JPS61176478A - 高純度フエライト系ステンレスクラツド鋼材の溶接方法 - Google Patents
高純度フエライト系ステンレスクラツド鋼材の溶接方法Info
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- JPS61176478A JPS61176478A JP1716085A JP1716085A JPS61176478A JP S61176478 A JPS61176478 A JP S61176478A JP 1716085 A JP1716085 A JP 1716085A JP 1716085 A JP1716085 A JP 1716085A JP S61176478 A JPS61176478 A JP S61176478A
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- welded
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」
本発明は、耐食性および機械的特性に優れるように高純
度フェライト系ステンレスクラッド鋼材を溶接できる方
法に関する。
度フェライト系ステンレスクラッド鋼材を溶接できる方
法に関する。
「従来技術」
化学プラント等には、種々の材料を合せ材としたクラッ
ド鋼が多数使用されているが、中でも、オーステナイト
系ステンレスクラッド鋼は、優れた耐食性をもつが故に
、最も広く使用される材料となっている。しかし、本ク
ラッド鋼は、塩化物環境下において、応力腐食割れを発
生する危険性を有しており、このような環境下では、従
来、高Ni系合金あるいはT1材を合せ材としたクラッ
ド鋼が使用されている。しかし、これらの材料は、高価
であることから、より低廉で、かつ、高耐食性を有する
材料の開発が望まれていた。
ド鋼が多数使用されているが、中でも、オーステナイト
系ステンレスクラッド鋼は、優れた耐食性をもつが故に
、最も広く使用される材料となっている。しかし、本ク
ラッド鋼は、塩化物環境下において、応力腐食割れを発
生する危険性を有しており、このような環境下では、従
来、高Ni系合金あるいはT1材を合せ材としたクラッ
ド鋼が使用されている。しかし、これらの材料は、高価
であることから、より低廉で、かつ、高耐食性を有する
材料の開発が望まれていた。
そこで近年、この要求を受け、C(炭素)、N膣素)等
の不純物元素量の低減化によって、耐食性を著しく改善
した高純度フェライト系ステンレス鋼が開発され、実際
に使用されるようになった。
の不純物元素量の低減化によって、耐食性を著しく改善
した高純度フェライト系ステンレス鋼が開発され、実際
に使用されるようになった。
なお、本鋼材の使用方法としても厚板構造物に対しては
、経済性の面からクラッド鋼として用いる方向へとより
拡大してい(可能性がある。そして、現状では、この稲
の高純度フェライト系ステンレスクラッド鋼材を溶接す
るには、従来、チタンクラッド鋼材の溶接に用いられて
いる当板を用いた溶接法によらざるを得ない。すなわち
、第2図に示すように、母材1の片面に接合されている
高純度フェライト系ステンレス板2と同材質の当て板3
との溶接には、母材1ど5しを溶接した後、高純度フェ
ライト系ステンレス鋼のスペーサ3aで空間を埋め、そ
の後母材1に小孔2aをあげ、母材表面側4からアルゴ
ンガスを流入させ当て板3をチタン板2に溶接していた
。なお、前記手段を採用して溶接を行うのは、本鋼材に
おいては溶接部裏面を大気から保護することが必要であ
り、小孔2aを介してアルゴンガスを溶製部裏面まで至
らせるためである。
、経済性の面からクラッド鋼として用いる方向へとより
拡大してい(可能性がある。そして、現状では、この稲
の高純度フェライト系ステンレスクラッド鋼材を溶接す
るには、従来、チタンクラッド鋼材の溶接に用いられて
いる当板を用いた溶接法によらざるを得ない。すなわち
、第2図に示すように、母材1の片面に接合されている
高純度フェライト系ステンレス板2と同材質の当て板3
との溶接には、母材1ど5しを溶接した後、高純度フェ
ライト系ステンレス鋼のスペーサ3aで空間を埋め、そ
