線回折、走査型電子顕微鏡観察、光透過法
粉末粒度分布測定、化学分析およびPHメータによ
つて測定または観察したところ第1表の結果が得
られた。
【表】
【表】 実施例 2 実施例1で用いたものと同一の平均粒子径0.5
μmの球状ナトリウムA型ゼオライトスラリー
200g/スラリー50に濃度100gCaC
の塩化カルシウム水溶液30.5を添加して温度50
℃で約1時間イオン交換処理を施した。次いでこ
のイオン交換処理の終了したスラリーを3分割
し、第2表に示す中和処理を施した後、実施例1
と同様にして改質カルシウム置換A型ゼオライト
を得た。
【表】
【表】 比較例 1 実施例1で用いた平均粒子径0.5および2.3μm
のナトリウムA型ゼオライトのスラリー200g/
溶液50を用い、これに濃度100gCaC
の塩化カルシウム水溶液30.5を各スラリー50
の中に添加混合して約1時間撹拌しながらイオ
ン交換処理を施した。この時のPHは11.1であり温
度は40℃であつた。次いで母液を分離、水洗およ
び乾燥したのち粉砕してカルシウム置換A型ゼオ
ライト粉末を得た。 得られたゼオライト粉末の粉末X線回折、走査
型電子顕微鏡観察、光透過法粒度分布測定、
CaO,Na2O含有率は実施例No.1―1,1―2と
殆んど変らない数値であつたがゼオライトの塩基
度は平均粒径0.5μのものはPH11.2,2.3μのもの
は11.3の数値を示した。 以下平均粒径0.5μmを用いた本比較例No.をR1
―1、平均粒径2.3μmを用いた本比較例No.をR1
―2と称す。 参考例 1 実施例1、実施例2および比較例1で得られた
各カルシウム置換A型ゼオライトのポリプロピレ
ン樹脂組成物に対する性能を調べるために次のテ
ストを行つた。 市販のポリプロピレン樹脂(シヨウレツクス
SMA10昭和電工社製)100重量部に対し実施例No.
1―1,1―2,1―3,2―1,2―2,2―
3、比較例No.R1―1,R1―2で得たカルシウム
置換A型ゼオライトを各0.2重量部添加して、こ
れを170℃のテストロールで5分間混練しシート
状に成型したのち170℃でプレス成型して1mmの
厚さのテストピースを作成した。これを150℃の
ギヤ式オーブンで200時間の耐熱性テストを行な
つた。 その結果本実施例で調製した改質カルシウム置
換ゼオライトを添加したテストピースの着色はな
かつたが、比較例で調製したゼオライトは微黄色
に変色し耐熱性に劣ることがわかつた。 参考例 2 ワンパツク型樹脂添加物の作成において本発明
による改質ゼオライトの有効性を以下に示す。 ステアリン酸亜鉛5.5Kg、実施例No.1―2のカ
ルシウム置換A型ゼオライト1.6Kgおよび水酸化
カルシウム2.9Kgをスーパーミキサー(川田製作
所製)に入れ撹拌しながら外部より加熱して試料
温度が125℃になつたとき加熱を止め、そのまま
の温度で20分間撹拌をつづけた後、取りだして冷
却固化後粉砕してワンパツク型樹脂添加物を作成
した。この操作に於いて何ら支障なく複合化が達
成できた。 ステアリン酸亜鉛、水酸化カルシウム、カルシ
ウム置換ゼオライトの量は同じとしカルシウム置
換ゼオライトを1―2の代りにR1―2を用い、
同操作を試みたが粘度が上昇し均一に撹拌するこ
とが困難で複合化は困難であつた。 ゼオライトの塩基度の高い場合、この例の様に
高沸点成分の副生と考えられるが、複合化におい
て支障をきたすことが判る。 参考例 3
【表】 を配合した塩化ビニール樹脂組成物を160℃のテ
ストロールで5分間混練したのち、厚さ0.5mmの
シート状にとりだした。カルシウム置換A型ゼオ
ライトは実施例No.1―2及び比較例No..R1―2
で得られたものを用いた。このシートを2cm×5
cmの矩型に切り取つて静的熱安定性を200℃のギ
ヤオーブン中に熱着色の経時変化を観察した。着
色度は下記6段階の数値で評価した。
【表】 また厚さ0.5mmのシートを170℃で5分熱プレス
成型し厚さ1mmの試験片を作成し12ケ月屋外に曝
露して試験片の変色度合から塩化ビニル樹脂組成
物の耐候性を評価した。変色度合いの少ないもの
を耐候性良好とした。結果を第3表に示す。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ナトリウムA型ゼオライトをアルカリ土類金
    属イオンでイオン交換したアルカリ土類金属置換
    A型ゼオライトが以下の物性 (i) 残留ナトリウムがNa5Oとして10重量%以下
    であること; (ii) 光透過式粒度分布測定法による平均粒子径が
    0.5〜5μmの範囲にある均一微細粒子である
    こと; (iii) 微細な球状ないし丸味のある立方体の粒子で
    あること; (vi) 該ゼオライト粒子は5重量%水性スラリーの
    平衡PHが25℃において8.5〜10の範囲を有する
    こと; を有することを特徴とする樹脂添加剤用アルカリ
    土類金属置換A型ゼオライト。 2 アルカリ土類金属置換A型ゼオライト粒子は
    カルシウムまたはマグネシウム金属置換A型ゼオ
    ライトである特許請求の範囲第1項記載の樹脂添
    加剤用アルカリ土類金属置換A型ゼオライト。 3 ナトリウムA型ゼオライトとアルカリ土類金
    属塩水溶液とを接触させてイオン交換を行つて金
    属置換A型ゼオライトを製造するに当たり、 平均粒子径が0.5〜5μmの球状ないし丸味のあ
    る立方体のナトリウムA型ゼオライトを用いてイ
    オン交換処理を行つて残留ナトリウムがNa2Oと
    して10重量%以下とし、得られるアルカリ土類金
    属置換A型ゼオライトをその水性スラリーのPHが
    8.5〜10になるように酸で中和処理することを特
    徴とする樹脂添加剤用アルカリ土類金属置換A型
    ゼオライトの製造方法。 4 酸がCO2ガスである特許請求の範囲第3項記
    載の樹脂添加剤用アルカリ土類金属置換A型ゼオ
    ライトの製造方法。
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