JPS6117196Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、二部材連接形式の戸袋上枠に関し、
殊に前面側の所謂飾り上枠、すなわち基部上枠の
前面に連接する前部上枠の構造に関する。

従来、基部上枠の前面に前部上枠を連設する二
部材連接形式の戸袋上枠は、第１図に示すよう
に、軽量板状の前部上枠１を基部上枠２に取着す
る構造のものであつて、それも前部上枠１の端部
を基部上枠２に重畳させ、当該箇所を上方からビ
ス３止めして固定しているのが一般であつた。か
かる構造の戸袋上枠にあつては、前部上枠１が軽
量板状であるが故に、風雨に煽られて変形しやす
いばかりか、戸袋の屋根として強度的に問題があ
り、しかも、上述したように上方からビス３止め
するので作業性が悪く、また、外部からの美観と
いつた点についての考慮は一般に払われていなか
つた。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、風
雨に煽られても変形しないことは勿論、強度的に
も十分であり、しかも見映えの良い戸袋上枠を提
案せんとするものである。

上記目的を達成すべく本考案は、表面パネルよ
りも屋外側へ張出した段形状の前面飾りを一体形
成した前部上枠を、基部上枠に当接せしめて係止
し、更に、前部上枠を左右方向から左右の妻板に
螺着して構成する戸袋上枠を提供するものであ
る。以下において本考案を図面に示した実施例に
基づいて説明する。

第２図は、本考案に係る戸袋上枠を示す戸袋の
縦断面図で、同図において本考案は、基部上枠２
の前面にかつ表面パネルに前部上枠１を連接する
二部材連接形式の戸袋上枠に用いられるものであ
つて、更に、前部上枠１に段形状の前面飾り４を
形成すると共に、前部上枠１を基部上枠２に当接
係止させ、且つ、前部上枠１を左右の妻板１１，
１１に螺着して構成されるものである。

前部上枠１は、上述したように段形状の前面飾
り４が設けられており、該前面飾り４は表面パネ
ルよりも屋外側へ張出して前部上枠１と一体形成
されている。

したがつて、前部上枠１を基部上枠２に取付け
ると自動的に前面飾り４を形成することができ
る。すなわち、外観上を良好とするために新たに
前面飾り４を取付ける必要はなく、前部上枠１を
取付けるだけで前面飾り４を簡単に形成すること
ができる。さらに、前面飾り４を表面パネルより
も屋外側へ張出した段形状としたので、パネルか
ら外側に突出して装飾効果をより明確に高めるこ
とができる。また、構造強度上の観点から、前部
上枠１は中空状に形成するのが好ましい。本例の
場合、基部上枠２も中空状に形成されている。も
つとも、前部上枠１が中空状のものに限られるこ
とはない。

また、前面飾り４は、その段形状そのものは任
意でよく、また、外部から見える箇所、すなわち
前面部５や垂下片６の表面に適宜の模様を付して
おくことが外観上好ましい。

上記前部上枠１の基部上枠２に対する当接係止
は、両者が共働して行なわれる。すなわち、これ
らの取着状態図たる第３図に示すように、基部上
枠２の前面に、先端を鉤状に屈曲した上部突片７
と、Ｌ字状の下部突片８とを一体形成し、他方、
前部上枠１には、上部突片７に適合する形状の上
部係止部９と、下部突片８に嵌合する下部係止片
１０とを一体形成しておくものであつて、両上枠
１，２を当接係止した場合に、両上枠の上面１
ａ，２ａが同一面位置となるべく上記突片７，８
係止部９及び係止片１０の相対位置決めがなされ
ている。

前記上枠１の下端には、妻板１１，１１との間
で螺着せらるべきビスホール１２が形成されてい
る。このような位置にビスホール１２を設けた場
合は、従来の如き上部螺着のものと異なり、作業
性が向上するものである。また、当該螺着に関し
追け加わえるに、従来は、前部上枠１（第１図参
照）の上下位置を或る程度考慮しつつ非能率的状
態で螺着していたが、本案の場合は、第２・３図
に示すように、基部上枠２に対し前部上枠１を、
その当接面１ｂを基部上枠２の当接面２ｂに接合
せしめつつ下方より宛行い、上下突片７，８に上
部係止部９及び下部係止片１０を係合させるのみ
で前部上枠１の位置合わせは確実になされるの
で、あとは予め穿設した妻板１１のビス用孔（図
示せず）にビス１３を挿通すればこれがビスホー
ル１２に合致することとなり、したがつて前部上
枠１の螺着作業がすこぶる容易になされうるもの
である。

以上説明したように、本考案に係る戸袋上枠
は、前面飾りを形成した前部上枠を基部上枠の上
下二箇所に当接係止させると共に、該前部上枠を
左右の妻板に螺着して枠組みする構成としている
ので、従来形式の戸袋上枠と異なり、風雨に煽ら
れても変形しないのみか強度的にも十分であると
いう効果を有する。しかも本考案によれば、前面
飾りと前部上枠とを一体形成したので、前部上枠
を基部上枠に取付けると自動的に前面飾りを形成
することができ、外観上を良好とすることができ
る効果を有する。すなわち、外観上を良好とする
ために新たに前面飾りを取付ける必要はなく前部
上枠を取付けるだけで前部飾りを簡単に形成する
ことができる。さらに、前面飾りを表面パネルよ
りも屋外側へ張出した段形状としたので、パネル
から外側に突出して装飾効果をより明確に高める
ことができる。

しかも前部上枠と基部上枠の上部係止部は、基
部上枠から係止片を延出してその下方から前部上
枠を係止するように構成してあることから、雨仕
舞がきわめて良好であるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の戸袋上枠を示す戸袋の縦断面
図、第２図は本案戸袋上枠を示す戸袋の縦断面
図、第３図は本案戸袋上枠の取着状態を示す側面
図である。 １……前部上枠、１ａ……上面、１ｂ……当接
面、２……基部上枠、２ａ……上面、２ｂ……当
接面、３，１３……ビス、４……前面飾り、５…
…前面部、６……垂下片、７……上部突片、８…
…下部突片、９……上部係止部、１０……下部係
止片、１１……妻板、１２……ビスホール。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 基部上枠の前面に前部上枠を連設する下記要件
   を備えたことを特徴とする戸袋上枠。 (イ) 基部上枠の前面の上下二箇所で前部上枠を係
   止する。 (ロ) 上部の係止部は、基部上枠から係止片を延出
   し、該係止片に前部上枠を下方から係止する。 (ハ) 屋外側へ張出した段形状の前面飾りを前部上
   枠と一体形成する。 (ニ) 前部上枠の下面には、左右の妻板とネジ止め
   する溝部を設ける。