の後母材1に小孔2aをあげ、母材表面側4からアルゴ
ンガスを流入させ当て板3をチタン板2に溶接していた
。なお、前記手段を採用して溶接を行うのは、本鋼材に
おいては溶接部裏面を大気から保護することが必要であ
り、小孔2aを介してアルゴンガスを溶製部裏面まで至
らせるためである。
「発明が解決しようとする問題点」
前記高純度フェライト系ステンレスクラッド鋼材の従来
の溶接方法にあっては、小孔21Lの形成や当て板3の
設置等、複雑な製作工程を要し、更に溶接部に応力集中
部を形成してしまう問題がある上に、溶接部の検査にお
いて最も信頼性の高う放射線透過試験は第2図中の高純
度フェライト系ステンレス板と当て板との溶接部である
すみ自溶接部に対しては一般には適用することができず
、本溶接部に対する検査方法は液体浸進探傷試験に限定
されていることから品質管理上問題がある。
の溶接方法にあっては、小孔21Lの形成や当て板3の
設置等、複雑な製作工程を要し、更に溶接部に応力集中
部を形成してしまう問題がある上に、溶接部の検査にお
いて最も信頼性の高う放射線透過試験は第2図中の高純
度フェライト系ステンレス板と当て板との溶接部である
すみ自溶接部に対しては一般には適用することができず
、本溶接部に対する検査方法は液体浸進探傷試験に限定
されていることから品質管理上問題がある。
なお、高純度フェライト系ステンレスクラッド鋼板どう
しを直接、肉盛溶接によって溶接するならば、より高品
質の溶接構造を得る可能性がある。
しを直接、肉盛溶接によって溶接するならば、より高品
質の溶接構造を得る可能性がある。
この場合には、炭素鋼製の母材どうじを肉盛り溶接し、
その溶接部の上で高純度フェライト系ステ・ンレス鋼ど
うしを肉盛り溶接して仕上げることになるのであるが、
肉盛溶接を行った場合には、高純度フェライト系ステン
レス板よりもC含有率の高い炭素鋼母材から、Cが溶接
中に、ステンレス鋼どうしの溶接部分にピックアップさ
れ、この部分のC含有量が増加して、機械的特性、特に
、曲げ特性の著しい劣化を生じてしまう問題がある。
その溶接部の上で高純度フェライト系ステ・ンレス鋼ど
うしを肉盛り溶接して仕上げることになるのであるが、
肉盛溶接を行った場合には、高純度フェライト系ステン
レス板よりもC含有率の高い炭素鋼母材から、Cが溶接
中に、ステンレス鋼どうしの溶接部分にピックアップさ
れ、この部分のC含有量が増加して、機械的特性、特に
、曲げ特性の著しい劣化を生じてしまう問題がある。
そしてこの曲げ特性の劣化現象は、溶接のままの状態で
は勿論のこと、各種規格および仕様で定められる溶接後
の熱処理を行った肉盛り溶接部において特に顕著になっ
てしま5傾向にある。
は勿論のこと、各種規格および仕様で定められる溶接後
の熱処理を行った肉盛り溶接部において特に顕著になっ
てしま5傾向にある。
「発明の目的」
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、溶接
のままの状態では勿論、溶接後の熱処理を経た場合であ
っても、良好な機械的特性と耐食性とを兼ね備えた肉盛
り溶接部を得ることができる溶接方法を提供することを
目的とする。
のままの状態では勿論、溶接後の熱処理を経た場合であ
っても、良好な機械的特性と耐食性とを兼ね備えた肉盛
り溶接部を得ることができる溶接方法を提供することを
目的とする。
r問題点を解決するための手段」
本発明は、高純度フェライト系ステンレス鋼材を合せ材
に用いたクラッド鋼材に対して、CCLO1%以下、N
α025%以下を含有するオーステナイト系ステンレ
ス鋼からなる下盛り溶加棒を用いて母材を溶接し、その
上層を、前記合せ材と同等の組成を有する高純度フェラ
イト系ステンレス鋼からなる上盛り溶加棒を用いて合せ
材の溶接を行うものである。
に用いたクラッド鋼材に対して、CCLO1%以下、N
α025%以下を含有するオーステナイト系ステンレ
ス鋼からなる下盛り溶加棒を用いて母材を溶接し、その
上層を、前記合せ材と同等の組成を有する高純度フェラ
イト系ステンレス鋼からなる上盛り溶加棒を用いて合せ
材の溶接を行うものである。
「作用」
母材を溶接する溶加棒に、低炭素かつ低窒素のものを使
