JPS6117167Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、引戸をその閉じ状態においてそれに
隣る引戸あるいは固定壁に面一あるいはそれに近
い状態で連ねるために、全閉位置と全閉直前位置
にわたつて戸面に垂直な分方向を有する方向に移
動すべく吊下支持した引戸装置に関する。

上記装置は、引戸でありながら、閉じ状態にお
いて外観が美麗な面一状態に戸を位置させること
ができると共に、下部に戸のガイド溝が無いよう
にして、掃除を容易に行わせることができる等の
利点を備えている。しかし、従来の装置では、戸
が不測に外れないようにするために、引戸に付設
した吊下部材に対する支持板を取外さないと戸が
外れない構成を採用しており、吊下部材の修理や
交換、あるいは、開閉口を大きく開けるために戸
を外す作業が面倒であつた。

本考案は、上記実情に鑑みて、戸の不測な外れ
を確実に防止できながら、吊下げ部材及び戸の着
脱を容易迅速に行えるようにし、しかも、そのた
めの構成を有効利用して、引戸の上下動を効果的
に抑制し、開閉操作を容易かつ引戸の振動を抑え
られるようにする事を目的とする。

次に、例示図により本考案の実施例を説明す
る。

第１図に示すように、下駄箱等の収納箱１の開
閉口を左右一対の横移動自在な引戸２で閉じるよ
うに構成すると共に、閉じ状態において両引戸２
が面一あるいはそれに近い状態になるように構成
してある。

前記引戸２を取付けるに、第２図及び第３図に
示すように、収納箱１に開閉口の上部に位置させ
て溝形成部材３を埋設し、引戸２の上端に連設し
た左右一対の吊下部材４を溝形成部材３内に挿入
した状態で受止める支持板５を収納箱１に取付
け、引戸２を吊下げ支持するように構成してあ
る。前記支持板５は、中央部の第１支持板部分５
ａ、両端部の第２支持板部分５ｂ、第２支持板部
分５ｂにわたる第３支持板部分５ｃ及び、第１及
び第２支持板部分５ａ，５ｂにわたる第４支持板
部分５ｄから成り、第１及び第２支持板部分５
ａ，５ｂの夫々に、屈曲した吊下部材案内用の切
欠６を備えさせると共に、第３支持板部分５ｃと
第１及び第４支持板部分５ａ，５ｄとの間に、切
欠６に連なる吊下部材案内用の間〓７を形成して
ある。前記溝形成部材３は、第１支持板部分５ａ
の切欠６に対応する形状の溝を備えた第１部分３
ａ、第２支持板部分５ｂの切欠６に対応する形状
の溝を備えた第２部分３ｂ、及び、吊下部材案内
用の間〓７に対応する溝を備えた第３部分３ｃか
ら成る。

すなわち、溝形成部材３及び支持板５の作用に
よつて、第５図イに示すように、引戸２が全閉位
置において平面的に並列され、その全閉位置から
第５図ロに示す全閉直前位置への移動に伴つて、
開き操作された引戸２が他方の後方側に移動し、
第５図ハに示すように、全開位置において引戸２
が前後に並列されるように構成してある。

前記第１部材３ａに、一対の経路切換部材８を
支軸９周りで揺動自在に設けて、吊下部材４が確
実に所定の方向に移動するように構成し、また、
第２部材３ｂに、中央部分が溝内に突入するよう
に屈曲した線状あるいは板状のスプリング１０を
両端係止状態で設けて、引戸２を、全閉位置で安
定保持すると共に、全閉位置及び全閉直前位置に
押圧するように構成し、さらには開閉操作に伴つ
て第２部材３ｂとスプリング１０の衝突音が発生
するように構成してある。

前記第１及び第２支持板部分５ａ，５ｂの切欠
６端部夫々に、前記吊下部材４を挿脱するための
大径切欠部分６ａを設けると共に、吊下部材４の
大径切欠部分６ａへの移動を阻止する板状ストツ
パー１１ａ，１１ｂを、前記支持板５の下面側に
位置させて、支軸１２周りで揺動操作自在に前記
第１及び第２部材３ａ，３ｂに設けて、引戸２の
着脱を容易に行えるように構成してある。また、
ストツパー１１ａ，１１ｂを、それに突曲形成し
た凸部１１ａを第１あるいは第２支持板部分３
ａ，３ｂに形成した凹部に嵌入させることによつ
て移動阻止作用位置に安定保持できるように構成
してある。

前記ストツパーのうち第１部材３ａに設けたも
の１１ａに、第４図に示すように、その作用状態
において常時前記支持板５と引戸２の間に位置す
る部分Ａを備えさせて、引戸２の開閉操作に伴う
上下動及び外部振動による振動を抑制すべく構成
してあり、また、ストツパー１１ａ，１１ｂを引
戸２開閉の円滑化のためにナイロン等の滑りやす
いプラスチツクで形成してある。

前記収納箱１の下部に、開閉口の左右中央に位
置させて、第６図及び第７図に示すように、案内
機構１３を設けて、引戸２の前後方向への揺動を
阻止すると共に、引戸２の全閉位置と全閉直前位
置にわたる移動を円滑に行わせるように構成して
ある。