用することによって、合せ材どうしの溶接部分へのCや
Nのピックアップを抑制する。
用することによって、合せ材どうしの溶接部分へのCや
Nのピックアップを抑制する。
「実施例」
第1図は本発明方法の一実施例によって施工された高純
度フェライト系ステンレスクラッド鋼(以下単にクラッ
ド鋼と略称する。)の溶接部を示している。このクラッ
ド鋼lOは、炭素鋼からなる板状の母材10Aの一面に
母材10Aより薄(高純度7エライト系ステンレス鋼か
らなる合せ材10Bをクラッドして構成されたものであ
る。前記合せ材10Bは、(:’ 1025%以下、
N0.,025%以下(但しC+N:iはα04%以下
)、Cr16〜32%、MOα5〜4.5%、残部Fe
の組成を有するものである。
度フェライト系ステンレスクラッド鋼(以下単にクラッ
ド鋼と略称する。)の溶接部を示している。このクラッ
ド鋼lOは、炭素鋼からなる板状の母材10Aの一面に
母材10Aより薄(高純度7エライト系ステンレス鋼か
らなる合せ材10Bをクラッドして構成されたものであ
る。前記合せ材10Bは、(:’ 1025%以下、
N0.,025%以下(但しC+N:iはα04%以下
)、Cr16〜32%、MOα5〜4.5%、残部Fe
の組成を有するものである。
前記クラッド鋼10どうじを溶接するには、まず、母材
10Aどうしを母材と同材質の溶接材料で溶接した後、
その上部(12)(図面では1層)を後述する組成のオ
ーステナイト系ステンレス鋼からなる下盛り溶加棒を用
いて溶接する。この溶加棒は、Cr16〜24%、Ni
0〜16%、Cα01%以下、NO,025%以下、残
部Feの組成を有している。
10Aどうしを母材と同材質の溶接材料で溶接した後、
その上部(12)(図面では1層)を後述する組成のオ
ーステナイト系ステンレス鋼からなる下盛り溶加棒を用
いて溶接する。この溶加棒は、Cr16〜24%、Ni
0〜16%、Cα01%以下、NO,025%以下、残
部Feの組成を有している。
下盛り溶接が終了したならば、この下盛り溶接部12の
外面側に合せ材と同材質の高純度フェライト系ステンレ
ス鋼の組成を有する上盛り溶加棒を用いて1つ以上の層
13(図面では2層)になるように肉盛り溶接を行う。
外面側に合せ材と同材質の高純度フェライト系ステンレ
ス鋼の組成を有する上盛り溶加棒を用いて1つ以上の層
13(図面では2層)になるように肉盛り溶接を行う。
以上説明したような溶接方法を実施した場合、下盛り溶
接部12が低炭素かつ低窒素であるために、溶接中に上
盛り溶接部13のCやNの含有率の上昇はほとんど生じ
ない。このため機械的強度および耐食性に優れるととも
に、溶接後に熱処理を施したとしても機械的特性に浸れ
、かつ、耐食性に優れた溶接部を形成できる。したがっ
て本発明方法を実施して溶接されたクラッド鋼は、化学
プラント機器、食品加工機械、熱交換器、温水器用等の
腐食環境での使用に好適である。また、当板を用いた従
来の溶接法に比較して溶接作業が容易になるとともに、
本溶接部は突合せ溶接部であることから放射線透過試験
を製品検査用に導入することが可能になり、これによっ
て溶接部分の品質の安定化をなし得る。
接部12が低炭素かつ低窒素であるために、溶接中に上
盛り溶接部13のCやNの含有率の上昇はほとんど生じ
ない。このため機械的強度および耐食性に優れるととも
に、溶接後に熱処理を施したとしても機械的特性に浸れ
、かつ、耐食性に優れた溶接部を形成できる。したがっ
て本発明方法を実施して溶接されたクラッド鋼は、化学
プラント機器、食品加工機械、熱交換器、温水器用等の
腐食環境での使用に好適である。また、当板を用いた従
来の溶接法に比較して溶接作業が容易になるとともに、
本溶接部は突合せ溶接部であることから放射線透過試験
を製品検査用に導入することが可能になり、これによっ
て溶接部分の品質の安定化をなし得る。
なお、前記した実施例においては、合せ材10BにM
oをα5〜4.5%含有しているが、これは優れた耐食
性を得るためである。
oをα5〜4.5%含有しているが、これは優れた耐食
性を得るためである。
「実験例」
本発明者は、本発明方法による溶接の実施に先立ち、如
何なる製造方法によるクラッド鋼が、本発明方法を適用
するに好適かにつげて先ずζζ第1表に示す組成の検討
を行った。爆着クラッド鋼と圧延クラッド鋼とを製造し
、それらのクラッド鋼の各々について硬度測定を行なっ
た。その結果を第3図と第4図に示す。
何なる製造方法によるクラッド鋼が、本発明方法を適用
するに好適かにつげて先ずζζ第1表に示す組成の検討
を行った。爆着クラッド鋼と圧延クラッド鋼とを製造し
、それらのクラッド鋼の各々について硬度測定を行なっ
た。その結果を第3図と第4図に示す。
第3図によれば、爆着クラッド鋼の場合、母材と合せ材
界面の硬度は、爆発圧接時における塑性変形により上昇
しており、溶接後に行うべき熱処理を実施した後におい
ても、母材から合せ打倒へのCの拡散、すなわち、浸炭
現象により、界面の硬度はさほど低下していない。
界面の硬度は、爆発圧接時における塑性変形により上昇
しており、溶接後に行うべき熱処理を実施した後におい
ても、母材から合せ打倒へのCの拡散、すなわち、浸炭
現象により、界面の硬度はさほど低下していない。
第4図によれば、圧延クラッド鋼の場合、界面部の硬度
上昇は認められず、溶接後に行うべき熱処理を実施した
後において督この傾向に変イビはない0 上記のことから、圧延クラッド鋼の採用により、爆着ク
ラッド鋼で従来問題となっていた、溶接後に行うべき熱
処理を実施した後における界面部の硬度上昇に起因する
剥離等の危険性を低下させることができるとともに、良
好な機械的特性の確保を可能にできることが判明した。
上昇は認められず、溶接後に行うべき熱処理を実施した
後において督この傾向に変イビはない0 上記のことから、圧延クラッド鋼の採用により、爆着ク
ラッド鋼で従来問題となっていた、溶接後に行うべき熱
処理を実施した後における界面部の硬度上昇に起因する
剥離等の危険性を低下させることができるとともに、良
好な機械的特性の確保を可能にできることが判明した。
次に、本発明方法と他の溶接方法によって施工した肉盛
り溶接部の機械的特性について比較検討を行った。とこ
ろで、第1図における母材溶接部11は母材と同材質の
溶接材料を用いて溶接される。この箇所の溶接は炭素鋼
の溶接施工であり、なんら困難な問題はない。問題とな
る箇所は第1図中の合せ材部の溶接すなわち、上盛り溶
接部12、下盛り溶接部13である。そこで、この箇所
の現象をより詳細に検討することを目的として、第2表
に示した炭素鋼板上に、第2表の高純度フェライト系ス
テンレス鋼溶加俸を用いて肉盛り溶接を行った。
り溶接部の機械的特性について比較検討を行った。とこ
ろで、第1図における母材溶接部11は母材と同材質の
溶接材料を用いて溶接される。この箇所の溶接は炭素鋼
の溶接施工であり、なんら困難な問題はない。問題とな
る箇所は第1図中の合せ材部の溶接すなわち、上盛り溶
接部12、下盛り溶接部13である。そこで、この箇所
の現象をより詳細に検討することを目的として、第2表
に示した炭素鋼板上に、第2表の高純度フェライト系ス
テンレス鋼溶加俸を用いて肉盛り溶接を行った。
第6表に示した溶接条件で溶接施工した肉盛り溶接部に
関して、試験温度−20°Cまでの曲げ試験を行った。
関して、試験温度−20°Cまでの曲げ試験を行った。
その結果を第5図に示す。第5図においては、全ての試
験温度範囲で良好な延性が確保されている状況が示され
ている。ところで、クラッド鋼を使用した構造物は、適
用規格、仕様等に従って、溶接後熱処理を義務づけられ
る場合がある。そこで、肉盛り溶接部の機械的特性に対
し、熱処理が如何なる影響を及ぼすかについて検討を行
った。第6図は、第3表の溶接条件により作製した肉盛
り溶凄部に対する熱処理の実施前後における曲げ延性の
変化を示している。これにより同一の溶加棒で作製され
た肉盛り溶接部に対して溶接後熱処理を行った場合には
、その肉盛り溶接部の曲げ延性は急漱に低下することが
わかる。なお、この延性低下の理由は、溶接後熱処理の
実施に伴い、母材中のCがCr炭化物として粒界に析出
することKよって肉盛り溶接部を脆化させたものと考え
られる。
験温度範囲で良好な延性が確保されている状況が示され
ている。ところで、クラッド鋼を使用した構造物は、適
用規格、仕様等に従って、溶接後熱処理を義務づけられ