つまり、収納箱１の内底面に面一状に設けた蓋
体１４に、その下面に突設した支軸１５周りで揺
動自在に、左右一対のガイド１６を取付け、引戸
２の下端面に形成した案内溝１７に係合する部分
１６ａを蓋体１４の切欠から上方に突出させ、引
戸２の全閉位置から全閉直前位置にわたる移動に
伴つてガイド１６が揺動されるように構成すると
共に、ガイド１６を案内溝１７に常時係合するよ
うに構成してある。また、一端側を蓋体１４に係
止させた線状あるいは板状のスプリング１８をガ
イドに連設したスプリング受部分１６ｂに作用さ
せて、ガイド１６を揺動両端位置夫々において安
定保持させるように構成し、もつて、引戸２の全
閉位置での固定を確実に行えると共に、引戸２の
閉じ操作に伴う下測なガイド１６揺動を防止でき
るようにしてある。さらに、ガイド１６の係合部
分１６ａを上面視において長方形や楕円形等の細
長い形状に形成し、案内溝１７の大部分を係合部
分１６ａの横巾l₁に近いL₁に形成すると共に、案
内溝１７の端部のうち全閉状態でガイド１６が係
合する側１７ａを、係合部分１６ａの長手方向寸
法l₂に近い直径L₂のほぼ円形状に形成し、引戸２
が全閉位置にある時には係合部分１６ａの長手方
向が案内溝１７の長手方向に交差し、かつ、引戸
２が全閉直前位置にある時には係合部分１６ａの
長手方向が案内溝１７の長手方向に向かうよう
に、ガイド１６の揺動に伴つて係合部１６ａの方
向転換が行われるべく構成し、もつて、引戸２を
開き操作する時にガイド１６にその揺動のための
外力が効率良く作用するようにしてある。

尚、本考案による引戸装置は、建物のドアや間
仕切等の各種用途に適用でき、また、引戸２を固
定壁に対して面一状になると共に重なるように構
成してもよい。

また、引戸２の全閉位置と全閉直前位置にわた
る移動方向は自由に設計変更でき、要するに戸面
に垂直な分方向を有する方向に移動させるように
構成してあればよい。

また、吊下部材４及び板状ストツパー１１ａ，
１１ｂの具体的構造は自由に変更でき、さらに、
引戸２の吊下げ支持構造も各種変更自在である。

以上要するに、本考案は、冒記引戸装置におい
て、前記引戸２に連設した吊下部材４を挿脱する
大径切欠部分６ａを、前記吊下部材４に対する支
持板５に、それに形成した吊下部材案内用の切欠
６に連通する状態で形成し、前記吊下部材４の大
径切欠部分６ａへの移動を阻止する板状ストツパ
ー１１ａ，１１ｂを、作用状態と非作用状態とに
切換操作自在に前記支持板５の下面側に設け、前
記ストツパーの一部１１ａに、その作用状態にお
いて常時前記支持板５と引戸２の間に位置する部
分Ａを備えさせてある事を特徴とする。

すなわち、ストツパー１１を作用状態にしてお
けば、引戸２が不測に外れることを確実に防止で
き、ストツパー１１を非作用状態にすれば、引戸
２及び吊下部材４を、大径切欠部分６ａを利用し
て、一体的に着脱でき、その結果、吊下部材４の
修理や交換、あるいは、引戸２の着脱を極めて容
易かつ迅速に行えるようになつた。

その上、板状ストツパー１１ａを支持板５の下
面側に位置させて、そのストツパー１１ａの一部
分Ａを常に支持板５と引戸２の間に位置させるか
ら、引戸２と支持板５との間のクリアランスの割
に、引戸２の開閉に伴う上下動を抑制できて、開
閉操作を円滑に行え、かつ、外部振動による引戸
２の上下振動も抑制できるようになつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る引戸装置の実施例を示し、
第１図は収納箱の斜視図、第２図は引戸上部構造
の分解斜視図、第３図は溝形成部材の一部省略水
平断面図、第４図は要部の平面図、第５図イない
しハは引戸開閉状態を示す説明図、第６図は引戸
下部構造の一部省略平面図、第７図は引戸下部構
造の縦断面図である。 ２……引戸、４……吊下部材、５……支持板、
６……切欠、６ａ……大径切欠部分、１１ａ，１
１ｂ……ストツパー、Ａ……ストツパー部分。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引戸２を、全閉位置と全閉直前位置にわたつて
   戸面に垂直な分方向を有する方向に移動すべく吊
   下支持した引戸装置であつて、前記引戸２に連設
   した吊下部材４を挿脱する大径切欠部分６ａを、
   前記吊下部材４に対する支持板５に、それに形成
   した吊下部材案内用の切欠６に連通する状態で形
   成し、前記吊下部材４の大径切欠部分６ａへの移
   動を阻止する板状ストツパー１１ａ，１１ｂを、
   使用状態と非作用状態とに切換操作自在に前記支
   持板５の下面側に設け、前記ストツパーの一部１
   １ａに、その作用状態において常時前記支持板５
   と引戸２の間に位置する部分Ａを備えさせてある
   事を特徴とする引戸装置。