る場合がある。そこで、肉盛り溶接部の機械的特性に対
し、熱処理が如何なる影響を及ぼすかについて検討を行
った。第6図は、第3表の溶接条件により作製した肉盛
り溶凄部に対する熱処理の実施前後における曲げ延性の
変化を示している。これにより同一の溶加棒で作製され
た肉盛り溶接部に対して溶接後熱処理を行った場合には
、その肉盛り溶接部の曲げ延性は急漱に低下することが
わかる。なお、この延性低下の理由は、溶接後熱処理の
実施に伴い、母材中のCがCr炭化物として粒界に析出
することKよって肉盛り溶接部を脆化させたものと考え
られる。
次に、本発明方法に従い、下盛り溶接用として、第4表
〈示す組成の低炭素オーステナイト系溶加棒を用いて下
盛り溶接を行った後に、その上層を第2表中の高純度フ
ェライト系ステンレス鋼溶加棒によって肉盛り溶接を施
工した。
〈示す組成の低炭素オーステナイト系溶加棒を用いて下
盛り溶接を行った後に、その上層を第2表中の高純度フ
ェライト系ステンレス鋼溶加棒によって肉盛り溶接を施
工した。
なお、本溶接施工に際しても前述したごとく、第1図中
の下盛り溶接部12および上盛り溶接部13の現象をよ
り詳細に検討することを目的として、第2表の炭素鋼板
上に第4表の低炭素オーステナイト系溶加棒および第2
表の高純度フェライト系ステンレス鋼溶加棒を用いて肉
盛り溶接を行っている。その後、種々の試験温度で側曲
げ試験を実施した。その結果を第5表に示す。
の下盛り溶接部12および上盛り溶接部13の現象をよ
り詳細に検討することを目的として、第2表の炭素鋼板
上に第4表の低炭素オーステナイト系溶加棒および第2
表の高純度フェライト系ステンレス鋼溶加棒を用いて肉
盛り溶接を行っている。その後、種々の試験温度で側曲
げ試験を実施した。その結果を第5表に示す。
第5表から、下盛り溶接材として、低炭素オーステナイ
ト系溶加棒を使用することにより、0°Cの試験温度に
おいても良好な曲げ延性を確保できることが判明した。
ト系溶加棒を使用することにより、0°Cの試験温度に
おいても良好な曲げ延性を確保できることが判明した。
これは、溶接時において、下盛り溶接材として使用され
る低炭素、低窒素の溶加棒が炭素鋼母材からピックアッ
プされるC量を効果的に抑制することによるものと思わ
れる。
る低炭素、低窒素の溶加棒が炭素鋼母材からピックアッ
プされるC量を効果的に抑制することによるものと思わ
れる。
なお、上記の場合、下盛り溶接部の積層数は、1〜3層
であり、肉盛り溶接部である高純度50Cr−2M O
鋼溶接部の積層数は2層とした。
であり、肉盛り溶接部である高純度50Cr−2M O
鋼溶接部の積層数は2層とした。
また、第5表から、IFx5. A6. A9の溶加材
の組み合わせのものについては、0°Cにおいても全て
180°まで割れが発生せずに曲が、す、良好な延性を
示したことと、下盛り材に一層しか肉盛り溶接していな
い場合には、人7では室温において割れが発生せずに1
8(1’まで曲ったが、C含有量の高い黒4ではほとん
ど曲げ角度チで割れが発生した。
の組み合わせのものについては、0°Cにおいても全て
180°まで割れが発生せずに曲が、す、良好な延性を
示したことと、下盛り材に一層しか肉盛り溶接していな
い場合には、人7では室温において割れが発生せずに1
8(1’まで曲ったが、C含有量の高い黒4ではほとん
ど曲げ角度チで割れが発生した。
以上の結果より、曲げ延性は下盛り溶接部の層数を増や
すほど、また、下盛り材のC含有量を低くするほど、良
好な曲げ延性を示すことが確認できた。
すほど、また、下盛り材のC含有量を低くするほど、良
好な曲げ延性を示すことが確認できた。
なお、Niを下盛り材として使用した際には、凝固割れ
の発生が見られたため、Niの下盛り材への採用は不適
切であることが判明した。
の発生が見られたため、Niの下盛り材への採用は不適
切であることが判明した。
一方、第4表に示す組成の溶加棒を採用した場合、溶接
金属部中に約250plnのNを含有しており、高純度
フェライト系ステンレス鋼におけるN含有量約100p
fllに比べて非常に高く、Cr炭化物以外にNがCr
窒化物として析出し、これが肉盛溶接部の曲げ延性劣化
を促進すると、予想される。すなわち、曲げ延性確保に
とっては、Nによる悪影響をある程度許答せざるをえな
いため、C含有量をその分著しく減少させることが必要
となる。このためには、積層数を増すことにより、母材
からピックアップするCを低下させなげればならない。
金属部中に約250plnのNを含有しており、高純度
フェライト系ステンレス鋼におけるN含有量約100p
fllに比べて非常に高く、Cr炭化物以外にNがCr
窒化物として析出し、これが肉盛溶接部の曲げ延性劣化
を促進すると、予想される。すなわち、曲げ延性確保に
とっては、Nによる悪影響をある程度許答せざるをえな
いため、C含有量をその分著しく減少させることが必要
となる。このためには、積層数を増すことにより、母材
からピックアップするCを低下させなげればならない。
第7図は、下盛り溶接部の最上層部におけるC含有量と
曲げ特性の関係を示すものである。ここで、下盛り材か
らピックアップされる高純度3゜Cr−2Mo鋼肉盛溶
接部中のNi含有量の相違が曲げ延性に影響することが
考えられるが、本実験の下盛り溶接部最上層のNi含有
量は10.5〜1工3%の範囲内に有り、高純度30C
r−2M。
曲げ特性の関係を示すものである。ここで、下盛り材か
らピックアップされる高純度3゜Cr−2Mo鋼肉盛溶
接部中のNi含有量の相違が曲げ延性に影響することが
考えられるが、本実験の下盛り溶接部最上層のNi含有
量は10.5〜1工3%の範囲内に有り、高純度30C
r−2M。
鋼肉盛溶接部最上層中にピックアップされるNi含有量
にはあまり大きな差はないと考えられる。
にはあまり大きな差はないと考えられる。
従って、このよ5なNifを含む高純度30 Cr−2
Mo;iJi肉盛溶接部では下盛り材板上層のC含有量
をcl、01%以下に押えることにより、曲げ試験温度
0°Cにおいても良好な延性を確保できることがわかる
。一方、市販のオーステナイト系溶加棒にはa025%
程度のNを含有しており、これが肉盛溶接部の曲げ延性
低下の一因であることが予想される。
Mo;iJi肉盛溶接部では下盛り材板上層のC含有量
をcl、01%以下に押えることにより、曲げ試験温度
0°Cにおいても良好な延性を確保できることがわかる
。一方、市販のオーステナイト系溶加棒にはa025%
程度のNを含有しており、これが肉盛溶接部の曲げ延性
低下の一因であることが予想される。
そこで、第6表に示す、C以外にN含有量をも低下させ
た溶加棒を下盛り材として使用した肉盛溶接部を作製し
た。この溶接部に対する側曲げ試験結果を第7表に示す
。なお、この下盛り溶接部最上層のC含有量は0.L0
1%、N含有蓋はα015%であった。
た溶加棒を下盛り材として使用した肉盛溶接部を作製し
た。この溶接部に対する側曲げ試験結果を第7表に示す
。なお、この下盛り溶接部最上層のC含有量は0.L0
1%、N含有蓋はα015%であった。
第7表より、下盛り溶接部に13%程度のNiを含有す
るオーステナイト系溶加棒を甫いる場合、下盛り溶接部
最上層のC含有量をα01%以下、N含有量を1015
%以下にすることにより一10゛Cまでの曲げ試験温度
で良好な延性を有する肉盛溶接部の得られることが明ら
かとなった。
るオーステナイト系溶加棒を甫いる場合、下盛り溶接部
最上層のC含有量をα01%以下、N含有量を1015
%以下にすることにより一10゛Cまでの曲げ試験温度
で良好な延性を有する肉盛溶接部の得られることが明ら
かとなった。
さらに本発明者は、本発明方法を実施して種々のクラッ
ド鋼を溶接し、肉盛り溶接部を形成し、これらに対して
耐食性試験を実施した。試験は、オートクレーブ中にお
いて、塩素イオン濃度80−の下水突成を用い、250
℃、50気圧の環境下で1000時間の浸漬試験を行う
ものとした。
ド鋼を溶接し、肉盛り溶接部を形成し、これらに対して
耐食性試験を実施した。試験は、オートクレーブ中にお
いて、塩素イオン濃度80−の下水突成を用い、250
℃、50気圧の環境下で1000時間の浸漬試験を行う
ものとした。
その結果を第8表に示す。
また、一部の試験片においては、試験片を折曲してオー
トクレーブ装置の中に入れ、応力腐食割れ特性の調査も
行った。
トクレーブ装置の中に入れ、応力腐食割れ特性の調査も
行った。
前記試験の結果では、第8表に示す全面腐食状況と隙間
腐食状況および応力腐食状況のいずれの面においても優
れた特性が得られた。
腐食状況および応力腐食状況のいずれの面においても優
れた特性が得られた。
以上の結果により、本発明方法によって溶接を行なえば
、良好な機械的特性および耐食性を確保できることが明
らかになった。
、良好な機械的特性および耐食性を確保できることが明
らかになった。
「発明の効果」
以上説明したように本発明の方法は、高純度フェライト
系ステンレス鋼材を母材に対する合せ材に使用したクラ
ッド鋼材に対して、Cをα01%以下、Nを1025%
以下、各々含有したオーステナイト系ステンレス鋼から
なる下盛り溶加棒を用いて母材の溶接を行った後、前記
合せ材と同等の組成を有する高純度フェライト系ステン
レス鋼からなる上盛り溶加棒を用いて合せ材の溶接を行
うようにしたので、溶接時に合せ材の溶接部分へピック
アップするCやNの量が概力抑えられ、合せ材の溶接部
分を低炭素化および低窒素化することができるために、
溶接部分の曲げ延性を良好にして機械特性の向上をなし
得るとともに、CやNといった不純物元素が溶接部分で
少なくなるために、耐食性が向上する効果がある。した
がって本発明方法により溶接されたクラッド鋼は、塩化
物環境等の腐食環境におかれる化学プラント用として好
適である。また、肉盛り溶接によってクラッド鋼を接合
できるために、この種のクラッド鋼の溶接手段として、
従来行なわれていた当板を用いた溶接法は行なわなくて
すむようになり、溶接作業の簡略化をなしうる。さらに
、序盛溶接を行うために、溶接継手は突合せ溶接部とな
ることがら溶接部分の検査として放射線透過試験の採用
が可能になり、これによって溶接部分′の品質の安定化
をなしうる。
系ステンレス鋼材を母材に対する合せ材に使用したクラ
ッド鋼材に対して、Cをα01%以下、Nを1025%
以下、各々含有したオーステナイト系ステンレス鋼から
なる下盛り溶加棒を用いて母材の溶接を行った後、前記
合せ材と同等の組成を有する高純度フェライト系ステン
レス鋼からなる上盛り溶加棒を用いて合せ材の溶接を行
うようにしたので、溶接時に合せ材の溶接部分へピック
アップするCやNの量が概力抑えられ、合せ材の溶接部
分を低炭素化および低窒素化することができるために、
溶接部分の曲げ延性を良好にして機械特性の向上をなし
得るとともに、CやNといった不純物元素が溶接部分で
少なくなるために、耐食性が向上する効果がある。した
がって本発明方法により溶接されたクラッド鋼は、塩化
物環境等の腐食環境におかれる化学プラント用として好
適である。また、肉盛り溶接によってクラッド鋼を接合
できるために、この種のクラッド鋼の溶接手段として、
従来行なわれていた当板を用いた溶接法は行なわなくて
すむようになり、溶接作業の簡略化をなしうる。さらに
、序盛溶接を行うために、溶接継手は突合せ溶接部とな
ることがら溶接部分の検査として放射線透過試験の採用
が可能になり、これによって溶接部分′の品質の安定化
をなしうる。
第1図は本発明方法を実施して溶接されたクラッド鋼の
断面図、第2図は従来方法によって溶接されたクラッド
鋼の断面図、第3図は爆着クラッド鋼の硬度測定結果を
示す線図、第4図は圧延クラッド鋼の硬度測定結果を示
す線図、第5図は肉盛溶接部の側曲げ試験結果を示す線
図、第6図は溶接後熱処理の有無による曲げ延性の変化
を示す図、第7図は下盛り溶接部最上層部のC含有量と
曲げ延性との関係を示す線図である。 10・・・・・・高純度フェライト系ステンレスクラッ
ド鋼(クラッド鋼)、10A・・・・・・母材、10B
・・・・・・合せ材、11・・・・・・母材溶接部、1
2・・・・・・下盛り溶接部、13・・・・・・上盛り
溶接部。
断面図、第2図は従来方法によって溶接されたクラッド
鋼の断面図、第3図は爆着クラッド鋼の硬度測定結果を
示す線図、第4図は圧延クラッド鋼の硬度測定結果を示
す線図、第5図は肉盛溶接部の側曲げ試験結果を示す線
図、第6図は溶接後熱処理の有無による曲げ延性の変化
を示す図、第7図は下盛り溶接部最上層部のC含有量と
曲げ延性との関係を示す線図である。 10・・・・・・高純度フェライト系ステンレスクラッ
ド鋼(クラッド鋼)、10A・・・・・・母材、10B
・・・・・・合せ材、11・・・・・・母材溶接部、1
2・・・・・・下盛り溶接部、13・・・・・・上盛り
溶接部。
Claims (2)
- (1)C0.025%(重量%、以下同じ)以下、N0
.025%以下を含有する高純度フェライト系ステンレ
ス鋼材を母材に対する合せ材に使用したクラッド鋼材に
対して母材を母材と同材質の溶接材料により溶接施工し
た後、C0.01%以下、N0.025%以下を含有す
るオーステナイト系ステンレス鋼からなる下盛り溶加棒
を使用して母材溶接部上部を溶接した後、前記合せ材と
同等の組成を有する高純度フェライト系ステンレス鋼か
らなる上盛り溶加棒を用いて合せ材の肉盛り溶接を行う
ことを特徴とする高純度フェライト系ステンレスクラッ
ド鋼材の溶接方法。 - (2)Cr16.0〜32.0%、Mo0.5〜4.5
%、C0.025%以下、N0.025以下(但しC+
N0.04%以下)を含有する高純度フェライト系ステ
ンレス鋼材からなる合せ材を使用するとともに、Cr1
6〜24%、Ni0〜16%、C0.01%以下、N0
.025%以下を含有するオーステナイト系ステンレス
鋼からなる下盛り溶加棒を使用することを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載の高純度フェライト系ステンレ
スクラッド鋼材の溶接方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1716085A JPS61176478A (ja) | 1985-01-31 | 1985-01-31 | 高純度フエライト系ステンレスクラツド鋼材の溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1716085A JPS61176478A (ja) | 1985-01-31 | 1985-01-31 | 高純度フエライト系ステンレスクラツド鋼材の溶接方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61176478A true JPS61176478A (ja) | 1986-08-08 |
JPH0254191B2 JPH0254191B2 (ja) | 1990-11-20 |
Family
ID=11936215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1716085A Granted JPS61176478A (ja) | 1985-01-31 | 1985-01-31 | 高純度フエライト系ステンレスクラツド鋼材の溶接方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61176478A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2618711A1 (fr) * | 1987-07-28 | 1989-02-03 | Voest Alpine Stahl | Procede de fabrication d'une jonction soudee avec une tole plaquee |
-
1985
- 1985-01-31 JP JP1716085A patent/JPS61176478A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2618711A1 (fr) * | 1987-07-28 | 1989-02-03 | Voest Alpine Stahl | Procede de fabrication d'une jonction soudee avec une tole plaquee |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0254191B2 (ja) | 1990-11-20 |
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